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 長崎ペンクラブ編集の総合文芸誌「ら・めえる」 No.79(2019年11月1日刊「長崎文献社」販売)に、 評論> 城戸智惠弘氏が「逆立ちした公共事業『石木ダム』」を寄稿している。副題の〜憲法13条「幸福追求の権の危機〜」としている。
これによっても理解できるように、その意図は長崎県内の地元で起きている「石木ダム」建設が国の政策であること、住民である国民の権利を抑圧する事態になるのではないか、という問題提起なのである。
 本論の終章には「石木ダム」建設は犠牲が大きすぎるー「(1)半世紀ー時代は大きく変わった」として資本論理による公共事業の指摘。さらに、「年表・石木河川開発」を掲載し、半世紀にわたる事業展開の紆余曲折を一覧表にしている。地元からの直接の声である。
  この論評を裏付けるような出来事が、現在でも地元の長崎新聞で記事にされている。同紙12月6日のデジタル版では、見出しが「長崎県職員「災害は追い風」発言 再発防ぐと知事 長崎県議会一般質問」としてーー
 長崎県東彼川棚町での石木ダム建設事業を巡り、県河川課長が「災害は追い風」という趣旨の発言をし、反対住民らが反発している問題で、中村法道知事は5日、「(職員を)指導、監督する立場として残念だ。今後は再発防止に努めたい」と述べた。定例県議会一般質問で答弁した。河川課長は10月、同町内であった推進派議員らの意見交換会に出席し、発言。その後、「不適切だった」として撤回した。反対派は知事の謝罪を求めている。ーーとしている。この問題については、《堤防とダムの構造検証(5)災害を追い風に=関良基教授》でもそのその発言の背景を説明している。
城戸智惠弘氏の評論では、「石木ダム」建設が、国民のための政策にらず、「住民と権力機構(県・市・国)の対決」となっていることを批判している。「石木ダム」建設計画によって、立ち退きを迫られる村落共同体と自然を犠牲にすることなくして、不可能な事業であるなら、異なる視点での開発計画を検討するべきと思わせる評論である。
 この要因は、現代の技術力進歩に目をつぶった官僚の、自らの権益を優先する政策の硬直性、「ダムありき」の方向性が建設業界との権益を共有するという、木戸氏の主張する「憲法13条「幸福追求権の危機」でを招いているといえる。
  気象変動による異常気象に関し、去年1年間に異常気象で世界で最も深刻な被害を受けたのは、「記録的な豪雨や猛暑に見舞われた日本だった」とする分析をドイツの環境NGOが今月発表している。世界各国の比較で、死者数や経済的な損失などをもとに行ったということで、日本の西日本を中心に広い範囲で大きな被害が出た西日本豪雨や、「非常に強い」勢力を維持したまま上陸した台風21号、そして埼玉県熊谷市で41.1度と観測史上、国内で最も高い気温を記録するなど猛暑に見舞われたことを理由にあげている。
そのうえで世界全体では過去20年に異常気象によって50万人近くが亡くなり経済的な損失は日本円で385兆円を超えるとして、温暖化の被害を抑える対策を強化するよう呼びかけている。
 もはや、20年以上前のダム建設を主軸とした政策は時代遅れであり、変更する時期に来ているのではないか。