藤田和日郎『双亡亭壊すべし 3』(小学館)は双亡亭破壊作戦の続きである。双亡亭に突入した霊能者達は自らの肖像画に取り込まれてしまう。取り込まれた人々はトラウマに抉られていく。
凧葉務が主人公らしい活躍をしている。作者の男性主人公は力押しタイプのイメージが強いが、そうではないタイプのキャラクターである。凧葉務は特別な能力を持っておらず、ストーリーテラーと思っていた。『からくりサーカス』でも守られるばかりの少年が後に活躍している。
双亡亭の謎が少し明らかになる。双亡亭だけの問題ではなかった。実は建設業者が古い屋敷を解体しようとして、居住者の思いに阻まれて返り討ちに遭う展開は開発反対の立場から小気味よい。最終的に敗北してしまうが、『平成狸合戦ぽんぽこ』も同じテーマであった。
これが異星人の侵略的な要素ならば面白味がなくなる。むしろ壊さなければならない理由が分からない。封印する方が良いのではないか。現状では破壊しようとして逆に被害を出している。土建国家の救い難い業を感じる。