読書な毎日

お気に入りの本の感想です。

「青空と逃げる」 辻村深月


読売新聞、夕刊の小説「青空と逃げる」が、昨日最終回を迎えました。

俳優の夫が有名女優と同乗していた車で事故にあい、不倫騒動だと騒がれた挙句、女優さんの方が自殺してしまい、夫はそのプロダクションの人たちから追われる立場となってしまう。

俳優の夫をもつ、早苗とその息子、力もマスコミやプロダクションから追わる立場となり、逃避行を続けるって、お話なんですが、設定が殺伐としている割には、早苗と力が逃げていく先々の人々は、みんなとっても優しくて、ほんとかなー、こんなに面倒見のいい人ばかりいるの?と、思いたくなるところもありました。

それで、やっと逃亡先で生活していけると思った矢先、追手が迫ってくるという、よくある展開なのですが、毎日読んでいると、また、逃げるんだーと、登場人物に同情してしまう、私がいました。

最後は、今までの謎だった部分が一気に解明されて、スッキリとした終わり方でした。
ホッとしたけど、今一つ物足りないような気もします。

「ある小さなスズメの記録」 クレア・キップス


巻末の解説が、小川洋子だったので、興味が湧きました。

第2次大戦下のイギリスで、寡婦のピアニストが傷ついた雀を助け育てた実話です。
あまりペットに興味がなく将来も飼う予定がない私なので、小鳥を飼って育てるということに、感情移入はできなかったのですが、それにしても、雀にこんな才能があるのかと、新鮮な驚きでした。

第2次世界大戦という、最も人の命が軽んじられた時代に、こんな小さな命を救い育てた作者。
そして、その雀の歌声に多くの市民が心を打たれたという事実。
人間はどんな状況下にあっても、命を愛しむことができるんだな、それとも、戦時下だからこそ、小さな雀の歌声に救われたんだろうかと、私の心も温かくなりました。

作者は、雀に対する愛情もさることながら、客観的な観察眼で、私が今まで知らなっかた、トリの習性も学ぶことができて、「目から鱗」の思いです。

訳者のあとがきで、物言わぬペットとともに過ごすことは、自分自身の内側に棲む、生きている鏡と会話を続けるようなものだ・・・・というくだりは、ペットを飼わない私にも納得できる、説得力ある言葉でした。

「ペテロの葬列」下 宮部みゆき


下巻は、バスのハイジャック事件で老人がターゲットにした3人の正体が明らかにされていく過程で、謎が少しずつ解き明かされていくわけですが、話しがどんどん複雑になっていくので、何度も読み直ししてしまいました。
そこから見えてくる詐欺の手口を知ってしまうと、まさしく、悪はカタチを替えて伝染していくモノなんだなと納得です。
私たちは、詐欺の事件を知るたびに、騙される方も騙される方じゃないか?と、つい思ってしまいますが、当然のことながら、騙す方が悪いわけで、その諸悪の根源となったものは、一対誰なのか? 作者はそのからくりを見事に解き明かしてくれました。
でも、その人たちだって生まれながらにして、悪人だったわけではなかったわけで、ひょっとしたら自分だって悪人になるくじを引いてしまう可能性もあるのかな?などと思ったりもしました。

最後、主人公の杉村三郎は、妻と別れるという選択をせまられるわけですが、このシリーズが始まった時は、まさか、こんな深刻な状況に陥るとは、思いもよりませんでした。
でも、主人公はこのまま妻のために自分を犠牲にするような生き方でいいんだろうか?という、モヤモヤした気分はあったので、こういう展開もありかな?と思います。
作者は、シリーズが始まるときから、こういう展開にしようと思っていたんでしょうか?
今後二人は、また別の場所で巡りあったりするんでしょうか?
杉村三郎は、探偵になるのかな?等々、今後の展開も気になります。
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