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「アメリカの鏡・日本」の概要(2)長島達明氏の評論から

「アメリカの鏡・日本」の概要(1)長島達明氏の評論から
  (承前)日本が欧米と同じ方法で植民地支配をし、搾取したと.言われるが、一旦は植民地とした満州や中国や韓国でも、日本は時問が経つと約束に従って.不平等条約を取り下げ、治外法権も外して植民地から開放している。何時までも植民地政策を.取り続けた欧米諸国とは違う。その欧米諸国に日本を非難する資格はない。
  4、終戦間際になった日本はもはや戦う能力が全く無くなっていて、降伏が間近であることは、軍事関係者の誰もが知っていた。原爆は戦争終結の手段として使われたのではない。ソ連との戦後の政治戦争を有利に進めるために投.トされたものだ。.ポツダム宣言は日本政府に、「占領か、日本の完全破壌か」を選ばせる厳しい内容だったが、原爆投下までに二週間の時間的余裕しか与えられていない。これは前記の目的で投下されたことを示している。
 5、占.唄政策も、「野蛮な戦争好きの民族である日本人」を懲罰し拘束して、二度と再び立ち上がれないようにすべきだ、との方針の下に作られているが、全国民を有罪として一括して処罰しようとしている。人一人を有罪にするのに、裁判制度を使って慎重に判断し、大変な努力が払われるのに、全国民を有罪視することなんて出来るはずがない。我々にそんな資格があるのか。戦後の占領政策は日本国民と日本文明を破滅せんとするものである。(WGIP政策のことを指していると思います)
 6、日本がやったことは、欧米の先進諸国がやって来た植民地政策のお手本を忠実に踏襲したものであって、欧米諸国が自分の都合の良いように作った所謂国際法を守った合法的なものだった。つまり、日本は欧米諸国の先生方の教育を見習った忠実な生徒だっ.た。
  7、こうして、日本はアメリカの鏡になっている。アメリカはこの事実を自ら認識しないと今後も大きな問違いを犯すことになる。ーーという事を主張しているのです。
 これだけ過激な内容の本ですから、当時連合国最高司令長官としてGHQに君臨していたダグラス・マッカーサー元帥が読んで、この本は日本人には絶対に読ませてはならない、と判断し、邦訳を禁止したとされていますが、この「真珠湾」にも同じような圧力が掛って、邦訳が禁止され、日本では話題にならなかったのではなかろうか? という疑問すら持ちたくなります。ーー
ーーこの紹介文のあとに、長島氏の評論の骨子であるルーズベルトの意図的な日本と戦争への策略の実態が解説されている。
  この時代の米国民は戦争をすることを好まず、平和が維持されることを望んでいた証拠はたくさんある。日本と戦争するためのプロパガンダにちてはNHKTVスべシャルでも放送された。また、当時の満州にいた鮎川義介(日産系財閥の人)は、米国の商社から石油を買う商談をすすめている最中に日米開戦がはじまった、というエピソードも耳に入れたことがある。
 現在の米国では、トランプ大統領がデモ隊の制圧に、警官だけでなく軍隊を出動させたことがメディアで問題視している。警官は市民を守りための治安維持任務である。軍隊は敵を壊滅させるるための兵士である。市民を敵として扱ったことが問題なのだ。
 しかし、大統領はそうした無理筋ができる。米国の政治構造に無関心では」いられない。
 《参照:日米地位協定を検証〜独・伊と比較して〜日弁連シンポから

「アメリカの鏡・日本」の概要(1)長島達明氏の評論から

IMG_20200602_0001_1<長崎ペンクラブ発行の文芸誌「ら・めえる」第80号。米国の有識者が優れた知見で、客観的に太平洋戦争を起こした日本の姿を示した二つの名著「「真珠湾―日米開戦の真相とルーズベルトの責任」(ジョージ・モーゲンスターン)と「アメリカの鏡・日本」(ヘレン・ミアーズ)について、長島達明氏の評論が掲載されている。〉
  太平洋戦争における日本軍のパールハーバー奇襲攻撃のイメージは、米国では定着している。新型コロナのパンデミックショックでも、トランプはその脅威の比較に、パールハーバーや9・11攻撃を上まわると、日本人にしてみると、変な違和感のある取り合わせに見える発言をしている。おそらく特異な政治構造をもつ米国人には、自然なことなのであろう。
  世代の異なる若者の中には、日米が戦争をした歴史も知らない人たちが存在するという話伝わってくる。そこで米国の政治構造のもつ特異性を示す事柄を示してみたい。手がかりは多いが、今回は、啓蒙的な意味を持つ評論が、文芸誌「ら・めえる」(長崎ペンクラブ発行)第80号に発表されている。
 それが、長島達郎氏の評論「『真珠湾』日米開戦の真相とルーズベルトの責任」である。
これは、現在も販売されている「真珠湾―日米開戦の真相とルーズベルトの責任」ジョージ・モーゲンスターン著、渡辺明訳)に関する書評である。
  長島氏はそこでこう記すーーこの著書は、臼米の戦争を引き起こした真珠湾攻撃を仕掛けた張本人は誰だったか、を膨大な資料をペースに扶り出した本である。この主犯が当時の32代アメリカ大統領フランクリン.ルーズベルトだった、ということが記されてあるのですが、驚いたことにこの本は終戦後一年目の1946年8月には刊行されているのです。そして47年にはアメリカでベストセラーになったそうですが、当時の目本では何故話題にならなかったのだろう? 初の邦訳が出版の50年以上後の1999年ですから、この本をもっと早く[本国民に紹介しなかったのは日本の言論界の怠慢とも.、言えそうですが、邦訳の遅れた理由について、思い当たることがあります。−−として、まず「アメリカの鏡・日本」(ヘレン・ミアーズ箸・ 伊藤延司訳)書の概要が記されている。
   長島氏は本書について、要領よく整理して解説しているので、その紹介文をできるだけ忠実に抜粋してみる。
 ー1ーの「プロローグ」では、「真珠湾―日米開戦の真相とルーズベルトの責任」が1945年8月に刊行され、47年には米国でベストセラーになったのに、日本ではそうなかった事実を記している。
  その話の前段階として「アメリカの鏡・日本」の内容が解説されている。これを書いた、アメリカ人女性は1900年ニューヨークの生まれ。若い頃日本を訪れ、日本研究者になった。。1936年の2・26事件を東京で実体験した。.戦時中にはアメリカ本国で目本調査の専門家として活躍。戦後はGHQの一員として日本で働いた経験を持つ。「知旧派ではありますが、決Lて親日派と言える人ではないようです」としている。
  本書の彼女の主張を箇条書きにして解説されている。
  1、戦時中、アメリカ政府は、「日本人は狂信的軍国主義者の集まりだ」、「野蛮な戦争好きの民族だ」、「こ
いつらを叩き潰さねばならない」と言う謳い文句で国民を戦争に駆り立てたが、実際の日本人はそんな民族ではなく、平和を愛する国民性を持っていた。1853年に外国人(アメリカのペリー提督のこと)が無理やりに日本に入って来るまでは、狭くて貧しい国土の中で平和に暮らしていて、拡張主義者とは全く反対の行動を取っていた。日本のパールハーバーへの攻撃は、アメリカ政府が自分の国民を戦争に巻き込むために仕組まれたものだ。
  2、日本は領土拡大のために戦争を始めたのではない。自国を守るのが日的だった。資源のない国な
ので、輪入した原料を加工して製品化し、それを輸出して外貨を稼いで生活必需品を輸入する他に生きる道がなかった。が、1930年代にはメイド・イン・ジャパンの製品が匹界中に溢れ、アメリカや欧州諸国にとって邪魔なものになっていたので、日本からの輸出を不当に締めつけ、その上資源供給国からの諭出を制隈して資源の供給も出来ないようにした.。日本は自国の存続のためにやむを得ず立ち上がらざるを得なかったのであって、領土拡張の意図は全くなかった、と言って、H本が戦争に踏み切った正当陸を強調している..それらの事実を、数字を挙げ、当時の関係者が言っていたことを実名で挙げて紹介して、日本を戦争に遣い込んだのは我々の方だった、との結論を導き出している..(東京裁判を主宰したマッカーサー自身が帰国後、公式の場で一目本の戦争は自衛のためのものだった」と証言しています)ーー。
  3、日本は実際にアジアの各国を欧米の植民地から解放して来ている。フィリピン、マレーシア、インドネシア、ビルマ、インドなどが独立して自国の政府の政府を持つことができるようになった。(この項つづく)

米中対立の中の技術革新=5Gは医療用など産業用から

   5G( 第5世代通信移動システム)は、使用周波数帯の広いのが特長で、2時間の映画が3秒でダウンできるという速さが具体例として、よく説明されている。また、多くの携帯端末一度に接続できる「多接続化」や信号をやり取りする時のタイムラグが最小化できる「低遅延化」もメリットとされている。端末と基地局の間にかかる遅延が0.01秒から、0.001秒で、感覚的には同時性が高まるとされている。
 ただし、現実にはスマフォでそのまま2時間の映画を見続けるのか、大型画面につなげるのにコストがかるのではないか。また、家の家電製品など生活用品のIOT化にどれだけのメリットがるのか、費用対効果に疑問がある。  
  携帯電話各社の5G通信技術の開発体制強化にには、多大な投資が必要である。中国企業のハーウエイが、5G基地局の設置を低価格で行い、さらにその優れた多機能性から、通信利用の情報の取集が可能であり、通信秘密の漏えいが懸念されている。
  トランプ大統領は、ファーウエイへの半導体や部品の納入を禁止する方向にある。ところがファーウエイは、対抗措置としてすでに2年分の半導体を仲介業者を通して、確保しているという。
  それが事実だとして、半導体というのは、2年も技術改良がなにものか、古い製品を使用することで、競合他社者との競争力に影響しないものなのか、が問題である。
  それは、ともかくそうした問題があったとしても、5Gの性能は、医療業界での遠隔操作、建設業でのブルドーザーや農業用トラクターの自動運転など、人手不足を解消する方向であれば、高額な設備投資に耐えうるニーズがあると思われる。
  とくに医療における遠隔誌医療は、新型コロナ感染対策で急速に普及しているという。
  中国では、2014年頃からオンライン治療がはじまっていてたが、保険適用がなかった。それが、19年夏にオンライン診療を公的医療保険の対象とする方針を打ち出した。上海市のある総合病院では、2月末に始めた24時間対応のオンライン診療を報道陣に公開。米国の大学に通う学生など、海外の中国人からの相談にも対応しているという。インライン治療を始めてから2週間で、5千人以上で、自宅や職場から受信できるので、便利で、医師のコロナ感染リスクも防げる。
  中国の医師は不足しており、オンライン診療の普及する要素が存在している。世界保健機関(WHO)によると中国の人口1万人あたりの医師数は16年時点で約19人。米国(26人)や日本(24人)より少ないという。 調査会社によると、春節(旧正月)期間におけるオンライン診療アプリの利用者数は、前年の同じ時期より約3割増えた。代表的なアプリ「平安好医生」の登録者数は3億人を超えるという。診療回数は1日約73万回に。
  ネットに登録するだけで初診も可能。予約もできるため待ち時間も少ない。受信料や薬の代金はネット決済。市内に住む人には薬の宅配もある。都市部においては、日本よりも進んでいる。
米国の場合、今年のオンライン診療は10億回となりそうだという。新型コロナ感染拡大前の予想(約3600万回)の約28倍となる。米カイザー・ファミリー財団によると、米国の外来診療におけるオンライン比率は18年で2.4%だった。これが20年は大幅に増える見通し。
   新型コロナに特化して、ニューヨーク市など多くの病院は緊急以外の外来患者の受け入れを中止した。緊急措置で米政府は3月、高齢者向けの公的医療保険「メディケア」でオンライン診療の保険適用範囲を大きく拡大。過疎地のみといった従来の条件を撤廃し、全米で受けられるようにした。州政府も同時期に民間保険会社に保険でまかなうよう指示、コロナをきっかけに保険適用の範囲が一気に広がった。
   英国は国民医療制度(NHS)が英企業、バビロン・ヘルスの開発したオンライン診断アプリを保険適用している。同アプリには、人工知能(AI)による症状の分析とオンライン診療の2つの機能がある。軽度の症状の診察はAIが医師を代替し、本格的な診断や薬の処方はオンライン診療で対応する。
   NHS加入者は患者負担が原則無料だ。英で家庭医と呼ばれるかかり付け医は、患者の対応に忙殺されがち。アプリのAI機能とオンライン診療によって家庭医の負担を軽減する。
   日本でも導入医療機関が増えている。システムを提供する都内のマイシンは納入件数が3200施設に達した。これは通常時2,3倍で、同様の医療機関の増加が求められるという。今回の規制緩和は感染が収まるまでの時限措置。オンライン診療を活用して医療を効率化し、年40兆円を超える医療費の削減につながるという報道もある。新型コロナ収束後もオンライン診療を活用できるよう、国は制度整備を進めべき、という医療関係者の声が出ている。
  中国などでは、都会の富裕層と農民工との格差があるが、富裕層中心のインライン技術は、世界の最先端をいってることがわかる。

三浦大仏(久里浜霊園)/大仏探訪記=盛丘由樹年

 みうらだいぶつ1大仏三浦<三浦大仏(神奈川県三浦市・久里浜霊園。写真:盛丘由樹年>
  Щ葦座臺(神奈川県三浦市・久里浜霊園)
  2019年9月7日、三浦半島・京急長浜駅から歩いた。駅のプラットホームから、山の上に五重塔の上層部分が見える。それなりの高さのある山の上なので、歩いていくのに、やや尻込みしてしまう。それは久里浜霊園のシンボルの一つだ。この霊園のシンボルの最たるものが大仏だ。五重塔に近い位置にあるはずだが、駅からは見えない。地図によると、駅から直線的には行けず、迂回するように道を歩くのだが、五重塔が見えているからわかりやすい。
  霊園の領域に入り、坂道を上る。車道も付けられているのだが、私は段々に区画された墓地の中の細道を歩いて上った。きつい上り階段が多いが、ところどころ観音像や地蔵像があるので、飽きない。
  山の頂上の手前に大仏があった。高さ13.5メートルあるという白い石像だ。(コンクリート像には見えない出来栄え) この仏は立っている姿なのだが、足元が見えない。雲の中に隠れているという設定だろう。首が補強されているようだ。首は大仏の弱点なのだ(折れやすい)。巨大な光輪を背にしている。顔を見ていると、元女子スケーターの浅田真央さんを連想してしまう。
  四角い台座の中は、霊園らしく、納骨堂になっている。その入口の両脇には一対の仁王像が立って見張っている。これらはほぼ等身大で、例のごとく威嚇するポーズをとっている。
  山頂は芝生の広場になっており、公園的だが、五重塔のほかにも、周囲に石像物などが並べられており、巧みに聖地らしさを演出している。
  広場の奥のほうに、数十年前に埼玉県で発生した幼女4人の連続殺害事件に関係するプレートをみつけた。私にも思い当たる事件だったが、あの事件がどうしてこの地と関係するのだろうかと疑問に思ったけれど、深くは追求しないでおこう。
《文芸誌「みなせ」85号「雑事記・大仏探訪」より抜粋。盛丘由樹年:秦野市在住、フリーライター》

モダン文学の里「馬込文士村」の風景(3)尾崎士郎と宇野千代

IMG_2452IMG_2454IMG_2456<馬込文士村のエリアにある慈眼山万福寺の境内とそこから眼下の街並み。かつてここ、農家と大根畑が見えたに違いない。>《参照:コロナ禍の世間録!馬込文士村付近(上)東京・万福寺
  馬込文士村に関し文芸評論家の奥野健男は、室生犀星の存在ついて印象が強いらしく、ーー室生犀星は.石川県金沢、尾崎十郎は愛知県吉良町、宇野千代は山口県岩国の出身でその郷土色を強く持っているが、青春時代上京し、東京を舞台とLた多くの小説を書いている。
  また犀星は田端、馬込の文士村、土郎、千代も馬込文士村、干代は戦後銀座に居を構えるなど、東京文士の渦巻の中核にいた。
KIMG0132_1<万福寺境内にある室生犀星の句碑>
  女中の子と生れ、義母のもと寺に育ち虐げられた少年期を送った犀星は、後に「抒情小曲集」になる詩を中央詩壇に投稿L認められ、上京、萩原朔太郎、山村暮鳥などと「感情」をを刊行し、白秋門下の三羽烏と呼ばれ新進詩人となったが「幼年時代」、「性に眼覚める.頃」で小説家として注目された。
IMG_2461IMG_2460IMG_2459<高台にある万福寺だが、それよりさらに高いところにJR大森駅に向かうバス道路と住宅地がある。付近に昔の雰囲気を残す木造住宅があった。外出自粛期間であっため、町を探索する人も少ない。>
  結婚して田端の文士村に居を構えてからも犀星は、東京という大都会に強い興味を抱き、.竃気女など出没する浅草を描いた「幻影の都市」(1921年)、山手線を幻想的に描いた「桃色の電車」(1920年) などは都会幻想文学の先駆.的作品である。(東京都近代文学博物館「東京ゆかりの文学者たちー昭和機彈疾減埓院θ崎士郎・宇野千代ーより)。
ーー尾崎士郎は早大時代から文士であり壮士国土であったが、懸賞小説で宇野千代と知りあ.い結婚。馬込に住みながら漂流していたが、都会に出て来た義理と入情の田舎青年を主人公として東京を舞台で活躍する「人生劇場」」で一躍「国民文世字」の担い手になる。宇野千代は北海道の夫を捨て尾崎十郎と結婚。馬込に住むがその美貌と才気は多.くの文学者を魅惑し.梶井基次郎、小林秀雄などをひきつけ、流行.画家東郷青児と結婚。「色ざんげ」という東京の上流子女たちの大胆な生活を描く。(前掲解説書)ー(つづく)

断捨離の重みと蔵書の価値感(下)   小野 友貴枝

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 (承前)
  さらに夫の健康状態も落ちてきて、一番自慢していた頭脳の活力が落ちてきた。初期認知症から、2年目で中期認知症になっている。しかし本への執着力は激しくて1冊の本も捨てられない。私がわずかに、法規や行政関係の本は、過去のものは使えないからと、内緒で廃棄しているがこれも見つかれば、怒鳴る。
  そこで、長男が見かねて、「お母さんが元気なうちに、お父さんに分からないように、見つからないところから、片付けていこう」と言うことになった。
  先日、本棚4個分、本の価値など考えずに、がたがたと束ね、環境センター(市営)に運んだ。そこで、私が身震いしたことは、文学関係の初版本が見つかったことだ。
  たとえば「現代漫画15巻」「手塚治虫集」(1970年5月30日第一刷発行・筑摩書房)を手にして、心が熱くなった。マンガの先駆者的な、手塚治虫の本は捨てられない。
 さてどうしたものか、私が捨てようと決心した書庫の中にもこのような、価値のある本がもっと見つかってしまうのではないかと恐怖が走った。
   選択眼を放棄して、一気に破棄しようと決めたその決心が鈍ってしまった。夫が65年間集めた本が例えば1万冊あるとして、さて、それらを選りわけて残すエネルギーは今の私にはない。さらに、こどもたちにはもっと関心がない。
   私は、今悩んでいる。夫の書庫にはもっと価値のある本が出てくるであろう。何といっても本を買うのが趣味で、その上、買ったはいいが、半分以上読んでいない、新刊に近い本を捨てていいだろうか。
   しかし、本の守ってくれている図書館は蔵書文化であるが、個人所有の古い本は、個人の消耗品にして焼却していいものなのか。時代の中で、これからの世の中で必要とするものがあったとしたら、あるかもしれない、お金のことを言っているのではない本の価値のことを言っている、それを保存するシステム、または、書籍の「鑑定団(かんていだん)」が、公的な機関として必要なのではないだろうか。
  特に、本に飢餓感のあった、戦中派、その世代の人が溜めた本は捨てずに、どこかの貯蔵庫に保管しておいたらいかがなものだろうか、再発行できない本がたくさんあると思うのだが、思いすごしだろうか。(2020・5・27)
☆〜〜作家・小野友貴枝(おのゆきえ) プロフィール〜〜☆
 神奈川県秦野市在住。1939年、9人兄弟の五女として栃木県に生まれる。1962年、神奈川県立公衆衛生看護学院を卒業し、保健婦の国家資格取得。神奈川県職員となる。主に保健福祉分野に従事。1964年に結婚。3人の子どもを育てながら勤めを続ける。2000年、平塚保健福祉事務所保健福祉部長として定年退職。同年6月、日本看護協会常任理事に着任。2004年、秦野市社会福祉協議会会長、国立東京第一病院附属高等看護学院の「東一同窓会」会長などを務める。文学活動にも精力的に取り組み、秦野文学同人会代表、日本ペンクラブ会員。主な著書に『秘恋の詩』(叢文社、2001年)、『秘恋竹取ものがたり』(同、2003年)、「那珂川慕情』(同、2006年)、『恋愛不全症』(同、2008年)、「秘恋』(同、2010年)、「愛の輪郭(短編・掌編)』(日本文学館、2012年〉、銀華文学賞入選作を収めた『65歳ビューポイント』(同、2013年)がある。
NEOBK-2410660_1☆新刊=「高円寺の家」(文芸社)
★既刊= 「社協を問う」(文芸社) 
★既刊=「夢半ば」日記(全4巻)PC100003_1<1巻 女の約束は〜思春期日記(14歳から25歳まで)/2巻 女の一念は〜青年期日記(26歳から55歳まで)/3巻 女の仕事は〜壮年期日記(56歳から65歳まで)/4巻 女のストリーは〜成人日記(66歳から75歳まで)>
■関連情報=☆小野友貴枝さんが出版体験を講演=女性の日記から学ぶ会(千葉)

断捨離の重みと蔵書の価値感(上)   小野 友貴枝

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   断捨離の話題がヒットしているが、私にとっては「夫の本」だ。昭和の33年大学卒業であれば、物不足時代の戦中派だから、本への愛着心は旺盛だ。大学時代は、お小遣いには困らない家庭の長男、それでも書店でアルバイトしたかったというほど、本への愛着心は旺盛だ。
 それだけでなく、仕事は公務員、ほどほどに教養を求められ、そして退職してからは、民間の短大に再雇用されたから、一般教養も、教育関係の文献も必要とされた。彼の流儀は、どんな講師でも、まず、周辺の文献を揃えなければ、安心しないというほど、本で固める人だ。
  私は、そんな習癖にいやというほど付き合ってきた。なので、ある意味で、本を買うことを抑える意味で「この程度の本なら市立図書館にあるのよ」と、図書館常連客の私がアドバイスした。
  その結果、図書館で借りたことのない彼は、本を返すことを忘れて、結局弁償する羽目になった。本の定価よりも3倍もの賠償金を払ったという、バカを見た。本は、自分のものでなければ、彼はほんの価値を判断できないタイプだった。
  この例を2度と繰り返したくないのと、私は、図書館利用を決して勧めなかった。
  彼は、ほどほどに経済観念はある方だが、遊びをしないこともあって、小遣いには不自由しない、という環境であった。彼の消費欲は「本」を買うことだ、仕事が求めた行政関係の本、それから、趣味の写真、山登りの山、草木、音楽関係の本、そして、教養にと、百科事典から、哲学、歴史全集、日本の文学全集まで、買い求めてきた。
  彼が、友達を家に呼び自慢する言葉は、「その本なら家にあるから貸すよ」というフレーズで、必ず2,3冊の本を本棚から出してくる。
  友達のお世辞は「いい本がありますね、どんなジャンルの本でも揃っていますね」と褒められ、また有頂天になって、さらに本屋に日参する、
  いくつかの職業を経て、夫は無職になった、75歳からは、ブックオフに行くことが楽しみで、廉価な本を必ず4、5冊は買ってくる。友達からおだてられ本屋のレジで尊敬されて「先生、毎日いい本を見つけますね、これはなかなか出ない本ですよ」と自尊心をくすぐられれば、またまた買ってきて、積み上げる。もう物置も書斎も、そしてさらに造作した別棟の倉庫も本でいっぱいになった。 
  その夫も80歳過ぎて本屋に行くことも、自慢することも無理になった。その時、この財産は、「無用の長持」になって、妻側から言えば、「どうするのよ」と攻撃的な言葉になって、叫びたい。大切な家の中が本で侵蝕されて、片付けようがない。(つづく)
☆〜〜作家・小野友貴枝(おのゆきえ) プロフィール〜〜☆
 神奈川県秦野市在住。1939年、9人兄弟の五女として栃木県に生まれる。1962年、神奈川県立公衆衛生看護学院を卒業し、保健婦の国家資格取得。神奈川県職員となる。主に保健福祉分野に従事。1964年に結婚。3人の子どもを育てながら勤めを続ける。2000年、平塚保健福祉事務所保健福祉部長として定年退職。同年6月、日本看護協会常任理事に着任。2004年、秦野市社会福祉協議会会長、国立東京第一病院附属高等看護学院の「東一同窓会」会長などを務める。文学活動にも精力的に取り組み、秦野文学同人会代表、日本ペンクラブ会員。主な著書に『秘恋の詩』(叢文社、2001年)、『秘恋竹取ものがたり』(同、2003年)、「那珂川慕情』(同、2006年)、『恋愛不全症』(同、2008年)、「秘恋』(同、2010年)、「愛の輪郭(短編・掌編)』(日本文学館、2012年〉、銀華文学賞入選作を収めた『65歳ビューポイント』(同、2013年)がある。
NEOBK-2410660_1☆新刊=「高円寺の家」(文芸社)
★既刊= 「社協を問う」(文芸社) 
★既刊=「夢半ば」日記(全4巻)PC100003_1<1巻 女の約束は〜思春期日記(14歳から25歳まで)/2巻 女の一念は〜青年期日記(26歳から55歳まで)/3巻 女の仕事は〜壮年期日記(56歳から65歳まで)/4巻 女のストリーは〜成人日記(66歳から75歳まで)>
■関連情報=☆小野友貴枝さんが出版体験を講演=女性の日記から学ぶ会(千葉)

776億円の事務委託手数料は過大でないか=海江田万里

☆ 緊急事態宣言解除 ☆海江田万里の政経ダイアリー2020.5.26号より。
 26日午前0時を以て全国の緊急事態宣言が解除されました。これを受けて経済活動が再開されますが、今後の感染拡大の可能性を考えると、段階的に徐々に再開するしかありません。政府は27日、第二次補正予算を閣議決定する予定です。その中身の大部分は、本来なら一次補正で手当てすべき項目で、遅きに失していることは、ここでは強調しません。
 【オンライン申請は銀行のシステム仕様との合致が必要】
 現在、第一次補正予算で実施が決まった各施策の実行が遅いとの声が日々聞こえてきます。特に、売り上げが急激に落ち込んだ事業者向けの「持続化給付金」は、5月1日から受付が始まり、最初の一週間くらいに申請した人の中には、すでに給付されているケースがあります。
 私が知る限り、最短だったのは1週間で銀行口座へ入金があった例があります。その一方で、「5月第一週に申し込んだのにまだ入金がない」という方々も沢山います。
 案内には、書類に不備があれば、「不備通知」の連絡が来ることになっていますが、その通知もないのに入金がまだということで、どうなっているのか私のもとにも問い合わせが増えています。その点を、中小企業庁に確認したところ、「『不備通知』を出さない案件の中の約4割に小さなミスがあり、そのミスを事務局がわかる範囲で、訂正しているため時間がかかっている」そうです。
 小さなミスの中で、一番多いのが数字の写し間違いです。それに銀行のシステム仕様では「ー」は半角にしなければいけない。また文字は「ッ」などの小文字ではなく大文字の「ツ」でなければならないなど、不備とは言えない不備を細かく見て訂正しているそうです。いずれにしろ、事業者にとってはこの月末を乗り切れるかどうかに事業の存続がかかっていますから、その苦労は理解できますが、「是非、月末までに入金を」と伝えておきました。
 【持続化給付金には1件あたり5万円の事務手数料】
 「持続化給付金」については気になる国会での質疑がありました。先週末の衆議院決算行政監視委員会で立憲民主党の川内博史議員の調査によれば、第一次補正予算で決定した「持続化給付金」2兆3176億円には776億円の事務委託手数料が計上されています。
 第一次補正予算の「持続化給付金」で対象とする事業者数は150万件ですから1件当たりの手数料は約5万2000円になります。この委託を受けているのは経済産業省と関係の深い「サービス・デザイン推進協議会」で、この団体の中心は大手広告代理店の「電通」です。「電通」は、先のポイント還元でも多額の事業委託を受けています。また、自治体が行う各種の給付金や商品券の発行にあたっても、大手広告代理店は、事務委託手数料をそれぞれ受け取る仕組みができています。
 この種の給付金に事務費が必要なことは言を俟ちませんが、1件当たり5万円というのは多額すぎないでしょうか。競争入札は行なわれたようですが、2社だけの入札で、もう1社がどこかは公表しません。皆が困っているときですから、事務費はできるだけ少なく抑えて、その分困っている人への給付に充てるべきでしょう。
 ちなみに、第二次補正予算では、「持続化給付金」の対象に、この春から新規開業した事業者も加えることになりました。これは歓迎すべきことです。(衆議院議員 海江田万里)

市民文芸誌「勢陽」第32号に読む保健意識とマスク文化

IMG_20200525_0001_1<文芸同人誌「勢陽」第32号(三重県志摩市)。現代小説、詩、エッセイ、時代小説など、各同人仲間の作品を掲載費用を自己負担とし発表する。単独で発行するより見映えが良いわりに経費がかからないのと、すでに同人の読者がついているというのがメリット。>
 同人誌というと、今ではオタク族系のコミック(マンガ)の祭典「コミケット」で何十万人を動員する昔の若者が高齢化した(中年)と若者のイベントになっているが、それと対照的に高齢者層の名Kでは、文章系の文芸同人誌が細々と息長く存続しいている。これらは同人誌といっても、同人会員が主たる読者で、縁のない人がほとんど読む機会はない。内容も、ほとんどが高齢者の日常生活に沿った題材であり、書き手の感性や感覚を表現したものが多い。かつての経済成長期に力を尽くした世代が、その成果によって悠々自適で暮らす、平和な感じのする表現作品が多い。
 そうした文章系同人誌のひとつである「勢陽」の第32号を読んでいた。すると、作品鑑賞と別にふと、気付いたことがあった。各種作品のなかに、マスクと風邪予防に関する表現が異なる作者によって3作品もあったのである。
 これは、何時ごろ書かれたものか、と発行日付を見ると、2020年4月1日とある。ということは、編集期間を考えると、まだ、コロナ感染対策ができていないいない頃に執筆されたものと思える。ということは、市民の日常性に、マスクや風邪予防対策が浸透していることを示すものだ。
 「勢陽」32号には、小説「マスク」(夢之岳夫)が掲載されている。そのもののタイトルである。ストーリーは語り手 が、「河童」という居酒屋に入ると、そこに里奈という美人の店員がいる。花粉症で咽喉がいがいがすると、マスクをして接客をしている。ところが、彼女のマスクに顔を近づけると、幻想的な世界に引き込まれる。そうした幻想のなかで里菜と会う。「河童」という想像上の生物と絡めて、マスクを媒介としたイメージを構築した点で、世界で唯一のショートストリーかも知れない。
 そして、同時掲載の小説「鏡ちゃん」(大山まるこ)では、時間、空間を自由に動くことのできる語り手、鏡ちゃんが、置かれた家に住む家族の行動を伝えるはなし。その中にこんない場面がある。ーー「ただいま」/だれもいない家に二郎が足取りも軽く帰ってきた。手を丁寧に洗いうがいをする。大山家では全員このように躾けられていて、冬になっても風邪をこじらせることがない。−−
  さらに別人の小説「ゆびきりげんまん」(桂一雄)では、語り手がKという人物と待ち合わせをする。そこでこう記されている。前略−−遠くの方から手を振る人物が見えました。Kです。ですが、すぐにはわかりませんでした。なぜなら目の下まですっぽりと隠れる大きな黒いマスクをしていたのです。−−その理由は、花粉症だったのであるが……。
  いずれにしても、まだ、コロナ騒ぎが、起きていない時期にこのように自然な形で、マスクを使う日常が、描かれているのである。日本では日常生活のなかに、保健的行為が組みこまれていることになるのではなかろうか。しかも、その基本は同じで、多少の違いがあっても、効果があることは確かである。このことを自覚するすることによって、現在の新型コロナもその感染防止法を習慣づけることが可能であろうと考える。
 新型コロナウイルスのパンデミックの対策で、PCR検査の不足など対応の不手際を、海外から指摘されながら、その被害の少なさは、国際的にも謎とされている。
 吉崎達彦氏の「溜池通信」外国人ジャーナリストのWilliam Sposato氏がが”Foreign Policy”誌に書いた記事が「日本は単にラッキーなのか、それとも正しい政策の結果なのかは判じ難い」を抄訳・紹介している。
  その概要は、ーーコロナウイルスとの戦いで、日本がやっていることは全て間違っているように見える。検査は人口比0.185%、ソーシャル・ディスタンスはいい加減、国民の大多数は政府の対応に批判的だ。しかし致死率は世界最低、医療体制も危機を回避し、感染者数も減少傾向にある。危機の初期段階から、検査は入院が必要な患者に限られていた。「感染拡大を遅らせ、死者を減らすことが目的だ」と元WHO幹部の尾身茂は2月中旬に言ったものだ。結果はお見事で、5/14時点でCovid19による死者は687人、人口百万人当たり5人に過ぎない。米国では258人、スペインは584人、成功と言われるドイツでさえ94人なのである。ーーとしている」。日本が中国に近く、多くの観光客があり、世界で最も高齢化が進んでいることを考えれば、ほとんど奇跡のような少なさである。ーーとも。
  そして、−−日本人は法令遵守で健康重視なのだと言いたがるが、皆が真剣に取り組んでいるようには見えない。その典型がパチンコ屋で、閉店を拒む店もある。ーーそれでも互いに気を使い、距離を取り、握手をせず、衛生観念の高い日本の文化が(計量し難いが)、効果をもたらしたのだろう。不幸にして文化の悪い面、医療従事者や患者への悪意ある対応も目に付く。表向きは称賛されつつも、看護婦の子供が保育園で忌避されたりした。日本医師会の横倉会長が業界を代表して要望し、差別はやや減ったと言う。ーーもっとも、日本はなぜ最初から危機がなかったのかも、多分わからないのだが。ーー
  こうした思いは日本人も似たようなものであるが、今のところ、衛生観念に敏感なとこっろが、悪い作用を及ぼしていないことは、確かなようだ。

街角図書室(相模原市)に同人雑誌など寄贈=外狩雅巳

   相模模原市に街角図書室「オリオン」ができた。自宅からは近いので連絡して町田文芸交流会関係者の自費出版書籍などの展示を依頼した。ここは高齢者から中学生までが立ち寄り、思い出の本や初めて触れる本の話題に花を咲かせる場となっているという。《参照:安西祐太さん
    「みなせ」誌85号、「相模文芸」誌38号、書籍「この路地抜けられます」(外狩雅巳)など多数を持参し寄贈してきた。
   コロナ騒動で相模原市は図書館・公民館などは9月1日にならなければ閉鎖が解除されない。
   そんなときに市民の文化要望に合わせて開設された。たとえ小さなスペースでも貴重なことだと思う。☆関連情報=街角図書館が解説
   対応に出られた女性に、開設場所になっているリハビリ店の介護福祉士の名刺をいただいた。
   文芸同志会と相模文芸クラブとに所属している名刺を渡すとネットで検索するという。
   書棚にあふれていた同人雑誌と自費出版本も多くの人に読まれる機会ができた。
   今後も連絡し、閲覧があるなら更に多くの同人雑誌や私の著書などを寄贈したいと思っている。
 ☆町田文芸交流会事務局担当・住所〒252−0235神奈川県相模原市相生2-6-15、外狩雅巳方。
■関連情報= 詩人回廊「外狩雅巳の庭」
北一郎「外狩雅巳『二十八歳の頃』の読み方」抄録
穂高健一ワールド・サイト「寄稿・あなたの作品」コーナー(9月1日付)
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 外狩A 外狩雅巳(とがり まさみ)=1942年、旧満州生まれ。仙台で中学卒業後、商店住み込み店員となる。その後、単身上京。工場労働者として労働運動に力を入れる。同人雑誌を中心に地域の市民文芸文化振興と小説執筆での作家活動を行う。
(著書参照:「この路地抜けられます」「十坪のるつぼ」
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