暮らしのノートITO

伊藤昭一ジャーナル★運営「文芸同志会」★郵便振替口座=00190−5-14856★「文芸同志会通信」&「詩人回廊」運営。  

文芸同志会のひろば

文学フリマ東京2017年5月から見たデジタル化傾向

P5070017<設営が終わってやっと、出店参加者、入場者受付となる。>
  文芸同志会での文学フリマの出店は、会員作品の存在アピールと販売は当然のことであるが、同時に世代交代のなかで、文学がどのような位置を占めていくのか、その動向を観るという点もある。これは主宰者の自分がどんな環境に存在しているかを、知りながら生活をしていたいという、欲望に従った恣意的な動機である。
P5070025P5070026P5070027<見本誌コーナーでも、じっくり時間をかけて読むべきような研究書ものと、生活のいろどりとして気軽に楽しむものなど、混在してきた>
 しかし、このイベントの現場に紛れ込んだからからといって、「文学フリマの現在はこれだ」というものが見えるわけではない。
  手がかりは、整頓されたデータがないなか、物質的な現象しかない。それは、会場で入手するPRパンフレットに頼ることである。
  そのメインはカタログ掲載の広告である。広告こそ生きた最新の情報だ。
P5070028
 表4に広告のあるアドビ・システムズ(株)は、ナスダック上場企業。米国の画像編集ソフトウエア企業。画像や文書編集、PDFファイル閲覧「Acrobat Reader」、PDFファイル作成、コンテンツ・アプリの制作・配信、ドキュメント・コラボレーション、印刷物デザイン、映像編集・制作などを支援するツールを提供。製品は卸売・小売業者、OEM、ウェブサイトを通じて販売。本社はカリフォルニア州サンノゼ。
P5070039P5070040<1階事務局前の各地の文学フリマポスターと無料チラシ配布テーブル>
 かなり専門的なIT技術の使い手を顧客に取り込もうとしているようだ。表3の(株)ポルプスは毎度おなじみ、イベント対応力で出版制作や、グッズを受注する。このことから、文学作品の文章系から趣味のグッズマーケットにまで、このイベントのなかの需要が広がっている。いわゆるアニメ系色も強くなっているということだ。
 表2は、小説家投稿サイト「小説家になろう」である。これは電子書籍投稿のデジタル・新人発掘から、紙本出版販売まで、趣味層の拡大をはかる。
  こうした自費出版本の簡単サービス制作でテキストデータからの受注で(株)デジタルパブリッシングサービス。同人誌の自家通販サイトのピコ通販サイトは、登録サークル数3500を突破。ネット販売の簡単化サービスなどが登場している。通販取引サイトを作成し、期間を設けて料金をとるという仕組みだ。
  出店のサークルや個人出版では、商業的ライターをしながら、自分の本来の主張を表現するようなグループが増えているのは、文学フリマの本来的な活動に沿っているようで、好ましく感じた。

文学フリマ東京(第24回)会場設営(ボランティア)の風景

P5070004_1<第24回文学フリマの会場設営の手順をボランテアスタッフに説明する望月倫彦代表。TRCの会場使用のできる8時半から打ち合わせを行う。>
  文学フリマは、大塚英志氏の思想を継承し、第2回からは望月代表が開催運営を行ってきた。彼の柔軟な発想と粘り強い行動と指導力がなければ、文学フリマは単なる泡沫的イベントに終わっていたであろう。
   それと同時に、献身的な精神のボランティアスタッフの存在なしには、長期安定的な開催実績を積み上げることはできなかったのである。
 5月7日の第24回文学フリマの会場設定は、まず8時半に集合したボランテアスタッフを前に、望月司令塔の「ブースと机の配置」の仕方説明からはじまった。
P5070002<文学フリマ東京会場TRCへのアクセス。東京モノレール「流通うセンター前駅>
  会場には机と椅子がすでに運び込まれている。
  机と椅子は、受付や見本誌コーナーに使用するのと、会場のブースに使用するのを分ける。台車にのっているので、そこから下ろす。
  配置図と手順マニュアルが渡されるので、とりあえずおろして並べて、柱を基準におよその間隔を置いて、平たく並べる。
P5070007P5070005P5070015P5070008P5070009P5070010<台車に積んである机と椅子を一つづつ下ろす。机はTRCに付属したものと、フリマ事務局が業者に運んできてもらっているものとがある。机はいったん床に置き、脚を立てます。その時に、脚が閉じないようにロックをして確認する。そして、大まかにならべてあったものを、部屋の柱を基準に端から並べ直し、全体を揃えていく。2階も同じで、見本誌コーナーも作ります。窓の向こうはモノレールの車体が見えます>P5070016P5070014<9時過ぎになると、外にはぼちぼち出店者がやってきて待ってます。10時近くになると、相当の列ができます。>

第二十四回文学フリマ東京に出店!コミック評論が好調

P5070034P5070021第24回文学フリマ東京に出店した文芸同志会の2階正面のブース。今回は新会員の白丸さんが店番に参加してくれた。2017年5月7日>
第24回文学フリマ東京に出店してきた。イベントが始まってから15年になる。雑誌「文学界」の同人雑誌評が亡くなった時に、同人雑誌の衰退がしきりにいわれた。文学フリマに参加していた同人雑誌グループは、それにほとんど無関心で、年々増える参加者で肥大するイベントのなかで、競争力を強める工夫に腐心していたのである。
  文芸同志会は、文学は個人的な感性の拡張を目的とし、個人の作品を売り出すための機能を優先した。会員のために会が支援する。そのために、情報発信と情報提供が受け入れるようにする。そのための情報交流と情報提供をしてきた。媒体力の強化である。
 今回も山川豊太郎のマンガ作品の解説評論が好調で、売り切れが出た。文学フリマにおける、企画力の発揮で、ブースは賑わった。しかし、それは文学性の本格的な展開になるのかどうか。その道をさぐることが求められる。ただ、ひとつの傾向を示したもので、読者層の拡大と、文学的なマンガの発見と評論の道は存在することがわかる。今回まで、出品作は同じものであったが、次回は変化を考える。
P5070028P5070030P5070038<第24回文学フリマ1階の会場。エブリスタの意欲的なアピールが目立った。5月7日>
それから、様々な話題を情報化し提供しながら、全国百都市イベントへの目標をもつようになった。2017年には、全国8カ所で9回の開催をするまでになった。出店の常連のなかの情報交流も盛んだ。
P5070032_1<東京に本部がある「全作家協会」も1階で出店をしていた。>
  文芸同志会は、情報取集と交流の会で、付帯活動として「詩人回廊」で会員作品の公開をしている。時代の変化に対応するしかない。北一郎はなかなかうるさいことをいう。そこで、その根拠というものを示さなけれならず、大変である。つづきは、いつかの日に。


第23回文学フリマ東京の風景から=定番発行物の売れ行き

PB230007PB230025PB230004<第23回文学フリマ東京文芸同志会と「砂」の会の連結ブース>
  今回は、今年の「富士正晴同人誌大賞」を受賞した評論誌「群系」の第37号を文芸交流会の連携で展示したが、文学マニア的な読者層に出会わなかったらしく、売れなかった。また「野上弥栄子の文学とその周辺」も、いつもは2、3冊が売れていたのが、さっぱりであった。そうのような出会いのない日もあるので、仕方がない。これらは、今後も定番販売本として継続し、当会でも常時販売していきます。
  山川豊太郎の有名コミックをデーターベースとした小冊子が、まだ賞味期限が保たれていて、順調な売れ行きを見せた。
 IMG_20140506_0001_1_10301118 006121118 009
<山川豊太郎の漫画研究評論「芦奈野ひとし『買い出し紀行』試論ー「人の夜」を前にしてー」文芸同志会発行(200円:送料別)、同研究評論「志村貴子『放浪息子』文芸同志会発行(300円:送料別)、「成人男子のための『赤毛のアン』入門」(文芸同志会発行)=(100円:送料別)>
 それに対し、伊藤昭一の著作物は、今回は前回ほどの伸びはなかった。新作の「なぜ「文学」は人生に役立つのかMark供廚蓮△發少し知られるまでは、じっと我慢の販売が必要なことは想定内である。
nogami<「野上弥生子の文学とその周辺」伊藤誠二編著A5判 並製本104頁。定価1050円(本体1000円+税)野上弥生子の想い出とその文学について語った随想集。伊藤昭一、浜賀知彦、野上燿三、伊藤誠二、岡田すみれこ、石塚秀雄、日野多香子、山下博>
0301118 005IMG_20161124_0001_1<「なぜ「文学」は人生に役立つのか」伊藤昭一、表紙・佐藤みーこ(送料別500円)文芸同志会発行の増補版とMark業如

第23回「文学フリマ東京」は市場性の成熟度を醸す

PB230009<第23回 文学フリマ東京での文芸同志会のブース。行列ができているのは、隣の批評再生塾一期有志による批評誌『クライテリア』のブース。11月23日>
  第23回 文学フリマは、東京流通センターの前々回と同じ、第2展示場の1階と2階を使用する設定で行われた。文芸同志会も文芸同人「砂」の会と連動したブースとなった。
 身近なところのことは、あとで記すとして、とりあえずその雰囲気を中心に写真にみる風景を記録しておこう。
PB230010PB230008PB230005<第23回文学フリマ東京の2階の会場風景。普通は2階は人がきにくいという気配があるが、ここでは見本誌コーナーが2階にあるためか、賑わいに不足はない。>
  第23回文学フリマ東京は、754出店(811ブース)で過去最多の出品者数を更新したという。百都市構想の進展で、2016年の全国各地の文学フリマの7回目にあたる。
PB230016PB230015<1階の入り口近くには「小説家になろう」と「エブリスタ」のブースが陣取る。>
 今回はカタログにも初参加の挨拶が多くみられたが、こういのは、2度、3度とやっているうちに、何を出すかのスタンスが決まる。従って、初参加は時流の空気を読むことにポイントを置くことが重要だろう。

第22回「文フリ・東京」は文学の坩堝だった=北一郎

P5010018P5010021P5010020<第22回文学フリマは、東京流通センターの第一展示場が会場になったのは、はじめて。この会場は平和島骨董祭の定例会場として有名だ。交通手段はモノレールとバスである。撮影:北一郎>
  北一郎は、当時には書かざる詩人であった。縁あって約20年前まで、ここで約20年間ほど、このセンターの倉庫を使用する企業のオフィスで仕事をしていた。そこの物流事業での、システム改革のため、さまざまなトラブルを解決する組織体制づくりを任務としていた。当初は、1年間だけ商品管理で入出庫管理を帳簿の記帳していたのを、コンピューター化するための、システム改革を支援するというものであった。
P5010028P5010027P5010036
北一郎はそれまでメーカーのマーケティング記者でブランド戦略を支援していた。当然そうした企業の組織や工場を取材していた。その知識から、そこの企業は大手最先端企業にくらべ10年は遅れていると判定した。事実、当初の任務を終了しても、次々と課題が発生し、結局その企業が事業撤退するまでの、20年間をここに通ったのだ。4−5棟だったTRCはいまは、その広大なスペースを新設倉庫で埋めてしまった。それまでの間に、今はビッグサイトで大規模化したコミケが、一度だけTRCを会場に使用したことがあるのを観ている。それでも外観の雰囲気は、昔の面影をとどめているので写真に収めておこう。
 で、第22回文学フリマ・東京は、まさに日本文学の坩堝(ルツボ)であった。それは文芸批評家の佐々木敦教授が「ニッポンの文学」で説くように、純文学がほかのサブカルチャーと並ぶジャンルのひとつになってしまっていることだ。しかも、WEB小説の電子書籍などデジタル化がすすんでいるのに、若者たちの短歌・俳句のクラブ出店、文芸評論誌、文庫小説など、さまざまなジャンルは既存書店と肩をならべる流通ルートとして機能していることを見せつけたのだ。
P5010029P5010030<見本誌コーナで事前に見てからブースに行くのがパターンだ>
 文芸同志会と「砂」の連携ブースの状況にもその動向が出ている。今回は、午前中はまったく売り上げがなかった。そのうちに山川豊太郎のすでにデーターベースとして、人気があったコミック作品の解説冊子三部作
が午後から売れ始めた。
IMG_20140506_0001_1_10301118 006121118 009
<山川豊太郎の漫画研究評論「芦奈野ひとし『買い出し紀行』試論ー「人の夜」を前にしてー」文芸同志会発行(200円:送料別)、同研究評論「志村貴子『放浪息子』文芸同志会発行(300円:送料別)、「成人男子のための『赤毛のアン』入門」(文芸同志会発行)=(100円:送料別)>
 そのあと、つられるように、伊藤昭一のものも売れるようになった。
nogami<「野上弥生子の文学とその周辺」伊藤誠二編著A5判 並製本104頁。定価1050円(本体1000円+税)野上弥生子の想い出とその文学について語った随想集。伊藤昭一、浜賀知彦、野上燿三、伊藤誠二、岡田すみれこ、石塚秀雄、日野多香子、山下博>
0301118 005<「なぜ「文学」は人生に役立つのか」伊藤昭一、表紙・佐藤みーこ(送料別500円)文芸同志会発行>
《参照: 「文学フリマ」物語消費(19)新販売ルートの「百都市構想」伊藤昭一

「第二十二回文学フリマ東京」に出店、多様化する売れ筋

 P5010024P5010023<「第二十二回文学フリマ東京」(東京流通センター)での文芸同志会と同人誌「砂」の会のブース>
 「第二十二回文学フリマ東京」5月1日(日)に文芸同志会が出店してきました。 文芸同志会では、当初から参加し、発行物の販売をしてきました。昨年で、出店をしないで主宰の伊藤がフリーライターとしてのレポーターに徹しようとなどという発想がありました。
P5010033P5010031<「第二十二回文学フリマ東京」は、出店者数約730(ブース770)という過去最多出店であったが、展示会場が1Fに一本化されたことで、ゆとりのある雰囲気にみちていた>
  会員の山川氏の製本協力で、伊藤昭一「なぜ「文学」は人生に役立つのか」の増補版が増刷できたので、継続販売のために出店しました。思ったより健康状態が良好なので、気力的にもやる気がある日でした。ブースで店番をしながら山川氏と、最近の売れ筋の変化というか、入場者の興味の変化の多様性について、話し合いました。
 僕自身は、どうやら、文学フリマは量的な拡大から、質的な変化を起こしている最中ではないか、という考えが頭をよぎりました。いわゆるヘーゲルの弁証法的な発展の法則に一部あてはまるような気がします。
 今後、それらのことを「詩人回廊」<文学フリマ物語消費>に反映させていくつもりです。
0301118 005<「なぜ「文学」は人生に役立つのか」伊藤昭一、表紙・佐藤みーこ(送料別500円)文芸同志会発行>
 連携した文芸同人「砂」の会のブースでは、山川豊太郎のコミック評論本が人気でまた売り切れでした。《参照;第二十回文学フリマ東京参加!書き手と読者が対話を楽しむ
 また、隣のブースの「日本ジュール・ヴェルヌ研究会」で石橋正孝「表現行為としての編集」の無料本をよませてもらい、作者の石橋さんから著作者と編集者の関係について、いろいろ参考になる話をしてもらい勉強になりました。(伊藤昭一)
P5010037<隣のブースの「日本ジュール・ヴェルヌ研究会」>


文芸同人誌にジャーナリズム性を(1)伊藤昭一

 文芸同志会という会員制クラブの代表をし、フリーライターと称している私の提案をしてみたい。私の今は「この世の中のどうなっているかぐらいは、知っておきたい」という人間的欲求によっている。これは何だ、と思うことやその現状を知ることにある。
 会の運営する「文芸同志会通信」というサイトに向けて、全国から同人雑誌が送られてくる。
 自分は、直木賞作家で詩人の伊藤桂一氏の門下生となって、小説なども書いていたし、現在も書こうと考えている。そのような経験から、雑誌や業界機関紙・誌、インターネットブロバイダー「ライブドア」のPJニュースサイト、経済団体機関紙・誌などの外部記者として情報発信してきた。そうしたなかで2011年頃、フリーのジャーナリトの団体、自由報道協会の会員資格を得た。会員推薦をしてくれる人がいなかったのであるが、必要な二人の推薦人には、理事役員がなってくれた。
 ここでは、そうした立場を生かして得た専門情報を一般的に解りやすく解説してみたい。
 そのことによって、政府のいう権力の奴隷としての「国民」ではなく、個人としての国民の立場から、多くの文芸同人誌に、知る権利の維持に役立つ表現について提案したいと思う。
 つまり文芸同人誌におけるジャーナリズム性の発揮である。
 その理由のひとつに、「特定秘密保護法」という奇妙な悪法の存在があるからである。なぜのっけから「悪法」とするかというと、国民に必要性がないのに、官僚たちだけに都合がよいようにできているからである。
 特定秘密保護法は2013年12月6日に自民党と公明党の強行採決で成立した。正式名は「特定秘密の保護に関する法律」という。2014年年12月から施行されている。
  政府は今年も、特定秘密保護法の運用状況に関する報告書を閣議決定し4月26日に、国会に提出した。日本経済新聞によると、2015年末時点で特定秘密が記録された行政文書数は16機関27万2020件で、衛星情報を中心に14年分より8万件超増えた。特定秘密を扱えるかどうか公務員らを身辺審査する「適性評価」は9万6714人に実施。拒否した対象者が38人いたが、理由の記載はなかった。
 保有が最も多いのは外務省で7万6816件。内閣官房は7万6254件、防衛省が7万2325件と続く。国家安全保障会議での議論の結論や警察の情報源となった人の情報、在日米軍が使用する周波数に関する情報などが指定された。
 適性評価に同意しなかった人の内訳は、内閣官房7人、外務省1人、防衛省28人。評価の途中で同意を取り下げた職員が防衛省と防衛装備庁に1人ずついた。プライバシーの侵害を懸念した結果とみられる。
 秘密指定を解除した例はなかった。同法の運用基準に反して特定秘密が取り扱われているとの内部通報もゼロだった。
  しかし、この法律によると、詳細は秘密であるので、そうらしい、という受け止め方をするしかないのだ。
 なぜ、らしいと推測をするかというと、「この秘密保護法は、何を秘密にするかは、秘密にできる」という意味がある。であるから、対象になったものかどうか、わからないのである。
――「何が秘密なのですか?」「それは秘密です」――がこの法律の骨子になっているためだ。(不定期に、つづく)
■文芸同志会運営サイト=☆情報化と交流「文芸同志会通信」ー☆会員作品発表の場「詩人回廊」。
伊藤昭一執筆文芸同人雑誌=「グループ桂
「みなせ
文芸同志会「文学フリマWebカタログ+エントリー
「砂」
IMG_20150919_01_1IMG_20150919_0001_1

元信者菊地直子被告の裁判を素材にした新型評論を書く=伊藤昭一

  たまたま、オウム真理教による東京都庁爆発物事件で殺人未遂ほう助の罪に問われた元信者菊地直子被告の裁判があった。その時に、「文学的真実と事実はどう異なるのか=元信者菊地被告の場合」を書いた。その問題をより深く考えるために、文芸評論の形で雑誌「みなせ」69号に寄稿した。
《参照:伊藤昭一「評論と創作研究(実験小説付き)―文学的真実と事実の違いについて」》
これは評論する側が、実際に小説を書いて、そこにクイズ式の問題提起があります。
 小説の作者が実作で問題提起し、その回答を記すという、自分なりに新しい試みをしたものです。
 その結びは、下記のようになっています。
 ――さて、孝二が逮捕された場合、警察はどんな調書を作成すると思いますか?
 ここで示したのは、真実というのは、人の心の中で生まれるもので、真実性そのものは人や時代によって変化するのではないか、ということである。また、事実というのは、その時の解釈する気分や視点の角度によって、異なって受けとられるのではないか、ということである。
 現代において、ひとつの現象に対する絶対的な不動性というものが存在しないという、人々の無意識な認識が、文化的な多面性を生み出していると言えるのではないだろうか。(完)
■文芸同志会運営サイト=☆情報化と交流「文芸同志会通信」ー☆会員作品発表の場「詩人回廊」。
伊藤昭一執筆文芸同人雑誌=「グループ桂
「みなせ
文芸同志会「文学フリマWebカタログ+エントリー
「砂」
IMG_20150919_01_1IMG_20150919_0001_1


文芸と社会生活の密接な合流点を求めて  伊藤昭一

 文芸同志会は、1999年ころから、お互いに創作した作品をコピーして読み合う有志仲間たちが集まり、郵送で回し読みすることから始まった。提唱者が伊藤昭一であった。それは伊藤が文芸同人誌に参加していた經驗による。その同人会の合評会にも参加していて、結局、合評会での意見交換が、文芸研究とはほど遠く、多くはその後の飲み会に重点が移っていることなど、自分には無駄な時間を過ごしたという徒労感があったことによる。
 すでに生活的には、文筆にかかわることが収入になっていたので、当時は自分が文芸同人誌のあるべき姿を示してくれていた職業作家の姿勢に学んでいたので、当時は文芸の遊び心の部分を失っていたことも影響していたことにもよる。
 そこで、これはなまじ印刷をして本にするから、このような不毛な合評会に時間を費やしてしまうのだと考え、ナマの原稿を読み合えば、純粋に作品研究ができると、考えたのである。未発表作品を読む会である。なかには千枚近いものもある。そのうちに、参加会員が増え、コピーを会員数の分だけ作って、同時的に読むことが増えた。会員のなかには、検討意見が済んだあと、文学賞の公募に応募したり、出版社に持ち込む人も出た。すると、未発表作品というのは、部数が何部くらいまでなのか。コピーで50人が読んだものでも良いのか、というような意見がでるようになった。
 そこで、伊藤はそうした疑問を出版社に問い合わせたり、出版社に持ち込んだ体験談や経過をワープロに記録して、会員に配布したのである。新聞やテレビ番組などで公表された文芸界の情報や、職業作家の動向をまとめて集めた。そこから、毎月そのようなものが欲しいという人が増えた。そこで「文芸時事月報」なるものを、100部発行した。その後、会費は月400円とした。そこで2000年から文芸同志会を11月3日に発足させたのである。それから雑誌「文学界」の同人雑誌評で、勝又氏が話題にしたことで、同人雑誌の同人からの会員が増えた。
 その翌年だったか、プロ・アマの混在した文学作品の展示即売会「文学フリマ」が開催された。そこから文芸同志会の活動の軸が出来たと言える。そこから社会生活と文学を密着させることに、大きな役割があると判断。市民である会員が世俗のニュースを流す意義を認め、情報提供に会員が協力するようになったのである。
 今後は、会員外の市民文芸家や執筆者と提携を強め、世俗のなかに分け入る計画である。
■文芸同志会運営サイト=☆情報化と交流「文芸同志会通信」ー☆会員作品発表の場「詩人回廊」。
伊藤昭一執筆文芸同人雑誌=「グループ桂
「みなせ
文芸同志会「文学フリマWebカタログ+エントリー
「砂」
IMG_20150919_01_1IMG_20150919_0001_1

QRコード
QRコード
Archives
  • ライブドアブログ