暮らしのノートITO

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何がどうしたって?橋下氏の名誉棄損提訴でIWJ岩上氏が会見へ

  橋下徹前大阪市長から名誉棄損として、IWJの岩上安身氏(ジャーナリスト)が、提訴をしたという。この件について、岩上氏が1月22日(月)に自由報道協会主催の記者会見を行うことがわかった。《参照:自由報道協会サイト
昨年末、元大阪府知事であり現在も活発に言論活動を行う橋下徹氏から、ツイッター上での私のリツイートが名誉棄損に当たるとして、100万円の損害賠償を求めてきたという。
ツイッターコメントの提訴騒動は、大阪府の現職・松井一郎知事が、新潟県の米山隆一知事のツイッターの投稿で、提訴したとか、するとか? そんなに市民はツイッターばかり見てるのか、と不思議に思う。
 事情がわからない市民に、何を伝えようとするのか、わけのわからないツイッターの堀リ起こしを聞かされるのだろうか。

AV出演強要に刑法の淫行勧誘容疑を適用!3人を逮捕

 一般女性へのアダルトビデオ(AV)への出演を強要される被害事件について、警視庁はこのほど、その犯行容疑者に対し、刑法の淫行勧誘罪を適用したことがわかった。
   東京新聞(1月19日の夕刊)によると、次ような報道になっている。ーー警視庁は19日、AVの出演経験がない二十代女性を勧誘して無理やり出演させたなどとして、淫行勧誘などの疑いで、いずれも東京都内のAVプロダクション元社員と制作会社経営の男計三人を逮捕したと発表した。一般女性へのAV出演強要という悪質性を考慮し、刑法の淫行勧誘容疑を適用するのは異例。
 淫行勧誘罪は売春婦らではない、一般女性を勧誘し、営利目的でみだらな行為をさせた場合に適用。AV出演強要に対し、これまでは労働者派遣法違反などの適用にとどまっていた。
 保安課によると、逮捕したのはプロダクション「ディクレア」元社員、雪本剛章(たかあき)(35)=横浜市西区みなとみらい五=と、制作会社「ビエント」経営中野斉(ひとし)(51)=東京都中野区弥生町五=の両容疑者ら。雪本容疑者ら二人は容疑を認め、中野容疑者は「(女性が)初めて出演するという認識はなかった」と否認している。
 逮捕容疑では、2015年6月、AVの撮影映像が無修正で配信されることを隠し、出演を拒んだ女性に「あなたのプロフィル写真を撮影するのにいくらかかっていると思っているの」などと言い、中野区の撮影所で男性相手に性行為をさせたなどとされる。
 「一本ぐらいは出てもらわないと」「ギャラを考えると、いい話なんだよ」としつこく説得し、一本の撮影契約だったのに、現場でいきなり複数の映像を撮影していた。映像は海外の配信会社を通じてネット配信され、制作会社は約520万円、プロダクションは約60万円を得ていた。
 撮影後、女性には約20万円が渡されたという。被害女性らを支援するNPO法人から警視庁に被害相談があり、発覚した。
◆個人情報握り「親にばらす」
 AVの出演強要被害が相次ぐ背景には、女性らを拒否できない状況に追い込むプロダクションや制作会社の強引な手口がある。2016年6月にもプロダクション元社長ら三人が逮捕されるなど、被害相談に応じる二団体には昨年、計99件の相談が寄せられた。NPO法人「ライトハウス」(東京)の広報担当瀬川愛葵(あいき)さんは「動画を削除したいという出演後の相談が圧倒的に多い」と明かす。
 被害に巻き込まれるきっかけとしては、モデル関係の仕事を装った街頭でのスカウトのほか、最近は会員制交流サイト(SNS)などで「短期間で高収入のアルバイト」をうたった勧誘が目立つ。所属先となるプロダクションは面談時、「未成年でないことを確認したいから」と、顔の横に学生証を掲げた写真を撮ったりして個人情報を握る。
 女性らは「専属モデル契約」などと書かれた契約書を交わす際、内容を細かく確認しないままサインさせられるケースが多い。プロダクションと制作会社がAV出演を勝手に決め、撮影前日や、当日に現場で初めてAVと知らされる人も。拒否しても、高額な違約金とともに「親や学校にばらす」などと脅される。
 関係省庁の対策会議は昨年五月、若者への性暴力に関する相談、支援のあり方の調査研究を進める方針を決めた。瀬川さんは「業界にルールがなく、今は野放し状態。国が監督官庁を決めて、チェックできる仕組みをつくる必要がある」と指摘する。(神田要一)ーー
  記事の内容から、この事件はNPO「ライトハウス」に被害者が相談したことで、こうした逮捕事件になったと推測できる。
《参照:マンガでわかるアダルトビデオの出演被害!Aさんの事例マンガでわかるアダルトビデオの出演被害!Bさんの事例

長崎原爆後の斎藤茂吉の「はがき」資料「ら・めーる」75号

IMG_20180118_0001_1<「ら・めえる」75号に掲載の評論・宮川雅一「終戦直後に斎藤茂吉の書いたハガキ」のコピー。>
 ながさき総合文芸誌「ら・めえる」(長崎ペンクラブ)には、歌人の斉藤茂吉が、長崎原爆投下後、敗戦間もなくに長崎在住の知人に便りをしていたことが資料として掲載されている。
 これは、同誌の宮川雅一「終戦直後に斉藤茂吉の書いたハガキ」という評論。それによると、本誌の編集責任者である新名則明氏が、長崎の富豪で芸術愛好家の永見徳太郎(1980〜1950)の業績を研究している関係で、その資料が長崎図書館に所蔵されているのがわかったのだという。新名氏からコピーをもらい、そのハガキの検証を行っている。
 米国によって広島につづき長崎に原爆が投下されたのは8月9日。8月15日に日本が無条件降伏。敗戦となった。それからひと月後の昭和20年の9月に、斉藤茂吉が使った手紙は、罹災によって、昭和20年6月に山形県南村山郡に転居通知の葉書を利用して便りを出していることがわかった。
 評論によると、茂吉は、昭和21年(1946)8月、戦争で遅れていた第三歌集「つゆじも」を岩波書店から刊行したが、敗戦から約1カ月後のこのころすでに、その準備をしていた事実がわかるという。そのほか、茂吉の長崎人との交流による短歌も紹介されている。――今年は茂吉の初来崎百周年だという。長崎と茂吉との強いつながりを多くの人に知って欲しいとある。
 そのほか同誌には、巻頭文の田浦直【ポンペが泣いている】がある。これは、まだ長崎奉行の存在した時代の小島療養所の遺跡が佐古小学校跡から出てきた。これは1857年、オランダからやってきたポンペ ファン メーデルフォールトという軍医が医学校を政府に開設させ、養生所、分析窮理所などをつくり、長崎大学医学部の前身となったものだという。ポンペは医学生の育成のほか、養生所では1万4千人強の患者を治療し、コレラや梅毒の上陸を阻止したという。しかあい、その遺跡は土木工事で破壊されており、ポンペに申し訳ないという筆者の心情がのべられている。
 その他、佐藤泰彦【ちょこっと長崎ファースト供曚任蓮⊃邑減少社会での長崎市の将来を憂いている。
 さらに西口公章「長崎県の戦時型機帆船建造史 3」は、戦時中の造船所の機帆船の製造過程と素材など、筆者の取材写真などを入れて、貴重な調査資料となっている。

東芝(株)上場維持の隠されたリスク(下)=岡部陽二氏

【「特注」解除の経緯は疑問だらけ】
  「特注」銘柄指定は、内部管理体制に問題がある企業に一定期間での改善を促す制度である。
   改善の方向にあると東証が判断すれば、何時でも解除できる。債務超過とか赤字決算の長期継続といった客観的な基準は存在しないので、東証の心証次第で決められるのはやむを得ないところではある。
   それにしても、今回の東芝の特注解除に当たっては「異例ずくめ」であった。
   臨時の理事会を開催したこと、さらにその審査の指揮を執った佐藤隆文・日本取引所自主規制法人理事長が審査の経緯と特注解除を決めた理由を噛み砕いて、文藝春秋誌12月号に「東芝の病巣を取引所の番人が明かす」と題した投稿をしたことなどが挙げられる。
   この特注解除に至った東証の立論に対して、マスコミから提起されている疑問点は以下の3点に要約できる。
  1. 東芝は2016年12月に「内部管理体制確認書」を提出して、特注指定解除を申し出た。ところが、その直後に別の売上過大計上が発覚し、さらにWHが15年末に買収した原発建設会社S&W絡みで数千億円の損失計上リスクの発生を突如発表、WHは米倒産法申請に追い込まれた。この事態に対し、PwC あらた監査法人は17年3月期の有価証券報告書では監査は限定付き適正、内部監査報告書では不適正の意見を付けている。
   *東証はこのような監査法人の意見を頭から無視して「東芝が新たに不正行為を働いたわけではない」としている。佐藤理事長は「監査法人の意見を鵜呑みにすることはない」「メディアも監査意見が神聖不可侵であるかのように扱わないでほしい」とも公言している。これは監査法人制度を根底から否定する暴言とも言え、到底容認できない。*
  2. 自主規制法人の取り決めでは、理事7名中「社外理事2名の反対があれば否決」となっている。2名ともこの時期に特注解除は行うべきではないとの反対の立場であったが、 *反対派の理事1名を理事長自ら説得して、賛成に翻意させた。これは、本来中立を堅持すべき理事長のとるべき態度ではない。*
3. *架空利益の計上をした歴代社長の刑事責任の追及については、証券等監視委員会で検討が続けられている。*
このような状況下での東証の特注解除は理解に苦しむ。
  問題は「どの株主のためか」という一点。佐藤理事長は、上記投稿やインタビューの中で繰り返し「東証の使命は、資本市場の秩序を維持し、投資家を保護することにある」と述べている。
  上場の維持=投資家保護で、上場を維持することが真に株主のためになるのかどうか、そこがポイントではなかろうか。
  上場維持を前提に263円での増資に応じた海外ファンド株主の利益に合致することは間違いない。しかしながら、過去に長期投資として500円以上で購入した株主にとってはどうであろうか。上場廃止となれば、狼狽売りするか、非上場株として保有し続けるかの選択肢がある。(株価推移下掲)
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  今回の東芝再建は、儲け頭の医療機器部門と中核中の中核ともいえる半導体メモリー部門を売却し、赤字の原子力とパソコンを凍結ないしは切り離すことによって、残りの30部門で生き残り再生を図るものである。
   このような荒療治を施すに当たっては、いったん上場を廃止して、再生を果たしたうえで再上場を期するのが、最も効率的で既存株主の利益にも合致するのではなかろうか。
   東芝が実体的に債務超過ではなく、事業価値が認められるのであれば、上場を廃止しても株式が紙くず同然になるわけではない。
  例えば、2006年4月に上場廃止となったライブドア株に対しては、12年に1株当たり1,134円の残余財産分配金が支払われ、上場廃止前に安価で買った株主は利益を得ている。
  また、2016年9月にMBO(経営陣が参加する買収)で上場廃止となったすかいらーく株は14年に再上場され、業績好調に推移している。
  もっとも、株主利益よりも市場秩序の観点からは、ガバナンス改善の方がより重要とも言える。
  児玉博著『テヘランから来た男・西田厚聡と東芝壊滅』には、社長辞任後12年以上にわたった西室院政の実体が赤裸々に綴られている。
   「東芝本社38階には社長室。会長室とともに相談役の個室が用意されている」「西田を社長に指名したのは、西田の一代前の社長の岡村ではなく、西室である」「粉飾決算の責任をとり辞任した西田子飼いの田中に代わり、西室が指名したのは半導体の技術者出身の室町正志だった」といった具合にである。
  委員会設置会社であるにもかかわらず、指名委員会はまったく機能していない。このようにいったん腐敗した企業ガバナンスの改善度を評価するには、今後数年の実績を見る要があり、拙速は避けるべきである。(完)
《参照: 岡部陽二のホームページ<投資の羅針盤>より》

東芝(株)上場維持の隠されたリスク(上)=岡部陽二氏

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【東芝株の上場維持は本当に株主のためか】 岡部陽二・日本個人投資家協会 副理事長
    東芝は昨年12月5日、海外の投資ファンド60社を引受先とする第三者割当増資を実施して6,000億円を調達した。新たに割り当てられた株式は発行済み株式数の約54%と過半を占める。
    この増資により、東芝は上場廃止となる瀬戸際でピンチを切り抜けたものと見られている。増資を可能としたのは、昨年10月12日に行われた東証による東芝株の「特設注意市場(特注)銘柄の指定解除」にあった。
  これは、東芝株の株主利益を保護するために東証がとった上場維持のための格別の配慮と報じられている。
  だが、果たしてこの増資実現が既存株主のためになるのか?、さらにはこれが市場秩序の維持に繋がるのか? この問題を考えてみたい。
【債務超過による上場廃止を瀬戸際で回避】
  増資発表から1週間後の12月12日。半導体メモリー事業の売却を巡って対立していた東芝と米ウエスタンデジタル(WD)は和解契約に調印、米ファンドのベイン・キャピタルや韓国のSKハイニックスが半導体メモリー部門の買収に応じ、産業革新機構と日本政策投資銀行も支援を行う体制が整った。
  2018年3月末までに半導体メモリー事業が約2兆円で売れないと、2期連続の債務超過となり、上場廃止は不可避であった。
   資金調達に続いてメモリー事業の売却にメドがついたことで、東芝再建は大きく前進したものと評価されている。
   これを好感して、増資払い込み後に東芝の株価は引受価格の263円からじりじりと値を上げて、年末大納会の終値は317円であった。
  半導体メモリー売却後の東芝株のフェアバリュー(適正価格)は400円程度と見られている。そのたため売却が無事に実現すれば、6,000億円の増資に応じた株主は計3,000億円程度の利益を確保できる計算となる。
     海外ファンドが巨額増資に応じたのはごく自然  とはいえ増資の発表は、先述したように半導体メモリー事業売却にメドがつく前のことである。交渉が不調に終われば、債務超過となり上場廃止が確実視される。
   そのような東芝株の売出しに、利に聡い海外ファンドが60社も応じたのはなぜか。
  東芝の窮状を見かねて救おうという義侠心からではない。主幹事のゴールドマン・サックスの説得を了として、多少のリスクはあっても短期間で元をとって儲かる可能性が高いと判断したのは自然である。
   上場を維持したままで東芝を再建したいとする東証やその背後にある政府の確固たる姿勢が高く評価されたのは間違いのないところであろう。
   海外ファンド勢には、国有化された長銀の買収で巨利を得たことや簿価70円の三洋電機株をパナソニックに131円で売却して大儲けをした、過去の記憶が鮮明に残っているからである。
   メディアの一部は「この増資の成功により、東芝は半導体メモリー売却に反対するWDとの交渉でも優位に立った」と報じているが、これは順序が逆である。海外ファンドは半導体メモリー売却交渉の成功を確信した結果、増資に応じたのは間違いない。
  もっとも、東芝にとって不都合な真実がまだ隠されているリスクは残っている。原子力部門で保有していたウェスチングハウス(WH)は破産処理済みで、これ以上の財務負担を東芝が強いられることはないと公表されているが、本当かという点が最大のリスクであろう。
  ただし、このリスクが顕在化するにしても、裁判を経て債務が確定するのは何年か後のことだろうから、海外ファンドはそれまでに売り抜ける算段で臨んでいるのであろう。(つづく)

原発即時停止における法的問題は相談して=河合・海渡弁護士

IMG_1060IMG_1064<立憲民主党のエネルギー調査会と「原自連」との意見交換会で、「原自連」側が原発即時停止を求めることを求める方針に対し、立憲民主の逢坂誠二調査会長が、それは電力会社の自由な事業を抑圧することになるので、法務局から憲法問題に係ると言われると、のべる(右)。それに対し、河合・海渡両弁護士は、その場合の対応は、こちらでも主張があるので、相談して江欲しいと語る。(左)1月10日、衆議院第一議員会館にて>
  原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟(原自連)のメンバーは1月10日、「原発ゼロ・自然エネルギー基本法案」を発表した。「原自連」は同日に、を立憲民主党エネルギー調査会役員と意見交換会を実施した。《画像:(第2回)原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟(原自連)との対話集会
  立憲が準備している法案では石油がまったく入ってこないような異常事態の原発再稼働を例外的に容認しているが、連盟側は「即時ゼロが第一の問題提起だ」と、幹事長の河合弘之弁護士と海渡雄一弁護士が主張した。それに対し、立憲側からそれは電力会社の自由な事業の制限を意味し、法務局から憲法に抵触する問題がでるという問題がでるのではないか、と疑問が出た。それに対し、連盟側の河合弘之弁護士と海渡雄一弁護士から、それに対する法的な問題への対応は、相談して欲しい。ドイツの事例などで、問題を解消しているーーと述べた。
 また、立憲側から、菅直人エネルギー調査会顧問が、原発ゼロを実現するには、選挙勝つことが必要だ。それは我々の党派を超えた国民の支持がいる。ドイツも、台湾も、韓国も脱原発の党が存在し力をもったので、その政策が可能になった。国政選挙で、原発ゼロが国民的意思であると明確にすることが、原発政策を転換させるためには必須。そのためには、「原自連」のみなさんで、20万票の支持者を保証して欲しいとも思う、と述べた。

「グループ桂」77号の合評会と同人宇田氏の遺作を鑑賞

IMG_20180113_0001_1<「グループ桂」77号。2017年12月25日発行。表紙絵・大沼陽子。題字・三浦真澄>
 「グループ桂」は、師とする伊藤桂一氏の亡き後、約一年をして、門下生による第77号が12月2日に発行された。
 本誌の巻頭を飾っていたベテラン作家の宇田本次郎氏(87)は、寄稿後に突然的に体調を崩し、入院。昨年12月に亡くなったことがわかりました。謹んでお悔やみを申し上げます。
内容目次は下記のようになっています。1月11日に行われた合評会は、宇田氏の人柄と、芸術性の高い文章を弛みなく紡ぐ孤高の作家精神について追悼の会ともなりました。また、各掲載作品のあらすじを、ここに順次記すことになりました。
          〜〜〜 目次 〜〜〜
■創作
「おろかな魚」 宇田本次郎
「消される裏面史(三)」長嶋公栄
「蛍(前)」三藤芳
「踊る采女ヵ原」桂城和子
〜〜〜〜〜  ☆  〜〜〜
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【おろかな魚」 宇田本次郎】
 小さなギャラリーの主であった中杉は、引退するために全てを整理していた。その彼の目の前で三十年以上も前に書かれた絵の中の魚が一瞬跳ね、あたりに潮の香が漂った。絵は油揚げを描くとか、緑の背景に青蜜柑を描くとか地味な絵をこつこつと描き続けた画家辻木仙次の絵だった。
「いつかは、どこかに、理解してくれる人がいる。そう思って、息をするように描いてきました」というこの画家の地味な、或いは理解不能で、抒情的なものを拒絶したその絵に、中杉はなぜか惹かれ、作品展を開くなど応援してきた。その画家が死んで、二十六年たつた、描かれた魚はひっそりと生きていたのか。
 画家が没した時、何回か遺作展をしたあとに、絵は五百点は残っていた。その作品は、画家夫人は、市役所に電話をして、清掃工場で焼いてもらうと話した。よほど高名な画家でもないかぎり、そんな処置になるのが普通だという。夫人は「お父さんはあんなに描いたんですから、満足だったでしょう」と言った。考えさせられる作品です。(佐田尚子)
☆「グループ桂」の入手には、文芸同志会で800円(送料込み)で、在庫分を頒布しております。コメント欄にてお申し込み下さい(非公開方式にします)。

中国バブルはいつ破裂してもおかしくない=木村喜由

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  証券アナリストで日本個人投資家協会理事・ 木村喜由氏は会員向け情報「木村喜由のマーケットインサイト 2018年1月号」で次のような分析をしている。(後半部抜粋)
   ISM指数の上昇と人手不足の深刻化などから客観的に見ると、現時点で米国の景気に弱気シナリオを振りかざすのは無理筋ではないかと思う。真剣に経済状況を観察している
FRBのメンバーの見方は16年末と17年末でほぼ変化しておらず、今年0.25%利上げを3回行うという想定が妥当だ。
   長期金利が上がらないと見るエコノミストは、貸し手と借り手の均衡を崩した金利誘導を長く続けると、バブル崩壊など大きな金融災害をもたらし、結局財政で穴埋めするしかなくなるから全国民の損になる、という大原則をあまりに軽視している。金利は物価や賃金、成長率とバランスを取らないといけないのである。おそらく彼らは手数料を大きく落とす大口顧客の戦略に同調しているに過ぎないのではないか。
   その大口顧客であるヘッジファンドの想定が正解となるシナリオは、中国経済は過大評価されており早晩バブル崩壊に見舞われるので、グローバル成長率は下方修正され長期金利の位置も下がるというものだろう。当然世界の景気に対しても相当規模のダメージがあるだろうから株式市場は20%程度の下落はあるだろう。
   この見解には筆者も賛成だが、今でも中国の成長率や経済規模は大幅に粉飾されているため、現実が暴露された際の落ち込みは中国の大都市部では深刻だろうが、それ以外では比較的軽微であろうと思っている。
   その打撃を最も強く受けるのが設備投資関連セクター(特にロボット・省力化機械)であるが、それが日米市場で最も人気化している。深追いは禁物だ。
   北朝鮮の問題は平昌冬季五輪に向けた南北合意により今後2か月間は先送りされた模様だが、基本的に米国は自国に対する「攻撃の意思」を表明する敵国を放置したことはないので、「金一族の政権返上と核開発停止が実現しない限り」米国が北朝鮮にミサイル攻撃を仕掛けるというのがメインシナリオである。
   ただGDP5兆円、茨城県程度の北朝鮮がどうなろうと、世界市場ではあまり大きな問題とならないだろう。おそらく金政権が崩壊した後は中国が全面的に後継政府のバックアップをするだろうし、韓国の文大統領も韓国の国力に比べ過大なほどの経済支援を決定するだろう。身近な2国が動いている最中にすぐさま日本がどうこうすべきものでもない。友好的ではないにせよ安全な国になってくれれば大歓迎だ。
   中国のバブル崩壊が起こらない前提では年末のドル円125円、TOPIX2000というところが筆者のイメージ。日銀のETF買い付けは年末2兆円ペースに削減、マイナス金利は終了する。米国株は下げると見る。悪くはないがセクター、銘柄選択はずっと難しくなるだろう。(了)
★このレポートは経済環境および投資判断の参考となる情報の提供を目的としたもので、投資勧誘を目的として作成したものではありません。投資の最終決定はご自身の判断でなさるようにお願いいたします。

9月安値から4か月経過、一定の反落を警戒=木村喜由氏

    証券アナリストで日本個人投資家協会理事・ 木村喜由氏は会員向け情報「木村喜由のマーケットインサイト 2018年1月号」で次のような分析をしている。(前半部抜粋)
【過熱感否めず、慎重な強気を維持】ー9月安値から4か月経過、一定の反落を警戒すべき時期ー
    12月11日から本日1月12日までに、TOPIXは3.5%上昇した。ドル円は約2円円高に振れた。米SP500は4.4%上昇だから、今回も史上最高値更新中の米国株に引き摺られての上げと言うべきであろう。米国は先月決まった法人減税により今年の一株利益が従来予想より5%は増えるだろうという見方が有力で、直近の景況感指数も良好だったことから、一段と株式選好が強まった。
    日本でも日銀短観で景況感の堅調が維持されたうえ設備や人員の不足感を訴える声が増え、デフレ脱却に向けて着実に進んでいることから、株式を売り急ぐ動きは減っている。それでも高齢投資家の引退や死去に伴う換金売りが高水準のため、個人投資家は大幅な売り越しが続いている。しかしこれは相場観が弱気であることではない。
    TOPIXはリーマンショック前の高値である1823を突破し、先行きさらなる上値を目指すことはほぼ確実と思われる。2012年央の安値692からはほぼ1000ポイント上がってBREXITの下げで半値押し、その安値1192から再び1000ポイント幅の上昇を目指している途中という認識である。したがって筆者は今後2−3年間の上値目標を2200に置いている。
    ただし最近の各市場の動きは相当に複雑、というよりは投機筋の思惑的な売買により市場間の動きがトンチンカンになっており、単純に今の動きを喜んでいてよいとは思えない。景気敏感株の最右翼である半導体関連や省力化投資関連株が大きく買われているのに、米国金利のイールドカーブ(満期までの期間と金利の関係を表示したグラフ)がフラット化(短期金利と長期金利の差が縮まる)しているからだ。この形は景気後退を強く警戒しているはずのもので、うまく説明することは不可能だ。
    マクロ系のヘッジファンドが米国がデフレに陥るというシナリオを2月頃から強く主張している一方で、夏場に半導体や電子部品、化学製品の需要が予想以上に強かったことから、業績連動型のミクロ業績重視の投資家が景気敏感株を積極買いしたというのが現状に対する一番もっともらしい説明になるだろう。しかし両方が正しいという結末はありえない。結局、どちらかが間違いであったということになるだろう。
    9月上旬の安値から4か月を経過しており、順当なら3分の1押し程度の反落が起こって不思議でない時期だけに、強気でも慎重なスタンスを推奨する。(つづく)

今年もまだ書きます!高倉健さん作品を見て=小野 友貴枝

   俳優の高倉健が亡くなってから3年。彼の作品・映画(DVD)を検証したくてこの正月たくさん観た。しかし、多くの人たちと違って私は、彼の作品に感動し、何度も見たいという作品はなかった。そして、彼は俳優として後世にどの作品を残したのだろうかと思った。
    晩年の「あなたへ」か、いやヒットした「冬の華」「君よ憤怒の河を渡れ」「黄色いハンカチ」「ホタル」、それとも「鉄道員(ぽっぽや)」か。高倉健は映画俳優のヒーローとして名を残すようなドラマがこの中にあるだろうかと、訝かしんだ。いいドラマは、いつの時代でも人の心に訴え、生き残るものである。俳優は映像の中で演じ、観たものに感動を与えるものだろうと思っている。
  その点名優と言われる彼は、感動を与え感情移入させられるものを演じられたのだろうかと、観て疑問をもった。
  高倉健は、いつも過去の負を引きずっているネガテイブさ、そして、多くを語らぬ耐える役に徹していた。逞しく生きる男の覇気を裏に隠して地味に演じていた。
  本当の高倉健は器用で素晴らしい演技派であると思う。名優らしい容姿、知性、表現力など、彼は誰よりもポジテイブなものを持っていた。女から見れば意味不明な背中に惚れさせられて、男の美学などという、分かるようで分からないものに纏わされ、本当の人間性をだせなかった悲劇の人ではなかったかと、私は思う。
  初期の作品、暴力を肯定する任侠映画で名をあげるまではいいとして、そこから脱しようとして撮った「八高田山」、「南極物語」は話題性がある。そしてその後の映画「「鉄道員(ぽっぽや)」も適役で素晴らしい。しかし、フアンは欲張りだ、この辺から、もっとヒーローらしいヒューマンな大きい役に挑戦して欲しかった。なぜ、彼の人間としての大きさ、生き方にマッチしたドキュメンタリー・ドラマを演じられなかったのだろう、本当はもっと人間性の濃く深いものを彼が求めても良かったのではないか。上り詰めたスターを好まない日本的な地味さに彼をパターン化し閉じ込めてしまった。
  本来の彼を生かす作品、役に出会っていたなら、と今更ながら残念でならない。
  高倉健の作品で世に残るものをと言われた時、まさか、1994年、市川崑監督の「四十七人の刺客」か、2005年、中国、チャン・モウ監督の「単騎、千里を走る」ではないでしょう、と念を押したくなる。
   どうせ刺殺をやるなら、藤沢周平の作品で悪代官を一刀流でせしめる剣豪を演じて欲しかった。「山桜」、「蝉しぐれ」とか、素晴らしいヒーロー役を演じられただろう…に。その結果、私の中にくすぶっていた、彼の作品(役)は、大勢の人が言うほど歴史上に残るものは少ないと3年前に思ったことと、何ら変わらなかった。
  高倉健は、あまりにも個性的で、大衆の期待に迎合しすぎた、悲劇の俳優だったという感慨を再確認した。《参考資料:高倉健・画像
   文学も同じだが、作品の価値は、人間性の深さや,人間愛に執着したテーマの追求ではないかと思っている私はここでまた、高倉健を引き合いに出して自分のこれからもこの姿勢は変えないで行こうと思った。今はあまりにも軽い作品が多い。しかし軽いその流れに流されず作品の普遍性を求めて今年も行くぞと心に誓ったものです。(30・1・10)
☆〜〜著書「夢半ば」と作家・小野友貴枝(おのゆきえ) プロフィール〜〜☆
PC100003_1<1巻 女の約束は〜思春期日記(14歳から25歳まで)/2巻 女の一念は〜青年期日記(26歳から55歳まで)/3巻 女の仕事は〜壮年期日記(56歳から65歳まで)/4巻 女のストリーは〜成人日記(66歳から75歳まで)>
 神奈川県秦野市在住。1939年、9人兄弟の五女として栃木県に生まれる。1962年、神奈川県立公衆衛生看護学院を卒業し、保健婦の国家資格取得。神奈川県職員となる。主に保健福祉分野に従事。1964年に結婚。3人の子どもを育てながら勤めを続ける。2000年、平塚保健福祉事務所保健福祉部長として定年退職。
IMG_20170123_084313_1<神奈川県の「タウンニュース」1月21日号掲載の「人物風土記・小野友貴枝」の誌面より>
 同年6月、日本看護協会常任理事に着任。2004年、秦野市社会福祉協議会会長、国立東京第一病院附属高等看護学院の「東一同窓会」会長などを務める。
 文学活動にも精力的に取り組み、秦野文学同人会代表、日本ペンクラブ会員。主な著書に『秘恋の詩』(叢文社、2001年)、『秘恋竹取ものがたり』(同、2003年)、「那珂川慕情』(同、2006年)、『恋愛不全症』(同、2008年)、「秘恋』(同、2010年)、「愛の輪郭(短編・掌編)』(日本文学館、2012年〉、銀華文学賞入選作を収めた『65歳ビューポイント』(同、2013年)がある。               
■関連情報=☆小野友貴枝さんが出版体験を講演=女性の日記から学ぶ会(千葉)
「風恋洞」44号を発行 | 秦野 | タウンニュース
タウンニュース・人物風土記
私という存在は、肉体より日記の中にあった
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