角田知義:妄想の種の育て方

Semio Concept Work Blog 角田知義 (Tomoyoshi Tsunoda)

デザインのアウトラインを考える(4)

「デザインの領域」
私は、私たちが現代に生きている事をふまえ、人間としての存在や社会のあり方、文化や環境の成り立ちについて根本的な事までを含みながら考える試みがデザインには必要な時代になり、またデザインという言葉もその範囲を広げています。
これらの根本的な問いは相互に結びついて私たちの時代固有な問題群として存在し、成立していると考えることができます。その問題群がどの様な要素から成り立ち、どの様な公正になっているのかを探求してみたいと言うのが切っ掛けとなっています。

デザインとはなにか、既存の学問領域で考えると、言語学や記号論や精神分析学というような人間科学の諸領域に属するモノなのか、あるいは文学や美術や芸術をも含む美学のような問いにつながってゆくものなのか、さらにメディア論やコミュニケーション論、情報技術論もその射程に入ってきて、さらにマーケティングや経営、経済学の範疇も含めて、あるいはそれらを横断してデザインの諸問題は存在していると考えます。

そう考えると、デザインは一つの「学問領域(ディシプリン discipline)」ではなく、さまざまな学問領域を横断して現れる「問いの圏域」を指していると考えられます。したがって、デザインの問いは様々な人間科学の問いでもあるし、分析的な問いにもつながってくるものです。
デザインは一つのディシプリンではないけれども、現在社会が持つ様々な問題点がつくり出す広がりや、相互関連、結びつきに対して横断的な力を持って一つの解を生み出す事が出来るのではないかと考えています。

21世紀になり、色々な可能性が提示され始めた私たちの世界、私たちの生活のあり方、私たちの存在の条件についてどこまで本質的な問いを発することが許容されるのか、さらにそれらはどの様な広がりを持つものになってしまうか。
それらを探求することデザインという茫漠な広がりを持つ活動のアウトラインを俯瞰し、そのコアを発見することにもつながると考えます。

(つづく)

さらにゲーミフィケーションを勉強中

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毎年、秋学期にゲームデザイン論の講義を担当しております。
一昨年辺りからゲームの世界に変化が現れてきています。
何十世紀も続いたアナログゲームの長い歴史が有り、そこにテレビゲームが現れゲームがデジタル化することでゲームのあり方が大きく変わって来ました。
ここへ数年、ネットの世界が日常生活ととても近くなり、クラウド・コンピューティングやソーシャルメディアがいつの間にか当たり前になった時、ゲームの概念もまた大きな変化をおこしています。
ネット・マーケティングの中でもゲームの要素はコミュニケーションの一つの手段として重要視されています。
日本では携帯電話というプラットフォームのなかで手軽に出来る、時間つぶしのアイテムとしてゲームは認識されていました。実際、東京ディズニーランドのアトラクションを並んで待っている多くの若者が携帯電話でダウンロードしたゲームをしているのはもう7〜8年前から目撃されています。
その様な、時間つぶしの楽しみとしてのゲームとは違うゲームのあり方を予感させます。
2010年2月に収録されたTEDでのジェーン・マゴニガル女史の「ゲームで築くより良い世界」はゲームの世界に新しい可能性を感じさせるスピーチでした。









そして、昨年秋に翻訳出版された本の原題は「Reality is Broken」です。なんと刺激的な言葉なんでしょうか!
デジタル化とソーシャル・ネットの普及の中でゲームという機能は、コミュニケーションの一つの手段としてと成り立ち欠かせないものになって行くでしょう。
多分、ここ数年で「ゲーム」という言葉は「デザイン」という言葉と同じように、人の生活と行動に関わる根幹にしっかりと根を下ろすことで、さらに広い意味を獲得して行く事と考えます。
デジタル化、ソーシャルメディア、ゲームという三題噺になってしまいそうですが、暫くはこの三つの絡みをデザインの立場から研究して行きたいと思います。

デザインのアウトラインを考える(3)

昨日の記述の追加

Faecbook友達の堀さんが今日自身のブログで、立川談志師匠の言葉を引いて興味深いことを書かれていた。
男45才経営コンサルティング会社社長の感動備忘録/有限会社キャタリスト軟式HP:【落語】「あなたも落語家になれる―現代落語論其2」立川談志さん


デザインも科学文明の一端を担っています。生活を美しく、楽しく、楽に。という事が語られ続けていました。
小さな需要まで拾い上げてモノをつくり出す事に対しての疑問が生まれていました。ひたすら拡張を続けていた時代があり、その時代にあっても「デザインしなければならないモノ、デザインする必要のないモノ」という議論もありました。

デザインは常に、生活の場(環境・文化)というマクロの視点と、具体的な事物というミクロの視点で同時に見て、その中のバランスからコンセプトやテーマを設定するのが基本です。

(1)このマクロの視点がいまや、一地域から地球規模にまで広げて考えないといけない時代。
日頃見えない、意識出来ない地球規模の話を思い出させてくれるのも可視化という一つの仕事。

(2)拡張し続けていた現代社会が変質しその反動で多くの事柄が 「縮小均衡」へ突っ走る傾向が出てきています。この強いベクトルを持った言葉に対して「ヒューマンスケール」という言葉で考察を重ねて、バランスを見いださないといけない時期です。
そう考えると大変な時期では有りますが、今の日本は、有るべきデザインの姿を考え直すにはとても良い環境と時期だと言うことも出来ます。

(3)そして、もう一つの視点としてものづくりを支える場の存在がります。その場のあり方もグローバリゼーションの中での価値判断ではマイナス面しか見えてきません。
しかし、ものづくりのプロセスにおいてはディテール(細部)の持つ重要さがあります。ミクロ、マクロという視点だけでは語れない部分が存在している。此処にグローバリゼーションが進む時代におけるローカリゼーション(細部)の意味合い(重要性)があると考えます。均一化したディテールは淘汰されてしまうかもしれません。しかし、意味の成るディテールには、縮小均衡の中で新たなる価値を生み出せる可能性が残されていると考えます。
多分、それはロングスパンでの使用と評価に耐えうるツールとしての特性を持ったモノであると考えます。

つづく。

















デザインのアウトラインを考える(2)

このブログもこの所は防備録のようになってしまいました。
現在、気になっている部分をランダムに書き出すことで既存のモノとは違うアウトラインが見えてくるかな?
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私自身の復習のつもりで再度、読みはじめました。
「情報化社会」と言う言葉が出てきてから、時代の変化の中でデザインが安心して置き去りにしてしまった事柄が有るような気がしています。
デザインを活用できる基軸をいくつか組み換え直さないといけない。
それは、「良いモノを作れば売れる」というパラダイムからの脱却であると考える、基本的には人に寄り添った「快」を伴わなければならないというとても感覚的な部分での話でもある。

それは”振れ幅”を大きく取る考え方がベースに必要になってくる。例えば・・・
(1)ビジュアル・デザインは・・視覚的思考の再構築の必要性、視覚化の考え方から構図まで
(2)プロダクト・デザインは・・ライフスタイルからスタイリングまで
(3)スペース・デザインは・・・サスティナブルな生涯設計から住み心地、居心地の良さという感覚的なものまで
(4)ファッション・デザインは・・人の姿から習慣・仕来りまで

これらの”ベース”の上に尖った部分が必要になってくるので、別軸として・・
●「斬新さ」をどの様な軸で捉えるのか?
● 「流行」をどの様に捉えるのか?
●「情報化社会」「知識社会」での価値観はどこに求めるのか?
● 「文化」との接点を何処に求めるのか?
●「らしさ」の考察。

一方、デザイン思考の基本的なプロセスは
1,課題を見つける
2.課題を解決する方法を探る
3.視覚化する
4.解決策を評価する
の4つであるが、今の一番の問題は「課題を見つける」部分になってくる、
「コミュニケーション」の問題点は既存の方法では解決しづらくなっているという事を考えると、何処まで戻って再構築をしなければならないのか、という課題も出てきます。
そうなると基本に戻れば戻るほど「課題の深度」はドンドン深くなり、考えなければ成らないことは多くなります。

そうなると、歴史的な研究も有効である部分と有効でない部分が出てくる、かつて其処にあったモノ達、古典となってしまったモノ達の再評価をどの様な視点で見て行くのかと言うことも基準も持つ必要が生まれてきます。

まだまだ、考察が足りないようです。(つづく)

デザインのアウトラインを考える(1)

デザインのアウトラインを考え始めると・・・・
普通に考えると次のような区分けが出来るのだけど、どうもしっくり来ない。

1,デザイン思考の範疇を考える
2,デザインという言葉の意味とフレーミング
3,生産とデザイン
4,文化とデザイン
5,生活とデザイン
6,ショーケースとてのデザイン

7,手仕事とコンピュータとデザイン
8,ネット環境とデザイン

9.現代社会の問題とデザイン
10,サスティナブルなデザイン
11,エコとデザイン
12,コミュニティー、まちづくりとデザイン
13,ユニバーサルなデザイン
14,ソーシャルビジネスとデザイン

15,デザイン思考で解決する問題群

などがオーソドックスに出てくるが・・・・・
以前、学際的と言われていた特性がかえってそのポジショニングを不透明なしてしまっているのか。
この「しっくりこない」感じをもう少し詰めてみたいと思います。
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