124025 002東京・大田区の池上図書館では、4月13日〜5月9日まで、特別展示「池上と文学」をテーマに、池上に関する文学とかつて、在住していた池上文士たちの住所・在住期間・代表作などを一つにまとめて紹介。芥川・直木賞を受賞した池上の文士については、年譜を作成、展示している。また、池上本門寺、お会式など池上界隈が描かれた文学作品についても紹介している。
 大田区の池上は馬込に近いため、近代文学の隆盛期の尾崎士郎、宇野千代、萩原朔太124025 004郎、山本周五郎など、馬込文士村の作家たちと縁が深い。現代に近いところでは、池上通りにある市の倉の子母澤寛、池上駅近くのバッテングセンターには清岡卓行が通った。池上本門寺のお山の崖の上に住んでいた森村桂など、縁のある作家たちがいた。
124025 011 今回の展示説明によると、池上在住の作家では、昭和13(1938)年に火野葦平が「糞尿譚」で第6回芥川賞、中里恒子が昭和14(1939)年に「乗合馬車」「日光室」で第8回芥川賞、長谷健が「あさくさの子供」で第9回芥川賞とある。梅崎春生が昭和30(1955)年に「ボロ家の春秋」で第32回直木賞。和田芳恵は昭和39(1964)年「塵の中」で第50回直木賞、清岡卓行は昭和45(1970)年に「アカシアの大連」で第62回芥川賞を受賞している。
124025 015  そのほか無頼派作家・坂口安吾、詩人・木原孝一、稲垣足穂、倉田百三などが池上に在住していたことがわかる。
 また、池上本門寺に触れた作品のある幸田露伴、尾崎士郎、火野葦平、木原孝一などの著作本が展示されていた。
なかでも木原孝一の遺稿と思われる散文「池上本門寺の記憶」が掲載された「原風景」(原風景社)第1号が展示されているが、これは文芸同志会の会員である千葉県在住の伊藤誠二氏の制作による同人誌で、生原稿をコピーしたものを印刷化している。
124025 017 また、森村桂は昭和46(1971)年ごろに池上の高台に居をかまえていた当時、企業PR冊子に寄稿したものにスナップ写真を掲載している。文芸同志会で入手保存しているので、ここに写真掲載する。
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