exile_live1

いわゆるEXILE商法と呼ばれる「チケット付きCD」が6月よりCDの枚数にカウントされなくなる。

オリコン・リサーチ株式会社は3/16のプレスリリースにて、ライブのチケットに付属するCDをランキングの売上枚数に合算していた従来の集計基準を変更し、合算を取りやめることを発表したという。


それでもEXILEにとっては、オリコンCD年間売上一位などの肩書を獲得するのが、少々怪しくなってくるくらいで、ライブでがっつり儲けているので大勢には影響はないのだろう。

実体と乖離した枚数だからというが、今さらCDの売り上げ枚数に誰が興味を持っているのか甚だ疑問ではあるが、これをするならAKB商法と言われる「握手券付CD」の方も見直されるべきという議論は当然ながら起こってくる。


ただ、いまさらCDの売り上げ枚数をフェアにカウントしたことろで、CD市場のさらなる凋落ぶりが明らかになるだけのような気もする。

音楽にじっくりと向き合うことのない、若い世代の音楽鑑賞なんてほぼ100%スマホで完結している。

そもそも若者は家にCDコンポなど置いていないからCDが売れるわけがないのだが。

今やCDどころか課金によるダウンロードも減ってきているというではないか。

そりゃそうだろう、楽曲のほとんどは動画サイトで無料で配信されている。
スマホ世代ならば、それらを適当にスマホに取り込んでおけば、何も高いCDなど買う必要はない。

中にはレコード会社が、公式HPの宣伝でMVをフルバージョンで配信しているとこともあるくらいだ。

不思議なのは、これだけ音楽が売れていない状況なのに、なぜだかライブ市場は盛況であることだ。

もうCDなど売れなくても、音楽関係者はライブで儲けりゃいいやという戦略に完全にシフトしている。

昔は3000人収容のフェスティバルホール規模がメインであったが、ヒット曲がなくてもちょっと人気のバンドなら、すぐさまスタジアムやドーム規模を満杯にできる。

それだけ多くの人を集客するイベントビジネスとしては進化しているようだ。

そのせいで音楽は聞くものというよりも、パフォーマンス重視の体感型のアトラクションとして楽しむものに変わってしまった。

この現象は音楽ビジネスとしては悪くないのかもしれないが、音楽文化としては明らかに衰退の一途を辿っているような気がする。

僕の感性がだいぶ鈍っているのを差し引いても、少なくとも、今の音楽を聞いていて、何十年後かに時代を超えて残る音楽なんてないだろう。

音楽性を追求する必要がないので、同じような音楽が蔓延り、それこそ炭酸の泡のように、一瞬は弾けるがその後は跡形もなく消えてなくなる曲ばかりだ。

やがてアトラクションとしての音楽ブームが過ぎ去った時、荒廃してしまった音楽文化だけが残る。

それこそテレビでは、何十年後も昭和の名曲カウントダウンなんて企画を延々やっているのではないだろうか。

※ちなみに「チケット付きCD」の合算集計は6/1を持って終了する。


人気ブログランキングへ