暮らしのノートITO

伊藤昭一ジャーナル★運営「文芸同志会」「文芸同志会通信」&「詩人回廊」運営。  

カテゴリ: 経済・社会

 刑法の性暴力被害の実態に応じた制度の見直しを議論してきた法制審議会(法相の諮問機関)の部会は3日、性犯罪の成立要件を大幅に見直す刑法改正の要綱案を取りまとめた。従来の「暴行」・「脅迫」といった要件を、同意しない意思の表明などが難しい状態にし、性的な行為をしたことにするほか、薬物、グルーミングすることなど8要件を加えた。近く法制審の総会を経て法相に答申され、政府は今通常国会に改正案を提出する方針。
 現行刑法は性犯罪の成立要件について、被害者の同意の有無を見極めるため、加害者側の行為に着目した「暴行・脅迫」と、被害者側の状態である「心神喪失・抗拒不能(心理的・物理的に抵抗が著しく困難な状態にある)」という二つの要件を置いている。ただ、規定が抽象的で、処罰されるべき性的行為が処罰されず、公判での裁判官の判断のばらつきにもつながっているとの指摘があった。
 さらに、加害者の行為や被害者の状態について「暴行・脅迫」のほか、「アルコール・薬物の摂取」「経済的、社会的関係上の地位に基づく影響力による不利益の憂慮」――など8項目を列挙。これらによって「性的行為に同意しない意思を形成、表明、全うすることが困難な状態にさせたり、そうした状態に乗じたりして、性的行為をした場合は罰する」とした。
 性的行為に同意する能力があるとみなす「性交同意年齢」は13歳から16歳に引き上げた。ただ、13歳以上16歳未満との性的行為が処罰されるのは、加害者が被害者より「5歳以上」年上になる場合に限定し、同年代同士の行為は除外した。
 性犯罪の公訴時効も原則として5年延ばした。被害の申告が遅れやすい18歳未満については、18歳に達するまでの期間を公訴時効に加算する仕組みも盛り込んだ。
 性暴力被害の当事者団体や支援団体は3日、オンラインで記者会見を開いている。被害者らでつくる一般社団法人「Spring」金子深雪さんは「今回の議論を通じて、性犯罪の処罰規定の本質は『相手が同意していない性的行為を行った者を処罰するもの』だと改めて確認された」と評価するも性犯罪の公訴時効の延長期間については短すぎるとし、さらなる見直しを求めた。
■関連記事=スウェーデンの「性行為同意法」(1)Yesの確認が必要
■関連記事=スウェーデンの「性行為同意法」(2)指を入れたらレイプ
■関連記事=スウェーデンの「性行為同意法」(3)過失レイプの判例

【海江田万里の政経ダイアリー】2023.01.30号より。 ★令和5年度税制改革にみるインボイス制度のその後★
  1月30日から衆議院では令和5年度予算案に対する審議がスタートしました。
  新年度予算案(一般会計)は歳出規模114兆3812億円で、もちろん過去最大規模の予算となっています。国会の審議ではまず予算委員会で、歳入・歳出全般についての議論が行われ、少し遅れて2月上旬から歳入確保のための税法などの審議が始まります。予算委員会の国会審議をテレビ中継で見る方も多いと思います。ここではテレビ中継もなく、議論が報道されることが少ない令和5年度の税政改革について報告します。
  令和5年度税制改革では個人所得税、相続税・贈与税について若干の見直しが行われますが、紙幅が限られているため、昨年10月にこの『政経ダイアリー』で取り上げた消費税のインボイス制度のその後について記します。インボイス(適格請求書)制度については野党が「廃止法案」を国会に提出しましたが、顧みられず、今年10月から完全実施されることになりました。
  しかし、フリーランスや小規模事業者などから多くの懸念が寄せられ、政府・与党としても何らかの措置を講じなければならないとの認識に立ち、次のような措置が講じられることとなりました。
  課税売上1000万円以下の免税業者が課税業者に転換する場合、3年間に限って納税額を売り上げ税額(売上額×消費税率)の2割に軽減する。つまり課税業者として本来納めなければならないはずの消費税額の8割を控除するという内容です。これは3年間に限っての措置であることがポイントです。
  その後のことは、また追って考えるとのことで、3年間の特例期間が過ぎると、消費税額全額を払わなければならなくなる可能性が大きいといえます。
  売上額1億円以下の事業者が行う1回に1万円以下の取引についてはインボイスがなくても帳簿のみで仕入れ税額控除を認める措置を6年間講じる。年間売り上げ1億円以下の事業者は、全国の法人の約4割を占めるといわれています。具体例を考えると、年間売上1億円以下の企業の社員が社用で消費税免税の個人タクシーに乗った場合、個人タクシーが免税事業者ならインボイスの発行はできませんから従来の領収書を発行することになります。
  この場合、領収書の金額が1万円以下なら、企業はその領収書をもとに帳簿に記載すれば、1万円の10%つまり1000円の仕入れ控除が可能です。町の文房具屋さんで1万円以下の文房具を購入した場合も同じです。
  この措置は、中小事業者の消費税事務負担の軽減策として考えられたものですが、同時に年間課税売上1000万円以下の個人タクシーや小規模商店などが取引から排除されない効果も生みます。しかし、1回の取引が1万円以下というのは少額すぎる気がします。この措置の実現を強く主張した日本税理士会連合会によると、当初、1回の取引3万円以下にすべしと要望していたのが、最終的に1万円になったとのことです。しかも、特例措置が適用になるのは6年間
で、その後のことは白紙です。
  いずれにしろはなはだ不十分な暫定措置だと考える人が多いのではないでしょうか。これらの措置を始めとして、令和5年度の税制改革は小粒で、目立った改正がないのが特徴です。防衛費増額のための増税も令和6年度以降となっていますから、それまでに抜本的な税制改革の議論が絶対に必要です。(衆議院議員 海江田万里の国会日記)=事務所サイト

 平和構想研究会は、昨年12月に閣議決定された安全保障3文書に関して26日、平和構想研究会による公開セミナーが開催した。講師は学習院大学の青井未帆教授です。司会は青井教授とともに平和構想提言会議の共同座長をつとめたピースボートの川崎哲氏。
 昨年12月、「国家安全保障戦略」など安保3文書が閣議決定された。それは、敵基地攻撃能力の保有や防衛費の大幅増額、さらには武器輸出の全面解禁へと向かう内容を含んでおり、日本の防衛・安全保障政策を根本的に転換させるものである。
 日本国憲法の平和主義の原則を逸脱し、軍拡競争を助長し、戦争のリスクを高めるきわめて危険なものといえる。こうした決定が、十分な国会審議も経ないまま強行された。政府・与党が勝手に憲法を上書きしようとしている状況を、このまま受け入れることはできない。
 この閣議決定に先立ち、研究者、ジャーナリスト、NGO活動者らによる平和構想提言会議は「戦争ではなく平和の準備を」と題する提言を発表した。この提言は、軍拡ではなく軍縮と平和外交こそが必要であり、それは可能であると説いている。同会議の事務局を担った平和構想研究会は、この一連の問題を扱う公開セミナーをオンラインで開催していく。その第1回として、青井未帆学習院大学教授を招いて開催し、憲法の視点から安保3文書を読み解いていく。
■講師紹介=青井未帆(あおい・みほ)。学習院大学法科大学院教授(憲法学)。東京大学大学院法学政治学研究科博士後期課程単位取得満期退学、信州大学経済学部准教授、成城大学法学部准教授などを経て、2011年より現職。
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第1回「憲法の視点から安保3文書を読み解く」講師・青井未帆(学習院大学教授、平和構想提言会議共同座長)
〈公開セミナー「戦争ではなく平和の準備を」より〉司会 川崎哲(ピースボート共同代表、平和構想提言会議共同座長)■主催=平和構想研究会
IMG_5686■関連情報=〈東京新聞〉疑問点ばかりの敵基地攻撃能力 情報公開請求は「黒塗り」なのに岸田首相は「国会で正々堂々議論」

 岸田首相は16日、国家安全保障戦略など新たな防衛3文書を閣議決定した。相手のミサイル発射拠点をたたく「反撃能力」を保有し、防衛費を国内総生産(GDP)比で2%に倍増する方針を打ちしる出した。国際情勢はウクライナ侵攻や台湾有事のリスクで急変した。戦後の安保政策を転換し自立した防衛体制を構築する。米国との統合抑止で東アジアの脅威への対処力を高めるというもの。
 日本の平和憲法は、交戦を否定した、世界でも異次元のものであり、それを現実の国際防衛主義とどう持つかを持たせるか、で議論をしてきた。そのなかで、政府は国民への説明をないがしろにし、米国バイデン大統領へ米国従属性を強調するという屈辱的外交をしてきた。
 そうしたなか「#わたしたちのあんぽ 」を考える緊急市民集会 2023」が1月23日、東京・連合会館で開催された。《参照:「市民連合」》
 これは、佐々木寛(新潟国際情報大学教授 国際政治学)をコーディネーターに、パネリストに、猿田佐世(新外交イニシアティブ代表)、川崎哲(平和構想提言会議共同座長)、遠藤誠治(成蹊大学教授 国際政治学)、中野晃一(上智大学教授 政治学)、ほか、立憲野党議員、市民、学生たちが、如何にして日本が世界平和への呼びかけ外交を進めるべきかを議論した。
 コーディネーターの佐々木寛(新潟国際情報大学教授 国際政治学)氏は「去る12月16日、日本政府は、「敵基地攻撃」を認め、軍事費を倍増させるという、外交安全保障上の大転換を閣議決定した。この決定は、ほとんどの憲法学者が反対した2015年の安保法制(戦争法)の強行採決に続き、“戦後平
和主義の死刑宣告”ともいえる内容で、何よりも国民的な議論が未だまったくなされていないという問題をかかえている。」とし、「これからのわたしたちの生活や生命の「安全」を、ほんの一握りの専門家や政治家たちの議論にゆだねてしまって本当に大丈夫なのか。軍事力や「抑止力」によって本当に平和は実現するのか。政府の言う「安全保障」は、日本国民の「安全」を本当に「保障」するものなのか。本当は軍拡によって、かえって米中の軍事紛争に巻き込まれるのではないか…。未だこのような根本的な疑問が残ったままである。」
 「今、すべての市民がいっしょになって智慧をしぼり、「わたしたちの“あんぽ”」を考える時。迫りりつつある戦争によって、再びわたしたちの生活や生命が奪われないように、“外交の力”や“信頼の醸成”を基軸にする、現実的かつ包括的な新しい安全保障のあり方を、いっしょに構想し、実現しよう」と、主張した。
「#わたしたちのあんぽ 」を考える緊急市民集会2023
■関連情報=平和構想提言会議=憲法の原則を逸脱し戦争への危険を高める自民党「安保提言」に抗議する

 政府が、年金などの公金受け取りのために自治体が把握している「銀行口座」と「マイナンバー」をひも付けしようとする、新たな策を打ち出そうとしているという。一定期間内に「拒否」をしなければ「同意」とみなされ、自動的にひも付けされていくという。
 マイナンバー制度には、運営に関連して、政府官僚や国や自治体の議員への信用の低下にたいし、情報一元管理への危険性がある。政府は、カード自体に情報が蓄積されているわけではない上に、暗証番号が必要だし、情報は国や自治体が分散管理しているから、芋づる式に情報い洩れが生じない、としている。すでに社会保障・税番号として機能しているものもある。
 とくに自治体の事務上の作業は、2021年度の個人情報保護委員会の報告によると、45%以上が外部の業者に委託し、再委託もあることが分かっている。この個人情報の拡散は、さまざまな重大な漏えい―データの誤送付、不正アクセス、職員による違法収集・・・も報告されている(関連記事=朝日新聞22年10月30日)。さらに、民間での利用拡大の方針をすでに打ち出している。
 このカードの交付は2016年から始まっているが、2017年3月には8.4%程度であって、普及しなかった。そこで、20年9月から21年12月にわたって、カード申請すれば特定のキャッシュレス決済に限って2万円に5000円のポイントが付くというキャンペーンを実施した。
 第2弾として、22年1〜12月までは、公金受取口座に紐づけなど含め、2万円のポイントを付けるというキャンペーンを実施の末、22年11月現在53.9%にたどり着いたようだ。この間のすさまじいほどのネットやテレビでのCM、度重なる新聞の全面広告は記憶に新しい。
 常識的に「タダより高い物はない」。なぜここまで、政府は躍起になるのか、逆に不信を招く。
 しかも、このマイナポイント事業には、第1弾に2979億円、第2弾に1兆8134億円を計上していることが、12月1日の参院予算委員会の質疑で判明した。いわゆる宣伝費はここに含まれていたわけである。さらに、カード交付の申請サポートを民間施設に委託拡大、その費用を加えると今年度だけで2兆円を超えるという。
  2021年11月からマイナ保険証の運用ははじまっているが、2022年11月現在、システム導入の医療機関・薬局は35.7%である。顔認証のカードリーダーの不具合、トラブルが続出して、その原因も未解明なのが現状であり、全国の開業医約11万人が加盟する全国保険医団体連合会の調査によれば、保険証廃止に反対が65%、システムを導入しない・できないと回答した1279件の内、その理由のトップはセキュリティ対策の不安で、多額の費用の発生、オンライン請求をしていないが続く。スタッフが少ない・いない、高齢で数年後に閉院予定などという切実な理由も挙げられる。
  そもそも、健康保険証にマイナンバーを使うことなど、国民に有無を言わさず、強権的な決定といえる。
  とくに、自民党と公明党政権は、反日カルト団体の活動を背景に、議員数を拡大している実績もあきらかになってきている。政府機関が国民から信頼を得たうえで、システムの管理法を公開強化するべきであろう。

 【海江田万里の政経ダイアリー】2022.12.26号より。☆ 2022年(令和4年)をふりかえる ☆
 今年の漢字に「戦(いくさ)」が選ばれたことを聞き重い気持ちになりました。今年は2月にロシア軍のウクライナ侵攻があり、多くの国民が戦争に心を痛めた結果、この文字が選ばれたものと思いますが、その後の日本政治の流れを見ていると、「戦」の文字が、決してロシアとウクライナの戦争を象徴しているだけとは思えません。私たちの身近にも「戦」の影が忍び寄っていると感じています。
 国会が12月10日に閉会してから、政府は「安全保障関連3文書」の改定を閣議決定し、その方針を受けて、12月23日、令和5年度の予算が閣議決定されました。本来なら来年度予算は、4月から発足する子ども家庭庁の予算を中心に、岸田総理が施政方針演説などの中で述べた「子ども予算倍増」に向けた内容になるはずでした。
 しかし、今や子ども予算は見る影もなく、防衛関連予算に注目が集まっています。それも自衛隊OBが指摘するように「現場から積みあがった金額ではなく」、はじめに数字ありきで、財源についても国民的な合意はおろか与党内の論議も不十分なままであったと思われてなりません。
 特に、私が問題と考えるのは、艦艇の建造費などの財源に建設国債を充てる政府の方針です。建設国債は道路や橋など国の資産となるものを建設するために発行される国の借金で、コンクリートの耐用年数が60年であることから、新規発行した国債の償還期間は60年となっています。60年前といえば1960年代ですが、海上自衛隊の艦艇などで1960年代に建造され現在も活躍中の艦艇がどれだけあるか、皆無といってもいいと思います。
 また、最近はあまり言われなくなりましたが、建設国債を発行して公共事業を行う際には、「乗数効果」といって、公共事業によって、どれだけ経済を成長させる効果があるか議論することが常でした。ムダな公共事業との指摘を受けないためにも「乗数効果」の議論は大事でした。
 ところが艦艇などの戦闘用装備は、自分を犠牲にしてでも相手の艦船や兵器を消滅させるために活動するわけですから、「乗数効果」の議論の範疇外です。
 だから歴代の大蔵大臣や財務大臣は、「防衛費を国債発行の対象とすることは適当ではない」(福田赴夫大蔵大臣の国会答弁)としてきました。「無理が通れば道理が引っ込む」との諺がありますが、道理を重んじるはずの財務省のお役人が、よくこんな無理を通したものだとあきれています。
 来年の干支(えと)は癸卯(みずのと・う)です。漢学の大家であった安岡正篤氏は、その著『干支の活学』の中で、「癸卯の年は万事・正しく筋を通してゆけば繁栄に向かうが、これを誤ると紛糾し動乱する意を含んでいる」と書いています。
 そういえばこの前の癸卯の年1963年はケネデイ大統領が暗殺された年で、その前の癸卯の年(1903年)は、翌年に日露戦争が開戦しています。まさに内外が物情騒然として重大な機局を迎えた年でした。このような危機を回避するためには、政治指導者が正しく筋を通すことが何より肝要です。防衛費については身の丈に合った範囲で、国民の合意を得つつ慎重に扱うべきです。
 なお、10増10減の法案の成立により、私が総支部長を務めている東京都第1区から港区が外れることとなりました。港区民の皆さまのこれまでのご厚情に深謝いたします。末筆になりますが、皆さまのご健勝とご多幸を祈ります。良い年をお迎えください。
(衆議院議員 海江田万里)=事務所サイト

  全国の原発で唯一運転開始から40年を超えて稼働している福井県にある美浜原子力発電所3号機について大阪地方裁判所は12月20日原発に反対する市民グループ(脱原発弁護団全国連絡会など)が老朽化による事故の危険性などを主張して運転しないよう求めていた仮処分の申し立てを退ける決定を出した。
  原発の運転は福島第一原発事故のあと原則40年に制限されている。46年前の1976年に運転を開始した関西電力の美浜原発3号機は国の原子力規制委員会の審査で最長60年の運転延長が可能となる初めてのケースとして2021年6月、再稼働している。
  原発に反対する市民グループは、設備が経年劣化しているうえ、巨大地震への耐震性が不十分で重大事故が発生する危険があると主張。運転しないよう求める仮処分を大阪地方裁判所に申し立てていた。
  大阪地方裁判所の井上直哉裁判長は20日、決定を出し、この中で40年を超えた原発の安全評価について「有識者の議論や原子力規制委員会の技術評価を踏まえると、関西電力が経年劣化の状況を評価した手法は不合理とはいえず、規制委員会の審査も問題があるとはいえない。運転開始後40年以上経過していることをもって、新規制基準が定める老朽化対策以上に原発の安全性を厳格、慎重に判断しなければならないとはいえない」とする判断を示した。
  また地震に対する安全性についても「関西電力は、耐震補強工事を実施したうえで耐震性を評価しており、問題があるとはいえない」として市民グループの申し立てを退けた。
  裁判所が運転開始から40年を超えて稼働している原発の安全性について審理したのは初めて。
  市民グループの代理人の河合弘之弁護士は「結論ありきの決定だと思います。関西電力の言っていることを150%くらい取り入れて、老朽原発を追認している。不当な決定に屈することなく、次の闘いを展開していきたい」としている。
  代理人の河合弘之弁護士は「決定はあまりに内容がなく、福島原発事故の悲劇は裁判官の頭の中で忘却されているかのようだ。司法の役割を放棄したに等しく、強く抗議する。老朽原発の運転に対する不安は広く市民の中に広がっており、私たちはこのたたかいをこれからも粘り強く続けていく」としている。
  原子力発電所の運転期間は、東京電力福島第一原発の事故のあと原則40年に制限され、1回に限り最長60年までの延長が可能とされた。
  原発の老朽化に対応するため、電力会社には運転開始から30年を超える前に重要な設備が安全に使えるか評価し管理方針を作って、10年ごとに更新することが義務づけられています。
  ただ、原子炉の大部分や土台のコンクリートといった重要な設備は構造上交換することが難しく、長期間放射線をあびることでもろくなるリスクなども指摘されている。
■関連記事=《参照:世界の原発廃炉年数の分布は平均22年》

【海江田万里の政経ダイアリー】2022.11.30号より。☆ マイナンバーカードを考える ☆
 総務省の発表によれば、11月27日時点で、マイナンバーカードの申請件数は7568万件となり、この数は全人口の61%に当たります。すでに交付したカードは6735万枚、全人口の53・5%となっています。マイナンバーカードの交付を受けた人々を年代別に調べると、意外にも50代から70代の方の割合が多く、30代、40代の働き盛りの人々の割合が相対的に低いことがわかります。カードを交付する自治体の出張イベントなどに高齢者が参加する機会が多いからだと思われます。
 今年4月1日の交付割合は全人口の28・3%でしたから、この半年余りの間に、マイナンバーカードを保有する人の数が急激に増えたことが分かります。
 その背景には、今年6月30日から始まったマイナポイント第2弾の効果があることは明白です。マイナポイント第2弾の予算は、総額1兆8000億円で、この金額は今年の第一次補正予算で手当てされています。このキャンペーンは来年2月まで延長されましたが、カードの申請は今年12月末が締め切りです。ちなみに私はまだカードを申請していません。
 私が、マイナンバーカード申請を躊躇している理由は、カードを持つことによって、もう一つの番号が新たに付与されることにあります。この番号は「マイナキーID」と呼ばれ「電子証明書発行番号」とセットになり、マイナンバーカードの本人確認の機能を担うものです。
 マイナンバーカードを持ち、マイナポイントをもらうためには、マイナカードを、例えば楽天カードなどの業者カードと紐付けなければなりません。そうすればマイナポイントは、楽天カードなどの業者カードに振り込まれます。このとき業者カードは、マイナンバーカードの「マイナキーID」を取得することになります。マイナンバーそのものには、「マイナンバー法」により、厳しい利用規制がありますが、「発行番号」や「マイナキーID」は、一般の「個人情報保護法」による規制しかありません。
 特に「マイナキーID」は、電子証明に用途が限定されている「発行番号」と異なり、業者カードがこの番号を使って、様々な個人情報を集めることが可能です。もちろん、集めた個人情報を第三者に提供する場合は本人の同意が必要ですが、カード業者が自社で、この情報を使う場合は、カード契約を締結する最初の段階で、自社利用についての同意が行われているのが通常です。
 マイナンバーカードの「発行番号」や「マイナキーID」から、個人の医療情報や納税状況などの機微情報が漏洩する可能性は低いといえますが、悪意を持った専門家が、情報を盗み取る可能性は残ります。また、「発行番号」や「マイナキーID」から個人の買い物などの生活情報が他者に漏れる可能性もあります。この「マイナキーID」はマイナカードを取得してもマイナポイントをもらわなければ必要のないIDです。
 うがった見方をすれば、政府はマイナポイントを餌により多くの国民に「マイナキーID」の取得をすすめ、業者に多くの個人情報を集積させることを企てているとも考えられます。デジタル庁と総務省は、その旗振り役を担っているといえるでしょう。
 私はマイナカードを申請するにしても、このタイミングでのマイナカードの申請を見送ろうと思っています。マイナポイントと引き換えに、個人情報漏洩のリスクを大きくしたくないからです。あなたのマイナンバーカードに対するご意見もお聞かせください。(衆議院議員 海江田万里)=事務所サイト
☆ITOのコメント=同感。健康保険証に代わるというので、増えるでしょうが、スマホのを使わない人や、持たない人への対応が差別的。マイナポイントをもらった人はリスクも、もらったと思うべきでしょう。

 〈海江田万里の政経ダイアリー〉2022.10.31号 より。☆ 10月インボイス制度完全実施には無理がある ☆
 来年の10月1日からインボイス制度が完全実施されます。インボイスとは英語で「請求書」の意味ですが、わが国では「適格請求書」と呼ばれ、この請求書がないと、法人や個人が消費税額を計算する際に、「仕入れ税額控除」ができなくなります。今年の9月末時点で、インボイスの登録を済ませた事業者は約120万。
 しかし、これは課税事業者の約38%にしかならず、インボイス制度完全実施までに1年を切ったところで課税事業者の62%はまだ登録手続きを済ませていません。これら未登録の事業者の登録は、これから徐々に進むことになると思いますが、一番の問題は、現在、年間売り上げ1000万円以下でその数500万といわれる消費税の免税事業者となっている小規模の法人や個人の事業者もインボイス 登録をしなければならなくなる可能性があることです。
 もちろん、インボイス制度が完全実施になっても、免税制度は存続しますから、年間売り上げ一千万円以下の個人や法人は、登録をせずに、従来通りの免税事業者として残ることもできる建前になっています。
 しかし、こうしたインボイス未登録、つまり「適格請求書」を発行できない事業者から仕入れた物
品やサービスについては、「仕入れ税額控除」の対象から外され、取引から排除される可能性があります。
 例えば、個人タクシーを利用する場合、企業では、社員に対して「適格請求書」を発行するタクシーに乗るように指示を出す可能性が大きくなるでしょう。
 またフリーの個人事業者と取引のある企業も、「適格請求書」を発行できない個人事業者には仕事を依頼しないケースも出てきます。仮にこれまで通りに契約を継続する場合でも、消費税相当額の値下げを強要されることも予想されます。公正取引委員会では、こうした行為は「優越的地位の濫用の可能性がある」として厳しく目を光らすと言っていますが、その実効性には疑問が残ります。
 そこで売上1000万円以下の免税事業者もインボイス制度への登録を行い、「適格請求書」を発行するケースが出てくることが考えられますが、その場合、当然その事業者に消費税の納税義務が生じま1000万円以下の小規模事業者にとっては、インボイスの完全実施は「前門のトラ、後門のオオカミ」に等しい状況が目の前に迫っています。
 こうした窮状を前に、日本税理士会連合会は、(1)令和8年9月末までとなっている、免税事業者からの仕入れの8割控除を、さらに一定期間続けること、(2)取引金額が3万円未満の少額取引の仕入れ税額控除については、原則、「帳簿と請求書の保存」となっているのを特例で「帳簿のみの保存」とするよう税務当局に働きかけをしています。立憲民主党などの野党は、インボイス制度そのものの廃止あるいは、来年10月1日からの完全実施を延期するよう主張していますが、与党は耳を 貸しません。
 完全実施まで1年を切ってしまった現在、最低でも日本税理士会が主張する内容が実現するよう与野党協力して政府に働きかけをすべきです。
 東京商工リサーチ社が、今年8月に行った企業向けのアンケート調査では、インボイス制度について「知らない」7・5%、「少し知っている」24・0%となっています。この調査には個人事業者は含まれていませんから、このまま来年10月1日からインボイス制度が完全実施されると大きな混乱がおきることは必至です。
(衆議院議員 海江田万里)=事務所サイト

【海江田万里の政経ダイアリー】2022.9.29号 より ━☆ 臨時国会開会をまえに ☆
 日本社会の分断を残して、「国葬」は終わりました。
 いよいよ10月3日から、臨時国会が始まります。通常国会が終わったのが、6月15日、7月に参議院選挙が行われ、3日間だけの臨時国会が開かれたものの、その後は休会状態が続いていましたから、およそ100日ぶりの国会です。
 この間、野党は憲法53条に基づいて政府に早期の臨時国会開会の要求を行いましたが、約1か月半、放置されたままでした。日本の政治に空白が続いている間、世界では様々なことが起こり、日本もその影響を受けています。
 思いつくままに列挙すると、ロシアのウクライナ侵攻は膠着化し、ついにロシアは占領地域の「住民投票」を行い、東部諸州のロシアへの一方的な併合を行なおうとしています。またウクライナ軍の反撃によって苦戦を強いられたロシアは、部分的な動員と称して若者を徴兵し、国内ではこれに反発する動きも起きています。
 アメリカは経済が変調をきたしています。FRBの相次ぐ利上げによって景気に減速感が漂い、株価は連日下落して、9月29日にはNYダウは3万ドルの大台を割り込んでいます。またイギリスではジョンソン首相が退陣し、代わってリズ・トラス首相が選ばれました。彼女かつてEU残留派の論客として有名でしたが、今や筋金入りのブレグジット(EU離脱)推進派に変身しました。
 イタリアでは総選挙の結果、EUに懐疑的な右派が躍進しメローニ女史が新首相となりました。今後、EUの結束にひびが入りかねません。
 日本では、円安がさらに進行し、その結果、物価高騰が庶民の生活を直撃しています。9月22日には政府は3兆円規模のドル売り円買いの為替介入を行いましたが、アメリカの協調介入は得られず、その効果は数日続いただけで、9月29日現在、1ドル=144円後半になってしまいました。
 中国のRMB(人民元)、インドのルピー、タイのバーツ、韓国のウオンなどアジアの通貨が軒並み安くなっていることも見逃せません。1997年のタイのバーツ下落からおきたアジア通貨危機が一瞬、頭をよぎりました。もちろん、その再来の可能性は低いと思われます。しかし、政府が入国制限を緩和し、円安によるインバウンドの急増によって日本経済の活性化を図ろうとの期待は中や韓国、タイなどのアジア諸国からの観光客にとっては自国通貨安によって、円安の効果は半減していることから思った効果が得られない可能性があります。
 10月3日から開かれる予定の臨時国会では、野党が足並みをそろえ、「国会議員の4分の1以上の要求があれば、政府は20日以内に臨時国会を召集しなければならない」との規定を盛り込んだ、「国会法改正案」を提出する予定です。
 自民党はかって憲法改正草案のなかで、今回の野党の提案とほぼ同じ内容を盛り込んだことがあります。今回も憲法改正で対応しようと主張しているようですが、憲法改正を待つことなく、国会法の改正案を成立させるべきです。
 また統一教会や、「国葬」問題、新型コロナ対策、相次ぐ物価高騰に対する経対策についての議論はもちろんのこと、自民党の一部から反対意見のでている「10増10減」の議員定数の法案も、必ず臨時国会に提出して、早期の成立を期すべきです。
(衆議院議員 海江田万里)=事務所サイト

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