September 24, 2014
hean at 22:00 Permalink
DELL製30インチ液晶 3008WFPを修理する。
緋斐の知り合いには
ダメ女製造機のド変態と、二次元とワインに魂を売り渡した畜生という
郡を抜いてクールな兄弟がいます。
弟の家には30インチの液晶が3台あり、
これでアニメ見たり仕事をしたりしなかったりしてるらしいのですが、
そのうち二台が立て続けにお亡くなりになったということで、
ジャンクとしてタダでもらえることになりました。
つい先日4Kを買っちゃったばかりでとくに自分で使う用事はなかったので、
最近ゲームフリークに移籍した友人の家に運び込んでそこで修繕しました。
今日はその模様を記録しておこうと思います。
とりあえず箱がでかい。わりと広めの友人宅を占拠する巨大さ。
故障の状況は「電源が入らない」という症状でした。
3台同じのがあるうち、縦置きしてた二台がダメになったということで、
こいつはどーも、こもった熱で電源関係の部品がダメになっちゃった説が濃厚です。
熱のこもる悪い使い方の例。
制御回路とかロジックボードがダメになったときは緋斐もどうしようもありませんが、
電源とかインバータとか、パワー系セクションなら手で修理できないこともないので、
その線でウェブを漁ってみるとこんな記事が見つかりました。
http://forums.overclockers.co.
http://blogs.yahoo.co.jp/
http://yanase664.blog.shinobi.
探してみるもんですねえ。
まったく同じ症状なので、もともとここが設計上の弱点なんでしょう。
ここのショットバリアキーダイオードを交換すれば直るということらしいです。
分解はけっこう骨が折れそうですが、ま、やってみますか。
こういう組木細工的なハメコミ組み立て型は、ネジ型に比べ分解に骨が折れますが、
業界人の間ではドスパラの会員証を使うってのが玄人の嗜みなんだそうな。
緋斐は素人なんで普通にテレカ(死語)を使います。
前面パネルの爪は内側から外側に向けて引っかかっているので、
細いドライバーを背面パネル側に差し込んで、中央に向けて力をかけるとうまく外れます。
電源ボタンまわりはそのまま引っ張るとボタン基盤のケーブルがちぎれるので、
慎重にケーブルを液晶本体から外しつつ基盤のネジを外してください。
前後のケースを外すと、液晶本体が現れます。
ちなみに液晶をケースから外すのもけっこう力技です。
インバータ背面の鉄パネルが引っかかって厄介なので、
多少難易度が高そうでもメモリーカードスロット側から剥がすのがおすすめ。
液晶本体の背面側にくっついてるのがコントロールユニットで、
ケーブルを引きちぎらないよう注意しながら外すと、
内側は電源部と信号部に分かれています。
今回修理するのは電源部の方なので、
基盤側、ヒートシンク側両方のネジ、信号部と繋がる二組のケーブルを外し、
電源部だけを取り出します。
まず上を覆っているヒートシンクをパーツごと外す必要があります。
電源回路だけあってなかなか溶けにくい「ゴツい」ハンダなので、
吸い取り器がないとちょっと厳しかった。
外側のヒートシンクをパーツごと外したのち、内側のT字のものも同様に外します。
さらっとやってますが、ここはわりと技術が要求されるところです。
熱をかけすぎるとダイオードが死にます。
先人の知恵によると壊れるのは3つあるうち並んでない側のダイオード、
テスター当ててみると隣のも飛んでたので、周囲3つを念のため全部交換。
右側2つが交換するショットバリアキーダイオード。3足型60170CT。
要するに耐圧170ボルトで、片側30Aの両側60Aまで流せる規格です。
千石とか秋月で買える奴は定数がちょっと合わなかったので、RSで頼みました。
一個300円くらい。この手のパーツにしちゃ、けっこう高いです。
交換したら、元通りハンダ付けして組み直します。
ケースに収める前に動作確認したところ、電源が入るようになりました。
これでこの液晶、あと4-5年くらい使えるんじゃないでしょうか。
二台とも同じ原因だったので、やっぱり熱設計がギリギリだったんだと思います。
とりあえず縦置き厳禁を言い渡した上で、
一台は家主の元に、もう一台は別の知り合いに譲りました。
限りある資源を大切に、機械が壊れたら出来る限り修理して大切に使いましょう。
10年くらい使えば、液晶モニタにも付喪神くらい宿ってくれるかもしれません。