宮下英樹『センゴク一統記 7』は、山崎の合戦の後半である。羽柴秀吉の発奮が民衆である兵士のうねりになり、明智光秀軍を圧倒する。ベタな展開である。やる気で何とかなるならば昭和の精神論根性論と同じであり、苦労はない。
民衆のうねりは秀吉も制御できなくなる。これは良いが、秀吉の政治は検地に刀狩と民衆の管理を志向しており、民衆のうねりと秀吉の組み合わせはピンと来ない。
兵力で劣る光秀は十字砲火ポイントの殺し間を設けていた。ところが、前に前に進む秀吉軍によって迎撃が間に合わなくなった。これも興醒めである。これが成り立つならば大日本帝国陸軍の万歳突撃も有用な戦術になってしまう。
落ち延びる光秀の前に天台宗の僧侶が現れる。光秀が天海になる説を採るのかと思ってしまった。
山崎の合戦の後は清洲会議になる。市と浅井三姉妹が登場する。初と江は女童である。本作品の女童は出雲阿国も仙石権兵衛の娘も皆、同じ顔に見える。目力があり、ただ者でなさを感じる。