※記事中の本編及びアニメのキャプション画像は考察のために用いたものであり、その著作権は権利者様に帰属します。何か問題がありましたらご連絡いただければと思います。


 こんにちは。台風などがきていますが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。あおいです。
 本記事では本日発売のYGに掲載された『咲―Saki―』最新話の感想・考察などをしたためてみたいと思います。ネタバレだらけだから注意してね。なおPCの調子がすこぶる悪いので普段に増して乱筆乱文半端ないことになってる気がしますが適当にスルーしていただけると助かります。


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 えっと、とりあえず、吉野の吉井春風堂さんのあんこ入りくずもちの画像でも見て気持ちを落ち着けてくださいね。心の準備はいいですか?それでは以下から、ネタバレありです!


◆知らない子ですね◆
 まずお前が落ち着けって感じなんですけど。見開きカラーページ。

 
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 爽と揺杏と…え、えーっと、誰 だ お 前 。

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 かわいい。非常にかわいいし、いい膝してるし、超好みだが、誰だお前。

 あまりのことにたいへんおどろいた私は救いを求めてふたばの咲スレなどを閲覧。そこで「爽が赤い雲の能力を行使した際に名前が出た、琴似栄の吉田じゃね?」という指摘を発見。琴似栄町通は札幌市西区から東区に至る道路の名称。そして札幌市西区にある札幌山の手高等学校の制服がこの黒髪ボブ娘の着ているものに酷似している。この二点が根拠だそうです。札幌山の手高等学校の制服はこちら。確かに似ている、というか、そのものですね…。

 あ、あと爽たちの背景に描かれているお城みたいな建物は札幌市中央区にある北海道庁旧本庁舎っぽい。地区大会のあと、札幌をよく知っている吉田さんの案内で観光にでもきたのでしょうか。小納谷先輩が卒業したと思ったら今度は吉田さん(暫定)…有珠山メイツ(特にちかちゃん)のメンタルが心配です。

 
っていうかなんでカラーページにさらっと新キャラが混入してるの?!どういうことなの!と思ったのですがもしかしたら過去にモブとしてどこかに出てきた可能性もあるのかも…探す体力がないのでどなたかお願いします。


◆圧倒的エース!獅子原爽!◆
 さて。
 今局の前半では「意図したかのような嶺上開花」を披露したネリーに対する咲さんの当惑、合宿の記憶により精神状態を立て直してゆくまでが描かれ、やっと咲さんが主人公っぽくなってきた感じ。そして、後半では爽の大活躍が描かれます。その能力の実態も、もう少し明らかに。

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 赤い雲の次に彼女が行使したのは「白いの(白い雲)」。
 南北海道に伝わるアイヌの創世神話では、「白い雲」は「草木、鳥、獣、魚、虫」を生み出すものでした。それを踏まえてか、「白い雲」のちからで爽のもとには竹串をモチーフにしたという索子が集まってきます。そしてツモ和了りのあと、つづけて勝負を仕掛けるために出してきたカムイは――

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 以前から爽の能力との関係が取り沙汰されていた噴火湾に住まう大ダコ・アッコロカムイと、洞爺湖の主である蛇神・ホヤウカムイ
 ごめんなさい、アッコロカムイ公式に出てきましたね…以前にあれこれ申し上げたのは…忘れていただけると助かります、本当にすみません。考察を書きなぐるブログをつづける場合、なくてはならないのは「予想が外れても落ち込まない強靭なメンタル」だと思います。咲ブログの作成を志している方、ご参考までに。

◆『えぞおばけ列伝』に記された虻田の巫女との関係◆
 そういえばこのアッコロカムイ、かつては大蜘蛛だったのだとか。ウィキによれば「かつてレブンゲ(虻田郡豊浦町字礼文華)の地に巨大なクモの怪物「ヤウシケプ」が現れ、家々を破壊し、土地を荒らし回った。恐れおののく人々の声は神々の耳に届き、海の神レプンカムイが、地上の人々を救うためにヤウシケプを海に引き取ることになった。そうして噴火湾内に引き入れられたヤウシケプは、姿をタコに変えられ、アッコロカムイとして威を振るうようになったのだという。」…のだそうで。
 そして、知里真志保がアイヌの伝説を集成した『えぞおばけ列伝』には、有珠山のちかく、虻田郡豊浦町に蜘蛛とホヤウカムイを憑神に持つ有名な巫女がいた、と記されています。この記事については何度か言及しましたが、あらためて全文を引いておきますね。

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 アプタ(胆振国虻田郡虻田町)の酋長の妻が突然病んで,どんなに加持祈祷かじきとうしてもげんがなく,病気は重くなるばかりだった.その頃ベンベ(今の虻田郡豊浦とようら町)に蜘蛛くもと竜蛇を憑神にもつ有名な巫女みこがいたので,呼んで巫術を行わせると,やがて神懸りの状態に入って,次のように謡いだした.最初に懸って来たのは蜘蛛の神である.
ハユッサ タアタア
ハユッサ ランケエ
俺は蜘蛛の神だ
縁あって人間の女の魂の上に
憑神となって
人間の身の上に
何か難しい事件が起るたびに
その原因を明かし明かし
してやっているのだが
こんどの事件は
かなり面倒だと思う
この女の魂の上には
俺よりももっと偉い
恐しい神がいているのだから
その神に一任しよう
ハユッサ タアタア
ハユッサ ランケエ
 ――ここまで謡ってくると,急に調子が変って,大きな重々しい声となり,こんどは竜蛇の神が懸って来た.
サアエエ サアオオ
俺の支配する沼
沼のまん中に
俺はぽっかりと浮び上った
寒いぞよ 寒いぞよ
沼のかみへ 沼のしもへ
あまたの波紋を従えて
俺は泳いでいる
寒いぞよ 寒いぞよ
火を焚けよ 火を焚けよ
サアエエ サアオオ
 ――こういって託宣が始った.ここで沼と言っているのは洞爺とうや湖のことで,寒いぞよ寒いぞよと繰返しているのは,そこのぬしが竜蛇だからである.
 竜蛇というのは,アイヌの神話伝説によく出てくる怪魔で,俗名をホヤウ(樺太方言でホヤウは蛇の義),神名をラプシヌプルクル(はねの生えている魔力ある神)と称せられ,大蛇に翼の生えた姿に考えられている.蛇の通有性として暑い時はひどく元気で活躍するから,暑中や火の傍ではうっかり名を言うさえ恐しいこととされている.それでサクソモアイェプ(sak-somo-aye-p 夏には言われぬ者)とも綽名あだなされている.そのかわり寒さには弱くて体の自由がきかない.それで火を焚け火を焚けとしきりに催促しているのだ.この事件のあったのは恐らく寒い季節だったのだろう.
 その時の託宣はこうだった.アイヌでは,畑に種子をくのに,シギの卵を潰してそれに浸して播くとみのりがいいという俗信があるので酋長の妻はわざわざシギの卵を捜してきて,それにアワの種子を浸して播いた.それが図らずも悪いウサギの睾丸だったので,ウサギは自分のせがれを取戻そうとして酋長の妻の心臓の紐を噛り噛りしている.それが病気の原因だ.助かりたかったら,長持の底に秘蔵している小袖の衣裳や首から下げる胸飾りや耳輪などを賠償に出すがいい,というのであった.アイヌ語では卵も睾丸もともにノク(nok)という一語で表わすところから,こういう託宣も生れたのだろう.このとき,酋長の妻は託宣に叛いて,それらの品々の提出をこばんだので,まもなく死んで行ったということである.
 
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 かつては蜘蛛だったアッコロカムイと、ホヤウカムイを同時に「爽に憑いているカムイ」として同時に登場させたのは、『えぞおばけ列伝』のこの箇所を意識してのことかもしれないですね。あと、ネリーの帽子が微妙に兎耳っぽく描かれていることも気になります。

 
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  雲の合間から光が差す、っていう描写につづいてアッコロ&ホヤウの顕現が描かれているということは…アニメEDのこの場面の赤い水みたいなエフェクトって雲じゃなくてアッコロカムイの住まう噴火湾の水だったりするのかしら。でも爽の後ろにいる存在はアッコロカムイよりもむしろホヤウカムイに近い気がします。


 あっ、アッコロカムイは「体全体が赤く、アッコロカムイの付近は海はもちろん、空までが体色を反射して赤く染まっていた」のだとか。そして上に引いた『えぞおばけ列伝』の記述から知られるように、ホヤウカムイはたいへんな寒がりです。するとこのカムイの能力ってもしかして…阿知賀の次鋒的な…?次回以降、阿知賀女子と二度戦った千里山の皆様がなにかしらコメントしてくれるといいなー。

◆おまけ①サブタイトルの意味◆
 しかしサブタイトルの「背戻」って「そむくこと・さからうこと」って意味なんですよねー…誰のことを言ってんだろ。

①雲とカムイを駆使する圧倒的エース・爽に抗う末原ちゃんと咲さん
②運命奏者・ネリーの生み出す「流れ」に逆らう三人
③吉田さんかわいさのあまり、担当の意向に背いて本編に登場していないキャラを見開きカラーに登場させてしまった立せんせー

 次回以降、このサブタイトルの意味が明らかになることを期待して。
 個人的には②かなー…と。ネリー、爽の和了りやカムイにたいして反応してないもの。想定の範囲内ってことですよね。敗北の運命に「背戻」したつもりでも、すべて運命奏者の手の内、って流れだといいですね。熱いですね。すっごく個人的な趣味で申し訳ないですが、ネリーさんには他の臨海メンバーさえドン引くようなえげつなさを発揮してほしいですね。そして暴走、オーバーヒートした果てにガイトさんに抱きしめられてようやく人の心を取り戻すんでしょ?俺は賢いから分かる!

◆おまけ②ユキちゃんの愛読している聖書の本文◆
 聖書の翻訳はいくつかあるけど、ユキちゃんや爽が折に触れて引用している本文はこれっぽい。1880年に完成した明治元訳聖書。ローマ字をつくったヘボンなども翻訳に関わったことで有名。
 この明治元訳聖書で『咲―Saki―』中に引用された聖句を見てみると、たとえば以下のようなかんじです。

・「わが祭物(そなへもの)をたづさへて 之(これ)を 汝(なんぢ)のまへに 供(そな)ふるまでここを 去(さ)りたまふなかれ」…旧約聖書・士師記
・「天(あめ)が 下(した)の 萬(すべて)の 事(こと)には 期(き)あり  萬(すべて)の 事務(わざ)には 時(とき)あり 」…同・伝道之書

 本文が完全に一致するわけではありませんが、「祭物」「萬」「事務」など、特徴的な当て字が共通していることがわかりますね。というわけで有珠山関係のSSなどで聖句を用いる際にはこちらの明治元訳聖書を使っていただくと、「有珠山らしさ」がいっそう際立つのではないかと思っております。