大久保篤『炎炎ノ消防隊 3』は特殊消防隊同士の戦いが描かれる。思ったよりもあっさりと決着がついた。昨日の敵は今日の友展開は昭和のバトル漫画の定番である。これに対して本作品は昭和のステレオタイプとは似て非なるものである。敵側の人間が寝返った訳ではない。相手側は相手側で独自に人体発火現象の謎を追求していた。

安直な昨日の敵は今日の友展開は萎える。鬼畜と罵った敵国を戦後に同盟国と呼ぶ昭和の非歴史的な日本人体質ならば兎も角、いじめやパワハラの怒りを直視する現代では流行らない(林田力「【コミック】過去の敵への態度に注目『ONE PIECE 第51巻』」ツカサネット新聞2008年9月17日)。

主人公の仲間は、力はあるが馬鹿である。バトル漫画では主人公が単細胞で仲間が頭脳派であることが多い。仲間が主人公以上に馬鹿で夢追い人というパターンはユニークである。

その後も別の特殊消防隊に問題がありそうであることが分かる。ヒーロー的なバトル漫画でありながら、問題の元凶を公務員組織に置くところは現代日本を反映している。