読書な毎日

お気に入りの本の感想です。

「ラブコメ今昔」有川浩 

ラブコメ今昔 (角川文庫)
ラブコメ今昔 (角川文庫) [ペーパーバック]

またまたお友達から借りて、久々の有川浩の作品でした。
ここまで甘いラブコメだと、ちょっと自分で購入するのは恥ずかしいかな?
しかし、軽いノリなのに、なぜか心に残り登場人物を応援したくなる気持ちが芽生えます。
それは、彼らが自衛隊という国を守る任務に就いているからであり、作者の自衛隊に関する取材力は半端なく、真摯な姿勢が、作品ににじみ出ているからだなと、思いました。

例えば、「広報官が走る」というお話では、任地に向かう自衛隊と家族が言うセリフについて、自衛隊を書き続けている作家と、受けを狙う番組プロデューサーが対立する場面。
私たち素人が考えているより、もっと深い覚悟のもと、任務に就いているんだなと、考えさせられました。
その重い背景があるが故に、この6つのラブコメには、幸せが滲み出ています。

最後の話を読むと、表題の「ラブコメ今昔」の話につながり、また読み返したくなります。

「ツバキ文具店」小川糸


少し前にHNKでドラマ化され、私は見逃してしまったのですが、ドラマを見たお友達が良いお話だったので、原作も買ったということで、私にも貸してくれました。

鎌倉で代書屋を営んでいる主人公、鳩子。
祖母を先代と呼び、先代の没後、あとを継いだところから、話は始まります。
そこへ、様々な事情をもつ依頼人が、手紙の代筆を鳩子に依頼するわけですが、依頼人の気持ちに沿って、文章も字体も考えて書く過程と、出来上がった味わい深い手紙が掲載されていて、とても風情のある本でした。
手紙を書いて相手に気持ちを伝えたいけど、自分ではどう書いていいかわからない、字が下手でコンプレックスがあるなど、依頼する理由も様々。
手紙を書くことがほとんどなくなった現代だからこそ、鳩子が書いた手紙で心が洗われるのかもしれません。

四季で4つのお話に分かれているのですが、夏から始まっており、なぜ?と思いつつ読んでいましたが、話が進むにつれて明らかになる、鳩子の生い立ちと、ちょっとばかり驚きの真実の暴露もあって、そして春。
桜の思い出と、新たなる決意のもと、代書屋を続けようとする鳩子の気持ちにぴったりな「春」で終わっているところが、心憎い構成となっています。

「ウツボカズラの夢」乃南アサ

ウツボカズラの夢 (双葉文庫)
ウツボカズラの夢 (双葉文庫) [文庫]

フジテレビの土ドラで今放映中ですが、ドラマを見ていて設定が面白いんだけど、これって原作をかなりアレンジしているんじゃないかな?という気持ちと、結末が早く知りたくて、原作本を読みました。

なるほど、やはり原作とドラマはかなり違っているような印象。
ドラマは原作以上に、生きるのに必死な主人公「未芙由」があの手この手を考えてるのに対し、原作は与えられた状況を上手く転がして、裕福な家を乗っ取ってしまうまで、ドラマのように積極的な行動は起こさず、それゆえに、結末の怖さが浮き彫りになったように思いました。
あらすじとはあまり関係のない人たちの描写が多いのはなぜなのか?首を傾げてしまいますが、様々な人々の人生における価値観を示したかったのでしょうか?
ウツボカズラの習性を知った上で読むと、他人の不幸を養分にして、幸せを勝ち取っていくしたたかさは、まさしくウツボカズラのようだと納得。
ドラマは、視聴者が主人公により共感できるように原作以上に未芙由を悲劇のヒロイン的な扱いにしているのか? 継母を登場させたことで、ウツボカズラは未芙由だけじゃないんだと、暗示したかったのかな?とか、いろいろ想像をかきたてられる、ストーリーです。

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