林田力 ブログ

書籍や漫画の書評、マンション問題や消費者問題、警察不祥事など。書籍『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』著者。マンションだまし売り被害者。東急不動産消費者契約法違反訴訟原告。みんなの未来(あした)を守る会代表。マンションだまし売りや迷惑勧誘電話、貧困ビジネス、危険ドラッグのない世界を目指します。

 林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』(ロゴス社)は東急不動産(販売代理・東急リバブル)から不利益事実を隠して問題物件をだまし売りされた消費者(=原告)が消費者契約法に基づき売買契約を取り消し、裁判(東急不動産消費者契約法違反訴訟、東京地裁平成18年8月30日判決、平成17年(ワ)3018号)で売買代金を取り戻した闘いの記録。

FJネクスト・ガーラ・グランディ木場問題
http://hayariki.x10.mx/
東急不動産で買ってはいけない 被害者が語る「騙し売り」の手口
http://www.mynewsjapan.com/reports/1101

警察不祥事

黒龍荘の惨劇

岡田秀文『黒龍荘の惨劇』(光文社、2014年)は明治時代の日本を舞台としたミステリー小説である。山縣有朋の別邸であった黒龍荘という広大な邸宅で連続殺人事件が起きる。そこに山縣の影の金庫番の漆原安之丞に恨みを晴らすとの脅迫文が届いたことが発端である。その数日後に漆原は殺されてしまった。

調査依頼を受けた「月輪萬相談所」の探偵・月輪は、かつて伊藤博文邸でともに書生として過ごした杉山潤之助を連れて黒龍荘に住み込む。しかし、警察や月輪らの警戒の効果なく黒龍荘住人の遺体が次々と発見されていく。月輪と杉山がホームズとワトソンに相当するコンビになっている。

興味深い点は探偵の事件への関わり方である。警察に不信感を抱いた漆原家の人々が探偵を依頼したことになっている。警察は安之丞殺害を状況から内部犯と考えていた。このため、警察が見込み捜査で漆原家の誰かを犯人と決め付け、逮捕するのではないかと危機感を抱いた。そこで警察とは別の立場から偏見なく調査できる人として探偵に依頼した。冤罪防止は探偵の重要な仕事である。日本の探偵物では『名探偵コナン』のように警察と仲良しパターンが少なくないが、むしろ緊張関係にある仕事である。

見込み捜査による冤罪作りという日本警察の問題点は明治時代からの伝統になっている。遺族は家族を殺され、ただでさえ大変であるが、警察の冤罪作りへの警戒もしなければならない。明治時代の時点で対応した漆原家は先見性がある。この日本警察への警戒心は21世紀になっても変わらない。埼玉県警草加署刑事課巡査が急死した男性の遺族から死体検案書に費用が必要と偽って約82万円をだまし取った事件が起きた。

「自白」はつくられる 冤罪事件に出会った心理学者

浜田寿美男『「自白」はつくられる 冤罪事件に出会った心理学者』(ミネルヴァ書房、2017年)は日本の警察や検察の自白強要によって冤罪が生まれる実態を明らかにする書籍である。甲山事件、帝銀事件、袴田事件など冤罪が主張されている事件を取り上げる。著者は心理学者として自白の供述鑑定を行ってきた。

市民を閉じ込め、集団で問い詰め、何時間も取調べを続けて自白を強要する。警察官には市民に対して高慢で、下劣で、他罰的な精神性がある。他人が自分に怯える事に快感を覚える病んだ精神がある。警察組織は集団主義という点で左翼過激派の総括ごっこ、査問会ごっこと似た者同士である。

この背景には日本人のハチ公体質がある。「ハチ公は確かに、日本人にとって忠誠心のシンボルなのだろうが、忠誠心に対する行きすぎた信仰は危ない。たとえウソをついたり、自らを滅ぼす可能性があったとしても、その時の「主人」に従う体制を作ってしまうからだ」(レジス・アルノー 「日本人の「ハチ公体質」は、不幸しか招かない 上下関係で成り立つような忠誠心は危険だ」2018年6月3日)

日本の警察の取り調べの常識は欧米から見たら非常識である。日本の刑事司法はグローバルスタンダードから逸脱する。欧米から見ると日本はブラックボックスに映る。説明責任が果たされていない。一体何が起きていて、これからどうなるのか、そして何をしているのかが全く分からない。11月29日は「いいにくいことを言う日」である。この問題を言い続ける上で相応しい日である。違法捜査を拒絶せよ、否定せよ、糾弾せよ。

日産自動車のカルロス・ゴーン氏の逮捕も、欧米から見た非常識を浮き彫りにする。「日本の特捜部は最短でも20日間程度の拘留を目指して、ゴーンを逮捕したといわれており「自白」以外の明白な証拠をきちんと押さえているのか、日産側の主張を鵜呑みにしているのではないかという疑惑も出てくる」(「ゴーン逮捕で想定される最悪の反撃シナリオ」東洋経済オンライン2018年11月28日)

「僕は日弁連や大阪弁護士会が大嫌いだけど、日本の刑事手続が野蛮だということでは一致している。よくイスラムの石打ち刑を野蛮だと言うけれど、日本の密室での取り調べも欧米からしたら超野蛮。先進国では取り調べの時にも必ず弁護士が付く。客観的な証拠がある中でも、自白をとる時は弁護士の立ち会いがないと」(橋下徹「NewsBAR橋下」AbemaTV 2018年11月22日)

警察庁職員の強制性交等容疑と埼玉県警公安のプール盗撮容疑

欲望を抑えられない警察不祥事として警察庁職員の強制性交等容疑と埼玉県警公安のプール盗撮容疑は共通する。埼玉県警の公安2課課長補佐の男性警部はプールで女子高生を盗撮し、書類送検された。男性警部は「若い女性の水着姿に興味があった。これまでにも何回かプールで盗撮した」と話す(「女子高生盗撮の警部を書類送検 勤務中、備品カメラで 埼玉県警」時事通信2010年11月12日)。
関東管区警察局茨城県情報通信部機動通信課に勤務する警察庁職員(44、水戸市平須町)は2018年12月6日、中学生の少女(12)にわいせつな行為をしたとして、強制性交等容疑で逮捕された。6月3日午後、群馬県伊勢崎市内のホテルで、13歳未満と知りながら同県東部に住む少女にわいせつな行為をした疑い。「性的欲求を満たすため」と話し、年齢について「12歳と聞いていたように思う」とも供述しているという(「12歳少女にわいせつ容疑、警察庁職員を逮捕=群馬県警」時事通信2018年12月6日)。旧態依然とした警察組織では心が育たないのか。
欲望を抑えられない供述をしている点と性犯罪を繰り返す点は、佐賀県警巡査の中学生強制わいせつ事件とも重なる。佐賀県警巡査は逮捕時に「そのようなことはしていない」と否認したが、その後に認め「若い女性の胸を触りたかった」などと話しているという。
https://blog.goo.ne.jp/hedo/e/37fd6b39fa19e30d571b4c6052ba8c00

GPS不使用の偽証容疑で警視庁警部らを書類送検

警視庁の男性警部ら4人が捜査でGPS(全地球測位システム)を使用したにもかかわらず、使用を否定した嘘の証言をしたとして2018年11月30日に書類送検された。書類送検されたのは、警視庁第6方面本部所属で当時捜査3課の刑事だった男性警部(51)、捜査3課の男性巡査部長(33)、荏原署の男性巡査部長(29)、上司だった目黒署の男性警視(57)(「「GPS不使用」と偽証容疑=警部ら4人書類送検―警視庁」時事通信2018年11月30日)。

警部らは2014年12月に起きた窃盗事件の捜査で、容疑者の車に裁判所の令状を取らずにGPS端末を取り付けるなどした。ところが公判では使用を否定し、偽証した疑いが持たれている(「捜査でGPS「使っていない」とうそ証言 警視庁捜査員ら書類送検」FNN 2018年12月1日)。刑事が裁判に出廷する前、警部は巡査部長の2人に「使っていないで通せ」と指示したという(「GPS不使用と虚偽証言、警部ら4人を書類送検」TBS 2018年12月1日)。

巡査部長の2人は2016年3月までの公判で、弁護人の質問に同端末を実際は使っていたのに「使っていない」などと偽証した疑い。警視は傍聴して偽証を認識したのに適切に対処しなかった容疑(「GPS不使用と偽証指示容疑、警部を書類送検 停職にも」朝日新聞2018年11月30日)。被告に一審で実刑判決が言い渡された後、捜査員の偽証が明らかになった。

嘘をつくことは警察側の証拠全てに信憑性を無くすことである。最高裁では令状がないGPSを使った捜査は違法との判決が出ている。警察は一般に許されていない強力な権利を許されているだけに警察の人間の都合や解釈で勝手に市民個人の権利やプライベートが丸裸にされてしまうことになる。徹底した情報公開が必要である。

埼玉県警と神奈川県警で捜査書類偽造

埼玉県警と神奈川県警の警察官が捜査書類を偽造し、書類送検された。浦和東警察署(さいたま市緑区)の男性警部(58)は草加署や武南署に所属していた2011年2月から2014年3月にかけ、前任地の岩槻署で未処理だった窃盗事件の捜査書類47通を署外に持ち出した上、5事件6通の捜査書類の作成日などを偽って作成し、刑事課長に提出した。

警部は公用文書等毀棄と虚偽有印公文書作成・同行使容疑で書類送検された。県警は警部を停職6カ月の懲戒処分とし、警部は依願退職した(「個人情報不正照会、住居侵入、捜査書類偽造… 埼玉県警、2人免職、1人停職」産経新聞2015年1月24日)。

神奈川県警川崎署の男性警察官5人は捜索令状の請求に必要な捜査報告書を偽造したとして、虚偽有印公文書作成・同行使容疑で書類送検された(「虚偽報告書作成疑い、警察官6人書類送検 神奈川県警」産経新聞2018年11月30日)。嘘の捜査書類で家宅捜索令状を請求しようとしたとする。

書類送検されたのは川崎署の警部補(35)と29〜35歳の巡査部長2人と巡査長2人。警部補は停職3カ月の懲戒処分を受け、同日付で依願退職した。警部補は「担当する事件で実績を上げたかった。見栄を張りたかった」と容疑を認めている(「うそ書類で家宅捜索しようと…警部補を書類送検」テレビ朝日2018年11月30日)。

5人は銃刀法違反事件の捜査に携わっており、警部補が捜査指揮を執っていた。警部補は部下に対し、事件の関係者が捜索予定場所に出入りしている様子を見ていないにもかかわらず、実際に確認したかのように虚偽の内容を捜査報告書に記載するよう指示していたという。

2018年5月下旬、捜査に携わっていた男性巡査部長(33)から「虚偽の捜査報告書が提出されている」などと上司に報告があったことから発覚。この男性巡査部長も虚偽の捜査報告書を作成しており、虚偽有印公文書作成容疑で書類送検された。また、監督を怠ったとして同署の男性警視(55)と男性警部(41)も本部長注意の処分を受けた。警察官の職務上の犯罪は罪の重さが違う。

熊谷6人殺害国賠訴訟さいたま地裁で第1回口頭弁論

熊谷殺害事件の遺族は埼玉県警が不審者情報を適切に周辺住民に提供しなかったことで妻と娘2人が犠牲になったとして、埼玉県に約6400万円の損害賠償を求める訴訟を2018年9月14日、さいたま地方裁判所に起こした。事件番号は平成30年(ワ)第2193号・国家賠償請求事件。
第1回口頭弁論(石垣陽介裁判長、亀村恵子裁判官、高津戸朱子裁判官)が11月30日に第105法廷で開かれた。整理券・傍聴券が交付された。中野相続裁判さいたま地裁(平成30年(ワ)第552号)の第4回口頭弁論の直後に開かれた。同じ第5民事部合議係でも中野相続裁判とは裁判官の構成が一人異なる。中野相続裁判では亀村恵子裁判官の代わりに工藤正裁判官が入っている。
原告側は、県警の検証報告書などで情報周知に関する県警と市教育委員会の主張に矛盾点があるとして、裁判所を通じて行政機関などに調査を依頼する調査嘱託を申し立てた。熊谷市教委は「(埼玉県警から防災無線の)要請は受けていない」としており、埼玉県警と教委の主張が食い違っている。原告側は、この点を明らかにしたいと、市教委などに意見を求める調査嘱託を申し立てた(「熊谷6人殺害訴訟 第1回口頭弁論 原告側「調査嘱託」申し立て」東京新聞2018年12月1日)。
遺族側は口頭弁論終了後に、さいたま地裁の入口で取材に応じた。原告代理人は調査嘱託を申し立て、異議は出なかったと説明した。請求棄却を求めた県側の対応について以下のように指摘する。「怒りがある。私は家族3人を殺された。県警は今回の事件で命の重さをもっと理解してほしい」「事件の直前直後の事実が分かればいい。県警は真実を包み隠さず話してもらいたい」(「<熊谷6人殺害>妻子3人を殺害された遺族男性、県を提訴 県側、請求棄却求め争う姿勢 遺族が怒り」埼玉新聞2018年12月1日)
「事件前に熊谷署から逃走したことなどを県警が公表しなかったことが、犯罪予防のための警告を定めた警察官職務執行法違反に当たるかが争点となる」(浅野有紀、森雅貴「熊谷6人殺害 国家賠償訴訟 県警の「犯罪予防」争点 きょう第1回口頭弁論」東京新聞2018年11月30日)。
「逃走したことや、被告を全国手配したことなどを防災無線やパトカーによる巡回などで周辺住民に知らせていれば、住民は危険な事件が身に迫っている可能性を把握できたはずで、16日の妻子3人の被害も防げた可能性が高いとしている」(中川友希「<熊谷6人殺害>遺族「不審者情報不十分」 県側、争う姿勢」毎日新聞2018年11月30日)
遺族は「3年経った今も、事件当時の出来事やこれまで家族と過ごした日々を思い出す。1日を過ごすのが辛い。これからも事件を風化させたくはない」と話す(「熊谷6人殺害事件から3年 遺族の男性「事件を風化させたくない」/埼玉県」テレビ埼玉2018年9月16日)。
埼玉県警の対応に落ち度があったとしか思えない。埼玉県警はメンツを優先して住民に教えなかった。埼玉県警が防災無線や防災メール、パトカーの拡声器で対応していれば起らなかっただろう。警察不祥事に際してのコメントは、お決まりの遺憾である。「大変申し訳なく、責任を感じております」と言えないのか。
「「どうして注意喚起しなかったのか」。男性が質問したところ、幹部は「捜査に夢中で忘れていた」と答えたという」(「<熊谷6人殺害>県提訴の男性、事件当時県警と会話「捜査夢中で注意喚起忘れた」…謝罪あれば提訴なかった」埼玉新聞2018年9月14日)。目の前の火を消すことしか考えない日本型組織の悪いところが出ている。チーム全員がボールの飛んだ方向にダッシュしなければ、やる気がないとみなされる2000年前後の下手なサッカーのようなことをしている。
http://saitamashi.blog.jp/archives/12227536.html

寺澤有『本当にワルイのは警察』

寺澤有『本当にワルイのは警察』(宝島SUGOI文庫、2013年)は警察の問題を明らかにした書籍の文庫版である。文庫版の紹介文は「2012年は、神奈川県警での女性警察官へのセクハラ送別会が発覚した後、全国で続々と警察の不祥事が発覚した年だった」で始まる。しかし、2018年も3Qが終わったところであるが、酷いものがある。警察不祥事が相次いでいる。傲慢と緩みがどうしても抑えられないようである。群馬県警の警部補を強盗事件で指名手配されるなど警察不祥事が凶悪化している。

著者はフリーのジャーナリストである。これまでも警察の問題を追及してきた。警察の腐敗を描いた映画『ポチの告白』ではスーパーバイザー・原案協力・出演を務めた。私は2009年1月24日の公開初日の初回上映を鑑賞し、その感想が雑誌『ぴあ』2008年2月19日号37頁に掲載された。

警察不祥事は昔と比べると表に出易くなっただけで、昔から色々あっただろう。公務員天国日本も堕ちるところまで堕ちている。土台が完全に腐りきっていると痛感する。常に疑ってかかる生き方が正解である。

市民は税金の使い方をシビアに見ている。無駄遣いが多い。コスト感覚や納期感覚を持たずに計画を建てている。巨大な警察署は要らない。コンパクトかつコストダウンで、余計なお金をかけないで欲しい。

人件費の問題も公務員が思っている以上に市民はシビアに見ている。残業時間を減らす必要がある。徹底した警察不祥事のオープン化によって警察組織上層部の給料ゴマカシがなくなり、末端の給与も自然と上がるだろう。

警察・刑事司法書評集

警察や刑事司法に関する書籍の書評集。
新聞やテレビ報道で連日に渡り警察の不祥事が明らかにされている。警察の腐敗した実態を知り、呆れ果てる。警察不祥事は氷山の一角に過ぎない。組織内部の不正に見て見ぬふりをする傾向がある。警察官から「警察不祥事を公表したい」との声が出なければ駄目である。不正警官は退場した方が警察組織は健全化して、風通しが良くなる。

【書名】警察・刑事司法書評集/ケイサツケイジシホウショヒョウシュウ/Police and Criminal Justice Book Reviews
【著者】林田力/ハヤシダリキ/Hayashida Riki
【出版社】江東住まい研究所/コウトウスマイケンキュウジョ/Koto House Laboratory

遺言 桶川ストーカー殺人事件の深層
桶川女子大生ストーカー殺人事件
不撓不屈
『白日の鴉』貧困ビジネスと冤罪
99.9-刑事専門弁護士
三度目の殺人
不当逮捕 築地警察交通取締りの罠
誤認逮捕
ポチの告白
「ポチの告白」寺澤有氏が語る
警察庁出入り禁止
『報道されない警察とマスコミの腐敗』警察と報道に共通する問題
本当にワルイのは警察 国家権力の知られざる裏の顔
なぜ警察官の犯罪がなくならないのか
見えない不祥事 北海道の警察官は、ひき逃げしてもクビにならない
北海道警察 日本で一番悪い奴ら
恥さらし 北海道警 悪徳刑事の告白
ヤバい!警察官
日本の警察がダメになった50の事情
警察崩壊 つくられた“正義”の真実
警察捜査の正体
たたかう警官
日本の公安警察
国策捜査 暴走する特捜検察と餌食にされた人たち
司法官僚 裁判所の権力者たち
隠された証拠が冤罪を晴らす
あたりまえの組合活動があぶない
無実の人々とともに―松川救援から国民救援会へ
決断 謀略・鹿地事件とわたし そして国民救援会
一社会運動家の回想
広場の証言 メーデー裁判20年と私
原発マフィア 今こそ自然エネルギーへの転換を!
科捜研 うそ発見の現場
心理面重視の取調べ『「落とし」の技術』
警察の暗部も正直に『スマン!刑事でごめんなさい。』
『やんちゃ、刑事。』破天荒でも相違は尊重
暴力団と対決『警察裏物語』
警察の内幕を面白く『続・警察裏物語』
『北芝健のニッポン防犯生活術』犯罪者の性向を踏まえた防衛策
自白
Dickerson事件
止めよう!市民監視(アベノリスク)五本の矢
盗聴法拡大・司法取引導入に反対する法律家と市民のデモ
共謀罪の現実と行動
共謀罪(テロ等準備罪)と著作権法
共謀罪か、テロ等準備罪か
組織犯罪処罰法
組織犯罪処罰法改正案
二次創作
非親告罪化
警察不祥事
林田力
江東住まい研究所
2018-07-25


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隠された証拠が冤罪を晴らす

日本弁護士連合会再審における証拠開示に関する特別部会『隠された証拠が冤罪を晴らす 再審における証拠開示の法制化に向けて』(現代人文社、2018年)は、再審請求で証拠開示を設けることを主張する書籍である。再審は有罪の判決を受けた人が無実を主張して裁判のやり直しを求める制度である。

問題は捜査機関が収集した証拠の全てが裁判所に提出される訳ではないことである。警察や検察は自分達に都合の良い証拠しか提出しない傾向がある。これは公平ではない。説明責任を果たさずに決着を付けようとする。そのために却って無用な紛糾を起こすことになる。真相が常に当局発表の裏側にあることは、十五年戦争中の例でも明らかである。

冤罪被害者の村木厚子さんは以下のように指摘する。「証拠については、弁護側がすべて見られる仕組みがないと、客観証拠が葬り去られる恐れがある。事実、重要証拠だったフロッピーディスクがないかを何度も尋ねた私に、検事はないと言い続けました」(時代の証言者「取り調べ可視化訴える」読売新聞2018年2月10日)

日弁連は2018年4月17日に「法制化へ向けて 再審における証拠開示シンポジウム」を開催した。鴨志田祐美弁護士は以下のように指摘した。「私が担当する大崎事件では、検察官が口頭で「ない」と言ったので、裁判所が「不存在の合理的な理由を書面で報告せよ」という訴訟指揮をしたところ、全部出ました。ちょっと踏み込んだ訴訟指揮によって、出てくるという実例が広まっていくことは重要だと思います」(「再審事件「自らの正義」疑わない検察、求められる裁判所の「踏み込んだ訴訟指揮」」弁護士ドットコム2018年4月17日)。

本書は再審請求における証拠開示に絞っているが、不透明性は日本の刑事司法全体の問題である。警察や検察の取り調べが不遜な態度と野蛮な暴力しか提供しないことは悪名高い。「自分の子供が不当に逮捕されるかもしれない」「警察による暴力の被害に遭う」「やってもいない犯罪で責められる」との不安がある。冤罪被害者は何も悪くないのに人権侵害されて、絶望させられる。新宿痴漢冤罪裁判のように自殺事件も起きた。

取調室の刑事は自信があるならば怒号し、人を脅すような態度はとらない筈である。威圧や脅しでコントロールしようとすることは、自己にコミュニケーション能力がないと言っているようなものである。彼らは自分達の見込み捜査に口で強調するほど自信を持っていない。相手を追い詰めながら、自分は立場上していると相手に理解させようとする。残酷であるばかりか狡猾である。その多くが人となりが傲慢だったり、他者を見下したりする者が多い。

冤罪被害者は皮膚を引き剥がされ、肉を晒された気分になる。市民は踏んだり蹴ったりである。何故警察官は相手の品格を貶め、不安と恐怖しか与えられないような言動を行うのか。警察組織は市民感覚からずれている。警察は冤罪被害者の無念さに対しての認識が非常に不足している。何故冤罪が起きたのか、何が起こったのかという開かれた制度になっていない。被疑者・被告人の人権に対する啓蒙活動が不足している。

普段から警察の市民に対する権威的な対応に疑問を感じることは多い。警察組織は縦の社会と言われるが、これも警察腐敗の原因の一つと思われる。警察の実態について批判的に関心を持つことが必要である。市民が泣き寝入りさせられていないか厳しくチェックする必要がある。

たたかう警官

原田宏二『たたかう警官』(ハルキ文庫、2009年)は元北海道警察釧路方面本部長が組織的な警察不祥事を告発した書籍である。稲葉事件は北海道警察の警察官が暴力団やロシアマフィアと癒着し、覚せい剤や拳銃、盗難車の密売に関わっていた事件である。2018年にも北海道警察札幌中央署薬物銃器対策課の巡査部長が覚せい剤取締法違反(所持)容疑で現行犯逮捕された。

組織的な警察不祥事には裏金作りもある。著者は2004年に記者会見で道警の裏金問題を明らかにした。北海道議会でも証言した。裏金作りは薄汚い欲望による愚行である。利権に溺れた者達による腐敗である。市民の自由を制約する側が、それに相応しい相対する何かをきちんとしているのか問題である。本書は国家公安委員会をお飾りのようなものとする。統制ができていない。第三者機関の調査と調査結果の公開が必要である。

警察不祥事が目に付く。警察不祥事が増えているのか、それとも報道されるようになったのか。裏金や警察不祥事や不当逮捕は是々非々ではなく、非々非々である。いくら何でも国民の義務に警察の裏金や警察不祥事や不当逮捕に我慢する義務はない。

日本の組織の問題は「目の前のトラブル対応に終始する日本の悪い癖」に尽きる(「日本組織の「不祥事続発」を招くあきれた体質」東洋経済オンライン2018年11月16日)。目の前の問題を解決するということを大義名分に他者に責任や負担を押し付けることが多くの悲劇を生む。

警察崩壊 つくられた“正義”の真実

原田宏二『警察崩壊 つくられた“正義”の真実』(旬報社、2013年)は北海道警察の裏金作りを告発した著者が警察の問題点を明らかにした書籍である。誤りを認めず、腐敗を自浄できない警察の危険性が理解できる。

人権を侵害する警察権力に警鐘を鳴らす。「犯罪捜査を仮装した警察犯罪」とのタイトルもある。警察国家は市民の自由を平気な顔で踏みにじる。市民の運命をもてあそび、人生を操る。著者は北海道警察の警察官である。北海道県警の裏金作りを告発した。

誰もが冤罪の被害者となり得る。任意で取り調べを受ける事態となったら、録音は必須である。気持ち悪い話である。信じたくない話である。しかし、知らなかったことにはできない話である。一度、警察の問題に気付けば、同じようなことが日本にはありふれている。怒りと悲しみが大きい。他の誰が彼を貶めようと、私は冤罪被害者の名誉を擁護し続けたい。

パワハラは、優越的な関係に基づき、業務の適正な範囲を超えて、身体的もしくは精神的な苦痛を与える行為である(厚生労働省「職場のパワーハラスメント防止対策についての検討会」)。業務の適正な範囲を超えた行為は、業務上明らかに必要性のない行為や業務の目的を大きく逸脱した行為、業務を遂行するための手段として不適当な行為である。警察のしていることは市民へのパワハラである。

官僚機構に代表される20世紀的な統制型の組織が21世紀の現代では機能不全に陥っている。警察組織は旧態依然の最たるものである。冤罪を生む一方で、半グレや危険ドラッグ売人への対応は不十分に感じる。激しい警察批判が起きた桶川ストーカー殺人事件も、警察が動かなかったことよりも、半グレの味方をするような警察の対応が問題である。

警察組織では自分の頭で不合理を不合理と批判できず、命令が妄信的に信じられる傾向がある。部下に対して、まるで王様にでもなった気分で命令を発する者が多い。何の疑問も感じずに命令を受ける者も多い。強者に媚びて弱者を踏みつける性格が強まる。

民間では心理的安全性やモチベーション3.0などを考慮した組織がパフォーマンスを発揮するようになっている。これから先を考えた場合、そのような方向を目指したほうが良い。本書は「情報公開で国民に開かれた警察を」を警察改革の方向性とする。今まで隠れてい警察不祥事が明らかになっていくことは良いことである。

埼玉県警が制圧中の男性が死亡

埼玉県川越市の路上で2018年10月30日、警察官5人が職務質問中に33歳の男性をうつ伏せにして取り押さえたところ、急にぐったりし、死亡した。「署員ら5人が10数分間にわたり、男性をうつぶせにして制圧。その後、男性は問いかけに応じなくなり、病院に搬送されたが、死亡した」(「暴れた男性、取り押さえ後に死亡 埼玉県警、職務質問中に」産経新聞2018年10月31日)

「計5人で男性をうつぶせにし、両手足や首を十数分間押さえ付けた」(「暴れた男性、制圧後死亡 埼玉県警、職務質問中」北海道新聞2018年10月16日)

「5人がかりで十数分間にわたって両手足と首を確保し制圧した。その後、男性がおとなしくなり反応がなくなったため、救急車を要請。31日午前0時30分ごろに搬送先の病院で死亡が確認された」(「警官保護時に男性死亡=職務質問中暴れだす−埼玉県警」時事通信2018年10月31日)。「病院で死亡が確認された」とするが、同じ記事では以下の記載があり、既に死亡していたのだろう。「埼玉県警は31日、職務質問中に暴れだした男性を警察官5人がかりで取り押さえて保護しようとしたところ、その場で死亡したと発表した」。

五対一ならば相当手加減しなければ、殺すつもりはなかったと言えないだろう。人間は簡単に死なないとでも思っているのか。大阪府警が連行した男性もパトカー内で急死した。ここぞとばかりに制圧する。小物根性ここに極まれり、といったところか。

川越警察署の安藤雅幸副署長は「制圧行為は通常の手続きで行われたと考えているが、因果関係については調査している」とコメントする(「職務質問中に暴れ警察官5人で取り押さえ 男性死亡 埼玉 川越」NHKニュース2018年10月31日)。「通常の手続きだった」ならば通常の手続きを改めることが民間感覚である。公務員組織は変革できないのか。
『 #東急不動産だまし売り裁判 』著者。マンションだまし売り被害者。みんなの未来(あした)を守る会代表。#さいたま市桜区 をもっと楽しく。#悪徳商法 マンション投資の #迷惑勧誘電話 #貧困ビジネス 危険ドラッグのない社会を目指します。
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