IMG_0007<午前中から、都内会場に集まった訴訟団、支援団の人たちは、「東電テレビ会議49時間の記録」の上映を、途中休憩を入れながら観た。6月30日、参議院議員会館にて。>
   福島第一原子力発電所の事故で、業務上過失致死傷罪で、強制的に起訴された東京電力の元会長など経営幹部3人の初公判が東京地方裁判所で行われた。主な争点は、巨大な津波を予測できたかどうかであるが、被告である東京電力の元会長の勝俣恒久被告(77)、元副社長の武黒一郎被告(71)、元副社長の武藤栄被告(67)の3人は、いずれも無罪を主張した。
 IMG_0010<福島市議会議員で支援団の佐藤かずよし団長が、待ちにまった事故責任の真相が明らかになるのではないか、と挨拶>
  福島原発告訴団(公式サイト)と福島原発刑事訴訟支援団(公式サイト)による報告会と記者会見が、都内で開催された。そこで海渡弁護士が法廷の状況説明で、検察役をした指定弁護士が、パソコンから平成20年に、津波対策に関する多量のメールを発見したことを述べて、幾度も津波の対策について連絡していたことがわかったという。
《参照:アーカイブ動画】「東電原発事故刑事裁判」初公判後記者会見
IMG_0021<検察役の指定弁護士はよくやってくれた。津波対策の必要性と壁の建設についてたくさんのメールのやりとりの資料を発見した、と語る>
  東京電力の旧経営陣3人が強制的に起訴されるきっかけとなった告訴や告発を行った住民などのグループ、「福島原発告訴団」は、30日朝、東京地方裁判所の前に集まり、「原発事故の責任を問い、真相を究明するため、ともに闘いましょう」などと訴えました。
IMG_0023<福島原発告訴団の武藤類子団長。福島の復興ばかりが話題にされるが、避難者など多くの被害者がいる。東電は加害者であることの責任逃れをしてきた、などを述べる>
   福島原発告訴団の武藤類子氏は「初公判を迎えるまでは、とても長い道のりで、一緒に告訴した人の中にはすでに亡くなった人もいます。本当は事故を防ぐことができたのではないかということが、少しでも明らかになることを望んでいます」などを話した。
 福島からのバスでやってきた傍聴希望者たちなど、東京地方裁判所には多くの人たちが集った。NHKの報道によると、54席の傍聴席に対して717人が傍聴を希望したということで、倍率はおよそ13.2倍であった。
 訴訟団や支援団たちは、あさ4時起きでバスに乗り上京、そのうち30人が傍聴できたという。 
 傍聴した明石昇一郎氏のブログを支援団は、次のように記載している。
  −−−検察官役の指定弁護士が示した証拠は、その主張を真っ向から否定するものばかりだった。
  津波対策を担当した東電社員のスケジュールが記録された「手帳」。その社員らが社内で津波対策をめぐってやり取りした「電子メール」の数々……。そして、日を追うごとに具体化していく「津波対策」の中身。だが、その対策が実行に移されることはなかった。
  こうした証拠はすべて、福島原発告訴団をはじめとした刑事告訴・告発を受理して捜査をした、東京地検の検事らが集めていたものである。その中から、検察官役の指定弁護士が精査・抜粋した証拠が、この日の法廷で初めて明らかにされたのだ。
  刑事告訴がなければ、そして東京地検の不起訴処分にも諦めず、検察審査会に異議を申し立て、2度の「強制起訴」議決を経なければ、これらの事実はきっと闇に埋もれたままだった。
 検察側の言い分を鵜呑みにし、 「刑事裁判は、事故の真相解明をする場ではない」
「検察が起訴できなかったほどなのだから、強制起訴しようと有罪にできるわけがない」
  「これまで強制起訴された裁判は大抵、無罪で終わっている」などと、したり顔で語るジャーナリストや識者も多い。だが、そんな彼らは、この日、明らかにされた「電子メール」等の内容をどこまで知った上で語っているのか。
  今回、明らかになった証拠をもとに、証人がこの法廷に次々と呼ばれることになるだろう。そして、そんな証人たちの口から、新事実が明かされる可能性も高い。