


中部ペンクラブは6月23日に第32回総会を開催。そこで、第22回中部ペンクラブ文学賞の受賞作に大西真紀氏「ジャングルまんだら」が決まったことが発表された。
受賞作の内容は、ゴンドワナ共和国10日間ツアー」に女性でメンバーを作って参加する。50代から60代の女性グループの熱帯ジャングルツアーとなり、ガイドからグループがはぐれてしまうハプニングで、サバイバルな野宿生活を強いられる。メンバーのそれぞれの家庭事情が少しずつ明らかにし、ベジタリアンを超えた強度の菜食主義の女性などのキャラクター、地元の野生猿ファビーを飼ったりする状況が描かれる。やがてこの国の軍隊に救助されて、一行のサバイバル体験は終わる。ジャングル生活などは想像力をもって細かく描かれている。文学の素材は圧倒的に、女性の方が多く握っている。女性の時代の反映でもあろう。
雑誌「中部ぺん」には受賞作と選評が掲載されている。「同時に、文学講演会では、作家・澤田瞳子氏《参照:澤田瞳子さんの新田次郎文学賞授賞式》の「古代を描くということ」をテーマに話された。その内容も遠藤昭巳氏によって書き起こされて「中部ペン」第26号に掲載されている。
中部ペンクラブは、作家個人とクラブ員が加わる文芸同人誌の集合したクラブという状況で、創作文学の表現者が、文学書をよく読むという性向から、文学書の読者集団という、重層した関係を築いている。
その中部地区という地域性による存在感の強さから、10月19日(土)には、東京で開催の「第3回全国同人雑誌会議」の主催にも加わり、同人雑誌作家たちの認知度を高めることになっている。

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