IMG_20160608_0001_1<文芸同人誌「群系」36号には、特集「同時代の文学1976年〜2005年」と、追悼・野口存彌として故人の業績や人柄などが同人たちの寄稿で記されている>
  文芸交流会常連メンバー9名中の二人が加入している文芸同人誌「群系」36号《参照:「群系」掲示板》が発行されました。
  東京を中心に六十名以上が参加する評論主体の文芸同人誌で年に二回の発行を継続しています。
  今号には、小説が2編あり、交流会の常連である小野友貴枝さんが、その創作分野で作品「会長ファイル4『挨拶』の掲載を行っています。
  創作に分類されていますが、市の福祉センターの会長職に就いた行政職員時代の体験を元にした記録、回想の作品となっています。「会長のファイル」ものとして短編連作第四回目の作品で、組織内の活性化や市民へのサービス内容の充実などに、実績をあげたものの、その職を全うし退職。一般人となると、それまで、丁重な応対をしてくれた地域金曜機関の担当の応対が、そっけなくなり、肩書き社会の本質を肌で感じるという物語になっています。
  「群系」36号は272頁のボリウムがあります。時代を区切り日本文学を紹介・解説しています。
  今回は1976年~2005年の間の話題作、問題作を焦点に十人の同人が発表しています。
  私は「村上龍」論としてトータルカルチャーを説く大堀さんの作品に注目しました。
  世相を反映し脚光を浴びた作品が世相の表現まで届かない事を指摘する論で読み易い文章です。
  取り上げた作品は「限りなく透明に近いブルー」と田中康夫「なんとなく、クリスタル」です。
  露骨な原題「クリトリスにバターを」の性風俗描写小説の衝撃デビューから書き起こしている。
  サブカルチャー小説を書いた村上龍が江藤淳に指摘されたり評価されりした事を原点にしています。
  田中康夫の作品は間の句点、や多数の注釈に批判精神を含めてサブカルに堕さないと評されたそうです。
  江藤淳の評価を忘れず書き続けてトータルカルチャーになったと村上龍を解釈している。
  日本精神を大切にする大堀さんの論は何度か読みました。民族主義派かとも思っていました。
  その彼が村上龍作品から説き起こす正統派トータルカルチャー論は一貫性があります。
  この「同時代の文学」特集以外にも小説や音楽・美術関係のコラムも多く読み応えのある一冊です。
たま_1IMG_20160609_0001_1<「文芸多摩通信」第12号には、一昨年町田市長選挙に立候補したあと、町田市民活動での4つの事務局長を務めている木原信義氏の「ラオス紀行」が写真入りで、掲載されている(写真左)。これは、東京母親連絡会が企画した「今も続く戦争被害と草の根の国際協力&少数民族と世界遺産、ラオスの六日間」での見聞記で、ラオスの社会の現状の一端を垣間見せる志の高い良質な旅行記になっている。同時掲載には創作・神林直代「タンスの中の杖」と佐久健「峰々を乗り越えて(上)がある。>
  今月の町田交流会では民主文学・町田支部「文芸多摩通信」第12号と「群系」第36号の感想を行います。
  各自の所属する同人誌以外の作品を読み討論する場として交流会があります。大いに盛り上がることでしょう。
☆町田文芸交流会事務局担当・住所〒252−0235神奈川県相模原市相生2-6-15、外狩雅巳方。
■関連情報= 詩人回廊「外狩雅巳の庭」
北一郎「外狩雅巳『二十八歳の頃』の読み方」抄録
穂高健一ワールド・サイト「寄稿・あなたの作品」コーナー(9月1日付)
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 外狩A 外狩雅巳(とがり まさみ)=1942年、旧満州生まれ。仙台で中学卒業後、商店住み込み店員となる。その後、単身上京。工場労働者として労働運動に力を入れる。同人雑誌を中心に地域の市民文芸文化振興と小説執筆での作家活動を行う。
(著書参照:「この路地抜けられます」「十坪のるつぼ」)