林田力 だまし売りのない世界へ

マンション問題や警察不祥事、書籍や漫画の書評など。書籍『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』著者。マンションだまし売り被害者。東急不動産消費者契約法違反訴訟原告。みんなの未来(あした)を守る会代表。江東住まい研究所長。マンションだまし売りや迷惑勧誘電話、貧困ビジネス、危険ドラッグのない世界を目指します。 http://www.hayariki.net さいたま市の話題は林田力@さいたま市桜区ブログ

 林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』(ロゴス社)は東急不動産(販売代理・東急リバブル)から不利益事実を隠して問題物件をだまし売りされた消費者(=原告)が消費者契約法に基づき売買契約を取り消し、裁判(東急不動産消費者契約法違反訴訟、東京地裁平成18年8月30日判決、平成17年(ワ)3018号)で売買代金を取り戻した闘いの記録。

FJネクスト・ガーラ・グランディ木場問題
http://hayariki.x10.mx/
東急不動産で買ってはいけない 被害者が語る「騙し売り」の手口
http://www.mynewsjapan.com/reports/1101

2018年03月

笑点の大喜利

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3月25日の笑点の大喜利は「それじゃ駄目じゃん」のお題でした。このお題に合わせるならば以下になります。利益を告げるが不利益告げず、それじゃ駄目じゃん東急不動産。東急リバブル東急不動産の消費者に対する無知は謙虚も謙遜も決して育てません。


ケンタッキーフライドチキン東陽町店でサクサク骨なしケンタッキー芳醇チーズ味を食べました。骨なしむね肉は玉ねぎとコンソメで味付けし、パルメザンチーズとゴーダチーズをきかせました。サンドも、とろーりチーズチキンサンドがあります。

佼成病院裁判上告結果

いつも林田の医療裁判のご支援有難うございます。
最高裁上告も頑張ってきましたが、2018年2月1日付で最高裁より棄却・不受理の通知がきました。余りに早すぎる通知に驚いています。
判例時報2018年1月11日号に本件地裁判決が掲載されました。どうしようもない判決ですが、世間の話題になることはいいことだと思います。
また、本年3月には、厚労省より「人生の最終段階(今までは終末期と言っていた)の医療のガイドライン」が改訂される発表がありました。「法的には、家族には代行する権限がない」のですが、事実上今まで問題にならなかっただけのことでした。
改定には、「患者の病状は、その時々で違うのだから病状に応じて家族達と協議する必要がある」等、家族の参加が盛り込まれるようです。
内心改定を楽しみにしていたのですが、改定発表前に早々と不受理の門前払いされました。
私としては、これで終わりにしないようにする予定です。
自分の死に方を他者が決めることは許されないです。
「患者の権利をまもる活動」は続きますので引き続きご支援をお願いいたします。
よろしくお願いします。

清澄庭園の寒緋桜

清澄庭園は東京都江東区にある都立公園・都指定名勝です。泉水、築山、枯山水を主体にした回遊式林泉庭園です。江戸時代には豪商・紀ノ国屋文左衛門の屋敷がありました。明治時代になって岩崎彌太郎が社員の慰安や貴賓を招待する場所として深川親睦園を造成しました。関東大震災や東京大空襲では住民の避難所となりました。
この清澄庭園の一部が児童公園になっています。その名も清澄庭園児童公園部分です。広場があり、ボール遊びができます。カラフルな遊具もあります。奥には江東区立深川図書館があります。清澄庭園児童公園部分は清澄庭園の一区画ですが、ほとんど独立しています。写真家の林田真季さんは「清澄白河ガイド」で「こじんまりした公園が好き」と書いています。2018年3月29日には寒緋桜が咲いていました。

東急田園都市線ケーブル破損で停電

東急田園都市線の池尻大橋・駒沢大学駅間で2017年11月15日午前5時35分頃に停電が発生した。原因は変電所から電車への送電ケーブルの樹脂製絶縁体が溶け、鉄製の架台に通電してショートしたこと。ショートしたケーブルは2009年に設置し、5年に1度の精密点検を来月に控えていた。この事故で田園都市線は渋谷駅から二子玉川駅で計155本が運休し、12万6000人に影響が出た。
復旧に4時間半近くも要した。発生場所の特定に3時間余りを要したために復旧が遅れた。池尻大橋駅で客が「火花を見た」と駅員に伝えたことが特定につながったが、この情報はすぐに共有されなかった(「田園都市線停電、12万人影響=トラブル続発、「点検見直す」−東急」時事通信2017年11月15日)。
東急田園都市線では2016年4月から30分以上の輸送障害が9件発生している(酒井祥宏「停電原因はケーブル破損で通電・ショート」毎日新聞2017年11月15日)。その後の東急電鉄の緊急点検で、送電ケーブルやチューブなどに281カ所の傷が見つかった。そのほとんどが設置したときに付いた傷だと説明している。「40年にわたり施工時の傷を見極められなかった東急電鉄に問題がある」(「JR西日本、東急電鉄の事故から私たちが学ぶこと」ITmedia 2017年12月22日)
田園都市線は故障やトラブルが多い。定時で運行されている日の方が珍しいのではないか。いつ乗ってもすし詰めで不快であり、乗りたくない路線である。沿線のマンション建設ばかり進める東急に鉄道事業者の資格はあるか。東急はとにかく金を渋る。ケチ急と言われている。地下は地上とも高架ともトンネルとも異なる特殊な環境である。東急電鉄の点検能力で大丈夫だろうか。

東急大井町線の有料座席と6020系の迷走

東急大井町線の新型車両6020系は迷走している。大井町線では有料座席指定サービスを導入する。既に他の私鉄でも導入されており、阪急電鉄のビジネスモデルのパクリとして出発した東急電鉄らしい。そのこと自体は結構であるが、そのために折角編成した新型車両6020系を入れ替えることになる。

大井町線では3月28日から、6020系の7両の2編成が運行を開始する。一方、冬からの有料座席指定サービスではロングシートにも転換できるクロスシート(40席)を7両編成中1両に設置する。このため、有料座席指定サービス開始時には既に完成している編成から1編成につき1両を抜き出し、クロスシート車両に入れ替える。完成したばかりの6020系の編成から早くも2両が離脱させる(草町義和「東急大井町線の新型6020系、早くも「更新」へ 「着席サービス」対応で」乗りものニュース2018年3月27日)。

東急電鉄は6020系の報道発表で、一般人の写真を無断使用していた(日本海賊TV『金八アゴラ』「東急電鉄が一般人の写真を無断使用」2017年10月18日)。6020系は不運な車両になりそうである。

東急電鉄の迷走は田園都市線でも見られる。田園都市線では乗降時の混雑を軽減するために6ドア車両を一部導入していた。しかし、4ドア車両と6ドア車両を連結した編成ではホームドアの設置が難しいことから、6ドア車両を順次4ドア車両へ置き換ることにした(日本海賊TV『金八アゴラ』「東急電鉄の事故続発」2016年6月26日)。

Riki Hayashida, Tokyu Land Deception, Koto House Laboratory 2018/3/25
https://www.amazon.co.jp/dp/B07BQ25DX5
埼玉県警巡査を乳児虐待で逮捕
http://blog.livedoor.jp/hayariki2/archives/2077101.html
さいたま市桜環境センター
http://hayachiro.take-uma.net/Entry/46/
3月21日の『金八アゴラ』お休みの代わりに林田力TV第11回「佼成病院過労死遺族への渡邉美樹ブラック質問」日本海賊TV 2018年3月20日を公開します。
https://www.youtube.com/watch?v=VZmlnurHFdQ
林田力『少女マンガ研究』江東住まい研究所、2018年3月20日
https://www.amazon.co.jp/dp/B07BLQZ2HD/

東急電鉄の中期3カ年経営計画は不明確

東京急行電鉄(東急電鉄)が2018年3月27日に発表した中期3カ年経営計画は前提が不明確と疑問視されている。「東京急行電鉄(9005):3.5%安の1667円。27日午後に会社側が公表した2021年3月期までの中期3カ年経営計画について、野村証券では会社計画の生活サービス事業の利益予想の伸びが高く、前提が不明なことから慎重にみていると指摘」(Noriko Tsutsumi「【個別銘柄】半導体関連売り、東急やスルガ銀安い、ニトリHDは上昇」Bloomberg 2018年3月28日)

中期3カ年経営計画は「Make the Sustainable Growth」(持続的な成長を目指して)をスローガンとする。Sustainable(持続可能)は現代的意義のあるキーワードであるが、Growth(成長)にかかっているために自社利益の持続しか関心がないのかとも思える。東急不動産消費者契約法違反訴訟(東急不動産だまし売り裁判)に見られた東急の消費者を犠牲にする体質は変わらないのではないか。

東急田園都市線では停電や発煙などトラブルが相次いだ。この対策が中期3カ年経営計画では注目される。田園都市線の用賀駅(東京都世田谷区)で上り線と下り線をつなぐ線路(渡り線)を増強する。渡り線は折り返し運転を行うためのものである。用賀駅の二子玉川寄りには上り線(渋谷方面)の列車を下り線(中央林間方面)に移す渡り線がある。新たに下り線の列車を上り線に移す渡り線を整備する(草町義和「東急田園都市線で「渡り線」追加 トラブル発生時の折り返し運転を強化」乗りものニュース2018年3月28日)。

これによってトラブル発生時に折り返し運転できる列車の本数を増やせるが、今後もトラブルの続発を前提にしていると見える。用賀駅で下り線を上り線に折り返せるということは、用賀駅より先を切り離すことになる。郊外に住み、都心に遠距離通勤するスタイルを推奨しないということであろうか。東急電鉄は時差Bizライナーの試行でも近距離客と遠距離客の分離を試行している(日本海賊TV『金八アゴラ』「東急田園都市線「時差Bizライナー」は開発優先の終焉」2017年7月21日)。

錯乱

池波正太郎『錯乱』は真田信之が藩祖の信州松代十万石のお家騒動を描く。親子二代の隠密の人生が描かれる。隠密という人生は大変である。泰平の時代になったと言っても油断すれば取り潰されてしまう大名家と幕府の緊張関係も描かれる。狐と狸の化かし合い、高度な頭脳戦が展開され、どんでん返しもある。21世紀人が『DEATH NOTE』のような作品に知的興奮を覚えることと同じように昭和のエンタメだったのだろう。

本書で取り上げられた松代藩お家騒動は史実である。第2代藩主の真田信政は幼少の幸道を後継に指名した。これに対して分家の沼田藩主・信利が本家相続を訴えた。真田信之には二人の妻がいて、それぞれに息子がいた。NHK大河ドラマ『真田丸』では綺麗にまとめられた感があったが、お家騒動の火種は残っていた。恐るべき点は90歳を越えた真田信之が存命であったことである。これによって物語は落ち着くところで落ち着く。

本書は直木賞受賞作であり、著者にとって初期の作品に属する。本書に現れている真田家への関心が後の大作『真田太平記』につながる。『真田太平記』では真田信之が重視されたが、本書を出発点と考えれば納得できる。

昌幸のような優秀な領主に信之のような優秀な長男がいることは一般的には結構なこととなるが、戦国時代には問題になり得る。昌幸の立場では危なげのない信之よりも、危なっかしさのある信繁の方が可愛く映る様である。戦国武将には父を追放し、長男を死に追い込んだ武田信玄の例がある。築山殿事件も織田信長の横槍ではなく、権力一元化のために徳川家康主導で行われたとの説がある。真田家が信之と昌幸・幸村に分かれたことは悲劇であるが、同じ陣営に属した方が、より凄惨な悲劇になったかもしれない。

消費者契約法

落合誠一 『消費者契約法』(有斐閣、2001年)は消費者契約法の解説書である。消費者契約法は消費者契約について包括的な民事ルールを定めた画期的な法律である。著者は国民生活審議会消費者政策部会長として消費者契約法の立法に関与した人物である。
私は消費者契約法第4条第2項の不利益事実の不告知によってマンション売買契約を取り消した経験がある。不利益事実不告知は、業者が商品の利益となる事実を告げながら、不利益事実を説明しなかった場合に契約を取り消すことを認める。東急不動産はマンション販売時に「眺望・採光が良好」など環境面の良さをアピールポイントとしながら、隣が作業所に建て替えるという不利益事実を説明しなかった(林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』ロゴス社)。
このために不利益事実の不告知に関心があるが、本書には興味深い主張がある。不利益事実の不告知は、事業者が不利益事実を知っていて故意に説明しなかったことが要件になっている。東急不動産だまし売り裁判では裁判を起こす前に東急リバブル東急不動産に文書で質問し、東急不動産が隣地建て替えを知っていたことを文書として保持していた。このために故意は当然に認められたが、他の消費者トラブルでは故意の立証がネックになることが多い。
この点について本書は重過失も含めるべきと主張する。「利益となる事実のみを告げて重要事項につき不利益な事実を告げない事業者の行為は、行為として極めて悪質であり、こうした場合にこそ消費者被害の救済が特に求められていること、また消費者による事業者の故意の立証は一般に困難であること、規定の趣旨目的から重過失を故意と同等に扱う解釈は可能であること、さらには消費者契約法の立法目的等を総合的に考慮すれば、本要件は故意のみに限定されるものではなく、むしろ重過失の場合も含むと解すべきではないだろうか。」(84頁)
不利益事実の不告知は不利益事実を告げなかっただけでなく、利益となる事実を告げたことが要件になっている。東急不動産だまし売り裁判で言えば、「眺望・採光が良好」と宣伝しながら、隣地建て替えで日照がなくなることを説明しなかったことが問題である。業者としては「眺望・採光が良好」と宣伝する以上、それが妨げられる要素がないことも一通り調査した上でなければならない。そうでなければ「眺望・採光が良好」の宣伝文句が裏付けられたものではなくなる。それ故に故意だけでなく、重過失の場合も含むことは正当である。
「利益となる事実のみを告げて重要事項につき不利益な事実を告げない事業者の行為は、行為として極めて悪質」という著者の価値判断も東急不動産だまし売り被害者として強く支持する。悪徳業者には「嘘は言っていない」と言い訳する傾向があるためである。不利益事実を説明しないことを悪質とする価値観は悪徳業者に対抗できる。

江東区有明でコンテンツ東京2018

江東区有明の東京ビッグサイトで「コンテンツ東京2018」が2018年4月4日(水)から6日(金)まで開催されます。日本最大のコンテンツビジネス総合展です。主催はリード エグジビション ジャパン株式会社。
「世界を魅了するアニメーション・VR」の基調講演を4月4日12時半から2時まで行います。ザ・ウォルト・ディズニー・カンパニーのJeff Gordonテレビアニメーション ディレクターが「世界でもっとも愛されるキャラクターのTVアニメーション制作」を語ります。
ピクサー・アニメーション・スタジオのMarc Sondheimerプロデューサーが「ディズニー・ピクサーが描くVR体験」を語ります。「リメンバー・ミーVR」のプロデューサーです。

埼玉県警巡査を乳児虐待で逮捕

埼玉県警熊谷署地域課の生井力巡査が乳児虐待の傷害容疑で逮捕された。生井力巡査は2018年3月22日昼頃、さいたま市北区宮原町の自宅で生後3カ月の長女を揺さぶり、脳内出血と眼底出血など重態を負わせたとされる。子どもは泣くことが仕事である。子は親を選べない。乳児は激しく揺さぶられると、首の筋肉が未発達なために脳が衝撃を受けやすい。未必の故意の殺人になるのではないか。

埼玉県警熊谷署巡査は「泣きやまないことから感情が噴出し、10回程度揺さぶった」と供述しているという。「感情が噴出」とあり、自分の感情をコントロールすることができないのだろう。感情失禁するタイプと類似性があるのではないか。埼玉県警巡査の育ち方が駄目なのだろう。考える力が無さ過ぎる。辛抱や寛容さに欠けている警察官が増えていると感じる。

意識不明の重体だった長女は3月25日午後8時20分頃に搬送先の病院で死亡した(「傷害で逮捕の熊谷署巡査の長女が死亡/埼玉県」テレビ埼玉2018年3月26日)。県警捜査1課は傷害致死容疑に切り替えて捜査する方針(三股智子「<傷害>25歳警官が虐待 生後3カ月の長女死亡」毎日新聞2018年3月26日)。時事通信では「傷害致死容疑も視野に捜査する」となっている(「重体の3カ月長女死亡=巡査による揺さぶり事件―埼玉県警」時事通信2018年3月26日)。

鏡は横にひび割れて

アガサ・クリスティ『鏡は横にひび割れて』はミスマープル物の推理小説である。タイトルは詩的である。実際にテニスンの詩に因む。「鏡は横にひび割れぬ「ああ、呪いはわが身に」と、シャロット姫は叫べり」
女優のパーティーで殺人事件が起きる。
ある行為が他人を傷つけ、他人を犠牲にしてしまう恐ろしさが描かれる。自分にはプラスでも相手にはマイナスというゼロサムゲームやトレードオフの観念を持たないために始末が悪い。現代日本でも他人に負担を押し付け、他人が頑張って何とかすることが良いとする特殊日本的精神論が生き辛くしている。
特に病気を押して頑張ることを美徳とする風潮は、日本こそ深刻である。東急ハンズの公式Twitterがインフルエンザに勇気とメンタルで立ち向かうと呟いて炎上した(林田力『東急ハンズ問題』アマゾンKindle)。インフルエンザでも社員を休ませない。精神論丸出しのブラック企業体質である。本書の動機は東急ハンズのようなブラック企業体質への怒りと重なる。
テレビ朝日で現代日本を舞台に翻案したドラマ『大女優殺人事件』が3月25日に放送された。テニスンの詩は日本人に馴染みが薄いためにタイトルを変えたと思われたが、ドラマにもテニスンの詩は原作通り登場した。大女優殺人事件は二夜連続ドラマの一つである。もう一つのパディントン発4時50分はパディントン駅は出てこないのに原作のままのタイトルである。これを踏まえれば、こちらも原作のままのタイトルで良かったのではないか。一つの事件よりも、女優の人生を強調したかったのだろうか。

銀河英雄伝説 3 雌伏篇

田中芳樹『銀河英雄伝説 3 雌伏篇』(創元SF文庫、2007年)ではヤン・ウェンリーが査問会に召喚されてしまう。査問会の手口は卑怯である。そこには権力の厭らしさが現れている。このような国家には1mmでも協力したくない。同盟はヤンに協力を求める資格がない。協力することは公平に反する。

査問会の大きな欺瞞は民主主義を声高に叫ぶ人々によって進められていることである。昭和の日本の左翼も総括や査問会が好きであった。民主主義だけでは多数派の圧制は防げない。

自由惑星同盟を専制国家の対照と見た場合、「自由」を国家名に冠している割に個人の自由を尊重する意識が欠けている。銀河帝国と自由惑星同盟は真逆の国家というよりも、皇帝専制国家と民主主義を標榜する軍国主義国家という専制国家の似た者同士になるのではないか。

専制国家の逆は民主主義国家よりも人権尊重国家になるのではないか。近代憲法で最も重要なものは人権保障である。それは近代憲法が権利章典から出発していることが示している。国民主権(民主主義)は人権保障のための手段であって目的ではない。

自由惑星同盟が査問会ごっこに興じている間にイゼルローン要塞に銀河帝国軍が襲来する。ここで使われた移動要塞は軍事革命を起こしても不思議ではない技術である。20世紀の戦争は移動する大砲(戦車)や飛行場(空母)が大きく変えた。それと同じ変化を起こすのではないか。帝国軍は後の同盟侵攻で兵站面で苦労しているが、移動要塞で侵攻したならば苦労は軽減できただろう。

ラインハルトにとってガイエスブルク要塞は忌まわしい思い出の地である。スペース・デブリになることを望んでいたとも思われる。また、ラインハルトは艦隊指揮官として成功してきた人物であり、移動要塞による軍事革命となると物語の性質が変わってしまう。一方でラインハルトは艦隊指揮官で終わっていない。後にシャーテンブルグ要塞(影の城)やドライ・グロスアドミラルスブルク要塞(三元帥の城)を建造し、要塞を首都防衛の要としている。移動要塞の軍事的価値に気付いても不思議ではない。
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