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PC100003_1<1巻 女の約束は〜思春期日記(14歳から25歳まで)
2巻 女の一念は〜青年期日記(26歳から55歳まで)
3巻 女の仕事は〜壮年期日記(56歳から65歳まで)
4巻 女のストリーは〜成人日記(66歳から75歳まで)>
 この度、14歳からつけていた日記、62年間を企画、編集し「夢半ば」(文芸社)四巻を発刊することができました。文芸社の広告で見ると「中学時代からの60年に及ぶ日記を厳選収録。職業婦人の歴史がわかる貴重な記録」と謳ってありますが、私の日記は、いつも心の有りようを淡々と書いてきたものです。
  日記を書いている人は多くおられます。しかしほとんどのかたは断捨離と言って棄てて、しまうようです。私は、もったいない文字文化だと、思います。生きた証しとして、私小説の一つジャンルとして残す勇気を勧めたいと思います。そんな覚悟を私は自分に課し、大袈裟ですが日記革命に挑みました。
  最後の原稿、「責了」に印鑑を押して出版社に送ったのは昨年のことでした。2年前、14歳からの日記を積んでしばらく考え、勇気を持って読んでみました。そのときどきの年齢でありながら、今の私が読んでも考え方に大きな落差はなく、経済的に自立したい、他者に依存したくないという信念は一貫していました。
  もちろん環境や生活は変わっているし、家族も動いているが、健康というベースがあったせいか、流れに逆らわずに生きてこれた。日記を3ヶ月かかって読み直して、そこで思ったことは地球を一周したような爽やかさと満足感です。なんだ私ってこのように生きてきたのかと、自分を見直すこともできたのです。
   これが私の人生かと思った時に、この存在感のある日記を捨てることはできないと決め、某出版社に相談しました。その結果、昭和と平成の今日まで職業を持って生きた女性の日記を後世に残して終末期を迎えてもいいんじゃないかと、大げさだが考えて、周りの反対者も説得して編集作業に入りました。
  しかし、いざその作業にかかって見ると、日記として整理をしないで書いてきた内容ですから稚拙な文体や、飛躍した文章、喜怒哀楽の激しさなど眼についてたじろいだものです。が、日記の内容に関し、編集者が選んだ日付の日記内容は一切加筆しない、という原則に即して編集を進めたのです。
  本来は、半世紀余の日記の前に私の履歴や世の中の動き、生活の動きを出さなければ、読者は理解し難いと反省させられたところもありますが、そこはあえて原型そのままにしました。そして、日記と並行して無意識に書いてあったエッセイ文を掲載することにしたのです。これで私の立ち位置が補完できたのではないかと思いました。見方を変えれば、この取り組みは斬新で、私小説風な日記スタイルがクリアできたのではないかと思っています。
  日記のタイトルは私の好きな、「夢半ば」としました。75歳の私が夢半ばとする意味は、人生もまだ半ばとする意味もあり、欲張りな人生です。 
  さらに62年間の日記を四巻にするに当たって各巻に次のようなタイトルを付けましたた。こちらも私の思い込みが入っています。  
1巻 女の約束は〜思春期日記(14歳から25歳まで)
2巻 女の一念は〜青年期日記(26歳から55歳まで)
3巻 女の仕事は〜壮年期日記(56歳から65歳まで)
4巻 女のストリーは〜成人日記(66歳から75歳まで)
 発刊は、29年1月1日。日記の書きだしと同じ1日とし、スタートを合わせて本屋に並ぶ。
  私は日記の出版という一大事業をクリアして、いまホッとしていますが、どんな本になるか恐怖半分で待ったものです。でも昭和から平成の62年間の人生は、私が言うのもおかしいが、山あり谷あり、川ありで興味深いかも知れません。
  私は、2年前、想定外の日記の集積に出会ったとき、中学の恩師からいただいた「日記を付ける」という生活指導が、私の一世一代の仕事になるとは、75歳の時までゆめゆめ思ってもみませんした。
  さらに、日記を書き綴けたという「宝もの」は、7歳で死別した母親の天国からプレゼントではないかと本気で思っているのです。
140125 004<小野友貴枝>
 ☆〜〜作家・小野友貴枝(おのゆきえ) プロフィール〜〜☆
 神奈川県秦野市在住。1939年、9人兄弟の五女として栃木県に生まれる。1962年、神奈川県立公衆衛生看護学院を卒業し、保健婦の国家資格取得。神奈川県職員となる。主に保健福祉分野に従事。1964年に結婚。3人の子どもを育てながら勤めを続ける。2000年、平塚保健福祉事務所保健福祉部長として定年退職。
 同年6月、日本看護協会常任理事に着任。2004年、秦野市社会福祉協議会会長、国立東京第一病院附属高等看護学院の「東一同窓会」会長などを務める。
 文学活動にも精力的に取り組み、秦野文学同人会代表、日本ペンクラブ会員。主な著書に『秘恋の詩』(叢文社、2001年)、『秘恋竹取ものがたり』(同、2003年)、「那珂川慕情』(同、2006年)、『恋愛不全症』(同、2008年)、「秘恋』(同、2010年)、「愛の輪郭(短編・掌編)』(日本文学館、2012年〉、銀華文学賞入選作を収めた『65歳ビューポイント』(同、2013年)がある。