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伊藤昭一ジャーナル★運営「文芸同志会」の郵便振替口座=00190−5-14856★「文芸同志会通信」&「詩人回廊」運営。  

IMG_20220620_0001_1<総合文芸誌「ら・めえる」第84号(長崎ペンクラブ発行・令和4年5月15日)。表紙絵「自然との対話」大林純子。本誌に城戸知惠弘氏の評論「県政史上初の『異端』の公共事業『石木ダム』」が掲載されている。>
 異常気象によって洪水やがけ崩れなどの自然災害が起きている。これに対し、国家は公共事業として、治水対策を行ってきた。そこには。国民のための公共事業であることの旗印のもと、官僚の考える利害、地元自治体の対応による利害関係などにより、受益者と同時におおやけ(公)の名による犠牲者が生じる。ここでは、国民が全体権力の抽象化となり、個人を諸国民と表現できる。
 城戸知惠弘氏の評論「県政史上初の『異端』の公共事業『石木ダム』」には、この政策によって、国民の公益と諸国民としての個人の関係の現場の諸問題が、歴史的に論じられている。これは、単なる石木ダムの問題だけでなく、全国の各地の公共事業に共通する歴史につながるものがある。
 そこで、諸国民としての城戸氏の思想に根差した城戸氏の長編評論を、抜粋して紹介してみたい。
 城戸氏の思想は、「序章」によって明確に示されている。
 ーー「国」及び「県」にあって、行政の「継続・断念」と「新しい道の探索」は、政治家自身にとって、時には骨身に堪えられない程の痛を生む。.そこには、社会状況の変化・時勢に合わせての決断と政治を司る政治家の信念と叡知が求められる。言うに易く行うは難しが政治の道である。
 特に長期にわたる住民との関係-政治的意思決定の遅延などを含め、キャンセル出来るような制度設計が求められる.時代変化の激しい状況下では、「タイムスパン」を設けた公共事業の在り方が検討されなければとも思う。ーーと、一度決めた国策は、状況の変化に対応できないことへの欠点を指摘する。そして、最近感動を受けた書にダムに沈んだ岐阜県徳山村を描いた「ホハレ峠」を挙げる。村で、反対同盟の座り込みを続けている松本マツ(95)さんの言葉を取り上げている。ーー「名前がマツじゃけん、私が最後を見届けんばいかんとかね7・]と笑いながら、こう漏らした。「お金(補償金)はもらえぱ終わりじゃんね。今さら、どこに出て行くね?」(2021(令和.3年12月29日付・取材ノートの原口記者・朝日)は、このように書いていて読む人の胸を刺す。ーー昨年の晩秋の暮れ近く、筆者は現地を訪ね、誰もいない団結小屋の前を行きつ.戻りつつ、反対同盟の苦労を想った。ーーと、個人として無視される諸国民の立場に、心を寄せるののである。そこから、日本の弱小性から抜け出すための政策をを語る。
 ーーー欧米諸国の杣民地化の累卵の危機を逃れ、近代国家に衣替えするためには、都市の人口集中に傾斜し、商工業の近代化、それに伴う道路・鉄道・港湾.通信、の他手工業からの脱皮、資本の集中.集積によるエネルギー(電源)、飲料水、工業用水等のため<ダムの建設>が急激に求められた。
 それがためには、ダムの建設は国道・鉄道の整備と共に、日本資本主義の基底とも言うべき国家事業の一環であった。都市住民の「飲み水」と共に「鎮台(師団)・陸軍」「鎮守府・海軍」の水源確保とも併行していくのである。(中略)
ーーこうした国家の歴史に沿った視点が、この優れた評論の堅固な柱をなしている。(つづく)
 〜〜☆〜〜
《「ら・めえる」第84号のその他の掲載作品=「英里奈の、とあるストーリー」山ぼうし。「音感と予兆」遠藤博明。「アメリカの影」吉田秀夫。「隠れキリシタンの里を離れて」熊高慧。「夢の如くにて御座候(その3)」新名規明。「日本、そして愛に導かれて」津嘉山絵里。「村の記憶」山本正興。「八十路を越えて(7)」田浦直。長崎生まれの富士講の元祖」皆川雅一。「「韓国に残る日本式の城 熊川城と安骨城」草場里見。「天成の芸術家・中村三郎の生涯(その4)」久保美洋子。書評「人新世の『資本論』」(斎藤幸平著)」長島達明。評論「日本は奪わず与え続けてきた」藤澤休。「長崎県の戦時型機帆船の建造史(10)」西口公章ーーーなどが注目される。》

 原子力市民委員会(CCNE)より『原発ゼロ社会への道』シリーズの第3弾となる書籍をこの夏、発行されることがわかった。書籍販売に先行し、概要(サマリー、要約版)と詳細目次を公開した。
 現在、参議院選挙前ということで、各党のエネルギー政策に耳をすますと、昨今のウクライナ情勢にともなうエネルギーの不安定化や猛暑に乗じて、「原発の最大限の活用」などという声が複数の政党から聞こえてくる。
 しかし、本書のサマリーを読むことで、原発の再稼動はいかに安全からほど遠く、コストもかかり、未来の世代に無責任かということが分かる。さらに、原発に依存し続けることによって、再生可能エネルギーの普及がますます遅れることになる。
 本書(8月発売開始、約260ページ)は序章から終章まで7章、全32節で構成されており、サマリーだけでも15ページありますので、以下に本書サマリーからポイントをいくつか抜粋して同団体が発出したのものを紹介する。
 ●原発を無理に延命しようとすれば、再生可能エネルギーの普及を妨げ、電力会社の経営にも負の影響を及ぼす。
 ●原子力発電には3つの倫理的欠格がある。
1)過酷事故が起きた場合の被害が極めて大きく、取り返しがつかない。
2)被害や影響が立地地域を中心に不均等に起こる。
3)事故を起こさなかったとしても、放射性廃棄物が大量に生み出され、未来の世代に押しつけられる。
 ●原子力発電がもたらす負の影響の責任は、原因を作り出した原子力複合体には及ばない。
 【第1章 原発事故被害と人間の復興】
 ●原発事故被害の不可視化は、住民の受苦を増幅し、多くの二次的被害をもたらしてきた。被害の実態と公的な被害認定との乖離は、公的な支援策や裁判による救済に関しても避難指示区域内と区域外の住民のあいだに不条理な格差を生み出した。
 ●原発事故当時18歳以下だった福島県民を対象に行われている県民健康調査のうち甲状腺検査のデータを詳しくみると、甲状腺がん多発は明らかであり、放射線影響の可能性は否定できない。
 ●UNSCEAR福島報告書2020/2021も放射線による甲状腺がんの発生の可能性を認めている。
 ●「教訓が伝えられないという教訓」が繰り返されつつある。行政や東京電力が整備した震災に関する展示施設では、事故発生と対応失敗の責任が不可視化され、被害者の立場からの教訓が十分には反映されていない。(第2章につづく)
■関連情報=CNIC・CCNE共催ウェビナー「核燃料サイクル、今こそ取り組むべき課題」2021.9.24】

 風より雨に注意の台風4号。関西には6日に最も接近を予測。気象庁発表の「キキクル」サイトで危険地域を示している。キキクルは、大雨の時に『土砂災害』『浸水』『洪水』の危険がどこまで迫っているか、地図上に危険度を色分けして表示している。危険度は、白の「情報に留意」、黄色の「注意」、赤の「警戒」、紫の「危険」、黒の「災害切迫」と、5段階に分けられている。
 気象庁によると、台風4号は、7月4日、九州の西の海上を北上。この後だんだんと進路を東寄りに変えて、6日(水)の午前中い近畿地方へ一番近付く。その後、温帯低気圧に変わるとみられいる。
 暴風警報が出されるような風にはならない可能性が高く、交通機関が大きく乱れる状況にはならないと予測している。一方、雨は、長く降って大雨になるおそれがある。台風が自転車並みにゆっくり進んでいますので、なかなか影響が終わらないようだ。3日・4日とも、台風から離れているにも関わらず、近畿地方は雨となっている。
 5日も、台風は丸一日をかけて西日本をゆっくり進み、近畿地方では雨が続くと予測。「キキクル」では、今どれだけ危険なのか、家の近くがどれだけ危ない状況になっているのかを見ることができまる。ポイントは、「『黒』を待たずに『紫」で行動を」であるという。市町村は「紫」で「避難指示」を、「赤」で「避難準備」を出す。「キキクル」は平時でも10分ごとに更新されているという。
■関連情報=今頃の台風20は、黒潮の大蛇行がしばらく続くためか?

おの  私は、習い事が苦手で、昔から、趣味の会に入ったことがない。だから、文化的な活動にも興味がなく、いつも一人で、図書館に籠って、読書、創作という一人ででもできる趣味を生かしていた。
 しかし、ある時、地域に友達がいないのも寂しいものだと思うようになった。周りの中高年齢の女性が、生き生きとコーラス、読書会、俳句、パッチワーク、編み物などを通して仲間づくりをしている姿がうらやましく、どうすれば仲間づくりができるのだろうと、足を止めて考えるようになった。
 こんな時、喫茶店で出会う「秦野囲碁同好会」の男性たち  の会話が自然に耳に入ってきた。囲碁の話だけでなく、社会の動き、そして老後のことまで語り合っている。この方たちの友達と呼べるのかどうか知らないが、他に例を見ないほど多くのことを語り、また仲間意識が強いことに感激した。  
 「囲碁ってそんなにいいものかしら、高齢の初心者、私でもできるかしら」と、耳を傾け始めた。その方たちは「有段者」というハイクラスの人だったのだろう、が年齢を感じられないほど向上心に燃えていた。
 何よりの魅力は、この喫茶店のあるビルの3階で毎日、午後碁会所が開かれて、会員は碁を打っていると聞くと、高齢期の人が毎日参加して、楽しい時間を持つむことが出来る。そんなことはめったなことではなかろうと思えて「私もそんなに燃えることがあったら……」と関心を持ち始めた。
 その気持ちが伝わったのか、囲碁会の仲間の一人から「小野さん碁をやってみませんか」と、自然な雰囲気で勧められた。
 「え、囲碁って、それも高年齢の私でもできるのかしら」と、囲碁がどんなものか全くわからないのに目の前が開かれたような気持にさせられた。
 丁度その頃、私はテーブルを囲んで、または生ビールを飲みながら語れる話題があったら毎日が楽しいのではないかと、関心を持ち始めた。
 「碁のこと何にも知らないのですが、囲碁の打ち方を教えてください」と秦野同好会会長に、オズオズと尋ねてみた。
「習いたいのですか」と会長はびっくりしたのか、質問してくれた。
「はい、碁石をにぎったこともありません」と、率直に答えても会長は驚きもせずに、「丁度いい先生がいるから、教えてもらいなさい」と、私に丁寧な言葉を掛けてくれた。
「はい。この会の中に先生がいるのですか」とさらに、小さい声で訊き返した。
「囲碁普及指導員の資格のある人がいます」
 待ってましたとばかりその場で、先生とご対面して、私は受講生になった。囲碁の西も東も分からない私は、碁会所の仲間に入りたいばかりに、身の程を顧みることもなく、その場で受講生になった。
「お願いします」と頭を下げた。何にも知らないから怖いもの知らずかも知れない。
「はじめは週1回、2時間」と、いうスケジュールが出来た。
 その日から2年間、私は一回も休むこともなく毎週きちんと通っている。
 何を学んだか、ここに表すことはできないが、それでも真面目に予習、復習し先生の作ったテキストに添って、碁の打ち方を学んでいる。
 今の私に言えることは、ゼロからの出発ではあったが、碁の仕組みは、勝負であるから、相手に負けないように、小難しいルールに則して闘いを挑んでいる。その仕組みは膨大で面白い。身の程知らずと言わずに、多くの女性の参加を期待したい。
「知性のある面白いゲームです。わずかではあるが進んでいる」と褒め上手な阿部先生に委ねて、あっという間の時間を楽しんでいる。
 囲碁同好会の方々は、進歩の遅い私の戦いぶりを、いつも応援してくださっているので引くに引けずせっせっと通っている。
「もっと多くの女性の会員がいたら雰囲気も華やぎ仲間づくりにはいい、さらに男女混合の囲碁会ならば、認知症の予防にも、囲碁は最適だ」と、私は、自慢げに仲間に話したい、と思う日々である。(2022・7・2)
☆〜〜作家・小野友貴枝(おのゆきえ) プロフィール〜〜☆
 神奈川県秦野市在住。1939年、栃木県に生まれる。1962年、保健婦の国家資格取得。神奈川県職員となる。1964年に結婚。3人の子どもを育てながら勤務。2000年、平塚保健福祉事務所保健福祉部長として定年退職。同年6月、日本看護協会常任理事に着任。2004年、秦野市社会福祉協議会会長、国立東京第一病院附属高等看護学院の「東一同窓会」会長などを務める。秦野文学同人会代表、日本ペンクラブ会員。主な著書に『秘恋の詩』(叢文社、2001年)、『秘恋竹取ものがたり』(同、2003年)、「那珂川慕情』(同、2006年)、『恋愛不全症』(同、2008年)、「秘恋』(同、2010年)、「愛の輪郭(短編・掌編)』(日本文学館、2012年〉、銀華文学賞入選作を収めた『65歳ビューポイント』(同、2013年)がある。
article_210_112318_Image1_521_768☆最新刊=「愛惜の記」(文芸社)

★既刊=NEOBK-2410660_1「高円寺の家」(文芸社) 「社協を問う」(文芸社) 
★既刊=「夢半ば」日記(全4巻)PC100003_1<1巻 女の約束は〜思春期日記(14歳から25歳まで)/2巻 女の一念は〜青年期日記(26歳から55歳まで)/3巻 女の仕事は〜壮年期日記(56歳から65歳まで)/4巻 女のストリーは〜成人日記(66歳から75歳まで)>
■関連情報=☆小野友貴枝さんが出版体験を講演=女性の日記から学ぶ会(千葉)

<海江田万里の政経ダイアリー・2022.6.29号より> ☆ 参議院選挙にあたって改めて考えること ☆
 参議院議員選挙の只中です。日本の参議院は米国などの上院と同列に議論されることがあります。この機会に主要国の上院(参議院)の選挙制度を紹介します。
 ●アメリカ上院:各州2名で合計100名の定数で、議員の任期は6年で、2年ごとに三分の一の議席を改選します。
 ●イギリス貴族院:議員定数はなく、一代貴族、世襲貴族、聖職貴族により構成され、現在、それぞれ670名、88名、26名となっていて、任期は基本的に終身ですが、世襲貴族、聖職貴族のうち官職指定による者は、その在職期間が任期になります。
 ●ドイツ連邦参議院:議員の総数は2022年1月現在69人(69票)で、各州(ラント)は最低3人(票)で、人口200万以上の州は4人(票)、600万以上は5人(票)、700万以上は6人(票)となっており、それぞれの州政府が州政府の構成員を連邦参議院に派遣します。任期は、それぞれの州政府の在任期間となっています。
 ●フランス上院(元老院):各県を単位とする選挙人団(下院議員、上院議員、地方議会議員などで構成される)によって選ばれる間接選挙。定数348人のうち12議席は海外在留フランス人で、海外在留フランス人議会で選ばれる。任期は6年で3年ごとに半数を改選します。
 それぞれの国の下院(衆議院)の選挙制度も、アメリカは小選挙区制、イギリスも小選挙区制、ドイツは小選挙区比例代表併用制、フランスは小選挙区2回投票制と異なりますが、ここで注目すべきは各国の上院(参議院)と下院(衆議院)で選挙制度が大きく異なっていることです。
 日本の参議院の選挙制度も衆議院議員選挙と異なる点がいくつかあります。両者の違いとしては1)選挙期間は参議院選挙が18日間、衆議院選挙は12日間、2)選挙区が衆議院選挙と比べて広い(特に全国区は日本全国が選挙区となる)、3)参議院には解散がなく選挙が行われるのは任期(6年)満了前が一般的(今回の改選参議院議員の任期は7月25日まで)、4)被選挙権が参議院選挙は30歳、衆議院選挙は25歳、などがあげられます。
 戦後、日本国憲法が制定される過程で、GHQは、それまでの貴族院を無くして一院制にする提案をしましたが、日本側が貴族院を参議院とする形で二院制にしたことは歴史的な事実です。そのとき語られた参議院の役割は「良識の府」、「再考の府」です。この考えに基づき、わが国の参議院議員の被選挙権は30歳からとし、任期も6年と長期になっています。つまり、社会経験を積み、分別のある人々に、選挙に追われることなく中長期的な課題にしっかり取り組んで欲しいとの考えから現行の選挙制度を制定したのです。
 しかし、現状では、「参議院は衆議院のカーボンコピー」などと揶揄されるように、衆議院との違いが曖昧になっています。今回の参議院議員選挙に際して発表された各党の選挙公約を一瞥しても、参議院の在り方についての考えがほとんどないのが残念です。有権者の皆さんには、投票する候補者を選ぶにあたって、改めて「この人は良識の府、再考の府にふさわしい人物かどうか」と考えてほしいと思います。(衆議院議員 海江田万里)=事務所サイト

ーー第4章「菊池寛によるモダニズム文学批評ー<2>
 とくにマルクスの経済学批判(資本論)における資本家と労働者の階級的闘争社会による社会的な変化の指針が、必然的なものとして、説得力を失った。マルクス・エンゲルスは、資本論において、資本主義社会の発展が、経済パニック(恐慌)現象を起こして、資本家層の消滅と資本主義の崩壊を説いた。しかし、現在において歴史的に社会発展をみると、資本主義経済でのバブル発生と崩壊は、存在する。しかし、バブルで生じた過剰なインフラ、経済生産技術は、経済活動によって低コストとなり、それを原資として、ふたたび資本力が活動するのである。
 それは、身近なところでは日本が、バブル崩壊後に、国民総生産額(GDP)がさらに増大していることでも理解できよう。
 ただしそれは、地球規模的要素を人間の生産活動が限界点を超えない範囲であれば、の話である。
そこで、前章で紹介した世界的人口の急激な増加現象を思い起こしてもらおう。人類は一九五〇年から二〇〇〇年の二〇世紀後半に、二・五倍の六十億人を超え七十億人になっていると見られている。その勢いは止まらず、米国勢調査予測では、二〇五〇年には九十四億人になるとされている。
 これを世界の実質GDP(一九九〇年の米ドル価格換算)で見てみよう。
一六〇〇年〜一七〇〇年=増加一・一二倍(年率成長〇・一一%)/一七〇〇年〜一八二〇年=増加一・八七倍(同〇・五二%)と、成長率がコンマつきであった。それが一八七〇年〜一九〇〇年=増加一・九三倍(一・九三%)と増加率が上昇率が高まった。以後、一九〇〇年〜一九五〇年=増加二・七一倍(二・〇一%)/一九五〇年〜二〇〇〇年=増加六・八八倍(三・九三%)となった。上昇率がすごいのだ。
一八七〇年には一・一一兆ドルであったGDPが一九〇〇年には一・九七兆ドル。一九五〇年には五・三四兆ドルとなり、二〇〇〇年には三六・六九兆ドルになる。――Angus Maddison(一九二六〜二〇一〇年イギリス経済学者)のデータから野口文高(株)DZFフィナンシャルリサーチ・アナリストによる。――
 二〇世紀後半、世界経済は年率三.九三%の高成長を遂げた。このような高度経済成長が株価高騰の背景にある。高度成長は二十世紀後半に特徴的な現象である。アメリカの名目GDPは、右肩上がりで下がったことがない。つまり、もしアメリカ株式のETFがあったら、それを買っておけば、損をすることがなく儲かるのであった。

      ☆
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★本論は文芸同志会発行の《参照:「文学人生に役立つとき」(伊藤昭一)の目次と解説》の内容を連載するものです。 

 成行き主義。無思想な対米追従。変化を好まない無気力な国民精神の表れ。最悪な精神状態にひたっている事態への自覚がない。豪邸の召使いであることに、反省がない。バラック建ての自分の独立したむしそう家に住むことへの希望が失われている。

  核兵器の開発や保有、使用などを全面的に禁止する「核兵器禁止条約」(核禁条約)の第1回締約国会議がオーストリアの首都ウィーンで21日午前(日本時間同日夕)開幕する。核廃絶のほか、被爆者の救済、核実験で汚染された環境の修復に向けた条約履行の道筋を議論し、最終日の23日に行動計画などをまとめた文書の採択を目指す。
  核禁条約は、核兵器がもたらす被害の非人道的な性質を問題化、その存在を違法化した初の条約。2017年の国連会議で122カ国の賛成を得て採択され、昨年1月発効。核抑止力を否定する「使用による威嚇」のほか、核兵器の製造や配備、実験、移譲、こうした活動を支援、奨励する行為も禁じている。
  20日ま20カ国が条約を批准した。ただ、ロシアや米国、中国などの核保有国、イランなど核兵器の開発が疑われる国、日本など核保有国の拡大抑止(核の傘)に依存する国は条約に入っていない。広島、長崎では「唯一の戦争被爆国」として日本の参加を求める声が強い。日本政府は国連加盟193カ国に匹敵する191カ国が批准する核拡散防止条約(NPT)を「核軍縮・不拡散体制の礎石」と位置づける。核禁条約の署名・批准には慎重で、今回の会議へのオブザーバー参加を見送った。他方、「核の傘」の下にある北大西洋条約機構(NATO)加盟国からは、ドイツ、ノルウェー、オランダ、ベルギーがオブザーバー参加を決めた。
  ピースボートの活動から 「中村涼香の非人道会議でのスピーチ」を共有する。
【中村涼香さんの「非人道会議でのスピーチ」=日本語(仮訳)】
 私は東京を拠点に核兵器廃絶のアクションをデザインしているKNOW NUKES TOKYO共同代表の中村涼香です。長崎出身の22歳、被爆3世です。母方の祖母が8歳の時に長崎で被爆をしました。
 祖母の家は爆心地から2~3キロ地点にありましたが、原爆が投下される数日前に田舎の親戚の家に疎開をして助かりました。その後、家の様子を見に行こうと長崎市内に入り、入市被爆をします。祖母の父は戦争で亡くなっていたので、原爆投下後、祖母は母と兄と一緒に親戚の家に身を寄せましたが、とても貧しく肩身の狭い思いをしたと聞いています。
 私の祖母は今も元気に暮らしていますが、過去に一度癌を診断されています。それが被爆の影響であるかどうかは分かりません。私はそんな祖母から命がつながり、今日ここにいます。もしあの時に祖母が疎開していなかったら、もし放射能の影響をもっと受けていて被爆直後に亡くなっていたら、私はここにいないでしょう。原爆は後世に続くはずであった命までも奪ったのです。
 そう考えると私は直接被爆を経験していませんが、とても被爆を他人事とは思えませんでした。もしかしたら、私や母にも被爆の影響が今後出るかもしれませんが、核兵器の被害が被爆2世や3世にどのような影響をもたらすか明らかになっていません。何も分からないのです。何も分からないから怖いのです。将来、何かあるかもしれないし、ないかもしれない。それが被爆のせいかもしれないし、違うかもしれない。
 だけど、これまでに被爆者は明らかに被爆の後遺症に苦しめられてきました。癌や白血病になる確率は平均より高く、お母さんの胎内で被爆した人には小頭症が多く見られました。胎内被爆者で日本被団協は被爆2世への大規模なアンケート調査を行い、肉体的・精神的な不安を持っている人が多くいることが分かりました。
 また、私はこうした話を祖母から直接聞いたことがありません。母が代わりに教えてくれました。
 祖母にとって被爆の記憶は今も思い出したくない恐ろしいものなのだと思います。私の祖母と同じように今もなお過去の記憶に苦しめられ、また差別を恐れて自身が被爆者であることを隠している人がいます。これだけ長い時間が経過しても被爆の傷は確実に残っているのです。
 それでも今日ここに来ている被爆者の皆さんをはじめ、これまでに多くの方々が核兵器の恐ろしさを伝えるために、勇敢にもその辛い、苦しい記憶を共有してきました。私たちは被爆者の痛みや苦しみに思いを寄せ、体験を共有してくれることに最大限のリスペクトを示さなければいけません。
 さらに普段から被爆者に近いところにいる私が皆さんに伝えたいことは、現在のウクライナ危機の中でプーチン大統領が核兵器の使用を示唆したことにウクライナの国民をはじめ、世界中が恐怖に包まれました。そして、核兵器の恐ろしさを知っている被爆者はその恐怖を人一倍感じています。被爆者をはじめとする核被害者はこれまで援助を受けるどころか差別を受け、多くの不安や悲しみに襲われ、さらにその上で社会に対して声を上げてきました。彼らは誰もヒバクシャにならないこと、誰も傷つけないことを望んでいるだけなのに、どうしてそれが叶わないのか。
 もう広島、長崎の被爆から77年が経とうとしています。これ以上、彼らに負担をかけてはいけません。被爆者の平均年齢は間もなく84歳になります。私たちは被爆体験の継承という課題も抱えてい
ます。
 私を含む、ほとんどの人は被爆を経験していないのですから、被爆者と同じように核兵器の恐ろしさを語ることはできないかもしれません。私が語ることができるのは彼らから聞いた話だけです。そういう意味ではここにいる皆さんも、被爆者の話を聞いた皆さんも記憶を語り継いでいく担い手なのです。記憶は人によって異なります。またその記憶の語り手によっても継承の形は異なってきます。
 これからの将来、被爆の恐ろしさを記憶し、同じ過ちを繰り返さないかどうかは私たちにかかっているのです。
 誰もが、被爆者と話をしたらすぐに気づくと思います。彼らが持っている優しさや温かさに。彼ら
は悲劇の主人公ではなく、彼らの人生を生きているということに。苦しみや痛みの中に喜びや希望があって、この非人道会議や核兵器禁止条約はまさに希望なのです。1日も早く核兵器が無くなることを願います。
 私は日本政府から被爆の実相を伝えるユース非核特使を委嘱されています。このような形で話ができる機会をいただき、その役割を全うすることができたことに感謝しつつ、唯一の戦争被爆国である日本政府が核兵器禁止条約の締約国会議に参加しないことを残念に思います。引き続き、日本が積極的に核軍縮に取り組めるよう、政府と市民が一体となって頑張っていきます。
 今日ここにお集まりの皆さんに最大の敬意を表すると共に、私のスピーチは終わりにしたいと思います。ご清聴いただきありがとうございました。

おの 賃貸住宅で生活する家族を書いてきて11編になった。最後の家族「再び出会えて」を描いた時、私の中にある、さまざまな家族への思いがかなり書けたのではないかと思った。
 最後と自認する家族は、高齢の夫婦で、その夫が、未知子の高校時代の初恋の人にそっくりな容姿を持つ人で、故郷も職業も同じである。この出会いで彼女の心の中には波紋が巻き起きる。
 なぜ、50年前の彼に似た人が、偶然にも未知子の借家に入ってきたのか、謎解きのような出会いである。未知子も、その偶然性に、心が温まり、昔の恋人に似た人に親近感を味わい、さらに心の交流を深めていくのである。
 初恋の人に似た彼との再会は、主人公に大きな感動をもたらし、賃貸業も人との出会いであるというスト−リーは終わる。
 この出会いは借家の持ち主として奇跡に近く、人と人とのつながりの大切さを再認識して、家の賃貸業も、深い人間関係であるという感動に浸った。
 「賃貸物語」というテーマを掘り下げてきて、いろんな家族が書けたのは、何結いか、ここで整理してみようと思う。
 さらに貸家の経営に携わる中心人物、主婦の大澤未知子が主人公になっている。なぜ、貸家を造ったのか、なぜ貸家に入ってくる家族が、自家と違って、形式に捕らわれず自由に生きられるのか、その自由さを率直に掘り下げてみたかった。言うなれば、生活の基盤である「自家」と「借家」の違いを家族関係において書いてみたかった。
 例えば、自家の枠組みは、夫婦単位であることが普通であるが、貸家においては、その縛りがなく、いろんな構成員で生活することが可能になり、共同生活者として書ける。
 故に、男女の関係において、同居するものがどんな扱いを受けるかなど関係なしで、ストリーは展開できる。「愛人関係」でも「同棲者」であっても「同僚」でも「未婚者」であっても、他者の眼を意識することがなく生活することが出来る。その関係は二人の問題であって、周りの視線、地域とは関係ない。故に幾通りもの家族が作れる。
 そこに存在する同居人がどんな関係でも構わないし、他人に介入されることはない。これが人間関係の枠組みである。同居する動物も同じである。兎であろうが蛇であろうが、関係なしで、同居生活は成り立ち、他者の介入は無く、家賃さえ払っていれば、特殊な生活を維持できるという貸家に眼をつけて、私は「賃貸物語」を書いてみた。
 かなり、ユニークな家族関係が書けたのではないかと思っているし、家族関係がかなり文学的ではないかと、自負している。
 ちなみに、11編の「賃貸物語」概要を整理してみると、1は「ネコを侮るな」、2は「金魚の縁」、3は「犬を盗まれた」、4は「ブンチョウ秘話」、5は「ウサギ愛しや」、6は「借家を建てる」、7は「DV家庭 モモンガが飛ぶ」、8は「離婚歴3回」、9は「十代妊娠」、10は「小児虐待死」、11は「再び出会えて」である。それぞれの作品のボリュウムは50枚から100枚(原稿用紙)で、内容はすべて独立しているが、作品の視点は、大家の大澤未知子で構成している。それぞれの主題は、現代に焦点を当てており、結論として、貸家の存在は地域福祉であるとの見解を作者は確認している。当作品は、「みなせ文芸の会」「群系の会」等に掲載している。(2022・6・17)
☆〜〜作家・小野友貴枝(おのゆきえ) プロフィール〜〜☆
 神奈川県秦野市在住。1939年、栃木県に生まれる。1962年、保健婦の国家資格取得。神奈川県職員となる。1964年に結婚。3人の子どもを育てながら勤務。2000年、平塚保健福祉事務所保健福祉部長として定年退職。同年6月、日本看護協会常任理事に着任。2004年、秦野市社会福祉協議会会長、国立東京第一病院附属高等看護学院の「東一同窓会」会長などを務める。秦野文学同人会代表、日本ペンクラブ会員。主な著書に『秘恋の詩』(叢文社、2001年)、『秘恋竹取ものがたり』(同、2003年)、「那珂川慕情』(同、2006年)、『恋愛不全症』(同、2008年)、「秘恋』(同、2010年)、「愛の輪郭(短編・掌編)』(日本文学館、2012年〉、銀華文学賞入選作を収めた『65歳ビューポイント』(同、2013年)がある。
article_210_112318_Image1_521_768☆最新刊=「愛惜の記」(文芸社)

★既刊=NEOBK-2410660_1「高円寺の家」(文芸社) 「社協を問う」(文芸社) 
★既刊=「夢半ば」日記(全4巻)PC100003_1<1巻 女の約束は〜思春期日記(14歳から25歳まで)/2巻 女の一念は〜青年期日記(26歳から55歳まで)/3巻 女の仕事は〜壮年期日記(56歳から65歳まで)/4巻 女のストリーは〜成人日記(66歳から75歳まで)>
■関連情報=☆小野友貴枝さんが出版体験を講演=女性の日記から学ぶ会(千葉)

ーースマフォやらない、飲まない、ナンパしない、SNSやらない、押しをする。
ーーウクライナ、オオタニ、シンウルトラマン、マツモトセイチョウ、落選させる活動、エトセトラ。
ーー押しを持てば、健康を維持したまま、死ぬまで生きられる。

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