読書な毎日

お気に入りの本の感想です。

「ポケットに物語を入れて」 角田光代

ポケットに物語を入れて (小学館文庫)
ポケットに物語を入れて (小学館文庫) [文庫]


角田光代がつづる読書案内です。
冒頭、読書には正解がない、書評、解説というよりは、私の感想文として読んでほしいと、自身が語っています。
紹介される本の面白さもさることながら、角田光代の自由でみずみずしい感性に浸ることのできる、一冊だと思います。
本を読むと、その舞台となった場所に衝動的に旅をしてしまうという、彼女。
その行動力は羨ましいし、そのような衝動性があるからこそ、作家として大成しているのかなとも思いました。

すでに読んでいる本は少なかったので、これから読みたい本がたくさん見つかりました。
まずは、前から読みたいけど分厚い文庫本を見て躊躇していた池澤夏樹あたりから、読んで見ようかと。
私の読書力では、どこまで角田さんの感性に近づけるか、不安でありますが・・・。

「愚行録」 貫井徳郎

愚行録 (創元推理文庫)
愚行録 (創元推理文庫) [文庫]

登場人物がインタビューに答える形式で話が進んで行くのは、宮部みゆきの「理由」を思いこさせますが、読後感は全く違いました。
こちらは、救いも何もなく、最後まで読んだ私も報われないような敗北感がありました。
この気持ちをどうしてくれるんだと思いつつ、巻末の解説を読んでもやもやが解消され、この本が語る意味を理解できたような気になりました。

一家殺人事件の被害者の関係者をインタビューすることで、被害者の全貌が浮き上がってくるわけですが、インタビューに答える登場人物にもそれぞれのバックグラウンドがあるわけで、同じ被害者を語っているのに、語る人の主観で、その人物像は大きく異なってくる。
愚行録とは、被害者、加害者のそれではなく、主観で語る人々の愚行録では?という解説に、納得させられました。

慶応大学の内部生と外部生の違いなど、読んでいて面白かったですが、これは語る人の一方的な思いで述べられているということを、心して読まないといけない事柄なんだろうなと、実際に通っていた人が読んだら、不快な気分になること間違いなし・・・・それともあながち嘘でもないなと、苦笑するのかな?という気もします。

ミステリーであるので、誰が犯人であるかという興味もあり、そして、なんといってもこのインタビュアーは誰なのか?という興味もあって、最後まで緊張感を持って読むことができました。
とはいえ、私は、登場人物の名前を覚えるの苦手なので、最後まで・・・というか、もう一度パラパラ読み返さないと、全貌がはっきりわからなかったんですが・・・・。
注意深く読めば、割と早くネタバレに気付けると思います。

「総理の夫」 原田マハ

総理の夫 First Gentleman (実業之日本社文庫)
総理の夫 First Gentleman (実業之日本社文庫) [文庫]


政治家を題材とした話なのに、悪い人は一人もいないという、非現実的なストーリーではありますが、現実のしがらみでお疲れの方には、よい気分転換になるかもです。

総理の夫、日和さんが妻が総理大臣になってからの日常を、日記にしたためるという構成になっています。
この、日和さんよりで読むか、または、女性初の総理大臣凛子よりで読むか、わかれるところです。
私は、日和さんに共感しながら読んだので、パートナーが超有名になることによって、自分の自由も奪われてしまうことに、理不尽な思いをしたり、政敵にはめられてスキャンダルになりそうなときは、脇が甘いなーと、ハラハラしたり、物語にどっぷりつかることができました。

巻末の解説が、今、世間を騒がせている、あの総理夫人ということで、どんな感想をかいているのか、楽しみに読んだのですが・・・・・
総理のパートナーとして、日和さんに共感しているというよりも、女性初の総理大臣の凛子を絶賛している内容でした。
老婆心ながら、もっと日和さんを見習えばよかったんじゃないかなー、と思ってしまいました。


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