P4190002<藤井浩人美濃加茂市長(左)と、郷原信郎主任弁護士(右)。「日本の司法を正す会」で、「美濃加茂市長事件控訴審『逆転有罪』不当判決の検討」ー「証言の信用性に係る根本的な論理矛盾」を指摘し、日本の裁判制度の根本的な国民不信が高まる可能性を語る、4月19日、都内にて>
 美濃加茂市長事件控訴審「逆転有罪」にされた検察側の反撃は、もともとの告発者の中林証言のウソがあるという判決であったことから、証言がウソでないということを、裁判官に信じさせるような状況を作り出したと思われる。そのため、中林に判決文をポイントの尋問で徹底的に検察から指導を受けたのではないか、これがレポートでわかる。
《参照:郷原信郎が斬る=控訴審逆転有罪判決の引き金となった”判決書差入れ事件”
 ☆郷原信郎主任弁護士による「美濃加茂市長事件控訴審『逆転有罪』不当判決の検討」ー「証言の信用性に係る根本的な論理矛盾」レポートからーー。
【検察官の控訴趣意(中林証言から離れる)】
  (ア)中林証言を離れて、間接証拠によって認定できる間接事実から現金の授受の存在が推認される(控訴趣意の柱)
  (イ)中林証言と整合する間接事実の内容や、中林の供述及び裏付けの経過、本件贈賄が捜査機関に発覚する前の時期に中林が捜査機関とは無関係な第三者に被告人に対する現金供与を自認する発言をしていたこと等の事実から、論理則・経験則等に従って検討すれば、中林の虚偽供述の可能性は全て否定される。
  一審での検察官の主張・立証(中林の贈賄証言は、関係証拠と符合し、供述内容が具体的で自然であることから、信用性が認められる)では不十分と考え、新たな立証の枠組みとして上記ア、イを主張したと考えられる
 【控訴審判決(中林証言の信用性を肯定)】
  「中林証言を離れて間接事実だけから現金授受の存在が推認できるとはいえない」として検察官の控訴趣意の柱である(ア)を否定、(イ)についても、「論理則、経験則から中林の虚偽供述の可能性が全て否定される」という検察官の論理は採用せず、一審での検察官主張に近い認定方法によって、「中林証言は関係証拠と符合し、供述内容が具体的で自然である」として、一審判決が指摘した供述の変遷や不自然さを一つひとつ取り上げて否定し、一審における中林証言の信用性を認めた。
  そして、中林証言によって、各現金授受の存在を認定し、さらに、中林から藤井市長(被告人)への請託、藤井市長(被告人)の権限に基づく影響力の行使があったと認定し、有罪判決を下した。
【控訴審の審理経過(約1年3か月)】
 平成27年8月25日=検察官の事実取り調べ請求一部採用(第1回公判)
 平成27年11月26日=中林取り調べ担当警察官証人尋問(第2回公判)
 平成27年12月11日=証人尋問検討意向示される(3者打合わせ)
 平成28年2月23日=証人テスト差し控え要請(3者打合わせ)
(中林のもとに1審判決書が差し入れられる)
 平成28年5月23日=中林証人尋問(第3回公判)
 平成28年7月27日=結審(第4回公判)
 平成28年11月28日=判決言い渡し
 事実審理は第1回公判より第3回公判までの約9か月。そのうち控訴趣意に基づく審理は第2回公判までの約4か月。証人尋問検討意向の第3者打ち合わせから第3回公判までは、中林証言の信用性を高めるための職権証人尋問の検討・実施約5か月。
《動画参照:美濃加茂市長事件控訴審不当判決の検討