IMG_20150618_0001<文芸力を地域活性化につなげる「ショートストーリーなごや」の公募ポスター>
 地域の文化活動としての文芸では、多くは文芸同人雑誌を中心としたものであるが、それらの社会的な影響となると、その範囲は市民文芸愛好家が中心で、決して広くはない。
 市民の視線は、ゆるキャラや、映画、テレビ番組の「街散歩シリーズ」などに集まりやすい。
 また、NHKの大河ドラマや、商業映画の舞台などで話題にされるが、それら一過性のものにならざるを得ない。
 そのなかで、市民文芸で地域紹介の一端にしようとするものに第8回「ショートストーリーなごや」の公募活動である。副賞として、大賞が30万円(1編)、副賞が10万円(2編)という破格とも言えるもの。これは名古屋市、中日新聞社、スターキャットケーブルネットワーク(株)、(公財)名古屋文化振興事業団のよって構成された「ショートストーリーなごや実行委員会」主催によるもので、地域文化関係者連携である。8月25日締め切り≪公募規約サイト≫。
 概要は、サイトにあるが、(1) 名古屋を舞台とした作品であること( 名古屋市内の地名や場所が読者に分かる内容)(2) 日本語、縦書きで、1ページあたり40字×40行で3枚から5枚(手書きの場合は400字詰原稿用紙9枚から20枚)の作品。(3) 応募者が創作した未公表の作品であること ――などである。
 最終選考委員が、作家の清水義範氏が委員長。委員が文芸評論家・清水良典氏、作家・堀田あけみ氏、作家で中部ペンクラブ会長の三田村博史氏である。
 著名な作家・文芸評論家、さらに三田村博史・中部ペンクラブ会長は、地域の中日新聞に文学風土記を連載するなど、市民に文学的な由緒地の知見を広めている。
 文学・文芸というジャンルは、純粋芸術の視点でみると、長い修業期間か、天性の才能により、コンテンツ産業で活躍することで、一握りの成功者が富と名声を得る。
 そうでないアーチストは収入が安定せずに、限界的な生活状態にあって、地域市民活動への登場の例は少ない。
 こうした現象が普通のことであるが、市民のなかで、生活を芸術に関係ない仕事で支え、趣味として文学活動を行い、作品を自費負担で文芸同人誌に発表する、生活余裕派の社会的な参加力を強める方策として「ショートストーリーなごや」応募活動の意義があるようだ。