製造業界で社員にストーリーまんがを読ませ仕事に対するモチベーションをアップしようという企業や学校が増えてきている。なかでも、町工場に勤める女性職人を主人公にした鉄工所のマンガ「ナッちゃん」(たなかじゅん作)は、そのリアルな描写と、ものづくりの面白さを伝えると評判である。
「ナッちゃん」は集英社のマンガ雑誌「スーパージャンプ」に98年から06年まで連載された。それが単行本化され全21巻が刊行されている。
07年から09年までは雑誌増刊号『オースーパージャンプ』(集英社)で続編『下町鉄工所奮闘記 ナッちゃん 東京編』が連載され、これも単行本になっている。
鉄工所で取り扱う機械の仕組みや製作・修理される過程が、わかりやすく、実際にその仕事にたずさわる現場のひとが読んでも、納得するリアルさが評判になっている。
製造業の人々から、貴重な「ものづくり」漫画として人気を博している。また、大学の技術科教授法の授業の教材として使用され、工業高校の図書館、企業の図書資料室などに収められている。
参議院議員が中小企業の振興政策に関する国会質問で「ナッちゃん」の漫画を取り上げるなどしたことから注目された。
主なストーリーは、近畿の和歌山県近辺にある都市の鉄工所の経営をめぐり、主人公の阪本ナツコが女性・零細企業といったハンディをものともせず、親類からの妨害やライバル企業との競争を乗り越え、独特の工夫と前向きな努力で地域の信頼を勝ち取っていく、というもの。
(社)日本工作機械工業会もイメージアップに、小冊子「ナッちゃんJMTOFへ行く!!」(集英社スーパージャン編集部協力)を制作している。
神戸のある機械商社では、ナッちゃんを三セット揃えて、新入社員は必ずそれを三回読み、さらにどれくらい内容を把握したか『ナッちゃん習熟度テスト』を実施しているという。
そのほか、工作機械メーカー森精機の図書館に置いてある。大手工作機械メーカー松浦製作所の食堂、大学の研修室の本棚に置いてあったり、工業高校の図書館に置いてあったりする。
その人気は関東地区にひろがり、その東京編では、ナツコが東京都大田区蒲田の鉄工所に修行に出るまでに物語が展開する。
そして現在、大田区産業振興協会発行の産業情報紙「テクノプラザ」五月号よりマンガ「テク乃ちゃん」の連載を行っている。