最近は女性指揮者の台頭している。バイロイト音楽祭も今年初めて女性指揮者が登場するし、客演だけでなくオーケストラの監督としてその楽団の芸術的な責任を負う人もでてきている。女性指揮者の先駆者と言えばやっぱりシモーネ・ヤング。ハンブルグ歌劇場の監督も務めたし、世界中からお呼びがかかる人気指揮者だ。そのヤングがドイツの雑誌のインタビューに答えている。

ヤングによれば、世界中のオーケストラの文化が変わりつつある。「白髪頭の年老いた権威主義者でが皆を批判し全てが悪いと考えるような古い時代は終わった」と言っている。

彼女の祖国オーストラリアでは、キャリアの初期において女性であるという事はさほど重要ではなかった。彼女自身はドイツやその他の国で度々「最初の」女性指揮者と扱われることに驚いたし、嫌な思いもあったらしい。「まるで犬に話しているみたいだった」と言っている。でも彼女にとってはどうでもよかった。本番での出来が大切だった。このような考え方は音楽業界では普通になって来た。それでも129もあるドイツのプロ・オーケストラの内、女性が監督を務める楽団はほんのわずかだ。

一時期若手指揮者が注目されて増えたように、最近は話題になる女性指揮者も増えた。ただ指揮者なんて経験が物を言う職業だから、評価するにはまだ情報が少なすぎる。ヤングのように良い演奏を続けて国際的にも評価される人が出てくるだろうが、中には今話題になっているだけで忘れられてしまう人もいるかもしれない。それでも女性ができない仕事ではないし、今後は性別に関係なく良い演奏を聴かせてくれる人がたくさん出てくる事を期待する。