P2090001_1<二階俊博自民党幹事長は講演で「日米同盟は日本外交の基軸であるが、安倍総理のトランプ会談では、和して動ぜずという精神で、日本の立場を説明されることを期待する」と語る。2月9日、都内で>
安倍総理大臣がアメリカのトランプ大統領との日米首脳会談に臨むため、9日夜、ワシントンへ出発した。その日の昼、自民党の二階俊博幹事長が都内で講演した。主催は「躍進日本!春風の会」(村上正邦・世話人代表)である。
  二階氏は、10日の安倍晋三首相とトランプ米大統領による初の首脳会談について「日米同盟は日本外交の基軸である。日米同盟の確固たる揺るぎない関係を世界に発信することを期待する。和して動ぜずという気持ちで臨んでほしい」と述べた。「議員外交も極めて重要な責任がある」とも述べ、自民党として積極的に米国に議員団を派遣するなど、政府を全面的に援護する姿勢を強調した。
P2090007<会場で、都議会の自民党党員の基準が明確でないと、質問する小林小林興起元議員(右)>
 会場には、議会を終えた多くの自民党国会議員も聴講していた。また、聴衆のなかから、小林興起元議員が質問を投げかけ、小泉政権で自らが法案に反対したために、小泉政権の刺客として当時の環境相・小池百合子氏に負けた経緯を仄めかしながら、現在の都議会の自民党議員の思想基準は、どうなっているのか、もっとわかりやすい基準にすべきであろうと、現状への説明を求めた場面もあった。
 それに対し、二階氏は7月の東京都議選について、小池百合子都知事を念頭に「人気や風潮に流される場面もないではないが、私どもも、東京都の皆さんにもご理解いただけるようなことを、次の選挙までに準備したい」と力説し、「勝つにしろ、負けるにしろ、投票する人が責任者だと肝に銘じて欲しい」と都民への自覚を求めることにとどまった。
 二階自民党幹事長が、なぜ、宗教団体「成長の家」の信者である村上氏の「躍進日本!春風の会」の集いの講演に応じたのか、そのことの注目してみると、興味深いところがある。
  それは日本会議と安倍政権の関係だ。麻生副総理をはじめ、閣僚19人中13人が日本会議の「懇談会」に参加している。むろん、安倍首相も同懇談会のメンバーで、日本会議主催のシンポジウムやイベントに頻繁に参加している生粋の支援者だ。安倍内閣は「日本会議内閣」といっても過言ではないといわれるほどである。
 この日本会議発足の源が、憲法改正を主張する「生長の家」にあるのだ。
  しかし、「日本会議」は「成長の家」とのつながりを明確にしていない。しかも、「成長の家」の主張する憲法改正についての方向性が異なるように見られる。
  そこで、信者の一人が、昨年5月に新書「日本会議の研究」(菅野完氏著)を発売、不可思議な団体としての「日本会議」実情を明らかにしようと試みたようだ。それがベストセラーになった。ところが、名誉を傷つけられたとして、書籍内に登場する千葉県の七十代男性が、出版元の扶桑社に出版差し止めを求めた仮処分で、東京地裁は、「真実でない部分があり損害も著しい」と判断し、差し止めを命じる決定をしている。
  書籍では、保守系団体の日本会議と宗教法人「生長の家」の関係を記載。生長の家幹部だった男性は、六カ所について真実ではないとして仮処分を申し立てていた。
 こうした「日本会議」騒動の裏には、連立与党の公明党との自民党内部の対抗意識があって、自民党は、日本会議と接近しながら、「成長の家」の信者への票の取り込みをはかっているように見えるのだ。