※コメントとして書き込もうとしたのですが、長文過ぎるとハネられてしまいました。全文引用ならば転載可です。

東宝東和で字幕の制作を担当している松崎です。
松崎個人の意見として申し上げます。

落合さんと字幕翻訳家協会、あるいはどこかのメジャー系配給会社(メジャー/マイナーのメジャーではなく米国メジャー支社/法人系のメジャーです)とのあいだにどのようなトラブルがあったのかは存じませんが、あたかもそれが業界全体に当てはまるような書き方は止めていただきたい。翻訳家のあげた原稿をきちんとチェックして字幕を作っているメジャーな(=名の知られた)配給会社はいくらでもあります。事実を書かれる分には止めだていたしませんが、書くなら正確にお願いします。

少なくとも私の知っている範囲では(私自身を含めて)翻訳者を「映画翻訳家協会に加盟しているから」という理由で選んでいる会社はありません。逆に(映画翻訳家協会と配給会社のあいだには翻訳料金に関する協定がありますので)製作費を安く上げたいから協会に加盟していない翻訳者に頼む、というケースはあるようです。

東宝東和の場合でいえば、映画翻訳家協会への加盟/非加盟に関係なく仕事を発注しています。非難の矛先を向けられている「業界の第一人者」というのは戸田奈津子さんのことでしょうが、もちろん戸田さんとも仕事をしています(最近では「コールドマウンテン」「卒業の朝」がそうです) 戸田さんに頼むのは単純に字幕が上手いからです。たしかにこの方は軍事用語とかスポーツには疎いので、それなりのフォローが必要ですが「字幕でドラマを作っていく」上手さは群を抜いている、と私は思います。たしかに映画館で観ていて「この映画は戸田さんに向いてないのに」と思う場合もありますが、それは頼むほうがいけない。

私は東宝東和の字幕制作を担当するようになって10年ですが、今まで落合さんに仕事をお願いしたことがないのは、落合さんの字幕を上手いと思ったことがないからです。

誤訳は直せるが、日本語の下手なのは直しようがない。

私の場合は、新規の翻訳者を開拓するのは映画館で映画を観て「あ、この字幕、上手いな」と思ったら翻訳者の名前をメモするという方法をとっています。たとえば今なら「悪い男」「春夏秋冬そして春」の大塚毅彦さんや「カルメン」「ブラディ・マリー」の加藤リツ子さん、「パピヨンの贈りもの」「ぼくセザール10歳半1m39cm」の丸山垂穂さん、「パダヤッパ」「点子ちゃんとアントン」の蒼井尚子さん、そしてインド映画の松岡環さんなどは(現時点ではどなたとも面識もないし電話番号も存じ上げないけれど)機会があったら、ぜひ仕事をお願いしたいと思っています。

だけれど、落合さんの仕事は「恋は負けない」だけじゃなく「ノボケイン」も「ラッチョ・ドローム」も「魔王」も「戦争のはらわた」も(それ以前の作品も)ほとんど映画館で拝見していますが、残念ながら一度も「上手い」と思ったことがない。15年もやってて一向に「メジャーな」仕事が来ないのは、ご自分の技量に問題があるというふうには考えたことはありませんか?

余計なお世話ついでに書き添えれば、スティーブ・マーティン主演で新宿ジョイシネマ3でロードショー公開した映画を「マイナー」と言われてしまっては、落合さんに「ノボケイン」の翻訳をお願いした旧・日本ビクターの人たちの立つ瀬がないと思いますよ。

※コメントとして書き込もうとしたのですが、長文過ぎるとハネられてしまいました。全文引用ならば転載可です。