きょうも引き続き、ミッションスクールってどんなところ?ということを見てゆきたいと思います。今回は学校行事編。


 高校における行事はクラス、学年の結びつきを高め、また座って授業を受けるだけでは養えない力を養うもの。どこの学校にも共通しているのは

 ・文化祭(5・6月あるいは秋)

 ・球技大会

 ・遠足

 ・修学旅行

あたりだと思います。
 それに加えてミッションスクールでは、キリスト教に関係する行事がいろいろと入ってきます。以下、それについて見てゆきましょう。



◆宗教行事における「正装」◆

 私の通っている学校では週に一度、放課後に聖堂でミサが行われました。教職員と生徒はそれに自由に参加できるようになっていたと思います。また、年に二回ほど学校行事として、全員参加のミサが行われました。で、ミサに参加するときの服装は、制服の着こなしの中で、「正装」として決められているものじゃなければいけない。

 有珠山の娘たちの制服の着こなしはバラバラでどうも統一感がないんですが、おそらくアイテムがいろいろ選べるようになっているんだと思います。私の学校では、「正装」はブラウスにベスト、ブレザー、落ち着いた色の長いプリーツスカートに白ソックス。ただ、行事などがない時には明るい色のニットベストやセーター、可愛いチェックのスカート(ちょっと短め)、そしてハイソックスを身につけてもいいことになっていました。夏の制服は一種類で、いろいろ変遷があった末に今は白いセーラーワンピース。白糸台みたいな…。



 有珠山の場合、夏の制服の「正装」はユキの着ているものなんじゃないかなーと思います。ブラウス+ネクタイ+ピンクの衿にパフスリーブのセーラーカラージャケット+スカート+ソックス。なおチカちゃんも同じセーラージャケットを着ています。ジャケットを脱ぐとチョコレの服装になるのでしょう。なるかちゃんが着ているのはベストかな?中間服(衣替え前に体温調節のために着ることが許されているアイテム)である可能性高し。ゆあんはベストを着崩し、その上に学校指定のカーディガンを羽織っているのではないかと。



◆ミサ、あるいは聖餐式◆

 さて、「ミサ」って何?と疑問に思った人も多いのではないかと思いますが…。

 カトリック教徒は、毎週日曜日の午前中と、宗教的に重要な日(クリスマス、イースターなど)にミサに参加します。結婚式やお葬式も「ミサ」として行われます。とにかくこのミサはめちゃくちゃ重要な宗教行事。

ミサというのは、イエスキリストが十字架に架かって処刑される前夜、弟子たちを集めて夕食をとったことを記念する儀式のこと。キリストはこの夕食の席で、次のように言いました。



一同が食事をしているとき、イエズスはパンを取り、賛美をささげてこれを手で分け、弟子たちに与えて仰せになった。「取って食べなさい。これはわたしの体である」。また杯を取り、感謝をささげ、彼らに与えて言われた。「皆、この杯から飲みなさい。これはわたしの血であり、多くの人に罪のゆるしを得させるために流される、契約の血である。…」(「マタイ」26章26-29節)

※この場面を描いたダ・ヴィンチの「最後の晩餐」の絵は有名ですよね。


 ミサにおいて司祭は、キリストが自分の肉と血であると言ったパンと葡萄酒を聖別します。これによって、パンと葡萄酒はキリストの体に変化します(見た目は変わりませんが、霊的な意味で変化するということになります)。これを「聖変化」といいます。そして信者はそれを拝領(食べる・飲む)する。つまり信者は二千年前のキリストの弟子たち同様に、キリストの体を自分の体に取り込むことになるわけ。この行為を通して信者たちは、キリストがそのあと十字架に架かって死に、三日目に復活し、弟子たちがその教えを伝えるべく全世界に派遣されてゆく、という聖書の記述を体験するのです。そして自分たちも弟子たちのように、宣教者として派遣されてゆく。そうした思いを新たにする宗教儀式が、ミサなのです。

 おおまかな流れとしては、聖歌→罪の告白→神への感謝の歌→聖書の朗読①(旧約聖書)→聖歌→聖書の朗読②(新約聖書の使徒たちの手紙などが読まれる)→聖歌→神父が新約聖書の、イエスキリストのことばを朗読(これを福音朗読といいます)→神父のありがたいお話や聖書の解説→パンと葡萄酒の聖別→聖体(キリストの体となったパンと葡萄酒のこと)拝領→聖歌→信徒たちを宣教者として派遣する→終わりの聖歌 って感じになってます。



 じゃあ、聖公会ではどうか?

 聖公会でも同様の、最後の晩餐に由来した儀式がありますが、それは「聖餐式」と呼ばれることが多いようです。他のプロテスタント教派でも「聖餐式」が一般的。プロテスタントでは、直接にキリストを体に取り込む、ということを重視しないんですね。むしろ、信仰を強めるためにみんなで集まろうぜ、という意識が強いみたい。



 聖公会のことはよく知らないんですが、平日の放課後に聖餐式を行ったりするんでしょうか、どうなんでしょうか。

 日曜日の午前中に学内の礼拝堂(おそらくここをモデルにした場所だと思われます)で聖餐式が行われ、教職員・生徒はもちろん、一般の人も参加できるようになっているのかもしれないですね。

 もし有珠山高校が全寮制だとしたら、日曜の聖餐式に全員参加が定められているかもしれません。聖餐式をサボってベッドで寝ていたりルスツリゾートに遊びに行くと司祭やシスターに怒られるんですよ。あるいはこんな展開も。



寮の談話室にて

ユキ「獅子原先輩、ししはら先輩っ!」

爽「うるさい!いまいいとこなんだ!」

ユキ「先週も聖餐式に遅れて、司祭さまとシスターから大目玉喰らったじゃないですか」

爽「日本人たるもの、日曜の朝はドキドキ!プリキュアって決まってるんだ!」

ユキ「もうっ」

ゆあん「ユキも一緒に見なよ~。どう?この衣装とかまさにドキドキじゃない?」

ユキ「…」

ゆあん「インハイ終わったら暇だし、みんなでプリキュアコスプレ大会とかしない?楽しそうじゃん~」

爽「え?あたし裁縫できないぞ?」

ゆあん「衣装は全部私が作るって~」

なるか「わっ、何やってるんですか?もうみんな礼拝堂前に並んでますよ?」

爽「やばっ」

ゆあん「行くか~」

ユキ(じっと画面を見つめている)

爽「ユキ!ユキっ」

ゆあん「もう、なにしてんの~」

ユキ「(我に返って)はっ!」



礼拝堂にて、司祭さま(聖公会が運営する立教大学では女性司祭が働いています。有珠山高校に司祭がいるとしたら女性でしょうね。善野さんや露子ママみたいな容姿ではないかと思っています)のお説教中

ユキ(いけない…悪魔の誘惑にうっかり乗ってしまうところでした…おそるべしドキドキプリキュア…)

ユキ(でも、みんなでコスプレ大会、か…楽しそうですね…)

ユキ(はっ!いけないいけない!司祭さまのお話に集中しないと…)

ユキ(来週はどんな展開なんでしょうか…そういえばあの子の衣装可愛かったな…)

ユキ(ダメ!ダメダメダメ!私は誘惑なんかに屈しない!)ぶんぶん



聖餐式後

シスター「真屋さん。いったい今日はどうしたんですか?」

ユキ「え?」

シスター「あなたが遅刻だなんて。それにまったく心が神様の方を向いていない様子でしたよ」

ユキ「…すみません」

シスター「私は心配です。麻雀部を辞めたほうがいいのではありませんか?いくら人気のある部活動だとはいえ、元々はギャンブル…多くのひとを堕落させ、滅びの道へと導いてきたものでしょう」

ユキ「…」

シスター「部員も決して、神様に喜ばれるような態度の子ばかりではありませんし(チョコレとゆあんのこと)。彼女たちがあなたを見習って、正しい人になるのではないかと思っていましたが…あなたのほうが染まってしまうとは」

ユキ「…」

シスター「悔い改め、正しい道に立ち戻るべきです」



誰もいない礼拝堂にて

ユキ(神様…私、どうしたらいいんでしょうか)

 こんな苦悩の一幕があったかもしれない。

 クリスチャンの子供は日曜朝のTV番組と信仰、親の言いつけの間で揺れ、苦悩することが多いです。