大阪府内の男性(75)と妻が、府警と大阪地検による不十分な捜査や裁判所の誤判で精神的な損害を受けたとして、国と府に計約1億4000万円の賠償を求めた国家賠償訴訟の判決で、大阪地裁(大島雅弘裁判長)は2019年1月8日、請求をすべて棄却した。6年余り拘束された男性は判決後の記者会見で「何も反省しておらず、許せない」と失望をあらわにした。再審無罪が確定して約2800万円の刑事補償も受けたが、「汚名を着せられて多くの友人も仕事も失い、元に戻れるわけがない」と訴えた。男性側代理人の後藤貞人弁護士は「検察が無罪の可能性を検証せずに起訴しても過失はないとする、ひどい判決だ」と批判した(「「友人も仕事も失った、戻れない」強姦冤罪の男性の失望」朝日新聞2019年1月8日)。
「誤判防止の観点からは、率直に裁判所の非を認めた上で、なぜ警察・検察ともども女性らの嘘を見抜けなかったのか、男性を「シロ」にする方向の捜査や審理がどの程度行われたのか、徹底した検証を行う必要がある」(前田恒彦「性的被害を受けたというウソの証言で約6年も身柄拘束 人が人を裁く刑事裁判の怖さ」Yahoo!ニュース2019年1月8日)
これで責任一切なしならば国賠訴訟が何のためにあるのか、存在意義を問われる。裁判官は公務員としての連帯意識があるのか。これだけ身内に甘い判断をするならば誰も司法を信頼しなくなる。
この冤罪事件は、新宿署痴漢冤罪自殺事件と、ほぼ同時期である。私は新宿署痴漢冤罪裁判に以下のコメントを寄せたが、この判決にも当てはまる。
「この裁判で警察の決めつけ捜査が浮き彫りになりました。そして、それをごまかそう、なかったことにしようという工作が明らかになった。裁判所は行政に寄り添って国民の声に耳を傾けない。消費者が企業を訴える場合も同じ構図です。弱者の声に耳を傾けない裁判官が法律を扱うから、血の通わない判決になるのです」(上田眞実「新宿署、痴漢冤罪めぐる証拠隠蔽・改竄工作が発覚…違法捜査受けた男性は直後に死亡」ビジネスジャーナル2016年3月30日)
http://www.hayariki.net/enzai.html
enzai