

名古屋を中心とした中部地域の文学活動をする「中部ペンクラブ」機関誌「中部ペン」第29号/2022年が発行された。本誌には、その活動ぶりを豪華グラビアにしている。文学界は、インターネットの普及でショート・コピーとビジュアル化の情報化により、その文化的な位置が、変化している


中部ペンクラブ総会が、3年ぶりに開催され、事業会計と今後の計画確定と、新役員の承認が決まった。これまで会長として活動を20年にわたり文芸文化を牽引してきた三田村博史氏が退任し顧問になった。新会長には、中村賢三氏が決まった。
本誌には、第35回「中部ペンクラブ文学賞」に水田まり「ピンクのワンピース」([欅のある家」掲載作)の受賞と作品選評の掲載している。また、「特別賞」に『名占屋の栄さまと「得月楼」父の遺稿から』(鳥影社)寺田繁、が受賞した。
水田まり氏は、三重県伊勢市生まれ。金城学院短期大学卒業。神戸新聞文芸小説部門4回入選。2004年上半期文學界同人誌奨励賞。2005年第3回アングラ文學賞ーーなどの実績があり、文学的な知名度はあった。受賞作は、父親に溺愛された娘が、父の後妻になる女に抱く嫉妬を静謐に映画いたもの。
選者の作家・堀田あけみ氏は、作品は登城人物も舞台も「レトロ」をつけるような昭和時代のもので、古めかしさを感じるとしている。お同じく選者の竹中忍氏は、同人誌作家への全般的な心得として、短編での登場人物を絞り込むこと、主語の反復は避けること、という助言をしている。
中村賢三新会長は、書くことの愉しさ、生きることの歓びを分かち合う場として、クラブを機能させたいと抱負を述べており、体験の切実性の追求に深みを加えるものになうことを期待したい。
本誌では、同人雑誌推薦作に藤原伸久「ユキノハナ」(「文宴」119136号)が掲載され、新しい活動であある。
■関連情報=中部ペンクラブ第37回総会を6/19(日)開催へ=愛知
コメント