こんにちは。珍しく連続更新です。というか、前回の記事が長くなりすぎてしまったので、分割したというほうが正しいかも…。
 本当は前回の記事で『咲―Saki―』本編および『咲日和』の最新話について言及するつもりでした。しかし思いのほか和&ユキちゃんについてのあれこれが長くなってしまったので、『咲日和』についての話をつづけることを断念。『咲日和』については今回の記事でコメントさせていただこうと思います。

 なお、記事中の画像は考察のために用いたものであり、画像の著作権は権利者様に帰属します。何か問題がありましたらご連絡いただければと思います。また『咲日和』のネタバレがありますので、未読の方、単行本派の方はご注意ください。


 結論からいうと、今回は非常に満足でした。 みんなめっちゃかわいい。クリスマスにミッション系である有珠山高校のメンバーのプライベートを垣間見ることができるとか、最高じゃないですか。
  しかしながら、読んでいて色々気になったこと、思いついたこともあるので、以下それについてつらつら書いていこうと思います。

◆「おバカさん」な爽について◆

 さて、今回は有珠山高校の麻雀部部室に新しい備品(ホワイトボード)が届くという、日常の中のちょっとした非日常の一場面が取り上げられています。しかし気になってしまうのは、爽の「おバカさん」な面がやたら強調され、柱の人物紹介にも「かなーりおバカさんな大将」と記されていたこと。本編では、いい加減でバカっぽい爽の第一印象を裏切るような、「有珠山高校麻雀部の牽引者」「優秀な分析者・指導者」としての彼女が掘り下げられているところですから、この柱の文言には違和感を感じます。
 これを好意的に捉えるならば、そうですね……爽が有珠山最強であり恐らくはキリスト教的な何らかの能力を使うんだろうなーというのはうすうす予想がつくところです。そしてカトリック作家の遠藤周作にも『おバカさん』という作品があり、そこでは教養のある人間から見れば「おバカさん」である人物の、限りなく神に近い魂が描かれています。
 すると今回の『日和』で強調されている爽の子どもっぽい「おバカさん」な一面や柱の文言にも、彼女の造型の根幹にかかわる意味があるのかもしれません……もしかすると柱の文言は遠藤周作の作品タイトルを踏まえたものなのかもしれません……うん……そういうことにしておこう……

◆成香ちゃん、ホワイトボード(新品)に負ける。◆

 柱において「ちょっと控えめな先鋒」と 評されている成香ちゃん。私の大好きな成香ちゃんですが、今回の四コマ中には恐ろしいほど出てこないような気がしませんか!はじめは気のせいかと思ったのですがマジでした。数字は嘘をつきません。適当に数えてみた結果、今回掲載された『咲日和』61コマ中の各人物の登場コマ数は以下のようでありました。
 ※ここでは頭の端がちょっと見えている、梱包材に包まって団子になっている、ホワイトボードに似顔絵が描かれている、なども「登場コマ」に数えています。その点ご了承ください。あと、わりと疲れているときに数えたものなので、データに間違いがあったらすみません。

・爽…36コマ 
・揺杏…30コマ
・チカちゃん…21コマ
・ユキちゃん…18コマ
・成香ちゃん…10コマ
・旧ホワイトボード…7コマ
・新ホワイトボード…12コマ
・はやりん…1コマ
・業者…1コマ 


 というわけで、展開の中心である爽、そしてそこに積極的に絡む揺杏。この二人の登場回数が圧倒的に多いです。 しかし成香ちゃんのこの登場コマの少なさはいったい何でしょうか。10コマって。新品のホワイトボードのほうが2コマほど登場コマ数が多いってこれ何の罰なんですか。やっぱりあの髪型は描きにくいんでしょうか。でも、爽の頭の右側のカールした部分もけっこう描きにくい気がするよ…?

 というわけで、有珠山の巻②が、成香ちゃん中心のエピソードになることを心より願うものであります。


このあたりとか、揺杏の元ネタを踏まえた場面なのかもしれない◆

 具体的にいうとこのあたり。
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 以上は、揺杏が部室の前に立っている爽に追随し、彼女と一緒に他の部員の「とおせんぼ」を試みる、という場面です。爽の考案した子どもっぽいいたずらを一緒になって楽しむその姿は、幼いころからのふたりの関係が今でも続いていることと、これから先、お互いがアラサーになってもおばあさんになってもこんな関係でい続ける可能性を示唆するものであります。しかし、この場面、もうちょっと深読みできないものでしょうか?

 揺杏の名字である「岩館」が、キリストの弟子である使徒ペトロに由来している可能性については以前にこのブログでも言及したところです。
 「マタイの福音書」16章において、キリストはペトロに「あなたはペトロ(岩の意)である。わたしはこの岩の上にわたしの教会を建てよう。よみの国の門も、これには勝つことはできない」と告げています。揺杏の「岩館」という名字が、ここに出てくる岩の上に建てられた教会を連想させることから、この名字はペトロに因んで付けられたものなのではないか、と考えられているわけです。

 そして、先ほど掲げたキリストのことばは「わたしはあなたに天の国のかぎを授けよう」と続くのですが…。実は、このようなことから使徒ペトロは、天国の門を開閉する権限を持つ、「天国の門番」と考えられてきました。そして西洋では、天国の門番としての使徒ペトロのイメージが人口に膾炙し、それを題材としたジョークなども作られています。
 すると、部室のドアの前で「通せんぼ」する揺杏、という発想は、もしかすると揺杏の名字から連想される使徒ペトロに由来するものなのかもしれません。そして、木吉先生が『咲―Saki―』の四コマを書くにあたって、どのような存在を各キャラクターの元ネタとして用いているのか、ということに言及した資料をいただいている可能性もあるのかなあ……などと思ってしまいました。

 以上です。
 近いうちに有珠山日和②が掲載される、そんな未来を信じて!