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伊藤昭一ジャーナル★運営「文芸同志会」の郵便振替口座=00190−5-14856★「文芸同志会通信」&「詩人回廊」運営。  

近藤圭太のひろば

スピーチライターの定義についての一考察(下)近藤圭太

(承前)「一気に脚光を浴びる」「華々しい成果を得る」には向いていませんが、「冠婚葬祭などの式典における儀礼的なスピーチ」「普段話し慣れていない人が、『失敗しない』ことを主眼においたスピーチ」などに向いているといえるでしょう。
 さらには「政治家が重要な節目で行い、テキスト自体が記録として残るスピーチ」も、「読み上げるスタイル」で行われています。
 昨年、発表の直前まで内容についての調整が行われ、「首相が思った通りの成果を挙げたのではないか(田原総一朗氏)との評価を受けた「安倍談話」もスピーチプロンプター(文字テキストを透明の板に映写し、会場に目線を送ると同時に読むための機械)を用いて「読み上げるスタイル」で行われたスピーチといえるでしょう。
 反対に「語りかけるスピーチ(パブリックスピーチ)」がふさわしいシチュエーションですが、「強いインパクトを聴衆に与え、より多くの支持を集める必要がある場合」にふさわしいスタイルといえるでしょう。
 当落に大きな影響を及ぼす政治家の選挙演説、企業イメージや商品の売上げに直結する経営者のスピーチ、ライバルに勝ち抜くことが求められる、各種コンテストでのPRなどは、「書いたものを棒読み」するスタイルでは、話にならないことは容易に想像できます。
「読むスピーチ」は基本的に「話す内容」と「テキストとして記録に残る内容」はイコールです。
 反対に「語りかけるスピーチ(パブリックスピーチ)」は全体としての起承転結を頭に入れることや、印象的なフレーズを準備しておくことは重要ですが、スピーチを行う人の「役者的なスキル」がより重要なポジションを占めることになると思います。
 この2つは、「どちらが上」という物ではなく、「時と場合によって使い分けるべき」というのが正しい認識ではないかと思います。スティーブ・ジョブズを例に挙げますと、有名なスタンフォード大学でのスピーチは「読むスピーチ」であり、iPhoneなど新商品の発表で行うプレゼンテーションは、「語りかけるスピーチ(パブリックスピーチ)」の応用といえるでしょう。
  私見になりますが、上記で紹介した「スピーチプロンプター」の普及が進めば、「読むスピーチ」の「視覚的なインパクト」もより高まるのではないかと感じております。
 あくまでも「供給者側の論理」ではなく、「利用者のことを第一義に考える」という高いモラルを持って、微力ながらスピーチライターという業種の発展に尽くしてまいりたいというのが、私近藤の偽らざる思いです。
4.スピーチライターの「限界」と「可能性」
「言葉のプロ」として、クライアントにスキルを提供するスピーチライターですが、ただ一点だけどうしてもお手伝いできないことがあります。
 それは「よし、この言葉でいこう」と、クライアントに「決断」してもらうことです。
「聞き手」や「その後」に与える影響力を総合的に判断し、最終的に「どのスタイルでスピーチを行うのか」そして、「どのような内容を話すのか」を決断するのは、あくまでもスピーチを行う人です。
「参謀役」といえるスピーチライターはあくまでも、「進言」する立場であるとの認識を持つべきであるというのが、2009年からスピーチライターとしての「実務」を経験してきた私の認識です。
「スピーチライター」という職種として認識されていなくても、過去の歴史において「お手本」を示した事例は数多く存在します。
 既に他のコンテンツ《仕事に対する私の考え=結婚式スピーチ作成即日納品》でも書かせていただいてますので繰り返しませんが、「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ(ビスマルク)」という至言を今一度思い起こし、虚心坦懐に「過去の成功事例」に学びながら、「日々の実務」に取り組んでまいりたいと思います。
5.結びに
 遠くない将来、士業や各種のコンサルタントと同じく、スピーチライター並びに、「話し方の指導」や「スピーチ会場のプロデュース」を行う専門職が一般的に広く認知され、「社会的分業」の重要な一翼を担う存在になることを念願しております。結びに「率直な対話」と「ことばの力」は時代を開くという思いをのべさせていただきます。
  追伸
 かなり刺激的な表現も用いましたので、あるいは同業の方が目にされた時には、様々なお考えをもたれることもあるかと思います。もし、「異論がある」もしくは「面談もしくは電話で意見交流を行いたい」という方がおられましたら、お気軽に近藤事務所(0120−03−4946)までご連絡をいただければ幸いです。
             ☆ 〜 ☆
◎近藤圭太・プロフィール=1970年、大阪府生まれ。1989年、大阪府立藤井寺工業高校を卒業後、大阪市内の建設会社にて事務系のスタッフとして勤務。2009年、プロのスピーチライターとして活動を始める。クライアントの多数は、企業の経営者、医師、弁護士などであり、冠婚葬祭に留まらず、各種挨拶文、ビジネス文章の作成などを行う。 短時間の取材にて、相手の意図がどこにあるのかを見抜く直感力、時に問題と感じた事柄を直言する姿勢でリピーターを拡大。「代筆ライター」に留まらっず「外部のブレーン」として多くのクライアントに評価されている。
日本スピーチライターアカデミー》                                                                 《近藤圭太事務所サイト

スピーチライターの定義についての一考察(上)近藤圭太

 先日、ジャーナリストの伊藤昭一氏のブログにおいて、私近藤の取材記事が掲載されました。《参照:専門職スピーチライターの現状を聞く=近藤圭太事務所
 ただ、当事者としての立場からいえば、「少し私の認識とは温度差のある紹介記事になっている」という印象は否めません。そこでそもそも「スピーチライター」とはどのような存在であるのかという観点から、私見を述べてみたいと思います。
1.人によってとらえ方が異なる「スピーチライター」という言葉
 世の中には、「多くの人に認知されていても、人によってとらえ方が異なる言葉」があります。
 例えば「どどめ色」などはその典型でしょう。地方によっては鍬の実のことを差しあらわすとのことですが、時には青あざをイメージする人もおり、さらに俗な表現を用いれば、本稿で書くことは憚られるような事柄について、「〇〇は、どどめ色をしているな(笑)」と得々と語る人もいるかもしれません。
 言葉の響きや実体のないイメージが先行し、本来その名前が持っている意味や、その背後にある「文化」について踏み込んだ思索がされにくいという意味において、「どどめ色」は実に気の毒な存在といわざるを得ません。
 ただそこまでひどくはないにしても、私が2009年から生業としている職業「スピーチライター」もまた、「一般的な職業」という認識とは違った捉えられ方をしながら、「言葉の拡散のみが続いている」と感じます。
 本稿では「プロのスピーチライター」として、2009年から活動している私の立ち位置で、そもそも「スピーチライター」とはどのような立場の人をいうのかについて考えてまいりたいと思います。
2.あくまでも「言葉のプロ」がスピーチライター
 「話し方」や「スピーチ会場の総合的なプロデュース」は、スピーチを成功させる上で重要なスキルの一つであり、高いノウハウを持ち、実績を上げている専門職の方には、尊敬の念を禁じ得ません。
 あたかもそれは、IT分野における優秀なシステムエンジニアや、著名な映画監督にもなぞらえることができる存在だといえるでしょう。
 その上で明確にしておかなければならないのは、あくまでもスピーチライターであるための「必要条件(それなくしては成立しない)」は鋭い言語感覚を持ち、人前で話すことを前提にした言葉として提示できることではないかということです。
 先に述べた、「話し方の指導」や「会場の演出」などは高い付加価値ではあっても、「必要条件」とは区別して考えるべきでありましょう。
3.「読むスピーチ」と「語りかけるスピーチ(パブリックスピーチ)」は一長一短
 話すスタイルによって大別すると、スピーチには2種類があります。一つは「読み上げるスタイルのスピーチ」であり、もう一つは「語りかけるスタイルのスピーチ(パブリックスピーチ)」です。
 一言でいえば、「読み上げるスタイルのスピーチ」は「守りのスピーチ」といえます。
「一気に脚光を浴びる」「華々しい成果を得る」には向いていませんが、「冠婚葬祭などの式典における儀礼的なスピーチ」「普段話し慣れていない人が、『失敗しない』ことを主眼においたスピーチ」などに向いているといえるでしょう。
 さらには「政治家が重要な節目で行い、テキスト自体が記録として残るスピーチ」も、「読み上げるスタイル」で行われています。(つづく)
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◎近藤圭太・プロフィール=1970年、大阪府生まれ。1989年、大阪府立藤井寺工業高校を卒業後、大阪市内の建設会社にて事務系のスタッフとして勤務。2009年、プロのスピーチライターとして活動を始める。クライアントの多数は、企業の経営者、医師、弁護士などであり、冠婚葬祭に留まらず、各種挨拶文、ビジネス文章の作成などを行う。 短時間の取材にて、相手の意図がどこにあるのかを見抜く直感力、時に問題と感じた事柄を直言する姿勢でリピーターを拡大。「代筆ライター」に留まらっず「外部のブレーン」として多くのクライアントに評価されている。
日本スピーチライターアカデミー》                                        
近藤圭太事務所サイト

専門職スピーチライターの現状を聞く=近藤圭太事務所

  最近、脚光を浴びている仕事にスピーチライターという業種がある。政治家や企業経営者などが、公式の場で話す内容の原稿を代理作成する専門職のことである。近年、アメリカのオバマ大統領のスタッフであるジョン・ファブロー氏や、安倍晋三内閣総理大臣の側近、谷口智彦氏がスピーチライターとして活動していることが知られている。
  いま話題の米国大統領選擧では、共和党のドナルド・トランプ氏の妻、メラニア夫人が共和党の全国大会で行った演説に盗用疑惑が持ち上がり、トランプ陣営のスピーチライター、メレディス・マクアイバー氏がそれを事実上認め、謝罪した。原稿を作成している過程で、メラニア氏が電話で参考例としてミシェル氏のスピーチを読み上げ、マクアイバー氏が書き留めたものが最終稿まで残ってしまったという、いうのがその言い分だ。
  ここでわかるのは、スピーチライターは短時間の電話で、依頼人からのスピーチの文言を作成しなければならないという、即応性を求められるという側面が明らかになったと言える。
 日本では、職業としてのスピーチライタの存在は、まだそれほど知られていない。それでも、企業の経営者や会社役員たちが、社員や部下の結婚式での挨拶スピーチ用などに、その制作を依頼する事例があるというのが、個人のフリーランス・スピーチライターの近藤圭太氏である《近藤圭太事務所サイト》。
  「日本でスピーチライターを専門職と受け取られるようになったきっかけというものがあるとすれば原田マハさんの小説『本日は、お日柄もよく』(徳間書店)だと思います。これは、2009年の政権交代時の衆院選の時代背景にして、当時は「スピーチライター」という耳慣れない仕事を素材にしたものです。主人公は、イベントや披露宴、選挙選にいたるまで幅広く、スピーチの原稿作成にとどまらず、コピーライティングやブランディングも担当する「スピーチライター」(スピーチコンサルタント)として、名前も『こと葉』としているところが、文学的なところでしょう。」という。
  近藤圭太氏は、2009年からスピーチライターとして活動しており、「実績としては冠婚葬祭のあいさつ文作成が多く、大学での記念講演(経営者)、ロータリークラブでのスピーチ(士業)、立会演説会での応援演説(後援会会長)、出版記念パーティでのあいさつ(経営者)などの実績」もある。
  現在のこの仕事では、国会の大臣がしているような、官僚の作った「原稿を読む」形ではなく、「普通の話し言葉」に近いスタイルで行うスピーチを「パブリックスピーチ」という方向が社会的に受け入れられているようだ。
  そして、「スピーチライターという職業が、どのような形で発展を遂げていくのか、その展開を視野にいれて時代性を反映することが求められるでしょう」とも。
  また、「人に原稿を書いてもらうのは、どうか?」と疑問を持つ人には「歴史上の人物が残した有名なスピーチやメッセージの多くは、「文章の専門家」が作成したもの。太平洋戦争の終結に当たって、昭和天皇がラジオで終戦の詔勅を朗読され『玉音放送』ですが、原案を起草したのは官僚であり、内閣の各大臣が陛下の意に沿う形で文章を修正して奏上し、最終的には陛下ご自身も文章に手を加えられ完成しています。普段から「自分ならこうする」という見識を持ち、「最後は自らが責任を負う」との勇気と覚悟を持った人であれば、たとえ文章そのものを専門家に考えてもらったとしても「自らのメッセージ」としての説得力を持つことができるでしょう。」と、している。そして、この仕事のスキルを身に着けたいとする若者からの問い合わせもあるという。
  本欄では、日本の若者の働き方が、中小企業や個人でスキルを磨き、フリーランスの個人開業の道を選ぶ人たちの実情を報じたことがある。《参照:フリーランスの働き方(3)技能は自分で身につけた
 実際、事業経営者のなかには、仕事の発注先から、単価の切り下げを求められたときに、社員の現場係が、自社の強みを強調し、その得意先の不得意な面を如何に、下請けとして補完しているかを強調する説明をして、単価切り下げを断念させた実績をみてその社員を、総務部の渉外係に配置転換した事例がある。こうした場合の対応にスピーチライターの活用も考えておくことも、必要であろう。
《参照:近藤圭太サイト
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