先週ベルリンフィルの投票について書いたら、ページビューが格段に上がった。日本でもそれだけ注目度が高いという事でしょう。地元ドイツではどのような報道がされているかといえば、日本とあまり変らない。ほとんどローマ法王のコンクラーベみたい。

ドイツ語の記事ではここに、候補の指揮者が列挙されている。もちろん楽団とは関係なく筆者の独断。これによれば、ドイツ人ではティーレマン。ベルリン出身だしロマン派のレパートリーには定評がある。でも現代物の実績は少ないし、独裁色の強いバイロイトのスターをベルリンのお客さんがラトルやアバドのように好意的に見るかどうかは不明と書いてある。たしかにティーレマンはドイツオペラを放り出したし、他の団体ともマネージメントで悉く衝突している。

この記事では、ヤンソンスやバレンポイムも候補に挙がっている。でもヤンソンスは心臓の病気もあるからハードなベルリンフィルは難しいのではないか、それならバレンボイムの方が可能性が高いとの事。

若手では4月に定期に登場するアンドリス・ネルソンスのチャンスは大きいけれど、ボストンとの兼任は好まれないだろう。ドゥダメルの可能性はあるけれど、キリル・ペトレンコは招聘をキャンセルしたらしく候補者から脱落。

英語の記事ではガーディアン紙が候補の予想を挙げている。こちらにはベテラン勢ではムーティやシャイーの名前も出ているけれど、可能性は低いとの事。

どちらの記事も、70代のベテランか30代の若手が候補の中心。ティーレマンは唯一そのどちらにも属さない。記事では指揮者に世代ギャップがあると嘆いているけれど、それはマスメディアが作り出した「スター指揮者」の世代ギャップあって、実力のある指揮者はその間にもたくさんいる。凄く不思議なのは、30年前だと「指揮者なんて50代が駆け出しで、実力が出るのは60歳以上」なんて知ったかぶりした人がたくさんいた。それがいつの頃からか若い指揮者が出るようになり、今は30代が話題になっている。指揮の仕事は変らないのに、評価基準が全然変ってしまった。昔巨匠を賞賛していた人々は、結局マスメディアが作り出した神話を信じていただけではないのか。

最近若い指揮者が人気があるのも業界の都合が関係しているように思う。つまり若い指揮者を起用して同世代のお客さんに演奏会に来て貰おうという楽団の狙いのこと。確かに1回の演奏会を指揮するだけなら、経験の無い若手でも大丈夫かもしれない。でも芸術監督となると客演指揮者やソリストの選定や、自分の演奏しない公演のプログラムにも関与する必要がある。ベルリンフィルのメンバーがその点をどう評価するかによって投票は変るでしょう。

定期演奏会の会員としの個人的な意見では、指揮者としての能力よりも企画力のほうを重視したい。だって6回の定期演奏会のうち、芸術監督は1回しかない。残りの5回は客演指揮者だから、良い客演指揮者が呼べて面白いプログラムを組んでくれる人を希望。