宮下英樹『センゴク 15』は小谷城攻めに決着がつく。浅井長政の心理を描いている。織田信長と敵対することで戦国大名として生き生きとしたという見方は面白い。

羽柴秀吉は、この戦で一皮むけたと描かれる。天下人になる一歩とまで評される。最後は犠牲を覚悟の力押しであり、微妙である。石山本願寺攻めで無理を避けた佐久間信盛は信長に無能の烙印を押された。この点で小谷城攻めを強行した秀吉が信長に評価されることは筋が通るが、それを客観的な有能さと言えるか。昭和の精神論根性論にならないか。

信長は浅井父子と朝倉義景のドクロを酒宴に出した。NHK大河ドラマ『江 姫たちの戦国』では信長流の敬意の示し方と好意的に解釈した。これに対して本作品は信長の狂気と受け止めさせる。信長をかっこよく描きつつも、何が何でも美化する訳ではない。

本作品の藤堂高虎は脳味噌筋肉的に描かれており、一般的な高虎のイメージとはギャップがある。しかし、本書の最後で学びの旅に出る。これで築城の名人などの高虎のイメージに近付くのだろう。