December 19, 2004

移転

ブログを引っ越しました。

というか、自サイトのトップページをブログにしちゃいました。こちらもしばらくは残しておきますが、今後の新しい投稿はすべて引っ越し先に、ということになります。

 「Why?とJazz」 http://www.heavysmoke.com/

当ブログに直接リンクをはっていただいていた方については、クリスマスやらお正月やらが迫り来る多忙な時節ではありますが、リンク先の変更をお願いいたします。

じゃ、あとはあっちで。  
Posted by nill at 02:13Comments(0)TrackBack(0)*Memo

December 12, 2004

ラブ・アクチュアリー/リチャード・カーチス

「いじめっ子の友達はいらない」

幸か不幸か、誰にでもクリスマスはやってくる。クリスマスの日を誰と過ごすか、それは個人の事情次第。クリスマスなんて、どうでもいい人だっているだろう。でも、慌ただしい年の瀬を彩るのに欠かせないイベントだと思うのだ。だって、楽しくないより楽しいほうがいいじゃないか。もし、クリスマスらしい雰囲気をDVDの映画で味わいたいのなら、今年はコレをお薦めします。

loveactually『ラブ・アクチュアリー』。日本では今年2月に公開されたこの映画。実はバリバリのクリスマス映画。

ロンドンを舞台に老若男女総勢19名、様々なラブ・ストーリーが繰り広げられる群像劇。シリアスな話は一切無し。ラブ・コメディ全開。笑いあり、少し泣きあり。音楽も馴染みのポップスが流れ、かなりベタな作り。でも、この作品全体に漂う英国らしい雰囲気が能天気なラブコメに終わらせない。いくつかのラブ・ストーリーのうち、どれかひとつくらいは共感できる話があるはず。お家の中で軽い気持ちで明るく楽しく観てほしい。(ただし、R-15指定)

ヒュー・グラント演じる英国の首相が、高圧的な態度をとる米国大統領に対して共同記者会見で毅然とした態度で国民に公言するシーン。現実世界ではありえないセリフなのだが、とても清々しく胸に響いてくる。こんな政治家が本当にいたらいいのに。
(2003年/イギリス)

★★★★  
Posted by alex405 at 15:16Comments(0)TrackBack(1)映画(DVD)

November 29, 2004

#0017 Runner/爆風スランプ

作詞 サンプラザ中野、作曲 Newファンキー末吉、88年のヒット曲。オリジナルよりもカラオケで聴いた回数の方が圧倒的に多い曲。もう完全に消費され尽くしている感じで、懐かしいと感じるにはまだ新しすぎる。

爆風スランプの演奏陣のスッキリ整然とした音とサンプラザ中野の粗い歌の組み合わせは、スタイルとしては悪くないと思う。真面目とおふざけの使い分けも巧みだ。「Runner」のほろ苦く恥ずかしいほど前向きな歌詞が許されるのも、それまでコミック・バンドとしての基礎を地道に築いてきたからこそ。普段ふざけているヤツがたまに真面目になると、普段から真面目なヤツよりもはるかに評価されやすい、の法則。

今回はせっかくなのでヘッドフォンでじっくり聴いてみた。サンプラザ中野の歌はじっくり聴くのには適していないことが確認できた。イキオイが大事だ。

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November 28, 2004

#0016 Flight of The Bumble Bee/David Helfgott

Shine天才は、忘れた頃に輝いた、とさ。オーストラリア人のクラシック・ピアニスト デイヴッド・ヘルフゴットの半生を描いた映画『シャイン』(スコット・ヒックス/1995年)のサントラからの一曲、「くまんばちは飛ぶ」

このサントラに収録されている曲は、全部で34曲。ピアノはヘルフゴット本人が弾いているが、クラシックの演奏でこれだけの曲数が収録されているということは、つまり“完全な演奏ではない”ということ。単純にヘルフゴットの演奏を楽しみたい、という人には不向きかもしれない。あくまでもオリジナル・モーション・ピクチャーのサウンドトラック、という作りになっている。

「くまんばち」にまつわるトピックふたつ。

この映画で成人後のヘルフゴットを演じたジェフリー・ラッシュは、第69回アカデミー賞の主演男優賞を獲得したが、その授賞式ではヘルフゴット本人が客演するというエピソードがあった。この時に演奏したのが「くまんばちは飛ぶ」。

また、この映画のおかげで一躍脚光を浴びたヘルフゴットは、「シャイン・ツアー」なる演奏興行を打った。そのツアーでアンコールの最後の最後に演奏したのも「くまんばちは飛ぶ」、だったとか。

『シャイン』といえばラフマニノフ「ピアノ協奏曲 第3番」がテーマ曲代わりに使われているけど、「くまんばち」はそれに勝るとも劣らないVIP待遇の“隠れテーマ曲”。でもそれは楽曲の良し悪しとか、演奏の素晴らしさとか、そういう問題ではなく、映画での使われ方がとても印象的だった、ということ。うん、確かに心に残るシーンだった。

全34曲中26曲目という集中力も途絶えそうな頃に収録されている1分強の小曲。鍵盤の上をせっかちに練り歩く指の動きを想像しているうちに終わってしまう。でも映画を観れば、この曲を好きにならずにはいられない。あらららら、キレ〜イに作り手側の術中にハマっちゃってるな。でもそれでイイのさ、サントラなんだから。

最後にデータをちょこっと。「くまんばちは飛ぶ」は、リムスキー=コルサコフの歌劇『サルタン皇帝の物語』中の曲をラフマニノフがピアノ用に編曲したもの、だそうな。そう言われてもクラシック界隈の知識にはめっぽう疎いぼくにはピンとこないけど。

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November 14, 2004

Music for Chirstmas!

JMB連携TB企画 第27弾/Music for Chirstmas!
に参加してみます。初参加です。お題はクリスマス・ソング… 苦手だ。(笑

苦手だけど、苦手だからこそ、選ぶのは簡単。選択肢があまりないから。

クリスマス・アルバムといえば、たいていはハッピーだったり、ロマンチックだったり、厳かだったりするわけで、そういうクリスマスを過ごした記憶のないぼくにはどうにもこうにもピンとこない。10曲も20曲も聴かされるのはイジメみたいなものです。

ぼくにとってのクリスマス・ソングといえば、十年来この1曲。

If I Should Fall From Grace With Godザ・ポーグス『If I Should Fall From Grace With God』(1988)に収録されている「Fairytale of New York」

酩酊パンク詩人 シェイン・マゴウワンと、今は亡きカースティ・マッコールのデュエットによるバラードです。うじ虫だ、売女だ、と罵り合いながら盛り上げていく中盤以降の展開がここまでキマるのもマゴウワンならでは。聴くたびに涙が蓄積されていく名曲。いずれ溢れ出すでしょう。

アルバム自体も傑作なので、未聴の人は是非。  

November 04, 2004

隠し剣 鬼の爪 /山田洋次

隠し剣 鬼の爪『たそがれ清兵衛』から2年。ヒューマン・ドラマの巨匠・山田洋次が再び藤沢周平原作の時代劇で帰ってきた。

『隠し剣 鬼の爪』、主人公・片桐宗蔵を演じるのは永瀬正敏。エキセントリックな映画の常連のような役者だが、もとは山田洋次監督に才能を見出された俳優である。毎年コンスタントに映画出演はしているが、最近の活動は冴えていたとは言い難い。私には、壁にぶち当たって歯がゆい思いをしているように映って見えた。そんな彼にとっての『隠し剣 鬼の爪』は役者としての鍛え直しの機会を与えてもらった作品であったのかも知れない。愚直で不器用な青年を演じていたあの頃の輝きを取り戻そうとするかのように、生真面目に己の信念を貫こうとする片桐宗蔵を一生懸命演じてくれた。やっぱり、山田組の永瀬正敏が一番輝いている。

『たそがれ清兵衛』を超える作品とは言い難い。しかし、一定の水準は超えており、観る者を幸せな気分にさせる娯楽作に仕上がっている。美味しい栗きんとんを食べた時のような甘い余韻が脳みそ一杯に広がっていく。。。日本人で本当に良かったと思える時代劇。(2004年/日本)

★★★★  
Posted by alex405 at 00:08Comments(2)TrackBack(0)映画

November 03, 2004

#0015 面影・哀しみの女たち

特捜最前線親が観ているのを一緒に観ているうちに、いつの間にかのめり込んでいる自分に気がつく。派手なドンパチもカー・チェイスもお呼びでなく、ショットガンも香港カラテも見当たらないが、よく見ると仮面ライダーとアカレンジャーがいるじゃないか。しかし、彼らが変身することは、ない。

そんなドラマ、『特捜最前線』の挿入曲。実は誰が作って誰が演奏しているのかといったデータをまったく持っていないのだけど、聴けば脳裏に浮かんで消える、黄昏色の刑事部屋。すべてを悟ってしまった大滝秀治がそこにいるよ。映像や思い出とリンクしてしまっている曲は強いね。

 次の曲> Flight of The Bumble Bee/David Helfgott  

October 29, 2004

父、帰る /アンドレイ・ズビャギンツェフ

ディープ・インパクト。

父、帰る久々の衝撃 ―アンドレイ・ズビャギンツェフ監督の『父、帰る』。開いた口が塞がらないとは、まさにこういう映画のことをいう。第一回監督作品とは思えないほどの高い完成度。ロシアの自然を叙情的に映し出す映像表現。3人の俳優たちの演技力(特に主人公の当時13歳の少年のうまさを通り越した感情表現が圧巻)だけをとっても国際映画祭で数々の賞を獲得するだけの力がある。しかし、何が凄いかって、観る人の心を揺さ振る力。これは最近の映画では見られなかったくらいにずば抜けている。アンドレイ・タルコフスキーを知らなくたって、聖書やキリスト関連の宗教画を知らなくたって、何も知らなくても直感でその凄さがわかるはず。

はっきりいって、プロットが面白い訳でもないし、楽しい思い出も残らない。一切の説明もなく強引に事が進んでいき、そして突き放されてただ呆然となるのみ。こんな理不尽な映画がかつてあっただろうか。この映画が何か物事の本質を教えてくれるのだろうか。その答えは観る人が自分自身で見つけるしかない。(2003年/ロシア)

★★★★☆

...『VOZVRASHCHENIE』 Andrey Zvyagintsev
  
Posted by alex405 at 04:16Comments(0)TrackBack(1)映画

#0014 われらの旅立ち/水木一郎

『宇宙海賊キャプテンハーロック』(78年3月〜79年2月)のエンディング・テーマ。作詞 保富康午,作曲 平尾昌晃

この時代のアニメのエンディング・テーマは地味なものが多い。レコードでいえば紛れもないB面。キャッチーさは控えめに、主題歌を食うことなかれ。それはそれで渋くキマることもあるけれど……これはあんまりいい曲じゃないね。たっぷり3コーラスもあり、聴き終える頃には集中力も干からびる。

ちょっと詞を抜粋してみると、、、

 君が生きるためなら この船に乗れ
 いつかなくした夢が ここにだけ生きてる

 君が生きるためなら この船に乗れ
 力いっぱい生きて 満ち足りて死のうよ


嗚呼、ハーロック、お前はなんて優しいヤツなんだ。

でも、見方によっては新興宗教の勧誘みたいだぞ。

集え、若人よ、ドクロの旗の下に !!

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October 28, 2004

#0013 Sleepwalker (demo)/The Wallflowers

(Breach)音楽で生計を立てようという者にとって“ボブ・ディランの息子”という肩書きはいかがなものか。話題性抜群のその重い重い血統書は、上手くいけば「サラブレッド」と褒めそやされ、悪く転べば「親の七光り」と叩かれる。どっちにしても“親”絡み。あんまりありがたくはなさそうですね。

で、ザ・ウォールフラワーズを率いるジェイコブ・ディラン(vo, g)がどんな音楽をやるかというと、ボブ・ディランを若々しくしたような感じだ(笑)。身も蓋もない言い方だけど、やはり声に面影があったりするので、どうしてもまずはそういう印象が脳裏をよぎってしまう。なんたって親父がデカすぎる。こればっかりは仕方ない。

でも決して悪い意味で言っているわけではない。この「Sleepwalker」という曲でも今時では珍しいくらいのまっとうなアメリカン・ロックンロールを聴かせてくれるが、腰の据わった骨太なサウンドは、センセイションを巻き起こすようなことはないにしても、長く付き合ってみてもいいかな、と思わせるだけのパワーを内包している。録音状態良好で音の抜けも良く、ドライヴにもきれいにハマります。

ところで今聴いている「Sleepwalker (demo)」というのは、大コケした1作目、大ヒットした2作目に続いてリリースされたサード・アルバム『(Breach)』(2000)の3曲目に収録されている「Sleepwalker」のデモ・トラックで、アルバムのラストにボーナス・トラックとして収録されている(例によって日本盤のみ)。あらためて聴き比べてみたけど、一部を除いてこの2曲に違いはほとんど無い。はっきり言ってマニア以外には不要なボーナスだ。こいつのおかげでアルバムとしての締まりもなくなってしまった。だから嫌いなんだよ、ボーナス・トラックって。

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