サークルの定例会で、ガンドッグのGMをしてきました。
 自分で意外な気がするのですが、サークルでガンドッグのGMは初めてなのです。

 プレイヤーは3名。
◆ フェイ・ルーティ(25歳女性、中国出身)。
 中国の特殊部隊にいた。きな臭い過去があるともないとも言われているが、詮索してはならない。コマンダー/オペレータ。
◆ イルマ・テスレフ(24歳女性、アメリカ合衆国出身)。
 元アメリカ軍。在日米軍基地での勤務が長く、日本語を解する。メディック/アサルト。今回、主な攻撃力の一人となる。
◆ テリー(25歳男性、アメリカ合衆国出身)。
 元傭兵。アサルト/スナイパー。


 スイスで比較的楽な仕事を、一度も引き金を引くこともなく終えたPCたちは、急遽コーディネーターのラモン・ゲレロ氏から依頼を受けることとなった。ゲレロが契約している保険会社の顧客であるスペインの銀行に、マフィアが強盗に入って立て篭ったという。
 PCたちはスイスのホテルからバンに乗って現地へ急行するが、道中で聞いた知らせでは、犯人グループが銀行から人質2名と共に脱出して逃走したという。のちに郊外の教会跡地に行き着いて篭城していると聞かされた。現場はスペインとフランスが国境紛争中の地域である。両国の警察や国境警備隊が包囲しているものの、どちら側も手を出しづらく、ほぼ中立であるWISEが介入する気配が濃厚である。


Operation:Yellow Knife
場所:スペイン
報酬:一人$5000
主目標:人質を全て救出する
副目標:教会をあまり壊さない
  (建物の壁等への損害は、ダメージにして80点以内に抑える。観光スポットとしての価値が少しはあるので、保険がかかっているのである)
 行き先を教会跡地に変更して移動する途中、当局やWISEから集められた資料を解析して役に立ちそうな情報を集めることとなった。ゲーム的にはTRSで処理を行う。
   資料解析TRS リミット:5リミットで時間切れ
   Range-5 <言語>    ±0%
    スペイン語の資料を判読する
   Range-4 <情報処理>±0%
    情報資料の取捨選択を行う
   Range-3 <知識>   ±0%
    装備の解析 
   Range-2 <精神力>  ±0%
    根性で、犯人グループリーダーの情報を探す
   Range-1 <戦術>   ±0%
    犯人グループリーダーの能力を分析する

 フェイのスキルで難なくTRSに成功。犯人グループは9名で、ナイジェリアのマフィアであることが判明。殆どがUZIサブ・マシンガンで武装している。リーダーのクロード・ジダンは、かつてナイジェリアの秘密警察の職員で、現場指揮を執ることが多かったという。さらに二丁拳銃を使いこなすことで有名だった。
GM「防犯カメラの映像には、一人だけあからさまに装備が違う犯人が映っている。それがジダンであるようだ。具体的にいうと、革ジャンとジーンズの上に、プレートキャリアーとバリスティック・ヘルメットで手には二丁拳銃」
フェイのPL「キモッ!」

イエローナイフ1
 現場の図を見ながら、ああでもないこうでもないと言いながら突入の戦術を考案する(教会のMAPは、ワイルドライフのP.23参照)。建物の外側にいる敵は3人、教会の周囲に2名と、東側の城壁の上だ。庭の草や岩に隠れながら進めば、教会に接近することが出来る。意見を交わしあいながらしばらく経った後に、作戦が決まった。
 フェイとイルマが、それぞれ南側と西側から敷地に侵入し、庭を密かに進んで教会の建物に接近する。外にいる犯人は消音SMGで無力化予定。城壁から東の方角200mの林にテリーが潜み、城壁の上にいる犯人に照準を合わせて待機。先の2名が建物に張り付くか、敵に発見されたときに、城壁の上を制圧。潜伏場所の近くに停めているオフロードバイクで教会に突入という案。
イエローナイフ
 二人の潜入は<局地行動>と、犯人側の<感知>で対抗判定を繰り返して処理するものとする。1ラウンド目からフェイがファンブルの目を出すものの、〈プロンプト・アクション〉で普通の失敗にした(犯人側も失敗したので発見されず)。

 晴れた日の下、人里離れた草原の中にある教会は、いままさに小さな戦場と化すときを待っていた。
 二人のならず者が礼拝堂の近くを歩いて回り、ときどき周りを見渡していた。油断からか、顔には退屈そうな表情を浮かべており、その片割れ―まだ成人して間もないだろう―は煙草を吹かしながら、携帯電話でインターネット上の掲示板か何かを物色していた。城壁の上でFA-MAS小銃を手に持ちながら周囲を見張っている、別のならず者はそれほどではないものの、緊張が抜けかけてきていた。
 敵の様子を確認した二人の戦闘員が、迷彩服と装具の姿で、城壁が殆どなくなっているところから、教会へ近づきはじめていた。風が吹くまでじっと待ち、草木が揺れている間に数歩を進めるという、地道な足運びだった。何度か風が吹き、庭と建物のあいだほどの位置で、それぞれが潜んでいた。
 風が吹いた。胸ほどの高さがある草が揺れるなか、二人の戦士は足を進めた。思いもかけない瞬間に、フェイの靴底の下で乾いた枝が一本、折れる音が響いた。草が風に煽られて擦れる音が止むのと、ほぼ同時か瞬間遅れてのことだった。ならず者の一人が声を上げながら、音の聞こえた辺りへ顔を向けた。油断しきっていた若者もはっとなって辺りへ視線を走らせ始めた。戦士とならず者の視線が、それぞれ重なった。ならず者たちは躊躇うことなく、ウジ短機関銃の銃口を向け、その先にあるシルエットに照星を重ねようとした。
「アルファブラックからブラヴォー、発見されたッ」


 テリーの狙撃で城壁の上にいた見張りは、一撃の下に葬り去られた。同時に教会の庭では、イルマとフェイが、ギャングと戦っていた。生い茂る草の間に身を伏せながらギャングと撃ちあい、制圧。同じころ、狙撃を終えたテリーはポイントの近くに隠していたバイクで、教会へと急いでいた。
 先行した二人が教会の建物に張り付き、テリーがバイクで到着するのを待つ。状況的に、「発見されてなし崩し的に突入」ですね。三人が揃ったところで、テリーは教会の左手側、イルマは右手側、フェイが裏口に付き、突入することとなった。

 テリーが窓からフラッシュバンを投げ込んでドアを開け、イルマが中に入るなりギャングの一人をP90サブマシンガンの射撃で無力化。敵リーダーのジダンはフラッシュバンの効果が軽く済み、礼拝堂手前側のほうへ走って長椅子で遮蔽を取った。同じころ、フェイは裏口の窓から侵入し、控え室に忍び込んだ。

イエローナイフ3
 次のラウンド、戦術判定は敵側がクラスアーツ〈アウトジェネラル〉も使い、先手を取った。危険を感じたテリーは〈クイックドロー〉を宣言。F2000の急所狙いをジダンに叩き込むが、バリスティック・ヘルメットとPLのダイスの出目のおかげで致命傷を免れる。頭に5.56mm弾を受けて顔を血塗れにしながらも、ジダンは〈ガンアクション〉でテリーとイルマに、M1911A1の二丁拳銃で、それぞれ3発ずつ銃弾をセミオートで浴びせた。それなりにダメージはあったが、決定打とはなっていない。続けてギャング二人が、突入してきた二人に対してUZIで銃撃を加えるが、命中せず。イルマの攻撃で、防具で身を固めたジダンも倒された。

 教会の裏側では、廊下へと続くドアを開けたフェイが、人質二人を挟む形でギャングが待ち構えているのを目の当たりにしていた。ギャングと撃ちあいになり、一人は倒した。
 次のラウンド、礼拝堂ではギャング一人があっさり打ち倒され、敵は残り一人に。バックグラウンドでは、フェイが人質を挟んでギャングと一対一で撃ち合うも、お互い射撃がうまく行かず命中せず。人質にとっては恐怖の銃撃戦もいいところだ。 ちなみにフェイが銃を向けながらも投降を促しているが、言葉が通じずに難航していた(フェイが英語で喋り、敵はフランス語しかわからない)。
「Dead or alive, you'll come with me.」
「Vous sucez. Matrice! Matrice!」
 礼拝堂で一人残った敵は、勝ち目がないと見て投降。裏側の廊下での、至近距離の膠着戦は、フェイとテリーが合流する前に犯人を倒すことによって決着が付いた。


 人質を無事(少なくとも外傷はなし……)に救出することが出来、仕事はうまく行った。
 コーディネーターのゲレロ氏からお褒めと労いの言葉を貰い、PCたちは休暇に入るのだった。世界のどこかで、悪の戦士が銃を握るときまで。

 経験点
・ミッションの目標(人質全員の救出)に成功した/無傷(外傷は) 全員に2点
・生存した 全員に1点
・副目標(教会建物への損害を最小限とする) 全員1点

 ―― 所感 ――
 当初の予定では、古城に立て篭もるというシチュエーションのはずでした。だがしかし!GMの私がMAPを持ってくるのを忘れたため、急遽教会に変更( ;・∀・) 結果的に、ちょうどいい時間配分になったのですが。もしも城だった場合、防御側にとても有利な構造になっているため、もっと時間がかかっていたでしょう。
 PCたちがとった戦術はオーソドックスなものでしたが、敵に発見されるという失敗をしてしまったために、急いで突入という意外な展開となったのが面白かったです。悪く言えば、行き当たりばったりな部分もあったのですが、今回は気にしない方向で。突入後に関していえば、もう少し敵を粘らせたかったです。ジダンが戦術判定に勝ったとき、ちょっとはびびってもらえました。もっとも印象的だった場面は、裏口で人質を挟んで延々と膠着戦をしていたところですね。人質に弾が当たらなかったものの、ありゃしばらく通院だべ。恐怖のあまり精神にダメージを受けて。至近距離でお互いになかなか命中しない状況は、初めてでした。