大好きなケン・ローチ監督(81歳!)が
引退宣言を撤回してまで作った映画。

カンヌ映画祭パルムドール受賞(2度目)
ということもあって、公開時(日本は今年3月?)
とても話題になりました。

その映画が、やっと高知でも上映されて
先月観てきたのですが・・・


私は(なぜか勝手に)
「明るい結末」を予想してたんです。

この監督さんはユーモア感覚に富んだ人らしくて
映画でも、イギリス流のユーモアを
随所に感じることが多いのです。

しかも、主人公のダニエル(周囲はダンと呼ぶ)を
演じている俳優さんが、ポスターなどで
本当に感じのいい
朗らかな笑顔を見せていたので・・・

勝手な誤解をしてしまった・・・みたい。

上映されると知ったとき、家族たちにも
「『麦の穂をゆらす風』みたいに
暗くはないと思うよ~」なんて
つい言っちゃって・・・(^^;


先に観てきた家族に、何の気なしに
「どうだった~?」と訊いた時
彼はただ・・・無言。

しばらくしてから、憮然とした表情で

「日本はあそこまでにはなってない・・・って
思いたいけど・・・もうなってるのかもしれない」

それだけ言って、仕事に行ってしまいました。

そうかあ・・・

家族は地方公務員で、この映画で言うと
ダニエルたちを苦しめる
「行政」側の人間なのです。

ダニエルたちの苦しさ・怒り、行政側のさまざまな事情
両方がわかる人にとっては、この映画は
キツイ所があるんだろうな・・・と
ニブイ私も初めて気づきました。

で、オソルオソル
自分も観にいってみたら・・・

・・・なるほど。


前半は(いかにもこの作り手らしく)
ちょっと苦い?ユーモアを散りばめて
でもテンポ良く、物語は進行します。


ダニエルがどういう人物なのかが
自然にわかるような描き方。

「長年大工として真面目に働き
税金をちゃんと払ってきた」彼が
心臓の病気で働けないと医師に診断され
生活給付を受けるようになったのに
それが「働ける」と判断されるエピソード。

「働けない」のに「雇用促進」のための
給付を受けねばならず
雇用されても「働けないのだ」と告げて
相手を怒らせ、自分の自尊心も
深く傷つけさせられる・・・という現実。

でもその一方で、(自分が大変なのに)
困っているシングルマザーに
ごくごく自然に力を貸そうとしてしまう
ダニエルの人となりが
丁寧に描かれていきます。


う~ん、やっぱり何も言えないなあ・・・
「感想」なんて書けない。


私はシングルマザーではありません。でも
過去には、彼女と同じ2人の幼い子を連れて
「路頭に迷い」かけたこともあります。

でも・・・

その深刻さのレベルが全然違う!!!

こういう「貧困」を、私は体験していないし
全く経験のないコトについては
何も言えなくなってしまう。


以前観た同じ監督の『この自由な世界で』でも
ラストは「救いを感じさせない」?ものでした。

それに比べると今回の映画は
まだ希望を微かに感じさせるところがあって
それは、シングルマザーが車椅子の弁護士と知り合ったり
ダニエルの書いたものを読み上げる際の
「自然な彼女のまま」の雰囲気から
来るものなのかなあ・・・などと思いながら
トボトボ歩いて帰宅しました。


神サマ・・・

およそ中身のない、ナンじゃコレ?な
感想になってしまいました。

ひとつ再認識させられたのは
俳優さんの力量(個性?)というのが
映画では大事なんだろうな・・・ということ。

私の勝手な「思い込み」を作った?
ダニエルを演じた人というのは
イギリス出身の実力派のコメディアンで
世界的にもさまざまな仕事を手がける一方
映画に出るのは初めてだとか。

でも、私はこの人の発散する「明るさ」というか
「明るい」何かを人に与えようとするオーラ?に
ヤラレたのだと思いました(^^;。

(ケン・ローチの映画のキャストは
いつも本当に「リアル」なのです)


冷房がシンドくて、いつもながらに
ヨレヨレで帰りましたが
観られて本当に良かった!

神サマ・・・ありがとうございました。




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