Dフォルダ 042<これは、国会の参議院本会議場に見た、ある日の光景である。議会がひらかれていないので議員はいないが、よく見ると演説台に一人、議場に3人の誰かがいる。演説台の人は、何かを読み上げているようだ。そして、議席の3人が書き物を見ている。おそらく、ここにいるのは、議員ではなく、官僚たちが大臣たちのために作成した自分たちの資料を、実際に模擬形式で議場でチェックしているように見える。または、野党の質問通知書にかいてある大臣への質問内容を職員が検討し、答えとなる原稿を読んで、国会議員の議会の答弁に備えていたようである。>
IMG_2492_1_1<11月5日の参院予算委員会で桜田義孝五輪担当相には、べつに2020東京五輪に詳しいけでもない。派閥の振り分けで大臣のポストについただけ。そこで、国会質問に5人の官僚が張り付いて、想定していた答弁書を渡し、説明したが、それでも応答の手際が良くなかった。蓮舫議員の質問予定書には、「水田水脈衆議院議員の過去の発言について」「女性活躍男女共同参画」(待機児童、幼児教育無償化について)「LGBTについて」などがあげらえており、そのなかに「東京オリンピックパラリンピックついて」や「消費税について」などがあったようだ。
 これらの質問内容を想定して、官僚は手分けして答弁書を短期間で作成し、準備しておくのだろう。従って、国会議員の質問には、その裏で幾人の官僚が仕事をしているのか想像がつく。要するに、大臣がいくら変わろうと、決められた政策実行には、支障を来さないのである。官僚が自分たちに都合のわるいことをしないようにするメリットがあって、不勉強な政治家を応援するのであろう。
 だから国民はの多くは、政治に感心がなくても大丈夫と思っているのであろう。そうであろうか。この話の元は次のような出来事があった。−− 11月5日の参院予算委員会で、内閣改造で初入閣した桜田義孝五輪担当相に、立憲民主党の蓮舫参院幹事長は、2020年東京五輪・パラリンピック関連の政府予算が当初見込みを超過したことを踏まえ、「いくらまで膨らむのか」とただした。桜田氏は予算見込み額の「1500億円」を「1500円」と間違え、慌てて取り消す一幕もあった。答弁には、桜田氏は5人の官僚の用意した答弁書を棒読みし、「東京都や組織委員会をしっかり支援したい」など要領を得ない答弁を繰り返したため、審議は数回にわたって中断した。
  桜田大臣は記者会見で東京オリンピック・パラリンピックについての質問委に、ちぐはぐな答弁を繰り返した理由について、「事前通告が無かった」と説明した。答弁の不手際があったのは、野党側から「事前通告が無かった」と発言した。しかし、その後、蓮舫議員の質疑に関して質問で、『通告が全然なかった』と申し上げたのは、事実と若干違いますので撤回させていただきたい」とした。
《参照:政治に無関心でも、無関係ではいられない