大高忍『マギ 6』(小学館、2010年)はウーゴくんの暴走の続き。ジュダルを追い詰めるが、煌帝国の迷宮攻略者が乱入する。表紙は練紅玉と夏黄文。

『マギ』はアラビアンナイト的な世界観であるが、中国風の皇女や従者がアラビアンナイト的な超自然的な力を駆使しているところが不思議な感覚である。しかし、中国が優れた異文化を積極的に取り入れれば、強大化できる。実際、アリペイなどキャッシュレス化は日本の先を進んでいる。

バルバッドはどうしようもない状態である。私利私欲で国民を搾取する。国王を悪の象徴と描いているが、貴族や官僚も自分達の既得権を守るために圧政を支えていると説明している。これは本作品の素晴らしいところである。敵の親玉を倒せば平和になるという単純なものではない。

紙幣の問題も描いている。他国の紙幣に依存することが問題とされるが、自国が発行する場合でも経済を破壊するだろう。現代貨幣理論Modern Monetary Theory; MMTのような魔法の壺や打ち出の小槌に期待する発想に危うさを覚える。「入るを量りて出ずるを制す」の健全性の方が合っている。

中華帝国風の国家が経済的な侵略国家として描かれる。中華人民共和国の一帯一路の債務の罠を予見しているような内容である。先進性のある漫画である。