自民党の渡邉美樹(渡辺美樹)参議院議員が2018年3月13日の予算委員会の公聴会で、公述人の立正佼成会附属佼成病院過労死遺族にブラック質問を行い、謝罪を余儀なくされた。公述人は中原のり子・東京過労死を考える家族の会代表で、立正佼成会附属佼成病院の小児科医の夫を過労自殺で亡くしている。
渡邉氏は遺族に対して以下のように発言した。「働くことが悪いことであるかのような議論に聞こえてきます。お話を聞いていますと、週休7日が人間にとって幸せなのかと聞こえてきます」。
渡邉氏が創業した和民では女性社員が過労自殺している。渡辺氏は「24時間365日死ぬまで働け」を掲げ、社員を過労死させた張本人である。渡辺氏らしいブラックな質問である。ブラック企業経営者精神は変わっていない。議員としての資質に疑問を感じる。
中原氏は16日に記者会見し、「週休7日がいいと言ったことはない。国会で遺族の思いをねじ曲げることは看過できない」と批判した。その後、渡辺氏の事務所を訪問し、発言の撤回と謝罪を求めた。
渡邉氏は「皆さんを傷つけることになり申し訳ありませんでした」と謝罪した(神足俊輔「<渡辺美樹議員>「週休7日幸せか」発言、過労死遺族に謝罪」毎日新聞2018年3月16日)。しかし、発言の撤回については「党の問題になり、個人では謝罪しかできない」と突っぱねた。公聴会で質問に立ったのは、自民党からの指示だったと話したという(村上晃一「過労死遺族に「週休7日が幸せ?」 ワタミ渡辺氏が謝罪」朝日新聞2018年3月16日)。最終的に発言を撤回し、謝罪した(「渡邉議員に過労死遺族が抗議、「週休7日が幸せか」発言を撤回」TBS 2017年3月16日)。

私は昭和的な集団主義がブラック企業の背景にあると考えている。このために労働法制の規制緩和も労働者の選択肢を増やすことになるならば否定しない。逆に昭和的な働き方を守るために反対する立場とはギャップを感じる。しかし、以下の主張があることも考えなければならない。
「ブラック企業との批判を受けたワタミの創業者である渡辺氏が、高度プロフェッショナル制度(=高プロ)について、「この制度を望んでいる方もいらっしゃるわけですから」といって持ち上げていることで、逆に同制度が労働者にとって危険な制度であることを力強く物語ってくれてもいます」(佐々木亮「過労死遺族にワタミ渡辺氏を質問者に選ぶという自民党からのメッセージ」Yahoo!ニュース2018年3月18日)
実際のところ、ワタミは「語らい処 坐・和民」三軒茶屋駅前店の食中毒事故で都合の悪い事実を隠す隠蔽工作を行っている。これは宅建業法違反で業務停止処分を受けたゼロゼロ物件業者と同レベルなものであった(林田力『ブラック企業・ブラック士業』「渡邉美樹とゼロゼロ物件の隠蔽体質」)。渡邉氏は新しいタイプの経営者というよりも、都合の悪い事実を隠蔽する醜い昭和的な経営者と位置付けるべきだろう。このように考えれば、渡邉氏の目指す改革は社畜の量産を目指す昭和的なものであり、時代に逆行するものと見ることもできる。
ブラック企業研究
林田力
江東住まい研究所
2018-03-18



林田力「都知事選出馬の渡辺美樹・ワタミ会長の経営の評価」PJニュース2011年2月21日
http://www.hayariki.net/10/8.htm

林田力です。3月14日の日本海賊TV『金八アゴラ』はお休みしました。代わりに番組で複数回にわたり、取り上げている佼成病院事件を英語で発信します。
Ubasute: Abandoning Japanese Old People
https://youtu.be/uJRp44kIqo8
佼成病院裁判と介護
林田力
江東住まい研究所
2017-12-01