P6090002<「原子力市民委員会では、国策・民営の原発の安全対策の困難さが論議された。6月9日、都内で>
  民間の原子力問題有識者が自主的な調査研究活動を行う「 原子力市民委員会」(吉岡斉座長)の第18回会合が6月9日、都内で開催された。
 当日は、新潟県の須貝幸子・原子力安全対策課長による、同県の取組の紹介が行われた。これは、今回のテーマ〜原子力の安全における自治体の役割と課題〜の具体的な事例として、実施されたもの。
   原子力の安全性の問題を考える上で、立地自治体の果たす役割はますます重要となっている。柏崎刈羽原発が立地する新潟県は、2003年に「原子力発電所の安全管理に関する技術委員会」を設置、東日本大震災以後は、同技術委員会で「福島第一原子力発電所事故の検証」を実施するなど、独自の取り組みをすすめている。
P6090003_1_1<〜原子力の安全における自治体の役割と課題〜では、福島原発事故で、内閣府にどんな安全対策室を作っても、所詮は烏合の衆。過酷事故にが起きても、何の対策も打てず、現地の住民の犠牲を止めることはできないっであろう、という観測がなされた。>
  今回は、新潟県における原発事故に関する3つの検証(「福島第一原発事故の原因の検証」、「原発事故が私たちの健康と生活に及ぼす影響の検証」、「万一原発事故が起こった場合の安全な避難方法の検証」)、これまでの県技術委員会での検証状況、広域避難の取組といった原発の安全対策を聞き、その上で、原子力の安全における立地自治体の役割や課題等をテーマとしてディスカッションを行った。
 会場での運営は、吉岡斉・座長(九州大学大学院比較社会文化研究院教授)の「原子力市民委員会」科学的知見による思想としての脱原発の方向性をもつが、脱原発の運動団体とは異なること。現実を見据えたうえでの穏健な脱原発派として、客観的な調査研究を進めるという指針の説明があった。
  次に、「自治体の役割・課題に関する原子力市民委員会としての問題意識」を菅波完・原子力規制部会コーディネーターが解説。
  その後、新潟県の状況を新潟県原子力安全対策課 ・須貝幸子課長が説明し、 ディスカッションが行われた。
 概要として、菅波完コーディネーターが、国策・民営で進められてきた原発は、産業誘致・地域振興策の一環として、安全神話を前提としてしてきた。しかし、福島原発事故によって、過酷事故が起きたならば、最終的に自治体の市町村が被災犠牲となる。それをさけるためにさらなる安全対策が必要であるが、現実にその対策には膨大な費用が必要である。が、しないわけにはいかない。それだけの意味と役目の原発は、存在意義があるのだろうかーというもの。
 また、ディスカッションでは、自治体は国策としての原発政策に拒否権を持つ必要があるーーなどの意見が出た。