中島 勇一 オフィシャルブログ H・E・A・R・T

エッセイ グループセッションのテーマ ワークから生まれた話し

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集合的無意識から伝染してくるもの

こんにちは、中島です。

前回までは、
私たち個々人の、過去の体験の中で生まれた気持ちが
人と人との間で伝染し合うことで起こることについて、
お話ししてきました。

本人の心の中で無視されてきた気持ちが伝染してくるのは、
周囲の人に「助け」を求めてきたのかも知れません。

その気持ちに気づいてあげて、
その気持ちが本人の中で受け入れられるように助けてあげると、
本人も周囲の人も、穏やかになっていきます。

でも「伝染」は、これだけではありません。
今日は、あなたの中に眠っている「神話」のお話をしましょう。




【神話に共通している無意識】

これまで話してきた「伝染」は、
個人の過去の体験での耐え難い気持ちが抑圧されたもので、
「個人的無意識」と言われています。

「個人的無意識」よりも、さらに深い所には
「普遍的無意識」とか「集合的無意識」と呼ばれている意識があって、

もう個人の体験とは関係ない、人類に共通している無意識です。

そこには、
時代や民族を超えて共通して語られてきた、
世界中の神話のモチーフやキャラクターたちの基本的な型があります。

神聖なもの、悪魔的なもの、賢者的なもの、狡いもの…。
様々な型があります。

太古の昔から、人類が生きていく中で出逢ってきたものたちの
基本的な範型です。

神話的な、常識を超えた神秘の世界のものが、
私たちの日常に伝染して出てきています。

これは、無意識の中の単なるイメージではありません。

夜に見る夢の中で、
リアルに生々しく体験するようなものが、
気づかぬうちに、現実の関係に伝染して影響を与えています。

ユングは、それを『元型』(アーキタイプ)と名づけました。

『元型』を説明していくと、かなり長くなるので、
概略をイメージしやすいように、
タロットカードに喩えて説明します。

タロットカードの、特に大アルカナの
一枚一枚に描かれているモチーフは、
世界中の神話に共通して語られてきたものもあり、
『元型』と似ています。

たとえば『隠者』のカードを引いた人には、
以下のどれかが、実際の出来事として現れるだろう、
と推測します。

『正位置の現れ方』
経験則、高尚な助言、秘匿、精神、慎重、優等感、思慮深い、思いやり、
単独行動、神出鬼没、変幻自在、難解。

『逆位置の現れ方』
閉鎖性、陰湿、消極的、無計画、誤解、悲観的、邪推、劣等感、引きこもり。

一枚の『カード』にたくさんの現れ方が書いてあるのは、
どのように現れるのか、決まってないからです。

『カード』を引くと、
この『カード』の象意が起きることがわかります。
現実での現れ方の方向性は決まっていて、
その方向性の中で、さまざまに異なる現れ方で出てくるのです。

『元型』が現実に現れてくるときも同じで、
1つ元型が、さまざまに異なる気持ち、感情、イメージとして
伝染した関係の中に現れてきます。

でも、大元となっている『元型』そのものを認識することはできません。

ですから
セラピーで『元型』を扱うときは、占いとは逆の方向に探ります。

その人の症状や問題、出来事はわかっている。
しかし何の『元型』が、関係の中に現れているのかわからない。

そこで、
症状や問題、出来事から、
現れている『元型』」を推測していくのです。




【元型が現れるときは、すごい力がある】

集合的無意識は、
その個人だけでなく、関係の中にも伝染します。
2人の関係から、家族などの小集団、
会社くらいの大きな集団や、国家レベルの集団など、
その集団のフィールド(場)にいる人々に伝染していきます。

無意識に起こるので、誰も自覚できないまま、
そのフィールド(場)は影響されています。

個人的無意識は、抑圧されたとはいえ、
過去に一度は体験したことです。

ところが集合的無意識は、一度も体験してないことであっても伝染してくるので、
なぜこんな気持ちになるのか、
まったくわからないままに影響されていることも多いのです。

そして、どの『元型』であれ、
元型的なものとして現れてくるものには、すごい力があります。

その人の心の反応が、
それを引き起こした原因と不釣り合いに大きい場合には、
『元型』からの影響もあるのではないか、
と探ります。



【深く腑に落ちることで変容する】

どのような『元型』なのかを探るのは、
診断するためではありません。

クライアントに元型が影響しているフィールド(場)に、
セラピストも一緒に入り込んで、

同じ心の苦しみ、同じ感覚の中に入り込んでいって、

「私たちは今、何にはまっているのだろう?」
「これって何なんだろう?」

ということを、
2人で話しながら、体験しながら一緒に考え、
体の感覚でも気づいて、探って、確認していくうちに

「ああ、これってこういうことなんだ」と
深い所から腑に落ちていく。

深層意識にあるものの流れと
一体になるような感じです。

すると不思議なことに、
さまざまなことがよい方向に向いていきます。

個人的無意識や、集合的無意識から
私たちのフィールド(場)に伝染してくるもの。

それは無意識なので、
気づかないままに人生が大きく影響されています。

それに、どのように気づいて、
どのように働きかけていけばよいのか?

特に、集合的無意識の神話的なものが
気づかぬうちに日常の色々な所に顔を出していて、
それが人生に影響を与えていたことがわかると、

驚きと共に、
なぜか、「やっぱりね…」とどこか納得せざるを得ないのです。

それらに、どのように気づいて、
どのように働きかけていけばよいのか?

7月からの講座では、その具体的な手法についても、
体験を通して習得していきます。




【7月から始まる講座『逆転移の活用』】

参加される方は
集合的無意識の中の、太古の昔から存在しているものに
気づいていきます。

それらが深く腑に落ちて、
それらと共に現実を生きていくことで、
自分の中の何かが自然に癒されていくような、
不思議な感覚を味わうかも知れません。

たくさんの癒しの体験をすることで、
無意識に伝染する現象の癒し方を体得していきます。

癒される体験を重ねていくと、
いずれあなたが、誰かを癒せる人になります。

癒し癒されることを、
何よりも大切に思っている方々のご参加を
心よりお待ちしています。

7月からの講座について、より詳しい説明をご覧いただけます。
ご興味のある方は、下記のリンクよりお入りください。

 ↓↓↓↓↓
■2021年7月期中島勇一ヒプノセラピー講座
http://yuichinakajima.com/course/20210424/

・中島勇一オンラインイベントへ無料ご招待
また講座期間中は、私のオンラインイベントに
すべて無料でご招待させていただきます。

この機会に皆さまのご参加を心よりお待ちしております。









心の伝染は、凸凹現象で現れる

こんにちは、中島です。

ヒプノスクール卒業生の方から、ご質問をいただきました。

「中島先生、お久しぶりです。
数カ月前、先生のYouTubeを見つけて、
元気な先生のお姿をうれしく、そして懐かしく思い、
今は、先生の誘導瞑想を毎日聴いています。

さて、ひとつお聞きしたいのですが、
親から、極度の心配性で関わられると、
どんな凸凹現象(デコボコ現象)が
起きてくることが考えられますか? 」

嬉しいメッセージ、ありがとうございます。
では、ご質問にお答えしていきましょう。




【凸凹現象とは】

まず、『凸凹現象』という言葉を初めて聞いた方のために、
簡単に説明します。

凸凹

生まれたままの、ありのままの心を、
□(四角)とします。

最初は□(四角)だった心が、
両親の影響など、さまざまな要因で、
凸(デコ)の気持ちと、
凹(ボコ)の気持ちの
2極に分離してしまいます。

この2つは過去の気持ちですが、
現在の人間関係に伝染して出てきます。

その人と周囲の人は、
なぜか凸の気持ちや、凹の気持ちになってしまいます。

すると、お互いの気持ちがわかりあえなくなったり、
相手に対する非難の気持ちが強くなったり、
何かと感情面で振り回されることになるのです。
これを『凸凹現象』と名付けました。

私の過去のYouTubeで事例を挙げて、わかりやすく説明しています。
https://www.youtube.com/watch?v=lT2NaUhEdyU&t=102s




【凸と凹の、まだら模様の人生】

親が、心配性(凸)の気持ちにはまっていると、
子供は対極の、無頓着な気持ち(凹)になります。

親への反発や傷つきから、
心配性であることのメリットまで切り捨ててしまい、
「無頓着」「事態を甘く見る」「警戒心の欠如」
というような対極の気持ち(凹)になってしまうのです。

しかし、その子の無意識の中には、心配性(凸)が潜んでいます。

また、親が極度の心配性の場合、子供に対して過干渉(凸)になりがちです。

すると子供は、
「主体性のなさ」「自立心に乏しい」「忍従」
というような対極の気持ち(凹)になります。

そして、その子の無意識の中には、
過干渉(凸)が潜みます。

つまり
凸:心配性
凹:無頓着・事態を甘く見る・警戒心の欠如

もしくは
凸:過干渉
凹:主体性のなさ・自立心に乏しい・忍従

などのバラバラな気持ちが、その子の無意識の中に漂うのです。

これらの気持ちには主語がないので、
人生のさまざまな場面で、
自分の気持ちや相手の気持ちに
すぐに伝染して出てきます。

伝染した気持ちは無意識のうちに言動を引き起こすので、
『凸凹現象』で振り回されていると本人も気づかないまま、
「自分は、生まれつきこんな性格だからしょうがない」
と感じている人もいるかも知れません。

ご質問の答えになりましたか?
皆さまからのご質問、お待ちしております。




【7月から始まる講座『逆転移の活用』】

私たちの無意識は、
『人との関係』の中に伝染して現れています。

ご質問のように、
親から極度の心配性で関わられた人は、
現在の人間関係の中で、
相手と自分に、どのような気持ちが伝染して現れているのか。

「無頓着」「事態を甘く見る」「警戒心の欠如」。
他にも、意外な凹があるかも知れません。

自分の心の奥を探るよりも、
自分に関わる人間関係を観察することで、
より正確に凸と凹を見つけることができます。

心配性の親との『関係』によって、
凸と凹に分離した□(四角)は、
今の人との『関係』に手を加えると、
調和していきます。

分離がつながろうとすると、怖れが邪魔をしてきますが、
「思いやり」が助けになります。

7月からの講座では、その具体的な手法を
体験を通して習得していきます。

参加される方は
自分の中に、どのような凸と凹のパターンがあるのか、
わかるようになります。

分離した凸と凹が、調和して□(四角)に戻っていく。
癒される体験を重ねていくと、
いずれあなたが、誰かを癒せる人になります。

癒し癒されることを、
何よりも大切に思っている方々のご参加を
心よりお待ちしています。

7月からの講座について、より詳しい説明をご覧いただけます。
ご興味のある方は、下記のリンクよりお入りください。
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■2021年7月期中島勇一ヒプノセラピー講座
http://yuichinakajima.com/course/20210424/

・プレスクールへご招待
講座開始は7月ですが、
お申し込みいただいた方から
オンラインのプレスクールに
ご参加いただけるようになります。

6月中は3回開催予定ですので
お早めにお申し込みいただきますと
より多くご参加いただけます。

・中島勇一オンラインイベントへ無料ご招待
また講座期間中は、私のオンラインイベントに
すべて無料でご招待させていただきます。

上記特典をご用意しておりますので、
この機会に皆さまのご参加を心よりお待ちしております。










心の伝染の現れ方

こんにちは、中島です。

突然ですが、あなたが胎児の頃ってどんな意識だったのでしょう?

意識の発達の初めでも、気持ちや感情はあります。
お母さんのお腹の中にいて
必要なものは、へその緒を通して自動的に循環している。
赤ちゃんは、母体も自分の一部と思っています。

生まれてからも、しばらくの間は
赤ちゃんにとって、お母さんは、
自分と地続きにつながっている同じものという感じです。




【他者も自分もない状態】

赤ちゃんを育てていると、
今、その子が何を求めているのか
母親は直感的にわかると言います。

母子が地続きにつながっている状態だからなのでしょう。

赤ちゃんは、まだ母体と一体だと思っているので、
自分だけが存在している感じです。

母という他者が存在していることに
気づいていません。

また、他者がないと、
自分という認識は生まれませんから、
自分もありません。

他者もない。
自分もない。

地続きの感じの中で、
ただ、気持ちだけが在る。

「宇宙と一つ」の境地で生きているように
見えるかも知れませんね。

生後しばらく経つと、
赤ちゃんにも快・不快の感情から始まって、
さまざまな気持ちが生まれてきます。

そこで生まれた気持ちは
自・他の関連がわからないまま、
ごちゃ混ぜになっています。

まだお母さんの状況や、
周囲の現実を理解できず、
心の中ですり合わせが起きないので、
妄想的な気持ちのままです。

これが人間の原初的な心の状態です。




【主語がないから、誰にでも伝染する】

成長して大人になっても、
無意識の奥は、原初的な心の状態であると言われています。

気持ちだけが存在しているので、時間もありません。
ここにある気持ちは、年を取らないのです。

また、無意識の奥に切り離された気持ちには
自・他がないので、「自分は」とか、「あの人は」などの、
主語がありません。

主語がないので、
ここにある気持ちは、誰にでも伝染します。

時間がないので、
過去の気持ちなのに、現在の関係に伝染します。

幼少期における母親との関係を例に説明します。
お母さんに事あるごとに「怒られ」、
「怯え」ながら大きくなった人(Aさん)がいるとします。

その気持ちは、普段は無意識の中に切り離されていますが、
何かのきっかけで、現在の誰か、たとえば会社の同僚との関係に伝染したとしましょう。

先ほども言ったように、
無意識の中の気持ちには主語がないので、
「怒る」
「怯える」
は、誰にでも伝染します。

無意識の中に切り離された怒りが、自分の中で浮上してくると、
なぜかAさんは、同僚に対して腹が立ってきます。

気持ちの伝染は、客観的な状況に関わらず起こってくるので、
他の人が見れば、特に腹を立てる理由が見当たらないようなときでも、
Aさんにとっては怒りを感じるのが当然としか思えないような理由がどんどん出てきて、
さらに怒りが湧いて来るかも知れません。

怒りが、同僚の無意識の中に伝染すると、
なぜか同僚は、Aさんに怒り出します。
その時のAさんにとってはいわれのない怒りですが、
同僚には怒る理由があるようです。

無意識の中に切り離された怯えが、Aさんの中に伝染すると、
なぜかAさんは、同僚に怯えます。

怯えが、同僚に伝染すると
なぜか同僚は、Aさんに怯えます。

これだけではありません。
同僚の無意識の中にある、過去の誰かとの気持ちも同時に、
今の2人の関係に伝染してきています。

これは、すべての人に頻繁に起きている現象ですが、
ほとんどの人が気づいていないので、
次第に関係がこじれていきます。
お互い気づかないままに、
余分な気持ちをどっさり「鍋」(2人の関係)に投げ込んでいるからです。

しかも、無意識の中に切り離された気持ちは、
誰かに伝染した分、減るわけではありません。

こうして、
人生で同じようなことが繰り返し起きてきます。




【伝染に気づくと、人生のパターンを癒せる】

無意識の中に切り離された気持ちが引き起こす現象は、
知らず知らずのうちに大きくなってきます。
同じようなパターンとは言うものの、
少しずつ深刻さを増し、
成長の足枷となってしまうこともあるでしょう。

切り離された気持ちは、本来の場所に戻りたいのかも知れません。

「伝染」は、
誰にも認めてもらえず、
行き場を失ったまま永遠に漂うしかない気持ちたちの、
源に戻りたいという一種の意思表明とも思えてきます。

そして私たちは、
この現象を理解し、
実際の場面で適切に気づき、対処する方法を身に着けることで、
人生を滞らせるパターンを根本から癒すことができます。

家族でも、同僚でも、
セラピストとクライアントでも、
人が誰かと出会ったときに
今までになかった気持ちが出てきたら、
それは相手から伝染してきた気持ちかも知れない、
ということに、まず気づくこと。

伝わってきた気持ちは、
相手の心の奥でパターンになっている
『心の組み合わせ』の一部だから、

その一部がわかることで
組み合わせの全体像に、気づく手がかりとなります。

セラピーにおいては、
クライアントの無意識の奥の気持ちが
セラピストに伝染して出てきているということは、

クライアントの問題の根本が
今・ここに、手の届くところに、
感じられる状態で出てきているということなので、

ごく自然に癒していく大きなチャンスなのです。


7月から始まる講座『逆転移の活用』では、
人生で同じような問題が繰り返し起きるパターンについて、
『過去の心が伝染する現象』から解き明かしていき、
どのようにアプローチしていけばよいのかを
体得していただくことを目標にしています。

受講者の方々それぞれが実際に癒され、
問題を乗り越えていくことを、
繰り返し体験していただきます。

また、何が「伝染」していて、それがどのように影響していたのかを
私がわかりやすく解説していきます。
それらの体験を通して、
受講者それぞれの中に、「セラピスト」の目・「クライアント」の目が
育っていきます。

『心が伝染する現象』を学んでいくと、
現実の人間関係が改善され、
長年滞っていた問題に変化が起こってきます。

最初はごった煮のような鍋で、
それぞれの味が突出して、
ちぐはぐに主張し合っていたのが、

火加減を調節し、
不要なアクを引き、
足りないものを加える。

手間暇を惜しまず愛情を注げば、
いつか、それぞれの味が馴染んで
おいしいスープになります。
それは、あなたにしか出せない、
唯一無二の人生の味です。

本当の自分を取り戻したとき、
あなたが生まれてきた目的が、
次第にはっきりと輪郭を現してきます。

癒し癒されることを、
何よりも大切に思っている方々のご参加を
心よりお待ちしています。

7月からの講座について、より詳しい説明をご覧いただけます。
ご興味のある方は、下記のリンクよりお入りください。

 ↓↓↓↓↓

■2021年7月期中島勇一ヒプノセラピー講座
http://yuichinakajima.com/course/20210424/

・プレスクールへご招待
講座開始は7月ですが、
お申し込みいただいた方から
オンラインのプレスクールに
ご参加いただけるようになります。

6月中は3回開催予定ですので
お早めにお申し込みいただきますと
より多くご参加いただけます。

・中島勇一オンラインイベントへ無料ご招待
また講座期間中は、私のオンラインイベントに
すべて無料でご招待させていただきます。

上記特典をご用意しておりますので、
この機会に皆さまのご参加を心よりお待ちしております。









人生で繰り返される、望まない出来事。

こんにちは、中島です。

読者の方から、

「人間関係の問題などを解決したいとき、
『心が伝染する現象』を視野に入れると、
どのような違いが現れてくるのですか?」

というご質問をいただきました。

心理療法を行うと、
問題の原因である感情、思い込み、考え方、トラウマなどが癒され、
調和的なものに変化していくにつれて、
少しずつ楽になっていくものです。

ところがある程度セラピーが進んでいくと、
なかなか解決しない問題があることに気づきます。
その人の人生において何度も起きているような、慢性的な問題です。

ここを改善しようとして、
関連のありそうな出来事やそれにまつわるトラウマを癒しても、
少しは楽になったように見えるのですが、
その問題自体はずっと変わらない、ということが続きます。




【トラウマが原因ではないこともある】

人は誰でも心の奥に、
この世界と自分についてのさまざまな解釈と
人への反応パターンを持っています。 

それは生まれつき持っていたものかも知れないし、
家族との関係の中で
自然に身についたものかも知れません。

それらが基になって派生した、
感情、思い込み、考え方、トラウマなどの
1つひとつが絡まって、
こじれて組み合わさった「心のパターン」が

何度も同じようなことが起きる、
人生のパターンを作り出しています。

それは人生の初期に生まれたものなので、
今の自我は、それとは違う価値観で生きています。

自我は、自分の価値観・在り方が脅かされることを何よりも恐れているので、
それを無意識の奥に切り離しています。
そして、自分で切り離したことも忘れて、
あたかもそれがないように感じています。

しかし、昔の「心のパターン」は消えてなくなったわけではありません。
自我が気づかないうちに出てきて、
原因不明の人生の問題となって何度も現れ、
慢性化しているのです。

自我にとっての反政府勢力のようなものです。
完璧に地下に潜ったら最後、
一切の動向がわからなくなり、
より危険な存在となって、
自我を脅かすことになるのです。




【『心が伝染する現象』を活用する】

その人が、ありのままの自分になるのを妨げている
慢性的な「心のパターン」。
それは、その人の「今」の関係の中に出てきます。

本人が見たくないもの、切りはなされたものが、
人との関係の中に排出されてくるからです。

本人の心の奥を探しても見つかりませんが、
すべての関係の中に、日常的に頻繁に出てきています。

気づかなくても出て来ているからこそ、問題が起こるのです。

問題の背後に、どういうものが出てきているのか、
どうして出てきているのか
理由も、因果関係も、
果たして意味のある何かが存在するのかもわからないまま、
取り組んでいくことになります。

こういった局面において、
『心が伝染する現象』を活用することで
心の奥をさぐるだけでは辿りつくことのできないような、
根深い「心のパターン」を見つけることができます。

「心のパターン」は、すべての関係の中に出てきますが、
近い関係であればあるほど出てきます。
特にセラピストとの関係の中には、必ず浮かび上がってきます。

セラピー回数を重ねても、
なかなか改善が見られない慢性的な問題に突き当たったとき、
どうしてその問題が続いているのか、よくわからない状態の中で、
セラピストとクライアントの2人で
力を合わせて、心を合わせて、模索を続けていくしかありません。

この関係の中に伝染してきた気持ちに、
2人で気づいていくのです。

1つ2つ気づいても、
それが問題と、どのように関係しているのか
わかりません。

伝染は双方向に伝わるので、知らず知らずのうちに
お互いに何かが、伝え返されていくことで

相手の切り離された「心のパターン」がゆるんで、
動きやすくなって、

幽かなサインを、2人の関係の中に伝えてくるようになります。

それは夢に現れるかも知れないし、
うっかり言い間違えた、というような言動に現れるかも知れません。

関係の中に伝染して出てきたものに気づいて
それを1つひとつ集めながら
「これが私の奥で、どうなっているのだろう?」
という模索を続けていくうちに、

喩えて言えば、
ジグソーパズルの1つひとつのピースを眺めているうちに
あるとき閃いて、その全体像がわかるようなことが起きます。

人生に繰り返し起きる問題。
その出来事の中で振り回され、
さまざまな感情や、嫌な気持ちや、否定的な考え、心の傷などの
細部にはまり込んで嘆いているだけだったのが、

それらが組み合わさって全体像が見えてきたときに

「あっ、こういうことが心の奥で起きていたんだ」
と、閃きます。

これは頭でわかるだけではないので
情動も動き始めて、感情の解放と共に
心の奥で組み合わさっていた「心のパターン」が変わっていきます。

人生で起こって来る出来事それぞれに振り回されることなく、
常に「これが私の奥で、どうなっているのだろう?」
という視点を失わないこと。

バラバラの取るに足りないカケラのようだった星々が、
心を開いて眺め続けていたら、
あるとき突然、
1つの星座をかたち作っていたことに気づくような体験かも知れません。

『心が伝染する現象』を理解し、味わい、
自分の確かな経験として消化していくと、
自分の考えや、
自分という枠組・概念を超えたところに
存在する真実を感じ取ることができるようになります。

それは、あなたの家庭や仕事、人間関係はもちろん、
あなたの人生、生き方にもやがて大きな変容を起こすことでしょう。




7月から始まる講座『逆転移の活用』では、
人生に同じようなことが繰り返し起きるパターンを
『過去の心が伝染する現象』から解き明かしていき、

原因に辿りつけない慢性的な問題
どのようにアプローチしていけばよいのかを
体得していきます。

この講座では理論を学ぶだけに留まることなく、
受講者の皆さんにたくさんの「癒し」を体験していただきます。

講座の中でご自身が味わった癒しの体験について、
私がわかりやすく解説していくことで
何が「伝染」していて、それがどのように影響していたのかを
さらに深く体得していただきます。

『心が伝染する現象』を敏感に感知し、見抜けるようになると、
その下に隠されていた本当の自分がわかってきます。
あなたの本当に大切なものを、もっと大切にできるようになります。

癒し癒されることを、
何よりも大切に思っている方々のご参加を
心よりお待ちしています。

7月からの講座について、より詳しい説明をご覧いただけます。
ご興味のある方は、下記のリンクよりお入りください。

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■2021年7月期中島勇一ヒプノセラピー講座
http://yuichinakajima.com/course/20210424/

・プレスクールへご招待
講座開始は7月ですが、
お申し込みいただいた方から
オンラインのプレスクールに
ご参加いただけるようになります。

6月中は、あと2回開催予定ですので
お早めにお申し込みいただきますと
より多くご参加いただけます。


・中島勇一オンラインイベントへ無料ご招待
また講座期間中は、私のオンラインイベントに
すべて無料でご招待させていただきます。

上記特典をご用意しておりますので、
この機会に皆さまのご参加を心よりお待ちしております。

染まりながら傷つき、染まることで癒される。

こんにちは、中島です。

新しいブログを更新しました。

人は、自分を取り巻く人との関係の中で、
「自分はこういう存在だから、こう生きなくては」と、
無意識のうちに思い込みます(自己認識)。

『過去の心が、人から人へ伝染する現象』は、
関係性に大きく影響を及ぼします。

自己認識にも影響を及ぼし
歪んだ関係の中では心が傷つきます。

過去の心がどのように伝染し合って
自己認識の歪みと、心の傷つきに影響しているのか
それがわかると癒しやすくなります。

今日はそんなお話をお伝えしようと思います。




【誰かとの関係の中で、心は傷つく】

心理療法の始まりは
セラピストが、クライアントの無意識を
分析・診断をしてから、適切な働きかけをする、
というやり方から始まりました。

セラピストは中立のままで、
クライアント個人の心を、どう変えるか、という
「1人の心を扱う」治療モデルです。

その後心理療法は進化して、
クライアントと誰かとの
「2人の心を扱う」治療モデルへと大きく変わりました。

これは、クライアント個人の心だけをセラピーしていても
あまり良くならないことが、わかってきたからです。

クライアントに起きてくる問題は、
必ず誰かとの関係が絡んで起きてきます。

親子関係、家族関係、恋愛関係、職場の関係など、
私たちの日常生活において、たとえどんな状況であっても、
個人の気持ちと、他の人の気持ちが互いに「伝染」し合っています。
それを、それぞれが「自分の気持ち」だと、
無自覚にごく自然に感じていることが、時に問題を大きくしてしまうのです。

たとえばあなたの祖父母の気持ちや感情は、
父母の夫婦関係に伝染します。
知らず知らずのうちに、
両親の夫婦関係は、それぞれの親(祖父母)の
過去の気持ちに染まっているのです。

父母は、それを自分の気持ちだと感じるので、
何かをきっかけに、
夫婦の現実にはそぐわない気持ちで相手に対応してしまいます。
それが大きな諍いに発展すれば、
当人同士はもちろん、子供(あなた)も傷つきます。

さらに、子供の気持ちは、
大人になってからの、その子の夫婦関係やそのまた子供に伝染します。

このように、『過去の心が、人から人へ伝染する現象』によって
当事者の関係だけがこじれるだけではありません。

よくわからない症状の背後には、
これらの関係が絡んでいることが多いのです。

ですから、クライアント「1人の心を扱う」治療モデルだと、
問題の根本に届かないのです。




【板前も鍋の中に入っていた】

ここで、セラピストとクライアントの関係にも触れておきましょう。

問題の根本である誰かとの関係は、
セラピストとクライアントとの関係の中にも必ず出てきます。

これをたとえて言うと、
セラピストが、クライアント1人の心を扱う治療モデルは、
板前が、まな板や鍋を使って素材を調理しているようなものです。

しかし心理療法の場面では、
板前が素材を調理しているつもりだったのに、
いつの間にか、素材と一緒に板前も鍋の中に入っていた、
ということが起きます。

それに気づかないままセラピーを進めていくと、
クライアントと誰かとの関係と同じように、
セラピストとクライアントも、こじれた関係になってしまいます。

それに気づかないまま(触れないように)セラピーしているのが
クライアント「1人の心を扱う」治療モデルと言っていいかも知れません。

少し前までは、「セラピストは中立でなければならない」
と教えられていました。
しかし、どんなに「中立でいよう」と意識の力で頑張っても、
実際は既に「鍋に入って」います。

これは無意識が引き起こす現象なので、
本人に自覚はありません。
「自分は中立だ」と思っている人ほど、
余計に気づきづらいかも知れません。

自分も鍋の中にいることがわかると、
鍋の中にある、たくさんの感情・感覚・情報を、
セラピストが「自分の体験」として
セラピーにより深く活用できるようになります。




【心が伝染し合う】

「誰か」との関係(鍋)の中では、
お互いの何かが滲み出て、混じり合った不思議なスープが出来ています。

クライアントと「誰か」は、そのスープの中でその味に染まってしまい、
本当の自分がわからなくなっている状態とも言えます。

そして2人とも、
現実に起きている状況とは不釣り合いな心の状態になります。
無意識の中にあった、過去の気持ちに影響されているからです。

過去の誰かとの関係で、感じていた気持ちや感情(味)が
いま目の前にいる別の人との関係(鍋)の中に、浸み込んできたのです。

家族や会社、学校などの集団では、
当事者全員が鍋の中に入ってしまい、
各々から滲み出たものが混じり合った、
濃密なスープに染まります。

しかも、関係が濃くなっていく度合いに応じて
『過去の心が、人から人へ伝染する現象』が起きてくるのです。

心が伝染してこないように
心の距離を取ろうとしても伝染します。

やっかいなことに、「心の距離を取らなきゃ」という気持ちまでもが伝染します。

この現象は誰にでも、日常的に、頻繁に起きている現象なので
それを避けよう(「中立でいよう」「距離を取ろう」等)とするよりは、
活用する方が実際的です。

7月から始まる講座『逆転移の活用』では、
心が傷ついていくプロセスで起こっている真実の物語を
『過去の心が伝染する現象』から解き明かしていき、

無自覚に振り回されることなく、
むしろそれを活用することを習得していきます。

自分の心の奥に秘めていた傷つきを、
『過去の心が伝染する現象』の視点から癒していくことで、
この現象を、自分の貴重な体験、宝物として扱うことができるようになります。

この講座では理論を学ぶだけに留まることなく、
受講者の皆さんにたくさんの「癒し」を体験していただきます。

講座の中でご自身が味わった癒しの体験について、
私がわかりやすく解説していくことで
何が「伝染」していて、それがどのように影響していたのかを
さらに深く体得していただきます。

『心が伝染する現象』を敏感に感知し、見抜けるようになると、
その下に隠されていた本当の自分がわかってきます。
あなたの本当に大切なものを、もっと大切にできるようになります。

癒し癒されることを、
何よりも大切に思っている方々のご参加を
心よりお待ちしています。

7月からの講座について、より詳しい説明をご覧いただけます。
ご興味のある方は、下記のリンクよりお入りください。

 ↓↓↓↓↓

■2021年7月期中島勇一ヒプノセラピー講座
http://yuichinakajima.com/course/20210424/

・プレスクールへご招待
講座開始は7月ですが、
お申し込みいただいた方から
オンラインのプレスクールに
ご参加いただけるようになります。

6月中は3回開催予定ですので
お早めにお申し込みいただきますと
より多くご参加いただけます。

・中島勇一オンラインイベントへ無料ご招待
また講座期間中は、私のオンラインイベントに
すべて無料でご招待させていただきます。

上記特典をご用意しておりますので、
この機会に皆さまのご参加を心よりお待ちしております。









Profile

healhearts

中島 勇一(なかじま ゆういち)

日本人初の全米催眠療法協会認定講師。

ヒプノセラピスト養成スクール(株式会社JMA主催)の指導に当たり、現在までに指導した生徒は、東京・大阪・福岡・仙台を合わせて約600名。

2000年からは責任講師を務める。

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