イギリスのEU離脱まであと8か月と迫ったこの時期に、イギリスの外務大臣やEU離脱担当相など、強硬派の閣僚数名が辞任してしまった。ヨーロッパから見ると、正直イギリス政府の対応にはあきれ果ててしまう。

2年前に就任したメイ首相は、"Brexit means Brexit" や"No deal is better than bad deal"などのマントラを繰り返したけれど、選挙を強行した結果過半数を確保できない惨敗を喫した。国民投票の後2017年3月にやっとEUに離脱通告をしたと思ったら、どんな形で離脱するか政府内でも合意ができない。正直交渉相手のEUとしては「いい加減にしろ」と言いたくなる。

EU単一市場から離脱するハード・ブレクシットはイギリスの経済にたいして大打撃であるということがわかったようで、ようやく政権内でEU単一市場へのアクセスを重視したソフト・ブレクシットを目指すことが確認されたのが先週末。ところがそれに反対するデイヴィスEU離脱担当大臣とジョンソン外務大臣を含む閣僚数名が日曜日と月曜日に辞任した。でも内閣不信任ということになれば、メイ首相は辞任しないで戦うと言っている。

メイ首相は単一市場へのアクセスできるようにEUのルールを受け入れると言っている。離脱派はそれではEUのルールを受け入れるだけで、ルール制定への影響力は無いからイギリスがEUの植民地になってしまうと主張している。単一市場アクセスはノルウェーのモデルなんだけど、ノルウェーはそのために多額の分担金を支払っているし、人の移動の自由も受け入れている。でもイギリスはこれについては否定しているから、メイ首相の立場をEU側がそのまま受け入れる可能性はとても低い。

国民投票から2年経ってわかったことは、ヨーロッパから見たイギリスの地位の低下。イランや中国などの問題でもメイ首相は影が薄く、メルケル首相やマクロン大統領が話題の中心だ。