林田力 だまし売りのない世界へ

書籍や漫画の書評、マンション問題や消費者問題、警察不祥事など。書籍『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』著者。マンションだまし売り被害者。東急不動産消費者契約法違反訴訟原告。みんなの未来(あした)を守る会代表。江東住まい研究所長。マンションだまし売りや迷惑勧誘電話、貧困ビジネス、危険ドラッグのない世界を目指します。

 林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』(ロゴス社)は東急不動産(販売代理・東急リバブル)から不利益事実を隠して問題物件をだまし売りされた消費者(=原告)が消費者契約法に基づき売買契約を取り消し、裁判(東急不動産消費者契約法違反訴訟、東京地裁平成18年8月30日判決、平成17年(ワ)3018号)で売買代金を取り戻した闘いの記録。

FJネクスト・ガーラ・グランディ木場問題
http://hayariki.x10.mx/
東急不動産で買ってはいけない 被害者が語る「騙し売り」の手口
http://www.mynewsjapan.com/reports/1101

警察不祥事

和歌山県警巡査が盗撮を注意され傷害

和歌山県警巡査は女性のスカートを盗撮し、盗撮を注意した人に怪我を負わせて傷害容疑で逮捕された。巡査は2018年9月9日、大阪メトロ日本橋駅の階段で女性のスカート内にスマートフォンを差し入れているのを男性に注意され、逃げようとしてもみ合いになった(「駅で盗撮の巡査、注意された男性に路上で馬乗り」読売新聞2018年9月22日)。
午後5時45分頃に大阪市中央区日本橋の路上で注意した男性を転倒させ、馬乗りになり右ひざ打撲など負傷させた疑いがある。殴られた男性は、右ひじや右膝などに全治9日の打撲を負ったという。「男性同士が言い合いをしていて『こらぁ』『お前、やっただろう』などとすごい剣幕だった。そして、殴り合いになり、背格好の大きな男が別の男を転倒させて馬乗りになって、何発か殴って、今度はビルに体を押し付けて殴りかかり、逃走」(「「樋田容疑者逮捕」大阪・繁華街での大捕物に色めき立つも犯人は警官」AERA dot. 2018年9月23日)
巡査は2018年9月22日、大阪府警南署に逮捕された。同署は府迷惑防止条例違反容疑でも調べる(「男性に馬乗り、警官を傷害容疑で逮捕「盗撮がばれた」」朝日新聞2018年9月22日)。重陽の節句にスカートの中を盗撮とはどうしようもない。巡査は2018年4月に県警察学校に入校し、10月1日に配属予定だった。
最初から不純な動機で警察官を志望したのか、それとも警察学校のパワハラ・セクハラ体質の中で壊れたのか。警察学校自体が正義感とは縁遠い人間を養成するシステムと化している。内部でのパワハラやセクハラも多い。上司のご機嫌をとらないと昇任試験の推薦がされないという問題もある。
巡査が盗撮犯を捕まえようとした話ではなく、巡査が盗撮犯の話である。盗撮の警察不祥事は珍しくない。埼玉県警蕨警察署の巡査部長はプールで盗撮したとして、東京都迷惑防止条例違反容疑で逮捕された。埼玉県警の公安2課課長補佐の男性警部はプールで女子高生を盗撮し、書類送検された。数知れない警察不祥事が積み重なり、腐ったごみ溜めのような臭いを放っている。
この事件は和歌山県警の巡査が大阪府という他所の都道府県で盗撮していることも特徴である。埼玉県警蕨警察署の巡査部長は東京都のプールで盗撮した容疑で逮捕された。岐阜県警の巡査長は大阪府のプールで痴漢した容疑で逮捕された。警察不祥事は他所の都道府県で行うようにしているのか。それとも所属する都道府県の警察不祥事は隠蔽されるため、他所の都道府県で起こした警察不祥事が報道される傾向になるのか。
千葉県警教養課の男性巡査部長(29)が栃木県内で露天風呂をのぞき見た容疑もある。巡査部長は2018年9月14日から15日、栃木県日光市湯西川にある温泉旅館の貸し切り露天風呂で、のぞき見した疑いが持たれている。女性客と一緒に風呂を利用していた男性客が気付いて巡査部長を取り押さえ、旅館を通じて栃木県警に通報した(「千葉県警巡査部長をのぞき容疑で聴取 栃木の温泉旅館」千葉日報オンライン2018年9月19日)。
栃木県警今市署は軽犯罪法違反の疑いで巡査部長を任意聴取している。民間人ならば逮捕されている案件ではないか。身内に甘い体質は警察不祥事が続発する要因である。処分が軽過ぎることは、警察不祥事が続発する理由になる。連日のように警察官不祥事が発生している。これが警察官の実態である。

和歌山県警巡査を犯人隠避容疑で事情聴取

和歌山県警の和歌山北警察署の20代の男性巡査は知人の男が起こした交通事故を把握しながら「黙っていてほしい」と頼まれ、見逃したとして事情聴取を受けている。
男性巡査は非番だった2018年8月30日の夜に車で偶然通りかかった和歌山市内の路上でバンパーなどが破損した車を発見した。しかし、運転手が知人の男とわかり「黙っていてほしい」と頼まれ、警察に通報せずに現場から立ち去った。男は無免許で、直前に民家のブロック塀などに衝突する事故を起こしそのまま逃走した。警察は男を道路交通法違反の疑いで逮捕し、巡査についても犯人隠避の疑いで近く書類送検する方針(「「黙っていて」知人の無免許事故見逃し 和歌山県警巡査を犯人隠避容疑で書類送検へ」2018年9月21日)。
この身内や知人には甘い不公正さは体質的な問題として考える必要があるだろう。警視庁交通機動隊の白バイ隊員が警察官の交通違反を見逃していた疑いも報道された。白バイ隊員が2018年1月、東京都立川市の路上で取り締まりをしている際、車線変更が禁止されている場所で違反をした乗用車を確認し、停車させた。
その際、白バイ隊員が運転していた男性に対して、交通違反の切符の交付など必要な手続きを怠った。乗用車を運転していた男性は警視庁の別の交通機動隊に所属する警察官で、取り締まりを受けた際、白バイ隊員に対し、「自分は警察官だ」と伝えたと言う。白バイ隊員には犯人隠避などの疑いがある(「白バイ隊員が同僚の違反見逃しか、犯人隠避の可能性も」TBS 2018年4月4日)。

警察庁セクハラに公務災害

警察庁に勤務する40歳代の女性警視が、元同僚の男性警視のセクハラを受けて精神疾患になったとして、同庁から2017年3月に国家公務員災害補償法に基づく公務災害として認定された。女性警視は認定後の2018年4月、精神的苦痛を受けたとして男性警視に損害賠償を求めて東京地裁に提訴し、現在、審理が行われている。

この訴訟に証拠提出された同庁や人事院の内部文書によると、男性警視は2014年、関西地方の県警から同庁に転任し、女性警視と同じ部署に配置された。その後、女性警視が2015年1月、「セクハラを受けている」と上司に申告。男性警視が女性警視を「ちゃん」付けで呼んだり、酒席や職場で卑わいな言動を繰り返したりしたと主張した。

同庁は調査の結果、同年2月に男性警視によるセクハラがあったと認定。女性警視は同年3月以降、極度のストレスで目まいをおこし、抑うつ状態などと診断されたが、同庁はこれについても「長期間のセクハラで強度の精神的負荷を受けたことが原因」と判断し、人事院と協議の上、公務災害と認めた。

この事件を報道した新聞記事のタイトルは女性を「ちゃん」付けで呼んだことが強調されている(「同僚が女性警視に「ちゃん」付け…公務災害認定」読売新聞2018年9月23日)。これでは「ちゃん」付けで呼ぶとセクハラになるかとの話になるが、それは本質ではない。「酒席や職場で卑わいな言動を繰り返したりした」点が重要である。公務災害認定でも「長期間のセクハラ」としている。

それならば記事の見出しを「同僚が女性警視に「ちゃん」付け」と書くことはミスリーディングになる。ここには報道側の事情が感じられる。「ちゃん」付けしたことは男性警視も認めているが、損害賠償請求訴訟ではセクハラを否定している。ここから、「ちゃん」付けが重要ということではなく、双方が認めていて問題にならないということで、「ちゃん」付けの見出しになったのだろう。

一方で「ちゃん」付けは一般社会ならば問題にならなくても、警察組織では問題という論理は成り立つ。警察は古い日本の縦社会であり、性別、年齢、役職などによる区別が五月蝿い。それが呼称にも反映しており、一般では問題にならない「ちゃん」付けが深刻な嫌がらせになり得る。警察も「さん」に統一すれば差し障りが無くて良い。

警察組織のパワハラ・セクハラ体質は深刻である。大阪府警四條畷署の男性巡査部長のパワハラ自殺でも公務災害が認定された。神奈川県警泉署の男性巡査の拳銃自殺はパワハラが原因として提訴された。人間を塵のように扱う組織である。

佐賀県警巡査が中学生に強制わいせつで逮捕

佐賀県警鹿島署の男性巡査(23)=杵島郡江北町山口=は佐賀県杵島郡内で女子中学生の体を触ったとして強制わいせつ容疑で2018年8月29日に逮捕された。巡査は8月10日に女子中学生に声を掛け、胸を触ったとしている。
巡査は8月2日午後0時50分頃から1時頃までの間にも、杵島郡内の路上で、それぞれ1人で自転車で通行していた女子高校生計3人に車で近づき、車内から中学校の場所を尋ねるふりをして声を掛けた。うち2人に「胸を触らせてほしい」と言い、残り1人は車の窓越しに胸を触った。
県警は中学生に対する容疑で巡査を8月29日に逮捕、30日に送検し、佐賀地裁が31日に釈放を認めた。高校生3人に対するわいせつな行為や言動については、9月11日に県迷惑防止条例違反容疑で追送検した。元巡査は逮捕時に「そのようなことはしていない」と否認したが、その後に認め「若い女性の胸を触りたかった」などと話しているという。
佐賀県警は2018年9月20日、他にも女子高校生に対するわいせつな行為などがあったと発表し、同日付で停職6カ月の懲戒処分にした。巡査は同日付で依願退職した(「中学生に強制わいせつで逮捕の巡査、停職6カ月 佐賀県警処分 女子高生にわいせつ行為も」佐賀新聞2018年9月21日)。相変わらず警察は身内に甘い。保身に走っている。
欲望を抑えられない供述をしている点と性犯罪を繰り返す点は、埼玉県警公安2課課長補佐の男性警部盗撮事件と共通する。警部は「若い女性の水着姿に興味があった。これまでにも何回かプールで盗撮した」と話しているという(「女子高生盗撮の警部を書類送検 勤務中、備品カメラで 埼玉県警」時事通信2010年11月12日)。

愛知県警が22歳男性を誤認逮捕

愛知県警中川署は2018年9月21日、名古屋市中川区の会社員男性(22)を2017年11月に窃盗容疑で誤認逮捕していたと発表した。男性は約34時間、身柄を拘束されていた。中川署は裏付け捜査が不十分だったとして、今月14日に男性に謝罪したという。
防犯カメラの解析や鑑識捜査で男性につながる証拠はなかったが、中川署は転売先の情報を重要視してしまったと説明している。本田俊彦署長は「関係者の皆様と県民に深くおわびする。署員の指導を徹底し再発防止に努める」と陳謝した(駒木智一「<愛知県警>22歳男性を誤認逮捕 窃盗容疑で」毎日新聞2018年9月21日)。
警察不祥事があると、決まりきったように「再発防止に努める」と言うが、情報公開もなく、処分も甘い状態では再発防止どころか再発促進になりかねない。
「間違いが起きたらそれを検証し、少なくとも同じ間違いをしない対策を取るという技術屋の発想を、司法に取り入れることの必要性を訴えたつもりである。それによって、えん罪・誤審・誤判を減らしていくことは可能だと考える」(稲葉光行「日本版司法取引でえん罪は増える?不適切な法科学が用いられる危険性」現代ビジネス2018年9月6日)
不当逮捕して冤罪を作るには、まず市民をモノ扱いしなければならない。相手から人間らしさを奪う。狙った市民を人間から、ただのモノに変える。冤罪事件で警察官が異様なことをしでかす例は幾つも目にしている。冤罪被害者が、どのような扱いを受けるのか、その想像は容易く、まったく楽しいものではなかった。心身共に差別され傷つけられる。不当逮捕は悪趣味かつモラルに欠ける。
不当逮捕に対して「なんと酷いこと」との感想が寄せられた。私は同意するばかりであった。不当逮捕だけでも大問題なのに、それを誤魔化そうと姑息な策まで講じている。市民がさらされている脅威が描き出されるのを見て、心を痛めずにはいられない。冤罪の犠牲者を痛み、警察権力の虚しさに涙を流す。警察国家は危険な道である。しかも、先は袋小路である。汚名で終わるか、もっと汚名で終わるかの違いだけである。
不当逮捕を憎む情熱は本物である。変化をもたらしたい、より良い社会にしたいと考えている。市民は良くないことよりも良いことを望む。不当逮捕は良くないことである。事実を明らかにすることは癒しにつながる。

千葉県警巡査部長をのぞき容疑で聴取

千葉県警教養課の男性巡査部長(29)が栃木県内で露天風呂をのぞき見たとして、同県警今市署が軽犯罪法違反の疑いで巡査部長を任意聴取している。千葉県警によると、巡査部長は2018年9月14日から15日、栃木県日光市湯西川にある温泉旅館の貸し切り露天風呂で、のぞき見した疑いが持たれている。女性客と一緒に風呂を利用していた男性客が気付いて巡査部長を取り押さえ、旅館を通じて栃木県警に通報した(「千葉県警巡査部長をのぞき容疑で聴取 栃木の温泉旅館」千葉日報オンライン2018年9月19日)。

民間人ならば逮捕されている案件ではないか。身内に甘い体質は警察不祥事が続発する要因である。処分が軽過ぎることが警察不祥事が続発する理由である。連日のように警察官不祥事が発生している。これが警察官の実態である。

埼玉県警蕨警察署の巡査部長は東京都のプールで盗撮した容疑で逮捕された。岐阜県警の巡査長は大阪府のプールで痴漢した容疑で逮捕された。警察不祥事は他所の都道府県で行うようにしているのか。それとも所属する都道府県の警察不祥事は隠蔽されるため、他所の都道府県で起こした警察不祥事が報道される傾向になるのか。

親方日の丸の公務員感覚が甘えを生んでいる。民間には通用しない公務員感覚にプレミアムフライデーがある。わざわざ月末の忙しい時期に休めると考える公務員感覚が非常識である。皆が一緒に帰るように国が指図することは自由な働き方ではない。働き方改革に逆行する。プレミアムフライデーが流行らないことは当然である。

『不当逮捕〜築地警察交通取締りの罠』出版記念のつどい

林克明『不当逮捕〜築地警察交通取締りの罠』出版記念のつどいが2018年10月20日(土)に開催されます。駐車違反をめぐる警察官とのささいな口論から、「犯罪者」にでっち上げられた不当逮捕被害者が国賠訴訟で真実を勝ち取りました。
14時から不当逮捕被害者の二本松進さん夫婦の案内で、事件現場のミニツアーを開催します。第1事件現場は、事件そのものが起きた築地市場の市場橋交差点近辺。第2事件現場は、勾留された築地警です。出版記念のつどいは15時から17時まで中央区築地のティンバーズカフェ・ツキジテーブルで開催します。
https://www.facebook.com/events/1943242369087984/
『不当逮捕〜築地警察交通取締りの罠』
https://www.honzuki.jp/book/258641/review/194430/

ヤバい!警察官

一番町警察特捜班『ヤバい!警察官』(宝島社、2016年)は日本の警察官の問題を取り上げた書籍である。警察官の淫行や公然わいせつなど警察不祥事があとを絶たない。大手メディアが報道しない危険な警察官の実態をレポートする。

埼玉県警朝霞署の警察官は被害相談にやってきた女性と不倫関係に陥り、経済的に困窮し、2015年9月に強盗殺人を犯した。同じく埼玉県では2015年に警察官が14歳の家出少女を1カ月以上にわたり、自宅に軟禁し性的暴行を繰り返した。警察官は出会い系アプリで少女を誘い込んだ。書評記事では警察を「悪鬼の巣窟」と形容する(「まるで悪鬼の巣窟! 覚せい剤、裏金、タブーのオンパレード『ヤバい! 警察官』」日刊サイゾー2016年7月24日)。

警察組織の中に不心得者がいるというレベルではない。むしろ警察官の職権を濫用して計画的に実施したものが多い。埼玉県警岩槻署の男性警部補は2010年2月から2014年6月にかけ、「捜査に必要」と偽り、知人女性の個人情報を照会するための書類を携帯電話会社などに提出した。公用端末での不正照会を含め、計10人66件の個人情報を不正取得した。

問題は個人情報の不正取得が埼玉県警のレベルでは是正されないことである。不正取得の発覚は警部補が2014年11月に都内で酒気帯び運転による物損事故を起こしたことがきっかけである。事故の際に車内から不正照会した書類が発見された。埼玉県警は2015年1月23日付で虚偽有印公文書作成・同行使容疑でさいたま地検に書類送検した。

警察官の職権を濫用した個人情報の不正取得は更なる犯罪を生む。埼玉県警川口署地域課の巡査は公用端末で不正に取得した女性の住宅に侵入したとして、住居侵入の現行犯で逮捕された。現金約3万円などを盗んだとして同罪と窃盗罪で2015年1月2日に起訴された(「個人情報不正照会、住居侵入、捜査書類偽造… 埼玉県警、2人免職、1人停職」産経新聞2015年1月24日)。

警察不祥事が続発する理由は、大きく二つ考えられる。警察のパワハラ体質と身内に甘い体質である。厳格な縦社会は民間では考えられない理不尽なパワハラやセクハラ、モラハラを生む。そのようなストレスフルな組織のために性犯罪などに走る警察官が出てくる。また、おかしいことをおかしいと批判できないために組織的な不正やセクハラ体質が温存される。内部で是正されない。

次に警察の身内に甘い隠蔽体質の問題である。警察不祥事では実名報道されない。実名報道の是非は議論すべき問題であるが、問題は一般人との扱いとの不公平である。一般人は実名報道され、警察官の犯罪は匿名報道されることは不公正である。さらに不祥事が原因で職場を去ることになった場合でも、依願退職とされ、税金から退職金が支払われる。さらに警備会社など退職後の後のキャリアが用意される。民間感覚とは程遠い。

個人情報不正照会、住居侵入、捜査書類偽造… 埼玉県警、2人免職、1人停職
https://www.sankei.com/region/news/150124/rgn1501240029-n1.html

不撓不屈

高杉良『不撓不屈』(新潮社)は国家権力の弾圧と断固闘った飯塚毅・税理士の物語である。飯塚は大蔵省キャリア官僚の誤りを指摘し、やり込めた経緯があり、そのために私怨を持たれてしまう。違法性がない行為に対して、脱税指南をしたとして刑事告発された。官僚の横暴や傲慢がこれでもかと描かれる。自分達の面子しか考えない公務員のいやらしさが描かれる。公務員を監視し、公務員倫理の徹底に努めなければならない。

公務員が作文した虚偽内容の文書に捺印を強要するなど弾圧の手口が描かれる。勾留中の被告人の取り調べでは弁護士の悪口の悪口を言い、弁護士と被告人の離間を図る(221頁)。

渡辺美智雄代議士の国会質問では公務員の手口が批判された。「交通事故だって警察官は道路に立ってないで、わざわざ電信柱の陰にみな隠れていて、あれは踏切で一時停止しなかった。あれは何だ、件数は何件あがった」(294頁)。これは現代の交通違反取り締まりも変わっていない。

刑事裁判では検察が調書など証拠物の開示を拒み、弁護側から批判され、裁判が長期化した(340頁)。これも現代の刑事司法の問題につながる。フェアではない。

本書は昭和の東京オリンピックの時代である。戦後昭和の官僚主導経済を成功モデルのように見る向きもいるが、官僚に潰された人々もいただろう。その意味で昭和は良かったとはとても言えない。むしろ官僚主導経済を批判する新自由主義に個人の解放につながる要素がある。飯塚も外資をクライアントとしていた。コンピュータ化を進める点で先進的であった。

飯塚は論語の里仁編の「子曰わく、士、道に志(こころざ)して、悪衣悪食(あくいあくしょく)を恥ずる者は、未(いま)だ与(とも)に議(はか)るに足らず」を好む(123頁)。この悪は悪いという意味ではなく、粗末なという意味である。粗衣粗食の意味である。価格と品質が比例すると考える浅ましい拝金主義の対極にある。

宮城県警警部補が住民を殴り逮捕

宮城県警大和警察署・大衡駐在所に勤務する警部補(40)が面識のない男性の頭を十数回殴り、怪我をさせたとして、傷害の疑いで逮捕された。警部補は2018年9月14日午後11時半頃、酒に酔った状態で仙台市宮城野区の民家の勝手口のドアを叩き続けた。不審に思って出てきた隣の家に住むアルバイトの男性(69)に馬乗りになり顔などを十数回、殴った疑いがある(「【宮城】酒に酔って男性殴る 警察官を逮捕」KHB東日本放送 2018年9月15日)。「ここは俺の土地だ」などと言っていたという。
警部補は逮捕の1時間ほど前まで仙台駅前で大和署の同僚たちと飲み会に参加していた。「午後5時ごろから同署の同僚10人と仙台駅(同市青葉区)付近の居酒屋と国分町のスナックで、ビール、果実酒の水割り、焼酎の水割り数杯を飲み、午後10時半ごろに解散したという」(「「ここは俺の土地だ」 酔って他人殴る 警部補を傷害容疑で逮捕」産経新聞2018年9月15日)。警部補は泥酔していたようである。飲み会に参加した警察官は、そのような状態の警部補をそのまま帰したのだろうか。それは無責任である。これは組織の問題である。

警察官が酒に酔ったからといって、住民を理不尽に傷つける行為は許せるものではない。自分の立場が分っていない警察官が多い。警察官が市民に暴力を振るうことが日常茶飯事になってきている。むしろ昔から多かったが、最近は情報公開が進み、隠蔽できなくなってきたか。退職金が出る依願退職は認めるべきではない。依願退職で退職金を払うとなれば貴重な税金の無駄遣いになる。


長崎県警警視あおり運転
http://blog.livedoor.jp/hayariki2/archives/2087920.html
群馬県嬬恋村強盗事件で警部補を公開指名手配
http://blog.livedoor.jp/hayariki2/archives/2080461.html

和歌山県警巡査が拳銃を落とす

和歌山県警の警備部機動隊の20代の男性巡査が2018年9月14日、和歌山市内を走行中の警察車両から実弾入りの自動式拳銃1丁を路上に落とした。安倍晋三首相らが移動する際の車列を警備中だった。

警察不祥事は問題そのものに加え、隠蔽体質や発表の遅れも問題になる。この事件も同じである。和歌山県警は翌15日午前2時半に記者発表し、公表の遅れを認めて謝罪した(「首相車列警備で拳銃落とす 和歌山県警、公表遅れ認め謝罪」共同通信2018年9月15日)。近くで金物屋を営む男性は朝にニュースを見るまで、状況を知らなかった。「恐ろしい。知らせるのが遅すぎだ」と憤る(「「まさか拳銃とは」住民驚き 和歌山県警発表は6時間後」産経WEST 2018年9月15日)。

県警のコメントはお決まりの遺憾である。「大変申し訳なく、責任を感じております」と言えないのか。警察不祥事や拳銃の問題が相次いでいる(「和歌山の拳銃紛失「拾った住民が善人でなかったら…」 警察、不祥事相次ぐ」産経新聞2018年9月15日)。画一的な拳銃配備に無理が出ているのではないか。

埼玉県警で繰り返し水に沈めて溺死

埼玉県警機動隊「水難救助隊」の新人隊員・佐々木俊一巡査(享年26)が2012年6月29日に朝霞市の機動隊のプールで潜水「訓練」中に溺死した。「水深3メートルのプールの底まで繰り返し力ずくで沈め、動かなくなると引き上げて放置する。殺人、または拷問死というほかない残虐な事件が埼玉県警で起きた」(三宅勝久「裁かれる埼玉県警機動隊の“殺人訓練”――何度もプールに沈め溺死に」週刊金曜日2015年7月24日号)。

「佐々木巡査は、はしごを何度もつかむなど訓練をやめようとしたが、複数の指導員が、佐々木巡査のマスク付近を足で押したり、肩を両手で押したりして水中に戻すことを繰り返したという」(「水難救助訓練の機動隊員水死…何度も水中に戻す」2013年1月17日)。

「Yahoo!知恵袋」では集団リンチ殺人事件、訓練と称したイジメ、拷問、水責めと形容された。警察組織のパワハラ体質は批判されるが、その中でもブラックなパワハラである。根性論とパワハラ全開の組織である。佐々木俊一巡査は気が狂うぐらい苦しかったろう。埼玉県警機動隊は佐々木巡査の人生を摘み取り、踏みにじった。

埼玉県警は安全管理を怠ったとして、指導する立場だった警部ら男性警察官6人を業務上過失致死容疑でさいたま地検に2013年1月17日に書類送検する。取り締まる側が犯罪を犯した場合、この程度で有耶無耶にするのか。

さいたま地裁(栗原正史裁判長)は2016年9月7日、業務上過失致死罪に問われた県警巡査に禁錮1年6月、執行猶予3年(求刑・禁錮1年6月)の有罪判決を言い渡した。栗原裁判長は「(佐々木巡査に)息継ぎの余裕を与えず、繰り返し水に沈めた過失の程度は重い」と述べた(「機動隊員水死 訓練の33歳巡査に有罪判決 さいたま地裁」毎日新聞2016年9月7日)。

弁護側は「責任は被告だけでなく、適切な救命措置を施さなかった部隊全体にもある」と主張していた(「機動隊員水死で巡査有罪 指導の過失認める」産経新聞2016年9月7日)。「Yahoo!知恵袋」では警察が一番恐れる言葉は「責任」と指摘された。誰も自己の責任を認めようとしない。

「機動隊員水死 訓練の33歳巡査に有罪判決 さいたま地裁」毎日新聞2016年9月7日
https://mainichi.jp/articles/20160908/k00/00m/040/048000c
「機動隊員水死で巡査有罪 指導の過失認める」産経新聞2016年9月7日
https://www.sankei.com/affairs/news/160907/afr1609070019-n1.html
これって・・・訓練と称したイジメでは???
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12100421577
おいおい、これ殺人だろ?何が書類送検だ馬鹿
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10100414745
訓練中の死亡事故、埼玉県警機動隊 警部ら書類
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q13100415213
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