尾田栄一郎『ONE PIECE 3』(集英社、1998年)は道化のバギーとの対決の続き、ガイモンの話、ウソップの話である。サブタイトルは「偽れぬもの」。ルフィとゾロが表紙に描かれる。

バギーは悪魔の実の能力者であった。能力者同士の戦いは面白さがある。赤髪海賊団もバギーも悪魔の実を食べることはカナヅチになるデメリットが大きいと考えている。バギーは誤って悪魔の実を食べてしまった設定である。しかし、その後の話には海賊にも海兵にも悪魔の実の能力者は多数出てきており、悪魔の実を忌避する様子はない。黒ひげティーチは白ひげ海賊団の最大のタブー「仲間殺し」を犯して悪魔の実を得た。ゴールド・ロジャーの海賊団には悪魔の実を嫌う独特な文化があるのだろうか。

中盤のガイモンの話は面白い。著者がバトルだけでなく、不思議な世界を描く豊かな想像力を持っていることを示している。ここでのルフィの言動に味がある。バギー一味との戦いでの番犬シュシュの話と同じく、ルフィの人間性に惹かれる。

後半はウソップが登場する。バギーは、あからさまな侵略者であった。これに対して百計のクロは騙す存在である。マンションだまし売り被害者としては、こちらの方が許せない(林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』ロゴス社)。卑劣な行為を許せないという感情が高ぶる。バギーは再登場しても、クロは再登場しない。この違いが反映されているのだろうか。