歯医者さん(2回目)の帰り道
「昭和の映画館」に寄って
最終日の『エル ELLE 』を観ました。

以前、予告編で見かけたときは
自宅への侵入者にレイプされた女性(主人公)が
警察に通報せずに、自力で犯人(覆面)を
捜し始める・・・という話だと言いながら
実は、被害者女性の方が
犯人よりずっと危険な人物と判ってきて
疑われた周囲の男性たちは戦々恐々・・・

なあんて煽り立てられていて
コワイ映画が苦手な私としては
文字通りオソルオソル観にいったのですが・・・


確かに、暴力シーンは怖い。

それも普通の怖さじゃなくて
耳を塞ぎたくなるような音と映像で、
女性にとっては悪夢としか言いようがない描写が
何度も繰り返されます。

けれど、主人公(イザベル・ユペール)が
ちょっと不思議な?キャラクターなのです。

怖がっているし、傷ついてもいるし
PTSDのようにもなるのですが、一方では
どこかアッケラカンとしてるというか
レイプをそこまで問題にしてない?ようにさえ
だんだん見えてきてしまう(^^;。

犯人探しをするのも、復讐するためというよりは
「一体誰なのか知りたい」という
ごくシンプルな疑問からのようで・・・


ただ、「警察に絶対通報しない!」というのには
彼女なりの切実な理由があります。

子どもの頃、父親の起こした事件に巻き込まれ
辛い体験をした彼女は、その後ずっと
刑務所内の父親には会わないまま。

面会を勧める母親に向かって
「二度と会わない!」と断言する彼女は
私の目には、幼い頃に荒野に一人で放り出されて
自力でサバイバルしてきた人のよう。

そのせいか何のせいか、今でもどこか
「子どものまま」のようなところがあって
世の常識や世間体を気にしているようにも見えるのに
その実、全然問題にしていない・・・

「自分の思うとおりに行動したいなら
外見や他人の都合に構ってなどいられない」

ということが骨身に染みていて
どんな場合もそこは徹底している。

そのせいで、友だちと起業した
ゲーム会社の内部で揉めようが
従業員から嫌がらせをされようが
すべて「取り引き」の材料にして
(彼女にとっての)困難を乗り切っていく・・・


イザベル・ユペールの「役作り」には
私は呆気に取られたことが何度もあります。

単純に、言葉で「こういう人」とか
「こんな女性」とか説明できないような
人の感情・皮膚感覚を備えた女性像を
いつも作り上げて、引っ提げて
ぴったり、ふんわり、纏って現れる人・・・

そんなイメージのある俳優さんです。


でも、この人は女性としての自分に
絶大な自信があるんだろうな~とは
見るたびにいつも思う。

まあ、女優という仕事はそうでないと、そもそも
務まらないようなものなのかもしれませんが。

これまでに、映画のスクリーンで出会った女性で
私が、あまりの可愛らしさ!に絶句したのは2人だけ。

そのひとりが『天国の門』で出会った
若き日のイザベル・ユペールでした。
(もう一人は『ショウほど素敵な商売はない』で
歌ってるときのマリリン・モンロー(^^))

「ああ、この人は自分が女であることに
揺らぎようのない自信があるんだな・・・」と
感嘆したのを今も覚えています。


神サマ・・・

観ている間は曰く言い難い?映画だと思いましたが
観終わったときは、なんだか爽やかな?後味が残った
不思議な映画でした。

観られて良かった。

ありがとうございました。





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