たーし『ドンケツ 25巻』(ヤングキングコミックス、2018年)は半グレ・ヤンキーへの反撃の続きである。前巻ではロケマサ、速水、ゲンコらが十五夜組のアジトに怒りのカチコミを開始した。

ヤクザは反社会的勢力であるが、一般人に害悪をもたらす半グレ・ヤンキーをヤクザが叩きのめすことはカタルシスである。「暴走族や愚連隊のような社会に迷惑をかける集団をヤクザが叩きのめすことは勧善ではないとしても、懲悪のカタルシスがある」(林田力「『白竜LEGEND』第19巻、愚連隊は敵役としても力不足」リアルライブ2011年10月27日)。しかし、本書はカタルシスを通り越してヤクザの恐ろしさを印象付けるものになった。

半グレ・ヤンキーの配下を潰し、中ボスとラスボスを残すのみとなった。少年バトル漫画ならば、ここからが長い戦いになる。それまで以上に長い話になる作品も珍しくない。ところが、本書は呆気ない。半グレ・ヤンキーは群れなければ弱虫という実態を描いている。

さらにラスボスにヤクザの怖さを自省させ、彼らの悲惨な生い立ちまで描く。戦う前からヤクザにビビっている。違法薬物を収益源とする半グレ・ヤンキーを叩きのめすことは単純なカタルシスになる筈であるが、半グレ・ヤンキーに同情する読者が出てしまうかもしれない。それがヤクザを主人公とした漫画を描く作者の意図するものなのか。桃は落とし前をつけなければ筋は通らない。半グレ・ヤンキーに温情は不要である。話のまとめ方が気になるところである。