宮部みゆき『ソロモンの偽証』文庫版2巻は次々と事件が起きる。本書がヤンキー三人組よりも深い闇があることを言いたいことは分かる。転落死した生徒もヤンキーに殺されるような存在ではないと評されている。それでもヤンキーは十分に悪質である。ヤンキーに怒りを覚える。ヤンキーが野放しになっている状況で、より深い闇を論じても虚しい。
恐ろしい記述として、ヤンキーが薬局で買った薬を依存性ドラッグとして使用する話がある(76頁)。21世紀の危険ドラッグを先取りしている。というよりも、バブル時代のヤンキーが21世紀になって危険ドラッグの売人になっているという現実がある。
校長の対応は校長視点では誠実なものに描かれる。しかし、遺族の視点では事実を隠す不誠実なものになる。これは不幸な行き違いなのだろうか。校長は最後には自分の中に事なかれ主義と保身があったことを認める。