林田力 だまし売りのない世界へ

書籍や漫画の書評、マンション問題や消費者問題、警察不祥事など。書籍『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』著者。マンションだまし売り被害者。東急不動産消費者契約法違反訴訟原告。みんなの未来(あした)を守る会代表。江東住まい研究所長。マンションだまし売りや迷惑勧誘電話、貧困ビジネス、危険ドラッグのない世界を目指します。

 林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』(ロゴス社)は東急不動産(販売代理・東急リバブル)から不利益事実を隠して問題物件をだまし売りされた消費者(=原告)が消費者契約法に基づき売買契約を取り消し、裁判(東急不動産消費者契約法違反訴訟、東京地裁平成18年8月30日判決、平成17年(ワ)3018号)で売買代金を取り戻した闘いの記録。

FJネクスト・ガーラ・グランディ木場問題
http://hayariki.x10.mx/
東急不動産で買ってはいけない 被害者が語る「騙し売り」の手口
http://www.mynewsjapan.com/reports/1101

美容と健康

はたらく細胞BLACK

初嘉屋一生漫画、原田重光原作、清水茜監修『はたらく細胞BLACK』(講談社、2018年)は体内細胞擬人化漫画『はたらく細胞』をブラック労働に置き換えたスピンオフ漫画である。表紙の赤血球と白血球は『はたらく細胞』と男女が逆パターンである。

ブラック企業は社会問題になっている。ブラック企業の周りにはブラック士業なども蠢いている。『はたらく細胞』では細胞達が自発的に楽しく働いているように見えるが、そのような職場環境ばかりかということは誰しも思うことだろう。その意味で好企画である。

本作品の人体はストレスや喫煙などブラックである。このために細胞の労働環境も過酷である。それでもブラック企業という観点では物足りなさがある。ブラック企業の最もブラック企業らしい特徴はパワハラだろう。東急ハンズ過労死事件は長時間労働としては相対的に少ないものの、高額の損害賠償が命じられた。そこにはパワハラの存在が考えられる(林田力『東急ハンズ問題』Amazon Kindle)。

本作品は東急ハンズのパワハラのようなブラック企業らしさが乏しい。大変な状態であるが、皆で頑張って何とかしようという世界である。プロジェクトXや下町ロケットに通じる日本的経営の世界である。それをブラックと受け止めるようになったことは日本社会の成熟だろう。

林田医療裁判が医療過誤原告の会会報に掲載

医療過誤原告の会の会報第40号『悲しみにくじけないで』(2018年7月1日)に林田医療裁判(立正佼成会附属佼成病院裁判)原告の手記が掲載されました(林田悦子「母の望まぬ死」66頁)。「母は終末期でもなければ、人工呼吸器のような延命治療をどうするかの問題でもありません。兄夫婦が拒否したのは、病気を治す為の普通の治療であり、それに担当医師が安易に応じて実行したことを問題としています」(67頁)。
この会報にはノンフィクションライターの北穂さゆりさんの記事「「高齢者差別」という隠れた命題を闘う 林田医療裁判」も掲載されています(68頁)。林田医療裁判を高齢者への過少治療の観点から問題提起しています。
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羊肉酒場悟大

羊肉酒場悟大・佐賀駅前店で羊肉を食べました。最初に味付けジンギスカンのラムロースとマトンロースを食べました。ラムは子羊、マトンは成長した羊の肉です。マトンは牧草の臭みがありますが、ラムは臭みが少なく、肉も柔らかいです。ラムとマトンの間にはホゲットという分類もあります。
肉は網で焼きます。これにより脂が落ち、肉の旨みが凝縮されます。脂のために炎が出ていました。焼いているうちにガスボンベのガスが少なく、途中で切れてしまい、交換しました。
次に特上肩ロース、タンを食べました。特上肩ロースは肉が分厚いです。焼きあがると店員が鋏で切ります。噛み応えがあります。ネギとニンニクが付いています。最後は羊肉餃子を食べました。普通の餃子とは異なる珍しい味でした。店内のモニターには映画『君の名は』が流れていました。
ジンギスカンはモンゴル帝国のジンギスカンに因みますが、モンゴル料理とはかけ離れた日本風にアレンジされた料理です。羊肉酒場悟大は庄やグループの経営です。店舗のテーブルはビールケースを重ねて天板を載せたラフなものです。タレは「秘伝のタレ」と「山本さんのタレ」があります。山本さんは羊肉の仕入先の北海道の「肉の山本」を指します。
佐賀駅前店は佐賀駅南口から中央通りを南に進んだ場所にあります。佐賀と言えば佐賀牛ですが、コスパと相対的なヘルシーさでジンギスカンにしました。肉の値段と味が比例する発想は拝金主義者の浅ましい考えです。食べたいものを食べることが幸福です。

歯はみがいてはいけない

森昭『歯はみがいてはいけない』(講談社、2016年)は歯科医による歯の健康の書籍である。食後の歯磨きや歯磨き粉など既存の常識を否定する大胆な書籍である。世界的には歯磨きは起床前と就寝前に行うものとする。歯磨き粉の普及は歯磨き粉メーカーの営業政策によるものに過ぎない。歯磨き粉で口の中が磨かれたような感覚になるが、それは実際に磨かれたかとは別問題とする。舌回しは私も励行しようと思う。

本書の素晴らしいところは歯科衛生士の役割を高く評価していることである。歯科医が別の職種の歯科衛生士を評価することは中々できることではない。下に見る歯科医が多いだろう。同質性の高い日本は相違を相違として受け止めず、上下関係でしか見られない人間が多い。役割が違うだけということが理解できない。

本書の予防重視や薬漬け医療批判は全ての医療分野に当てはまることである。一方で寝たきりや延命治療についての主張には異論がある。日本で寝たきりが多くなる背景には車椅子生活が不便という環境の貧困があるだろう。銀河英雄伝説では首から下は役に立たないと言われたキャラクターがいた。寝たきりになるような健康状態でも人生の価値を高められるような社会的仕組みを工夫することはできる。

また、延命治療をするかしないかは社会的必要性ではなく、自己決定権の問題である。そこの視点がない治療中止の議論は周りの意向で死なせる政策に陥りかねない。

歯科医が考案 毒出しうがい

照山裕子『歯科医が考案 毒出しうがい』(アスコム)は歯科医が歯の健康法を紹介した書籍である。毒出しうがいは虫歯や歯周病を予防し、口臭や生活習慣病も抑止する。歯磨きよりも効果があると主張する。私も毒出しうがいを励行したい。

歯磨き粉に否定的な点は、森昭『歯はみがいてはいけない』と共通する。日本の医療が治療重視で予防が軽視されているとの指摘も共通する。

毒出しうがいは歯磨きよりも簡単にできる。水があれば良い。本当に良い方法は無駄にお金をかけなくても実現できるものである。但し、毒出しうがいは真面目に行うと、かなり疲れる。歯磨きと異なり、手を使わなくてもできるが、普段使わない口の筋肉を使う。

毒出しうがいがかなり疲れると感じる背景には、これまでの歯磨きが惰性でやっていたという面がある。日本は食後の歯磨きの習慣化を推進してきたが、それは形式主義だったと言えるかもしれない。形式的に行わせて満足という公務員体質は日本社会のあちこちに存在する。無駄な作業が増え、日本社会の生産性が低くなる原因である。

医療過誤原告の会の会員の医療裁判傍聴支援のお願い

立正佼成会附属佼成病院裁判でお世話になっている医療過誤原告の会の会員が提訴した医療裁判の東京高裁判決が2018年7月12日(木)午後1時15分から東京高裁5階511号室で言い渡されます。どなたでも傍聴できます。直接、法廷の傍聴席においで下さい。裁判終了後に交流会を予定しています。
相手方医療法人及び医師らから判決直前の7月6日(金)になって書面が提出され、それに対して、7月10日に会員側が反論書を提出しました。反論書の内容は「金沢大学准教授・小川和宏のブログ」に掲載されています。
https://ameblo.jp/iryouziko/
会員は以下のように指摘します。「控訴審の第1回口頭弁論直前にも、医療側から主張書面が提出され、反論の時間がないまま審理が打ち切られました。それに続いて、判決直前の提出で、反論できないだろうと言わんばかりの酷い行いが実際行われている事実を、知っていたければと思います」

ラムロースとマトンロース

羊肉酒場悟大佐賀駅前店で味付けジンギスカンのラムロースとマトンロースを食べました。ラムは子羊、マトンは成長した羊の肉です。マトンは牧草の臭みがありますが、ラムは臭みが少なく、肉も柔らかいです。ラムとマトンの間にはホゲットという分類もあります。
他には特上肩ロース、タンを食べました。網で焼く点が特徴です。ガスボンベのガスが少なく、途中で切れてしまい、交換しました。最後は羊肉餃子を食べました。普通の餃子とは異なる珍しい味でした。店内のモニターには映画『君の名は』が流れていました。
佐賀と言えば佐賀牛ですが、コスパと相対的なヘルシーさでジンギスカンにしました。値段と味が比例するという類の浅ましい発想はとらず、食べたいものを食べます。

大口病院の点滴中毒死で元看護師を逮捕

大口病院で入院患者を殺害したとして、元看護師が逮捕された事件では「自分が勤務の時に患者が亡くなると家族への説明が面倒だった」が動機とされます(「「家族への説明が面倒」 逮捕された元看護師の女」毎日新聞2018年7月8日)。ここからは立正佼成会附属佼成裁判を想起します。佼成病院では患者に夜間だけ酸素吸入させましたが、立正佼成会の控訴審準備書面は「家族が見守る中で自然死を迎えることができるように、夜間呼吸中枢が過たぬ程度の酸素を供給する管理を行った」と主張しました(4頁)。
この立正佼成会附属佼成裁判と関係する中野相続裁判さいたま地裁(平成30年(ワ)第552号)の第3回口頭弁論が2018年9月14日午後1時30分から、さいたま地方裁判所C棟一階105法廷で開かれます。高齢者医療に関係する社会的意義のある裁判ですので、是非お時間を頂きまして傍聴・取材をお願い致します。
日時:2018年9月14日午後1時30分開始
場所:さいたま地方裁判所C棟一階105法廷
住所:埼玉県さいたま市浦和区高砂3-16-45(埼玉県庁の近くです)
長女には「遺留分がありません」と説明した長男夫婦の代理人弁護士の法律に基づかない杜撰な交渉によって泥沼化した中野相続裁判の第2幕です。長男が母親の経管栄養の流入速度を速め、延命につながる治療を拒否したという高齢者医療のあり方にも関係します。引き続きご支援をお願いいたします。
https://www.facebook.com/events/828455360692029/

0歳から“噛む”で健康長寿

増田純一『Health Dentistry (健口歯科) 0歳から“噛む”で健康長寿』(グレードル、2015年)は歯科医による書籍である。噛むことが健康長寿につながると主張する。患者指導用のDVDが付いている。

寝たきりの入院患者を転院させ、経口摂取を始めたところ、元気になり、退院したというエピソードが紹介される。口から食べることで健康を回復した。これは考えさせられる。現実には高齢患者に対して手間がかかる、誤嚥のリスクを避けるなどの理由で安易に経管栄養などにすること例が多い。

本書の例では中心静脈栄養を続けた患者は危篤状態になった。毎日発熱があり、MRSA感染症で隔離された。MRSAはメチシリン耐性黄色ブドウ球菌で、入院中の患者に発症する院内感染の起炎菌である。患者は敗血症にもなっていた。

これは立正佼成会附属佼成病院裁判(平成26年(ワ)第25447号 損害賠償請求事件)の患者と重なる。この患者は入院直後から経管栄養にされたが、発熱が多く、敗血症になったことは共通する。また、裁判の証人尋問では医師から多剤耐性緑膿菌(multidrug resistance Pseudomonas aeruginosa; MDRP)の院内感染が起きたと証言された(第10回口頭弁論、2016年6月1日、東京地方裁判所610号法廷)。

患者はトイレに行きたいとの意思表示ができており、安易に経管栄養にしたのではないか、食べられるか試すべきであったと遺族は考えている。

桂歌丸さんのご冥福をお祈りします

落語家の桂歌丸さんが2018年7月2日に慢性閉塞性肺疾患のため横浜市内の病院で亡くなりました。歌丸さんはテレビ番組『笑点』の司会者などで親しまれました。謹んで、ご冥福をお祈りします。
歌丸さんは肺炎や呼吸器不全などを患い、入退院を繰り返しましたが、呼吸器をつけた状態で高座に立ち続けました。今日では平穏死や自然死、ピンピンコロリが過度に強調された弊害として、完治が見込めない患者を死に誘導する過少医療が問題になっています。最後まで落語を楽しまれた人生は病気と共存する人々への大きな希望です。

ブラックペアン最終回

テレビドラマ『ブラックペアン』最終回が2018年6月24日に放送された。私のTweetがニュースサイトに取り上げられた。研修医の世良は佐伯教授から「渡海から目を離すな」と言われたが、眠ってしまい、渡海に逃げられてしまった。これに対する私の呟き「世良は見張り役としてポンコツです」が「技術は成長しても、やっぱりマヌケな世良に視聴者からはツッコミが殺到」の一例として紹介された(「意外なラスボスに視聴者怒り&落胆も…『ブラックペアン』謎が明らかに」しらべぇ 2018年6月25日)。
https://sirabee.com/2018/06/25/20161682819/

ブラックペアンのテレビドラマの良いところは、医療過誤を許さないという正義感を前面に出したことである。原作シリーズは医者が著者であり、原因究明に熱心な点は高く評価するが、医者の責任追及に批判的なところもあり、患者サイドとは言えない。失敗した医者に厳しい渡海のスタンスは医療過誤を許さない点で筋が通る。

逆に原作の渡海は、腕は良くても患者への説明に問題があり、そこに学生だった田口公平は反発する。ドラマでは患者への説明という点でも変に気を使って隠さない分、渡海が最も率直である。ドラマでは渡海が完全に主人公である。ドラマが始まる前は二宮が演じるのは原作の渡海のワイルドなイメージを壊すと思ったものであるが、原作以上に存在感を発揮した。

ドラマでは治験コーディネーターの描かれ方が現実離れしていると抗議されたが、医療過誤を許さないという思いの共有者として存在価値があった。病院の部外者が手術を見ることは第三者チェックの点で大きな意味がある。現実は契約を取るために何でもする出入りの業者になりがちで、チェック機能は期待しにくい。そのような現実があるからこそ、現実離れした治験コーディネーターを描く意味がある。

最後の謎は原作に沿ったものであった。きちんと説明せず、秘密にして囲い込んで解決しようという日本の公務員的対応にモヤモヤ感が残る。原作はインフォームド・コンセントが普及していない前世紀を舞台としており、だから許されていた。原作バチスタシリーズでは最後にAIで暴かれて高階権太病院長の命取りになる。20世紀に許されていたことが21世紀では許されないという情報公開や説明責任の進展をうかがえる展開になっている。ところがドラマでは『ブラックペアン』の舞台を現代に置き換えており、そこに無理が出てくる。

『ブラックペアン』続編の『ブレイズメス 1990』『スリジエセンター 1991』は金持ちのための高度医療をテーマとしており、医療ツーリズムが現実化した現代に響くテーマである。しかし、渡海は登場しない。

1型糖尿病をご存知ですか?

宮川高一『1型糖尿病をご存知ですか? 「1型はひとつの個性」といえる社会をめざして』(ミネルヴァ書房、2018年)は1型糖尿病を紹介した書籍である。糖尿病には1型と2型がある。糖分の摂り過ぎなどでなるのは後者である。

1型はウイルス感染などを契機として自己の免疫システムが自己のインスリン分泌細胞を攻撃し、破壊することにより起きる病気である。本人の生活習慣や肥満とは無関係である(16頁)。本書はインスリンを摂取すれば非糖尿病患者と変わらずに生活できるため、1型は一つの個性と主張する。しかし、この点が知られておらず、1型糖尿病患者は社会の偏見などに苦しんでいる。私も本書で1型糖尿病を知った。

本書の特徴は医者の書籍であるが、患者や家族のブログ記事や手記を収録していることである。それによって医者だけの書籍では感じにくい患者や家族の思いを知ることができる。

興味深い患者の取り組みとして、患者をロールプレイングゲームのレベルで呼びあっている。たとえば発症から10年経った患者はレベル10である(144頁)。生き続けようとする意欲が湧いてくる。

怖いところには医者のレベルに大きな差があり、医者によって治療方針が区々なことである。医者でも1型糖尿病を知らない人がいる。戦後の日本は平均レベルに近づけることで対応してきたが、患者側にも多様なニーズがある現在、標準治療の底上げ一辺倒で解決できるかには疑問がある。説明と同意を徹底して患者の選択権を広げることが大切と感じた。

本書の対象は1型糖尿病であるが、その患者本位、患者ファーストの医療姿勢は全ての医療に適用されるべき普遍性を持つ。実際、「結びにかえて」で日本の医療には古い「知らしむべし、よらしむべからず」という家父長的体質が残存しているとしつつ、一番の変化は患者医療者関係であると指摘する(208頁)。本書の精神は他の医療分野でも見習う価値がある。
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