ゲームセンター苦境 過当競争、不況直撃 料金値上げの動き(産経新聞) - Yahoo!ニュース
スクウェア・エニックス・ホールディングス(HD)傘下でゲームセンター運営を手掛けるタイトーは、渋谷店(東京都渋谷区)など首都圏の3店舗で、2月からゲーム料金を試験的に引き上げた。100円のゲームは120円、200円は240円と、これまで「100円玉ビジネス」と言われていたゲームセンターで10円単位の値上げを行った。渋谷店のスタッフは「来店客からは不満の声などは聞かない。(値上げは)受け入れられている」という。タイトーでは試験期間の来店者数などを検証した上で、他店舗での値上げを検討する。


 ゲームセンターの収益性を考えるとき、大前提として考えなければならないのは

ゲームセンターとは、不動産(土地)を利用して、風適法で定められる規定の営業時間内に利益を上げるビジネスである。

 ということです。

 もっと具体的に言いましょう。対戦台を設置するのに必要な床面積は(NEWバーサスシティの場合で)約1.5平米。プレイヤーが座る場所も含めると2.5平米必要です。これだけの土地にかかるコストは店舗が同じであれば(基本的には)一定です。そして、この土地を使って収益を上げられる時間は、風適法によって夜中の1時(12時)までと決められています。

 お客様が支払うプレイ料金は、この「土地」をレンタルした料金と考えたほうがよいのです。もちろん、土地に乗っている上モノ、つまりはマシンの代金や、人件費、光熱費といったものも含まれているわけですが。

 過去のエントリで「回転効率の悪いSTG」をボロクソにけなしたのも、こうしたゲームセンターの特性を踏まえてのことです。さらに言えば、ゲームセンターの来客数というのは、学生が下校する午後3時から、サラリーマンが帰宅途中に立ち寄れる午後10時までの7時間に集中しています。

 この限られた「7時間のゴールデンタイム」に、どれだけ効率よく稼げるのかでゲームセンターの勝負は決まります。店舗によっては、平日がだめで週末にお客が集中しているところもありますから(その逆も)、そういったお店では「稼げる機会」はさらに減ることになります。

 ですから、「売り上げが悪いからプレイ単価を下げ」てしまった場合、単に店舗の収益性を損ねるだけの結果に陥ることがままあるのです。

 先に上げた「平日に集客できない店舗」が、特定の曜日に絞ってプレイ料金を半額にする、などの施策には一定の効果があるでしょう。しかしそれでも本来高収益を上げられるはずの「ゴールデンタイム」の収益性を損ねるわけですから、必ずしも良いことばかりではありません。

 ゲームセンターと同じように、土地と施設を時間貸ししているビジネスとして、カラオケ店があります。カラオケ店は「平日昼間」はただ同然の値段設定にしているところもありますが、しかし、これが出来るのは「ゴールデンタイム」の高い収益性があってのことです。そしてディスカウントしている平日昼間の時間帯にも、客単価を上げるためのさまざまなサービス(飲食等)が用意されています。

 翻って、現在のゲームセンターの場合、こういった「短時間で高収益を上げる高付加価値サービス」が欠けているのにもかかわらず、「プレイ料金半額」と安易なディスカウントありきの風潮が業界に蔓延しており、本来自分達が死守すべきビジネスモデルを崩壊させているように思えます。

 それよりは、電子マネー等を導入してプレイ料金を段階的に値上げし、またそれに見合ったサービスを提供することで、単位時間当たりの収益性を改善したほうが未来はあるでしょう。