尾田栄一郎『ONE PIECE 2』(集英社、1998年)は、道化のバギー率いるバギー海賊団との対決である。ルフィは海賊狩りのゾロを仲間にして航海を続ける。その途中の港町はバギー海賊団に占領されていた。

人が大切にしているものをあっさりと奪い、壊す海賊への怒りが共感できる。これは現実社会の半グレ・ヤンキー、貧困ビジネス、危険ドラッグ売人などと重ね合わせることができる。

海賊専門の泥棒ナミは海賊を激しく憎んでいる。後の話を読んだ上で改めて読み返すとナミの憎しみが痛いほど理解できる。この時点から話の骨格ができていたのだろう。緻密な作品である。

バギーは後の話ではユーモラスな存在に成り下がったが、ここでは非道極まりない悪役である。バギーは破壊力のある大砲を持っている。自分の力だけではなく、道具を使う。アクション漫画には自分の力が全てという傾向があるが、バギーは現実社会の感覚に近い。自分の力だけに頼らない点は、後の海賊派遣組織バギーズデリバリーとも重なる。