林田力 だまし売りのない世界へ

マンション問題や警察不祥事、書籍や漫画の書評など。書籍『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』著者。マンションだまし売り被害者。東急不動産消費者契約法違反訴訟原告。みんなの未来(あした)を守る会代表。江東住まい研究所長。マンションだまし売りや迷惑勧誘電話、貧困ビジネス、危険ドラッグのない世界を目指します。 http://www.hayariki.net さいたま市の話題は林田力@さいたま市桜区ブログ

 林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』(ロゴス社)は東急不動産(販売代理・東急リバブル)から不利益事実を隠して問題物件をだまし売りされた消費者(=原告)が消費者契約法に基づき売買契約を取り消し、裁判(東急不動産消費者契約法違反訴訟、東京地裁平成18年8月30日判決、平成17年(ワ)3018号)で売買代金を取り戻した闘いの記録。

FJネクスト・ガーラ・グランディ木場問題
http://hayariki.x10.mx/
東急不動産で買ってはいけない 被害者が語る「騙し売り」の手口
http://www.mynewsjapan.com/reports/1101

マンション

家を買う、借りるときに知っておくことで安心できる

マンションなど住宅の購入は一生に一度あるかないかの大きな買い物です。家を借りる場合も普通の買い物と比べれば大きな買い物です。毎週契約するようなものではありません。このため、家を買ったり、借りたりした時に失敗すると、消費者のダメージは他の取引以上に大きくなります。そのために失敗しないようにする必要があります。
本書はマオポポの会が2018年6月2日(土)に江東区南砂で開催したプチセミナー「家を買う、借りるときに知っておくことで安心できるお話」の内容です。東急不動産消費者契約法違反訴訟(東急不動産だまし売り裁判)の経験に基づいて話しました。
消費者契約法が改正され、不利益事実不告知の適用範囲が広がったことにより、東急不動産だまし売り裁判の重要性も増しています。東急不動産だまし売り裁判を通じて地道に一歩ずつ、マンションだまし売り被害者の希望を作っていきます。一人でも多くの方へマンションだまし売り被害を知っていただく機会になれば幸いです。


【書名】家を買う、借りるときに知っておくことで安心できる話/イエヲカウ、カリルトキニシッテオクコトデアンシンデキルハナシ/Useful Knowledge When Buying or Renting a House
【著者】林田力/ハヤシダリキ/Hayashida Riki
【出版社】江東住まい研究所/コウトウスマイケンキュウジョ/Koto House Laboratory

はじめに
サマリ
知っていますか?消費者契約法
不利益事実の不告知
不誠実な対応
虚偽証拠
不誠実な応訴態度
意義
消費者契約法改正
賃貸か分譲か
新築か中古か
マンションか戸建てか
工夫できます。マンションの資産価値向上
売る時は専任媒介か一般媒介か
気をつけて!実際にあるんです。悪徳商法
マンション投資は儲かるか
サブリースはお得か
マンション投資と消費者契約法
住環境破壊
江東区がワンルームマンション規制に逆行
ゼロゼロ物件はお得か
こんなに多い不動産購入トラブル
不動産トラブルと言えば欠陥住宅
不動産トラブルが多い理由
不動産業者との闘いのポイント
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気をつけよう、ヤバいマンション取引

マンション購入は一生に一度あるかないかの大きな買い物です。賃貸借契約も普通の人ならば何度もあるものではありません。従って、マンション取引で失敗すると、消費者の打撃は他の取引以上に大きくなります。私自身が経験した消費者契約法違反のマンション販売を中心にヤバいマンション取引を紹介します。

紹介する事例は大きく4点です。最初は不利益事実を説明しないマンションだまし売りです。これは私自身が被害に遭い、裁判で売買代金を取り戻した話ですので、重点的に話します。

二番目は杜撰なマンション管理です。マンション管理会社は管理組合が契約しますが、実際は主体的に選択していません。そのために杜撰な管理が行われ、割高の管理委託費を払わされ続けることが多いです。

三番目はゼロゼロ物件です。分譲よりも賃貸という選択は一つの見識です。しかし、賃貸にも悪徳商法があります。賃貸では敷金礼金などの初期費用が結構な出費になります。このため、敷金礼金ゼロ円のゼロゼロ物件は魅力的に映りますが、退室立会費など別の名目で費用を徴収し、逆に割高になります。

最後は投資用マンションです。「年金収入になる」「税金対策になる」などの名目でワンルームマンションなど投資用マンションを売りつけますが、家賃収入が得られず、大赤字になるケースが続出しています。投資用マンションを買ってはいけません。

消費者契約法の不利益事実の不告知に重過失追加

政府は第196回国会に不利益事実の不告知の主観的要件に重過失を追加するなどの消費者契約法改正案を第196回国会に提出する見込み。第196回国会2018年(平成30年)1月22日に召集された通常国会で、法案の名称は「消費者契約法の一部を改正する法律案」となる。東急不動産だまし売り裁判原告として不利益事実の不告知の要件緩和を歓迎する。
不利益事実の不告知は消費者契約法第4条第2項の規定で、事業者が利益となる事実を告げながら、不利益となる事実を告げなかった場合に契約の取り消しを認めている。東急不動産だまし売り裁判は、この規定を不動産売買契約に適用したリーディングケースである。東急不動産は「眺望・採光が良好」など環境面の良さをアピールポイントとしながら、隣が作業所に建て替えるという不利益事実を説明しなかった。これが不利益事実の不告知である。
この不利益事実の不告知は事業者が不利益事実を知っていて故意に説明しなかったことが要件である。東急不動産だまし売り裁判では裁判を起こす前に東急リバブル東急不動産に文書で質問し、東急不動産が隣地建て替えを知っていたことを文書として保持していた。このために故意は当然に認められたが、他の消費者トラブルでは故意がネックになることが多い。
消費者委員会消費者契約法専門調査会「消費者契約法専門調査会報告書」(2017年8月)は以下の理由から、不利益事実の不告知の主観的要件に「重大な過失」を追加することを提言した。「問題となっているのは、取消しを認めてもよいはずの場合に、故意の立証が困難であるために、それが必ずしも実現できないという点にあると考えられる。そこで、このような立証の困難に起因する問題に対処するために、不利益事実の不告知の主観的要件に「重大な過失」を追加することが適当であると考えられる。」(4頁)
これは2017年5月26日の消費者契約法専門調査会で議論された。丸山絵美子委員(名古屋大学大学院法学研究科教授)は以下の注文を出した。「利益告知や重要事項が問題となっている場面で、事業者はどういう義務を果たすべきで、著しい不注意とはどういう場合に言えるのか。そこを丁寧に考察して盛り込んでほしい」(「消費者契約法専門調査会/「故意または重過失」に変更か/「不利益事実の不告知」で」日本流通産業新聞2017年6月2日)。
改正案を説明する消費者庁資料では「不利益事実の不告知の要件緩和」と題している。例として「「日照良好」と説明しつつ、隣地にマンションが建つことを、故意に告げず、マンションを販売」とする。これは東急不動産だまし売り裁判そのものである。
tokyu

消費者契約法を知っていますか?

消費者契約法は消費者の権利を守るための法律です。業者が商品の不利益事実を説明せずに販売した場合に、消費者は消費者契約法第4条第2項によって契約を取り消すことができます(不利益事実の不告知)。
私は2003年に江東区東陽の新築分譲マンションを購入しましたが、マンション引き渡し後に隣が建て替えられて日照・通風・眺望がなくなるという不利益事実を隠して販売されたものでした。真相を知った私は売買契約を取り消し、裁判で売買代金を取り戻しました(東京地裁平成18年8月30日判決、平成17年(ワ)3018号)。
この裁判は不動産取引において不利益事実不告知で契約の取消しが認容されたリーディングケースになりました(今西康人「 マンション販売における不動産業者の告知義務」安永正昭、鎌田薫、山野目章夫編『不動産取引判例百選第3版』31頁)。
このマンションだまし売り裁判をケースとして、どのような場合に消費者契約法の不利益事実不告知について説明します。

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