厚生労働省は「終末期医療の決定プロセスに関するガイドライン」(2007年)の改定を検討する。「人生の最終段階における医療の普及・啓発の在り方に関する検討会」が2018年1月17日に開かれ、改定案「人生の最終段階における医療の決定プロセスに関するガイドライン」が提示された。厚生労働省はパブリックコメントを募り、3月に改定の見通し。
「07年の指針は、患者本人の意思決定を基本とし、主治医の独断でなく、医師以外のスタッフも入ったチームで判断するとした」(野中良祐「人生最期の医療、繰り返し話し合うべき 指針改定へ」朝日新聞2018年1月18日)。立正佼成会附属佼成病院裁判も、このガイドラインを根拠に争っている。主治医の独断で決められたことを問題視している。
改定案は患者や、家族、医師らが治療方針などを繰り返し話し合うことを求めた。「時間の経過、病状の変化、医学的評価の変更に応じて、また患者の意思が変化するものであることに留意して、その都度説明し患者の意思の再確認を行うことが必要である」
「患者本人の気持ちや病状の変化に応じて繰り返し話し合い、継続的に見直すことが特徴だ」(「終末期医療指針改定へ 厚労省 患者の思い 家族ら共有」読売新聞夕刊2018年1月13日)
「患者の意思は病状や時間の経過によって変わり得るため、意思決定については繰り返し話し合う必要性を明記した」(「<終末期指針>在宅も適用の改定案 延命意思、何度も確認を」毎日新聞2018年1月18日)
「患者本人の延命治療などに対する考え方が変わる可能性があることを踏まえ、医師らは柔軟な姿勢で患者と繰り返し話し合うことを求めた」(「終末期の治療方針、指針改定案を提示 病院外でのみとりにも活用へ」日本経済新聞2018年1月17日)
一度の意思表示で終わりではない。契約書にサインしたから認めたというような悪徳商法的な自己責任論とは一線を画す。この考えは立正佼成会附属佼成病院裁判でも重要である。佼成病院が病状が変わっても新たな説明をしなかったことを問題としているためである。この点は『金八アゴラ』「佼成病院裁判が判例時報に掲載」(2018年1月24日)で説明した。
改定案は「アドバンス・ケア・プランニング(ACP)」に取り組むよう医療従事者らに求めると報道されている。但し、ガイドライン本文にACPという言葉がある訳ではない。検討会では木村厚・全日本病院協会常任理事から「言葉を入れないと普及啓発にならない」との意見が出た(大西裕康「終末期医療GLを年度内にも改訂へ、厚労省がたたき台を公表」m3.com 2018年1月17日)。
kosei